てんが京都の実家を訪問 / わろてんか 第36話

2017年11月11日(土)第6週「ふたりの夢の寄席」

あらすじ

500円を調達できなければ寄席小屋は譲らない。亀井からそう告げられた藤吉は寄席を買い取ることを断念。しかしてんは諦めませんでした。てんはある覚悟を固めて、二度と敷居を跨がないと決めていた京都の実家に足を運びました。

しずから帰るように諭されたてんは言いました。今日は娘ではなく一人の商人とやってきたのだと。儀兵衛はてんを客人として家の中に迎え入れたものの、500円を貸してほしいというてんの頼みを一蹴。てんを迎えに来た藤吉も、てんの行動に異を唱えました。

しかしその500円が寄席を開業するための資金であると知ったハツはてんを応援しました。ついに儀兵衛はてんに500円を貸し出すことを決断。その日の夜、夜空を舞う雪の花を眺めながらてんと儀兵衛は久しぶりに親子の会話を交わします。

大阪に戻ったてんと藤吉は念願の寄席小屋を亀井から譲り受けることができました。同じころ、リリコは一流芸人を目指す道を歩むため東京へと旅立ちました。リリコの覚悟を知ったてんと藤吉は、寄席の成功への決意を新たにするのでした。

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予習レビュー

前回のてんちゃんの必死の説得により、亀井さんは思い出の詰まった寄席小屋をてんちゃんと藤吉くんに譲ることを決意しました。

啄子さんも二人の寄席経営を認め、ついにヒロインのライフワークが始まる!というその時に思いがけない割り込みが入ります。

興行師の寺ギンです。兵動大樹さんが演じます。

寺ギンは小屋を即金で買い取ると亀井さんに提案。多額の借金を抱えている亀井さんに、その寺ギンの申し出を断る理由はありません。

寺ギンよりも先に現金を用意できなければ、寄席小屋は寺ギンの手に渡る。

厳しい条件を突きつけられた藤吉くんは、この寄席小屋を断念。

この小屋を手に入れられなければ寄席経営そのものも断念する必要に迫られます。何故なら、小屋を一ヶ月以内に見つけられなければ寄席経営は認めないと啄子さんから言われていたからです。

しかし、諦めきれないてんちゃんは意を決して京都の実家へ。お金を借りるためです。

ところで、てんちゃんが実家に戻って小屋を買い取るお金を借りるエピソードは史実に着想を得ています。

「リアルてんちゃん」も寄席小屋を買い取る資金が婚家にはないことを知り、実家に戻って頭を下げ資金を調達しています。

もっとも「リアルてんちゃん」は親から勘当され駆け落ちした身ではありませんでした。だからドラマの中のてんちゃんよりは実家の敷居は低かったかもしれません。

感想

てんちゃんと儀兵衛お父はんの関係修復

今週は、毎回のように「今回のお話が『わろてんか』はじまって以来、一番好きだな」と思いながら観ていましたが、週の締めとなる今回が一番好きでした。心に沁みました。

とりわけ儀兵衛・しず夫妻の名演には心を奪われました。本当に素晴らしかった。

てんちゃんがやってきたと告げられた時の、儀兵衛お父はんの表情は絶妙でした。勘当した以上は会うわけには行かない。しかし最愛の娘が元気にしているのかこの眼で確かめたい。

そんな複雑な気持ちが見事に表情に表れていました。

しかし、儀兵衛お父はんは娘には会わないと決め、しずさんに門前払いを命じたようです。夫の意を汲んだしずさんの態度も立派でした。

娘への未練を一切見せず、てんちゃんに帰れときっぱり言い放つその潔さ。あの啄子さんと対峙して静かな勝利をおさめた人だけのことはあります。

そして、娘としてでなく一人の商人として訪問したというてんちゃんの言葉を受け入れ、あくまでも客人としててんちゃんをもてなす儀兵衛・しず夫妻。

娘でなく商人としてもてなしながらも、どうしても娘への感情が出てしまう。それを押し殺しながらのてんちゃんの応対。

その複雑な気持ちが痛いほど伝わってきました。

そんな息がつまるような空気を打ち破ったのはハツさんでした。

ハツさんの助け舟によって、てんちゃんは寄席の開業資金を得ることができましたが、ハツさんの行動が一番の助け舟になったのはきっと儀兵衛お父はんに違いありません。

ハツさんのまさかの行動によって、儀兵衛お父はんはやっとてんちゃんを娘として迎え入れることができました。父と娘の関係を修復することもできました。

父と娘の関係修復を象徴するような雪の花が舞う場面。僕にとっては忘れられない場面となりました。

週末の朝。美しいドラマを観せてもらえて感謝です。

第6週「ふたりの夢の寄席」感想

今週は月曜日から土曜日まで、見ごたえのある一週間でした。

リリコちゃんと藤吉くんの過去が明らかになるところから始まり、亀井さんと啄子さんの過去が次々に明かされ、登場人物たちも、ドラマの中に見える風景も一変しました。

リリコちゃんが何故あれほどまでに藤吉くんに執着していたのか。ずっと解せないままでいましたが、執着せずにはいられない理由がリリコちゃんの過去にありました。

偏屈だった亀井さんが、何故あれほどまでに偏屈だったのかもよくわかりました。

そして、これまで啄子さんが気づいていなかった藤吉くんの母を大事にする気持ち。啄子さんが過去を思い出す中で、啄子さんはようやく息子の気持ちに気がつきました。

さらに週の冒頭で苦悩する姿が描かれたリリコちゃんは明るい顔をして東京へ。しかも去り際にはてんちゃんと藤吉くんを挑発するところがリリコちゃんらしい。

次々に登場人物たちの人生の断片が小さく回収される中、ついにてんちゃんと儀兵衛お父はんの関係も修復。

雪の花が舞う美しい場面は忘れられません。

しかし「この日、父とみた雪の花を、てんは生涯忘れることはありませんでした」という悲しい予感がいっぱいのナレーション。

そしててんちゃんが満ち足りた笑顔を浮かべているその一方で、心持ち涙目で遠くを見つめるような儀兵衛お父はんの目つき。

てんちゃんと儀兵衛お父はんの関係修復のその先にあるものは?

さて、次週の予告映像では楓ちゃんが一瞬だけ映っていたのを僕は見逃しませんでした。ちょっとネタバレになりますが、次週には楓ちゃんの人生の断片が回収されるみたいです。

また予告映像ののっけから登場した藤吉くんと伊能さまのつかみ合いのケンカ。

お互いの顔をかなり際どい距離まで思いっきり近づける二人の姿には、別の意味でドキリとさせられましたが(笑)、伊能さまが次週あたりからは本格登場でしょうか。

次週の早々のタイミングで寄席も開業。

楽しみになってきました。

というわけで、今週も一週間ありがとうございました。寄席が始まる次週もよろしくお願いいたします。どうぞ良い週末をお過ごしください。

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コメント

  1. いちこ より:

    お父はんとの 最後のひとときになるであろう 雪の花のシーン。儀兵衛さんは、最愛の娘との別れを予感していたでしょう。
    「人と別れるときは、その一時いっときを大切にせなあかんと思う」と言ってた はつさんの言葉を思い出しました。
    父の思いは いかばかりか。最近 父を亡くしたばかりで、涙が出てしまいました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      肉親を亡くしたことがある人には心に沁みる場面でした。僕もそんな理由から沁みた一人です。

  2. GATTO より:

    こんにちは。

    「今週は、毎回のように「今回のお話が『わろてんか』はじまって以来、一番好きだな」と思いながら観ていましたが、週の締めとなる今回が一番好きでした。心に沁みました。」
    朝蔵さんもそうだったのですね。うれしいです!
    私は、単に好きというよりも、身につまされ、思い入れの強い1週間となりました。と申しますのも、妻がカフェを始めたいというので、その物件探しをしたことがあるからです。物件が見つかった時、支払いが済んで購入できた時、本当にあの二人と自分たちがかぶります。今週は、忙しかったからでもあるのですが、思い入れが強過ぎて途中でコメントもできないほどでした。
    昨日のごりょんさんの台詞「こっからがほんまの試練や。あんじょう気張りや」も、自分たちへの言葉として受け取らせていただこうと思います。
    また、亀井さんの台詞「新しい風」を吹かせたいな。

    それにしても儀兵衛お父はん、今回は顔や態度・雰囲気がこれまでで一番優しく見えたのですが、娘に会えたうれしさから?それとも、それだけ心身が弱っているから?指切りをしなかったことなど、悲しいフラグを感じてしまうのですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      自分の経験と重ねることができると楽しさも倍増しますからね。心ゆくまで楽しまれたようで何よりです。

  3. ともたん より:

    こちらも、やっと朝ドラの感覚を思い出してきたような気がします(笑)
    ひよっこの余韻に浸りすぎて今回のわろてんかにどうしても感情移入が出来ずにいましたが今週はだんだんと話に引き込まれていきました。
    儀兵衛さん…まだまだ元気でいてほしいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      今週は登場人物たちの過去と今がつながったことで感情移入せずにはいられない週だったと思います。いよいよこれからですね。

  4. てあ より:

    はじめまして
    いつも楽しく拝読しています。

    今日の儀兵衛さんの行為を甘々と評価される向きもあるようですが、親なればこその気持ちが感じられてわたしは思わず涙しました。

    やっと寄席が開業します。
    にぎやかに、それでいて人情のある話が続いてくれればと期待しています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      はじめまして!儀兵衛お父はんはすでに死を覚悟しているはずなので、心境の変化はあったはず。決して甘くはないと思います。

  5. 1013 より:

    ド素人の娘夫婦の寄席が成功し、千客万来になる頃には自分はもうこの世にはいない。だから軽々しく約束など出来ない。
    厳格で堅物の父はそう思って指切りをしなかったんでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      これまでなら娘との指切りなんぞを相手にしないのに、今回ばかりはうっかり乗ってしまったところにてんちゃんとの再会の嬉しさが感じられもしました。

  6. さや より:

    藤岡屋が全額出してくれるとは予想外でした。史実では実家&高利貸しから資金を調達したらしいので、実家&伊能様から借りるのかと思っておりました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      史実の中のリアルてんちゃんの実家は、藤岡屋ほど裕福ではなかったみたいなので、全額を出してあげられなかったのかもしれませんね。

  7. よるは去った より:

    リリコ「うちはこんな寄席出えへんで・・・・・・。」人力車で行く羽振りはあの「旦那」によるものでしょうけど、リリコちゃんの東京の寄席芸人としての成功はあるのでしょうか?実在のモデルとかいるのかな?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      てんちゃんの寄席が大きくなったとき、成功したリリコちゃんが出演する。そんな展開があるかもしれませんね。