上方落語の大御所・文鳥 / わろてんか 第40話

2017年11月16日(木)第7週「風鳥亭、羽ばたく」

あらすじ

藤吉と伊能がつかみ合いのケンカをしたその日の夜。酔いつぶれた藤吉を家まで送った伊能は、上方落語の大御所・文鳥に出演を頼んでみたらどうかとてんに告げ、去って行きました。伊能の実家、伊能製薬は文鳥の後援をしていたのです。

あくる日、藤吉は伊能から紹介された文鳥のもとを訪ねて出演を依頼するものの、文鳥は藤吉の頼みを一蹴します。席主の仕事は寄席の色をつくること。その色をつくらず、ツテだけを頼って出演を頼むなど筋違いだと文鳥は言うのです。

一方、風鳥亭には相変わらず客は客が集まらず、このままここにいては将来がないと不安を感じたアサリは、神戸の寄席に出演するために去ってゆきました。アサリの抜けた穴を万丈目は埋めようとするものの大失敗に終わります。

寄席から見込んでいた収入が入らず、相変わらず火の車の家計を支えるためにてんは真夜中に内職を再開。てんが居眠りしながら針仕事をする姿を見た啄子は、てんが寄席経営に集中できるよう再び天秤棒を担いで野菜の行商を始めることを決意するのでした。

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予習レビュー

藤吉くんと伊能さまは、酔った勢いの大ゲンカを通して意気投合という関係にまでなるかは定かではありませんが、少なくとも分かり合えるレベルにまではなるようです。

そして伊能さまはセレブならではの人脈を駆使して落語会の重鎮を藤吉くんに紹介。

重鎮・文鳥師匠を演じるのは本当に重鎮の笹野高史さんです。

笹野高史さんのファンというわけではないのですが、どうしたわけか笹野高史さんが出演されている映画を数十本も見ているブログ主には見慣れた顔が嬉しいキャスティングです。

しかし映画の中で繰り返し演じてきたコミカルな役所とは打って変わって、『わろてんか』の中で演じるのは筋を通すことを若者に強く求めるような頑固ものの師匠。

これまで見たことがない笹野高史さんの師匠姿が楽しみなブログ主です。

一方で、啄子さんが一目置いていたアサリが逃げ出してしまいました。啄子さんが認めるほどの経済観念の持ち主だけあって、風鳥亭にいてはまずいと考えたようです。

キースや万丈目さんなど暴走型芸人ばかりの中で、現実的な判断を冷静にくだせるアサリの存在は希少です。戻ってきてほしいものです。(戻って来るとは思いますが)

そして啄子さんがある決断をくだす?

堅く見えて何をしでかすかわからないところがある啄子さんの次なる行動、次回にはそれがわかるのでしょうか。

追記:藤吉くんと伊能さまのお友達関係。『あさが来た』の新ちゃん・友ちゃんの関係を思い出さずにはいられません。

感想

名優の仕事:文鳥師匠

ずっと楽しみにしていた笹野高史さんの落語の師匠姿を拝める日がついに来ました。

やわらかな語り口。穏やかな表情。まるで春風に吹かれるような心地を感じさせてくれながらも、妥協を許さない厳父の顔もしっかりと見せる。

このバランス感覚が絶妙でした。さすが名優です。『わろてんか』の中で、圧倒的な存在感を放っていました。

笹野高史さん演じる文鳥師匠に用意された、物語の中でのポジションも見事です。

オチャラケ派と対立する伝統派を束ねる文鳥師匠は、実は伝統派の看板を背負わされているだけ。オチャラケ派との対立の中心人物というわけではありません。

それどころか、落語にこだわりすぎる旧弊な考え方を否定すらしている。

否定するとは言っても、立場上そのことを大きな声では言えません。だから、周りの空気を気にしながら伊能さまにそっと本心を告げる時の仕草。

あまりにも自然でしたが、もしかするとこれはアドリブでしょうか。

話を戻します。

客が笑えばいい。そこに伝統派もオチャラケ派もない。重鎮でありながら、アウトサイダーの寺ギン並みに柔軟な考え方を持ち合わせる。

下手な役者がこれを演じたら単なるキレイゴト好きの人になりかねない。でも、笹野高史さんが演じたことで、そんな安っぽさは微塵もない。

名優の上質な仕事を朝から堪能させてもらいました。とっても贅沢な朝となりました。

伊能さまが意外とお茶目

藤吉くんが伊能さまはもっと雲の上のお人だと言ってましたが、僕も伊能さまはクールなテイストを決して崩さない方だとばかり思っていました。

伊能さまが意外とお茶目です。意外過ぎました(笑)

子供の頃に激辛カレーで一本取られた文鳥師匠へのリベンジの機会を伺う伊能さま。このリベンジが、文鳥師匠を動かす突破口になるんでしょうか。

リベンジに成功した時の文鳥師匠のリアクションも楽しみですが、伊能さまにも再びお茶目な一面を見せて欲しいもの。

伊能さまによる文鳥師匠への復讐劇(笑)楽しみが一つ増えました。

回を重ねるごとに優しくなる啄子さん

鬼の啄子さんが、ついに仏の顔を見せました。正確に言うと、心と行動が仏。顔はまだ仏にはなりきってませんでした。照れ隠しなのでしょう。

北村屋の屋敷を手放し貧乏長屋暮らしに落ちぶれはしたものの、そのことを決して嘆くことなく、暮らしぶりを崩さない。

狭いながらも家の中がいつも整然としているさまがすがすがしい。

ついつい比べてしまいますが『あさが来た』の白蛇はんの実家・山王寺屋がつぶれた後、商売ばかりか暮らしぶりまで瞬く間に崩壊。

決して手を動かそうとしないお母ちゃんは口だけは達者。息子の愚痴をこぼし、嫁を疫病神扱い。

家業が倒産したという同じ状況ながらも、こうまで違う倒産後。

啄子さんが、たとえ落ちぶれても落ちぶれた悲哀を見せないのは、これが苦労人の強さというものでしょうか。

それどころか、落ちぶれてからの啄子さんは日に日に素敵になるばかり。

ちょっとネタバレになりますが、年内のどこかのタイミングで啄子さんはドラマからの退場が確定しています。

その頃の、啄子ロスが今から心配です。

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コメント

  1. かおりん より:

    わろてんかが大好きで毎日見ては元気になるので誰かと語りたくてここに来てしまいました。今日の啄子さんのやさしさにしびれました。俳優さんたちみなさん、いい味だしてると思います!笑う門には福来る!って感じのドラマですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      これから芸人さんが増えてくるはずですから、いい味キャラがますます増えるかと思います。年明けくらいにはずいぶんにぎやかになるのではないでしょうか。楽しみですね。

  2. GATTO より:

    こんばんは。

    今日の伊能さんの台詞がまた最高でしたね。

    「きっと人生なんて上手く行かないことばっかりだ。でも、たった一つだけでいいから、これだけはやり遂げたぞ、っていう行きた証が欲しいよな」

    藤吉さんも、伊能さんのことを身近に感じてきたようですが、私も親しみやすさを感じてきています。

    「直虎」では、途中退場した一生さんでしたが、「わろてんか」では最後まで活躍していただきたいものです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      「生きた証」・・・人生を俯瞰しているところが実に素敵ですね。憧れます。

  3. よるは去った より:

    あはは(笑)、無理ないですよね。私もあの漢字を検索するには「啄木鳥」「石川啄木」とかから入力しないといけませんからね。最初は「キツコ」さんなんて読んじゃってましたよ(笑)。

  4. 玲蘭 より:

    こんにちは。
    マッサンを途中から見始め、あらすじのおさらいをするため、こちらの記事を読ませていただいて以来、ずっと楽しみに読ませていただいています。

    今日は伊能さまがあまりにもお茶目でキュートで思わず書き込まずにいられませんでした。
    最初の頃のクールで物静かな雰囲気も素敵でしたが、今日の少年のように笑う伊能さまも素敵。
    結局イケメンは何をやっても素敵ということでしょうか。
    いつもは朝しか見ないのですが、今日は伊能さま見たくてお昼も見ちゃいました。

    これからどんな形で物語の本筋に絡んでくるのか楽しみですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『マッサン』からですか!長い間、ありがとうございます。伊能さまのお茶目ぶりで思い出すのが『あさが来た』の「新ちゃん・友ちゃん」のお茶目な男の友情。お茶目さがここまで発展してほしいなと思ってます。

  5. ははは より:

    万丈目が言った「なすとかぼちゃが…」の意味が分かりません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      古典落語でナスとカボチャをネタにしたものがあるみたいです。でも、今日の描き方ではわかりませんよね。

  6. よるは去った より:

    喜楽亭文鳥師匠役の笹野高史さんは「ワンシーンの笹野」と自称するくらい脇役、端役を数こなしている俳優さんだそうですが、どんな役でも大切に役造りする姿勢はかなり高い信用があるようですね。朝の連ドラにおいては「さくら」では見かけ以上に教え子想いの教頭先生。「瞳」では「近所の〇〇さん家のの寝室は〇〇W の電球」ということまでちゃんと頭に入っている商人というより職人気質に近い街の電気屋の主人の役が印象に残ってます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      笹野高史さん、わずか数分の出演場面ながらただただ圧倒されました。「ワンシーンの笹野」、まさにその言葉通りの名演でしたね。

  7. つまぴょん より:

    お久しぶりです。

    わろてんかもあらすじが気になり、またこちらにお邪魔しています。

    予習レビューの10行目ですが、「アサリが逃げ出してしまいました。」の後の啄子さんが、「啄木」になっています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      お久しぶりです!そしてご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました。