寄席経営に関与する啄子 / わろてんか 第44話

2017年11月21日(火)第8週「笑売の道」

あらすじ

利益を出そうと焦るほどに空回りを続けるてんと藤吉の姿を見るに見かねた啄子が、ついにある決意を固めました。寄席の経営に自分が関わることにしたのです。啄子は早速、離れた客を取り戻すために様々な工夫を打ち出しました。

客にうちわを配るなど、啄子のアイディアにより客足は順調に戻ってきます。啄子に見習いてんも工夫を重ねました。預かった履物を寄席の間に磨き上げて返すなど、てんは客に対する心遣いを示し、そのことが啄子を感心させます。

てんと啄子の努力の甲斐もあって客足は少しづつ戻って来ました。そんな中、てんは寄席の客に冷やし飴を売るというアイディアを思いつきました。しかも、その冷やし飴を氷で冷やすという斬新な売り方を、てんは試みました。

てんのアイディアは当たり、冷やし飴の売り場は大盛況となりました。その様子を目撃した伊能は、思いがけないてんの商才を鋭く見抜きます。伊能は藤吉に頼みました。てんを貸してほしい。てんの力が自分には必要だと。

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予習レビュー

今回のドラマの中で描かれるストーリーは史実にない完全な創作エピソード、史実に着想を得た創作エピソード、そして史実を再現したエピソードが混ざっています。

商売下手のてんちゃんと藤吉くんを見るに見かねて、啄子さんが寄席経営に乗り出すというエピソードは史実にはない創作です。

一方で、啄子さんが次々に打ち出すという新手のサービスの数々。

これらはすべて史実に着想を得ていますが、新サービスの発案者はてんちゃんの実在モデルではないかと思われます。

ドラマの中で啄子さんが見出したことになっている新サービス。当時は画期的なものだったらしく、それが評判となり寄席は大いに繁盛したと記録に残されています。

そして、てんちゃんの発案となっている寄席の客への冷やし飴の販売エピソード。こちらは史実の再現です。

今でこそ、映画館などでの飲食販売は当たり前ですが、観客に飲み物や食べ物を売るという発想は当時はかなり斬新だったようです。

ちなみにドラマの中で再現されるかどうかわかりませんが、史実では冷やし飴の売り上げを伸ばすために、塩辛いお菓子を売る。

さらに客が冷やし飴を買い求めない寄席の最中には店先で通行人に冷やし飴を、しかも氷で冷たくして売るなどのアイディアを、てんちゃんの実在モデルは次々と打ち出したとか。

さて、ドラマの中ではそんなてんちゃんの才覚に驚いた伊能さまがあることを藤吉くんに願い出るという展開で、今回のお話が結ばれます。

以下、ちょっとネタバレです。

伊能さまが願い出たあることとは、その頃、伊能さまが手がけ始めていた活動写真(映画)の小屋に、てんちゃんのアイディアを導入するというものだそうです。

追記:今回のドラマの中に登場する「冷やし飴」の存在を知らない関東人は少なくありませんので、「冷やし飴」の解説文をWikiから引用させてもらいます。

冷やし飴(ひやしあめ)は、関西を中心とする飲料。麦芽水飴(または米飴)を湯で溶き、生姜の搾り汁や卸し生姜を加えた飲料を冷たい状態で飲むもの。
出典:Wikipediaより引用

感想

啄子さんとてんちゃん

啄子さんとてんちゃんの息の合い方が朝から見ていてすがすがしい!

啄子さんは、幼い頃の行商にはじまり船場のごりょうさんとして培ってきた商才を存分に発揮し、そのことがてんちゃんの隠れた才能を開花させる。

その絶妙な息の合い方にワクワクさせられました。

北村家の家訓をてんちゃんに伝える啄子さんの様子にも、かつての居丈高なところは完全に消え失せ、心から信頼している弟子を育てている顔になっていました。

履物の汚れをはらってお客さんに返すてんちゃんのアイディアに心から感心したときの啄子さんは、ひときわいい顔してました。

それが良いことだとわかれば、率先して自分の真似をし周りの者も従わせるところもさすが船場のごりょうさん。

北村屋の倒産前。啄子さんと楓ちゃんの「師弟関係」の場面でも、啄子さんのこんな顔、こんな姿を見ることはありませんでした。

一方で、啄子さんを心から慕っている気持ちが滲み出ているてんちゃんの笑顔に癒されます。こんな笑顔も、北村屋時代の楓ちゃんにはありませんでしたね。

残念ながら啄子さんは今週中にドラマの中から退場する見通しです。

できることなら、啄子さんとてんちゃんの息の合った掛け合いをあと一週間は観ていたかった。至福の時間があと数日で終わってしまうのがかえすがえすも残念でなりません。

その一方で、ちょっと気になることが。

今回のドラマの中で啄子さんも、てんちゃんも商才を全開。次々に新しいアイディアを実行に移し、それらを成功させてゆきました。

そして、てんちゃんの隠れた才能を啄子さんに次いで発見する伊能さま。

そんな中で藤吉くんの働きだけが見られない・・・

北村屋倒産後、特に最近の啄子さんは藤吉くんには商売の知恵や極意をほとんど伝えず、放置状態。

かつては北村屋の跡取り息子としてあれほど期待をかけていたのに、今回などはてんちゃんの商才に夢中です。

ところで史実では、藤吉くんの実在モデルに当たる人は芸人と芸の目利き以外は、残念な点が多々あったみたいです。

藤吉くんの働きが見られないのはその史実の反映なのでしょうか。

ちょっとネタバレになりますが、次週の藤吉くんは何かと問題行動を起こすようです。

啄子さんやてんちゃんのような活躍が見られない上に問題行動を起こす。しかもその頃にはすでに啄子さんはもういない。

藤吉くんの将来が心配になってきました。

追記:今では飲料水を冷やして売るのは当たり前ですが、ドラマの中の当時、このような売り方はとっても珍しかったようです。

史実でも、真夏の炎天下の中、氷で冷たく冷やした冷やし飴が大評判になったということです。

亀井さん

細かい話ですが、亀井さんが寄席をつぶしてしまった理由が今日もまたよくわかりました。

てんちゃんがお客さんの履物の汚れを払う意味がすぐには飲み込めない。冷やし飴を試飲という名目で手を出そうとして啄子さんにピシャリと止められる。

こういう些細な脇の甘さの積み重ねが寄席をつぶすことになってしまったのでしょう。

寄席経営に失敗した理由がさりげなく描きこまれるような、丁寧な人物描写が際立つ亀井さん。単なる脇キャラとは思えません。

この先で大きな役割が準備されているのでしょうか。

寄席をつぶした理由が見えてきた頃より、亀井さんの存在感が僕の中で大きくなりつつあります。

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コメント

  1. よるは去った より:

    小野N 「冷し飴は大阪の夏に欠かせない・・・・・・。」私は仕事の関係で関西に住んでいたとき、「野崎観音」の縁日の時に境内で売っていたのを買って飲んだことがありますが、やはり関西中心なんですね。話はそれますが昔の江戸っ子は夏は良く「甘酒」を飲んだようですね。冷たいものよりも熱い甘酒を飲んで汗を流してさっぱりすることを好んだようです。江戸小噺にも、夏の暑い日に荷を担いで売りにくる「甘酒屋」をからかって失敗する噺があるくらいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      甘酒は、夏の季語にもなってますからね。夏バテ防止に効果的だと、最近では夏の甘酒が復権しているようです。