伊能が昼間の興行を提案 / わろてんか 第45話

2017年11月22日(水)第8週「笑売の道」

あらすじ

冷やし飴を寄席の中で売るなど、商売に工夫を重ねるてんの才覚に注目した伊能は、てんと藤吉にあることを願い出ました。自分が経営する活動写真の商売に、てんの商才を使わせてもらいたいと言うのです。

啄子は、風鳥亭の仕事を伊能が手伝うことを条件にして伊能の頼みを応諾。伊能は藤吉とともに寄席の外に立って、寄席の呼び込みを手伝わされることになりました。客の呼び込みを手伝う伊能は、寄席の前の通りは昼間には老人と女性が多いことに着目。

夜間だけでなく昼間にも老人や女性を相手にして寄席を開いてはどうか。伊能はてんと藤吉にそう提案し、ほどなくして風鳥亭は昼間の興行も開始します。伊能のひらめきに間違いはありませんでした。老人や女性が次々の風鳥亭につめかけてき他のです。

同じ頃、東京ではリリコが売れっ子の娘義太夫として新聞にとりあげられるまでになっていました。一方、風鳥亭に思いがけない人物が姿をあらわしました。風太です。風太はてんを訪ねてくるものの、いつになく沈んだ表情を浮かべているのでした。

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予習レビュー

前回は史実にもとづいた、冷やし飴を寄席の客に販売するなどてんちゃんが商売の才覚を発揮するエピソードが描かれました。

しかし、そのてんちゃんの隠れた才能を誰よりも早く見抜いたのは、身近な藤吉くんではなく、伊能さまでした。

寄席経営にてんちゃんを導いたのは他ならぬ藤吉くんです。

藤吉の夢がてんちゃんの背中を押し、てんちゃんが自分の寄席経営という仕事と出会うきっかけをつくりました。

しかし、その寄席経営という仕事をてんちゃんの生涯の仕事にするのは伊能さま、ということになるのかもしれませんね。

伊能さまがいなくても、てんちゃんは寄席経営には携わっていたかと。

しかし、てんちゃんは藤吉くんともども数年先には寄席をつぶしていたかも知れません。寄席小屋の前オーナー・亀井夫婦と似たような道を歩んでいたかも知れません。

伊能さまがてんちゃんの才覚を発見しなければ、てんちゃんの才能は埋もれたままだったような気がします。

重要度がますます増してきた伊能さまというキャラクター。

物語の後半で、伊能さまはどうなっているのか。寄席経営の開始と同時に物語の真ん中に入って来た伊能さまの行く末が気になってしかたありません。

感想

啄子さんと伊能さまの商才が光る

今回も啄子さんと伊能さまの商才が光る回でした。

てんちゃんの隠れた商才に対する伊能さまの目の付け所がさすがです。

寄席で物品を売るのは誰もが考えるアイディアだ。しかし、冷やし飴を氷で冷やす発想は斬新だ。

伊能さまのこの目の付け所。啄子さんの言葉を借りるなら、ひとひねりでは足りない。ふたひねり、みひねりしろ。

そんなひねりにひねったところまでをもしっかり見ている伊能さま、さすがです。

そんなてんちゃんの商才を自分の商売に生かしたい。ひとひねりの発想であれば、てんちゃんのアイディアをそのまま真似して終わりです。

しかし伊能さまはここでもふたひねり、みひねりしました。

斬新なアイディアの本家本元がいた方が説得力が増す。お客さんへの説得力も増しますが、てんちゃんを現場に立たせることでさらに斬新なアイディアも期待できる。

そこまで先を読んだにちがいない伊能さまの慧眼、本当にさすがです。

一方で、てんちゃんを貸して欲しいと言い出す伊能さまを見て、とっさにトレードを思いつく啄子さんの抜け目のなさもまたさすが。

寄席経営の常識にとらわれてはいない啄子さんのこと。何故、女性にも来店してもらうことでお客さんの数を増やさないのだろうと疑問に感じていたはずです。

では、どうやったら女性客が集まるのだろうか。

そんなことを考え続けていた中で思いついたのが伊能さまとてんちゃんのトレードだったのでしょう。

プロとは寝ても覚めても仕事のことを考え続けているとよく言われますが、啄子さんはまさにそんな日々を送っていたのでしょう。

寝ても覚めても商売のことを考え続けていたから、伊能さまの思いがけない申し出に対してとっさにトレードが思いついたのでしょう。

伊能さまにトレードを申し入れた時の啄子さん。女性客を集めるために、ついにいいものを見つけた!と言わんばかりの顔でした。

そんな啄子さんのとっさの思いつきの鋭さにしっかりと気がついたてんちゃんも立派。将来のてんちゃんの商才発揮のフラグを見たような気がしました。

一方、啄子さんによってチンドン屋と化した伊能さまは、そんな中でも新たな発見をしました。昼間には女性と老人が多いという発見を。

啄子さんと伊能さま、そしててんちゃんの商才のぶつかり合い。もっと観ていたいほどでした。

追伸1:そんな中で藤吉くんだけが出番がない。寺ギンのオッチャンからは席主の器の小ささをなじられる。藤吉くんが気の毒になってきました。

追記2:伊能さまに手を握られ曲がった腰がまっすぐになったおばあちゃん。もしかしてこれは『ひよっこ』の澄子ちゃんのばあちゃんへのオマージュでしょうか?(笑)

リリコちゃんが売れっ子娘義太夫に

リリコちゃんファンとしては、彼女の元気な姿を久しぶりに見ることができて感激です。しかも、東京で売れっ子娘義太夫に上り詰めての再登場。

かつて藤吉くんらと一緒だった時の手狭で乱雑な楽屋とは比べものにならないほど、広くて整然とした楽屋。そんな楽屋をたった一人で占有。

しかも、楽屋には電話まである。

風鳥亭には電話がないため藤吉くんは伊能さまの事務所に電話を借りに行きましたが、つまり伊能さまレベルでようやく持つことが出来るのが当時の電話ということでしょう。

リリコちゃんの成功ぶりがうかがえます。

しかし、娘義太夫の頂点に立ったはずのリリコちゃんの表情がどこか浮かなかったのは僕の目の錯覚でしょうか。

ちょっとぐらい天狗になっていてもいいくらいの成功を手にいれたにしては、リリコちゃんの表情に影があったような気がします。

以下、ネタバレです。

次週の水曜日放送回。リリコちゃんが大阪に戻ってきます。娘義太夫をやめて大阪に帰ってきます。

今回のリリコちゃんの浮かない顔と次週のドラマの中で描かれる大阪への帰還。この二つ、どこかでつながってくるような気がします。

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コメント

  1. あっちあん より:

    風太くん、儀兵衛さんの体調が悪いことをてんちゃんに知らせるために来たのではないかと思ったりしています。ですが、てんちゃんが寄席の仕事を笑顔で一生懸命やっている姿を見て、その話をしていいのか迷ったのではないかな?仮にそうだとしたら、明日の風太くん、てんちゃんに会って話すのか、そのまま帰ってしまうのどうか気になります。私の推測ですが、会うものの言えず 「てんちゃん、どないしてはるかな、様子見にきたで」 とだけ言って帰るような気がします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      風太くんの性格を考えると、てんちゃんを悲しませたり落ち込ませたりするようなことは告げられないでしょうからね。たとえそれが事実であったとしても。

  2. よるは去った より:

    風太君のモデルはこちらでは現在のところ「?」になっていたと想いますが、他のサイトでは林正之助氏ということになってますね。林正之助さんは吉本せいさんの実弟で、せいさんの他界後に92歳の天寿を全うするまで吉本鋼業の社長だった方ですから年齢・関係的には風太君(年上の従兄弟)とはちょっと違うんじゃないかなという気もするんですがドラマの中ではどういう役割でいくかでしょうね。ドラマではてんちゃんにはりんちゃんという実妹はいるけど実弟はいませんからね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      風太くんは次週あたりから実在の林正之助氏とはまったく異なる人生を歩みはじめるみたいです。実在モデルなしの創作キャラかも知れませんね。

  3. もんばび より:

    普通の資本主義社会なら、てんちゃんに断ることなく冷やし飴を映画館でガシガシ売れば良いようなものですが、きちんと承諾を得ようとした栞くんの心意気、サムライですよね。