てんと藤吉の喧嘩が続く / わろてんか 第53話

2017年12月1日(金)第9週「女のかんにん袋」

あらすじ

芸人たちの給金のために用意していたお金を藤吉が持ち出しました。そんな藤吉の勝手な振る舞いが腹に据えかねたてんは、ついに藤吉と言葉を交わさなくなってしまいます。てんと藤吉の会話は、亀井の伝言で成り立つような状態でした。

一方、てんの商売を助けたい一心の風太は、寺ギンのもとで芸のことを学ぶために藤岡屋を辞めることまで考えていました。そんな風太は、寺ギンから芸人を見抜く力量を認められるようになっていました。

同じ頃、藤吉がついに新しい寄席を買収する契約にこぎつけました。それをきっかけにてんとの仲直りを目論んでいた藤吉でしたが、てんの態度は相変わらず頑ななままでした。そんなてんと藤吉の不仲がトキや芸人たちは心配です。

そんな中、風鳥亭にやって来た寺ギンに、藤吉は寄席を増やしたことを理由にして売り上げの取り分の見直しを求めました。一方の寺ギンは「新顔」をてんや藤吉に紹介しました。その「新顔」とは風太でした。

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予習レビュー

とうとう、てんちゃんの堪忍袋の緒が切れました。

予習レビューのためのあらすじの中では詳細を伏せていましたが、今週に入ってからの藤吉くんは、てんちゃんを激怒させるのに十分な振る舞いを続けていました。

家族のために寄席の売り上げを上げたい。そのためには小屋を増やさねばならない。だから買収する小屋を新たに見つける必要がある。

ここまでは立派な動機ですが、行動は決してほめられたものではない。

てんちゃんが寄席の仕事と子守で目が回る忙しさなのも知らずに、連日連夜、泥酔した状態で夜遅くなって帰ってくる。

そんなてんちゃんの状況をちょっとだけ知ると、子守をリリコちゃんに任せる。そこまでは良かった。

子守をリリコちゃんに任せるところまでは、まあまあ気が利いています。

しかし、そのことを事前にてんちゃんに相談しないとどんな事態になるのか、藤吉くんには想像力が欠けていました。

そして前回から今回にかけての芸人さんたちへの支払いのためのお金に手をつける。

寄席の経営(キャッシュフロー)が藤吉くんの頭の中にまったくないことの何よりの証です。経営に必死のてんちゃんが怒るのも無理はありません。

藤吉くん、改心できるのでしょうか。

一方、風太くんが身を寄せている意外な人物とは・・・

以下、ネタバレです。

風太くんが身を寄せているのは、太夫元・寺ギンのオッチャンのところです。

感想

今回もまたクセのあるキャラクターたちが面白すぎてワクワクが止まらない回でした。

寄席経営の才覚をあらわしはじめた風太くん

第1週で、ヒロインのてんちゃんが縁日の寄席に夢中になるのは、将来の自分の天職なのだから当然だろうと思っていました。

しかし、風太くんまでもが寄席にハマる理由があの時は見えてきませんでした。

その見えてこなかった理由がこんな形で回収されるとは!

風太くんが子供の頃に寄席に夢中になった経験。そして、藤岡屋で商人としての才覚を磨き抜かれた経験。これら二つの経験がひとつになりました。

そして、そんな風太くんの才覚の芽生えを鋭く見抜く寺ギンのオッチャンの、一癖も二癖もある親分顔がいい味出してます。

さて、寺ギンのオッチャンから才覚を認められることで、前回はまだ自分の人生に迷っていた風太くんの目の前の霧が晴れわたってゆく描写が実に鮮やか。

もう風太くんから目が離せません。

「あんたとうちは写し鏡や」

風太くん、藤岡屋をまだ辞めてなかったんですね。しかも、藤岡屋の当主の道は絶たれたものの、暖簾分けまで許されていたとは!

藤岡屋の仕事に、風太くんは夢を見出せなくなったのではないかなどと勘ぐっていましたが、相変わらず読みの浅いブログ主です(反省)

暖簾分けを許され、分家の当主の座を用意され、そのことに心から感謝するその一方で、てんちゃんを守り抜く道を選ぶべきかどうか迷う風太くん。相変わらず男前です。

一方のリリコちゃんというキャラが一段と面白くなってきました。そして、東京で藤吉くんからの電話を受けたリリコちゃんの浮かない表情の理由が見えてきました。

リリコちゃん、やっぱり藤吉くんのことが忘れられないんですね。

リリコちゃんが風太くんに言った「あんたとうちは写し鏡や」の一言にリリコちゃんの気持ちのすべてが現れていました。

「寺ギンを利用して憎い藤吉を困らせるつもりか」
「お前こそ隼也の子守をしててんを困らせるつもりか」

風太くんの腹の底が読めるリリコちゃん。風太くんもまたリリコちゃんの魂胆が手に取るようにわかる。

風太くんとリリコちゃん。物語の冒頭が最も気になっていた僕にとっての二大サイドキャラが、写し鏡となって対峙するこの展開。

しかも、この写し鏡は『釣りバカ日誌』ネタ(笑)

嬉しすぎてワクワクが止まりません。

風太くんの決心

そしてついに、寺ギンのオッチャンが風太くんを風鳥亭に連れてきました。

リリコちゃんから問い詰められたときの風太くんは、まだ自分の歩むべき道をどれにするのか決めかねていた様子でしたが、決心がついた模様です。

風太くんが決意を固める描写を直接には描かずに、寺ギンが「うちの新しいの」と紹介することで風太くんの決心を表現するところが実に粋です。

ストーリーテリングの巧みさに定評のある吉田智子さんの技が冴えてきました(嬉)

てんちゃんと藤吉くん

今回の感想も、風太くんと寺ギンのおっちゃん、そしてリリコちゃんのことばかりになってしまいました。

オマケみたいな書き方で申し訳ないですが、藤吉くんに腹を立てたてんちゃんが可愛い過ぎます。

可愛いけれど、それでいて藤吉くんよりもずっと貫禄があるところが実に不思議。

すっかりごりょうさんらしくなってきたてんちゃんです。

一方、てんちゃんの前では手も足も出ない藤吉くんですが、今回描かれた寺ギンのオッチャンに条件の再交渉を挑む本気の表情は鳥肌ものでした。

あれほどまでに闘争本能をむき出しにする藤吉くんが、てんちゃんに対しては闘う表情を決して見せない。

てんちゃんを大事に思っている何よりの証拠。そして、藤吉くんの器がそれだけ大きくなってきた証でもあります。

藤吉くん、いい男になってきました。

追伸:てんちゃんと藤吉くんの伝言係をつとめる亀井さん。いい仕事してますね(笑)

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コメント

  1. こひた より:

    寺ギンのおっちゃんの描き方が絶妙ですよね。しかもそれを演じる兵動さんがまたウマい。
    なんとも言えない味わいがあります。まさに怪演だと思います。

    関西以外の方は兵動さんのことあまりご存知ではないかと思いますが、この方、役者ではなく矢野兵動という漫才師さんなんです。面白いしお二人ともけっこう人気あるんですよ。

    もし機会があれば、是非見たってやー。たのんます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      寺ギンのオッチャンを演じているのは漫才師ですか!?さすが大阪の芸人さんは芸が広いですね。こんなおっかない人物を演じてしまうなんて。

  2. こえり より:

    風太くんとリリコちゃんが本当にナイスキャラですね~(◦ˉ ˘ ˉ◦)私も二人が大好きです!二人が出てくるとワクワクします。そして寺ギンさんの迫力たるや…。

    脇役ばかりに目が行っていたワタシですが、最近のテンちゃんは良いですね。藤吉郎くんに許嫁がいても、パーマ詐欺にあっても、米屋が潰れても「何とかなりますやろ〜」と能天気にヘラヘラしていたテンちゃんにはあまり感情移入出来ない場面が多かったです。でも、最近のテンちゃんは藤吉郎くんに怒りを感じでそれを露にしている…。多いに感情移入出来てホッとしてます。人間味があって良いと思います!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      てんちゃんについてのご指摘は本当にその通りだと思います。怒ったてんちゃんの顔を見ていて、最近は身近に感じることができるようになりました。