藤吉に芸人たちが猛反発 / わろてんか 第56話

2017年12月5日(火)第10週「笑いの神様」

あらすじ

二軒目の寄席の買収に成功した藤吉は、多くの客を集めるための看板役者として天才落語家・団吾との専属契約を獲得しようと奔走。団吾の高座を自分の目で見た藤吉は団吾の才能に惚れ込み、ますます団吾のことにのめり込んでゆきました。

そんな藤吉の行動に不満を募らせていた万丈目ら芸人たちは、自分たちの給金を上げろと労働争議を開始。しかし藤吉は万丈目たちの交渉には応じようとはせず、働く気がなければ出演しなくてもいいと芸人たちの訴えを一蹴します。

てんからも、万丈目ら芸人たちからも理解を得られない藤吉は伊能を訪問。伊能もその頃、窮地に立たされていました。伊能製薬を本家の長男が継ぐことになり、伊能は自分の立場を失いかけていたのです。そんな伊能と藤吉は時代を切り開く覚悟を確かめ合いました。

万丈目たちのことを案じるてんの心配をよそに、藤吉はその後も団吾との専属契約の獲得に奔走し続けました。今の藤吉にとって、最も大事なことは団吾の獲得でした。そんな中、てんは街角で行き倒れの女性と出会うのでした。

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予習レビュー

米問屋・北村屋が廃業するきっかけとなった、藤吉くんパーマ機大量購入騒動。

あの時の藤吉くんの前のめり過ぎる姿勢は、前週に描かれた新たに寄席を買収する行動。

そして、今週からはじまった天才落語家・団吾との専属契約獲得に突き進む藤吉くんの行動のフラグだったのでしょうか。

夫はもう一人の手に負えない子供。そんな歌子さんの不吉な予言通り、手に負えない子供として前週の藤吉くんは暴走しました。

その暴走が原因となって、てんちゃんと藤吉くんの夫婦仲は一時険悪な状況にまで発展。

夫婦仲の問題は前週のうちに解決したものの、解決したのは夫婦仲だけだったようで「手に負えない子供」問題は未解決だったようです。

というか、後者の「手に負えない子供」問題は永遠に解決しない問題なのかも知れません。

さて、「手に負えない子供」藤吉くんが今度は古くからのつきあいのある芸人さんたちとの間に溝を生じさせてしまいました。

しかし、その一方でそんな藤吉くんを評価する人もいます。伊能さまです。

時代の改革者になれと、伊能さまは藤吉くんの背中を押す。

芸人さんたちから孤立してしまう藤吉くんですが、その孤立は時代の改革者の孤独の裏返しなのでしょうか。

伊能さまの高評価によって、単なる暴走ではないようにも見えてきた藤吉くんの行動が気になりはじめてきました。

感想

藤吉くん

席主として貫禄を増し行動にブレがない藤吉くんの一週間後の姿を知ってから観た今回。

てんちゃんが心配しようが、芸人さんたちが労働争議ごっこをしようが、団吾獲得に向けてまっしぐらに突っ走る藤吉くんを応援せずにはいられませんでした。

芸人さんはゴネれば藤吉くんが態度を変えるだろうと期待していたのでしょう。しかし、その期待は甘すぎました。

自分たちに客を呼ぶ力が不足していることを棚に上げ、いくらでも客を呼ぶことができる天才落語家と同じに扱えなんて、芸人さんたちあまりに虫が良すぎる。

そんな虫のいい要求を通そうとして騒ぎ立てる芸人さんたちに、藤吉くんは振り向くことすらせずに言い放つ。

「働きたくないんだったら出てもらわなくてもいい、好きにせえ」

『わろてんか』が始まって以来、藤吉くんの言葉と態度にこれほどシビれたのは初めてのことかもしれません。

また伊能さまと言葉少なに語り合う場面も、これまでになく「分かり合える男同士の友情」感がいっぱいで、とても絵になっていました。

寺ギンも藤吉くんに対して敵対心を燃やしていましたが、これは寺ギンをムキにさせるほどに藤吉くんの器が大きくなってきたということの表れなのでしょう。

前週の寄席買収騒動の時の藤吉くんは、どこか地に足がついていないというか浮ついたところがなきにしもあらずでしたが、今週の藤吉くんはちょっと違うような気がします。

来週にはてんちゃんも藤吉くんへの理解に足りないところがあったこと。芸人さんたちがちょっとばかり残念なこと。

そして、藤吉くんが今とっている行動=団吾獲得の活動に間違いがなかったこと、等々が明らかになってくるようです。

藤吉くんが急に頼もしく見えてきました。

トキちゃんのフラグ

トキちゃんの風太くんへの想いを暗示するフラグがまた立ちましたね。

「風太はおてん様をいつになったら卒業するのか」

風太くんに対して毒舌を吐きまくるトキちゃんですが、実は心の奥で風太くんのことを待ち続けているこの乙女心が切ないほどに伝わってくるこの一言。

トキちゃんはきっと風太くんに想いを寄せているに違いないと推測していましたが、その推測は確信に限りなく近くなってきました。

風太くんはトキちゃんの言葉を聞き逃し、トキちゃんもうっかり口がすべった言葉を風太くんに聞かれずに安堵する。安堵しながらちょっとだけ残念そうでもある。

気持ちのすれ違いの甘酸っぱいテイスト。『ひよっこ』の三男くんとさおりちゃんのすれ違いを思い出さずにはいられません。

風太くんには早くトキちゃんの気持ちに気がついて欲しいものです。

伊能さまの未来

いつのことだったか伊能さまの出自がドラマの中で語られた時に嫌な予感がしました。

伊能さまのお父上=伊能家の当主は伊能さまの実父に違いないけれど、当主の座を嫡男に継いだら、伊能さまは家の中での立場があやうくなるのではないかと。

その嫌な予感が的中・・・というところまでは行ってませんが、伊能さまの将来があやぶまれるブラックなフラグが立ってしまいました。

『わろてんか』の中で唯一の完全無欠キャラだった伊能さまに差し始めた影。

『あさが来た』の完全無欠キャラ・五代さまも、盟友を亡くし自らも病魔に冒され晩年は悲壮感たっぷりの姿が描かれましたが、伊能さまにもそんな日が到来するのでしょうか。

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コメント

  1. ひるたま より:

    藤吉くんが昔馴染みの芸人さん達に対して言った事は正論でしょう。そもそも何年も殆ど同じ(変わらない)芸でよくもまぁ、寄席が続けられたものだとも思いますが。(^^;)
    …しかし、言い方があるのでは??とも個人的には感じます。せめて「お前達には開業当初から頑張ってもらって有り難く思っている」というような内容の言葉一つでも言っていたら、芸人さん達もあそこまでは意固地にならなかったでしょうに…と見ながら私は感じました。
    ドラマのみならず、実生活でも上に立つ立場の人間が部下に対して労う事は、結果的に双方にとってのメリットになるかと個人的には考えます。
    労いの言葉一つだけでも有ると無いとでは大違い…いわゆる「人心掌握術」という点に関して、藤吉くんはあまりにも疎いのでは??
    (その分を‘ごりょんさん’=てんちゃんが将来的に担う事になるのでしょうが)

    色々な意味で、ドラマは人生勉強にもなるものですね。(^^)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      風太くんや亀井さんなら人の扱いが上手そうな気がします。少なくとも藤吉くんよりは上手に相手の心象を害することなく、言いにくいことを言えるかもです。

  2. 実穂 より:

    大変ご無沙汰しております。すっかり寒くなりまして、べっぴんさんのレビューをしたのがついこの間のことのように感じています(笑)
    さて、私は自分ごとのほうでいろいろ忙しく飛びとびでわろてんかを見ておりましたが、
    波岡さんが出られるということで今日は欠かさず見ようと意気込んでみました。
    ‥やはり波岡さんの存在感たるやすごい物がありますね。
    主演やこれまでのメンバーを食ってしまう勢いの団吾にくぎ付けでした。
    別作品になりますが、火花ネットフリックス版しかり、「天才」芸人と冠された役を今回も。
    雰囲気にカリスマ性があるんですかね。

    今日の終盤に現れた生き倒れの女性、そして今後の人間模様もとても楽しみです。
    おてんちゃんそっちのけの展開になってしまいそうですが‥

    天才団吾に対して対等に扱って欲しいというのは確かに万丈目たちの無謀な話なんですが、
    どうしても私は経営者では無いので人情目線で見てしまって。
    これまで立ち上げから苦楽を共にしてきたメンバーに対して「好きにしたらええ」は確かに酷だなと
    思いました。しかしこういう決断もできないと隆盛できないのかもしれません。
    慣れ合いや情で昔馴染みを大事に手厚い待遇をしても寄席は発展しない。
    苦しいところですね。
    いつも思うことですが、お笑いの歴史を学んでいるわけではないのでわからないのですが、
    いつかキースとアサリが漫才してくれないかなと思っています。
    二人の普段のやり取りが漫才のようですから。絶対面白いだろうなって。

    私はまだ風太が寺ギンのところに寄っているのは分かる気がするんですが、今日は現れませんでしたが
    リリこの帰阪はまだ深い物がありそうで見えません。
    もちろん本人の言葉通り受け取れば娘義太夫として反感を買い地元に帰ってきた‥ということなんでしょうが。

    井能さまにも暗雲がたちこめていそうな気配ですね‥

    ヤフーのほうのレビューもたまに見ていますが、松坂桃李さんが小声で話されると職場の昼休みの控えめな音量ではセリフが聞きとれないことが多く、会社の昼休みでは聞きとれないことを家の録画で大音量で聞き直す感じです(苦笑)

    先々の話しであれなのですが、前々から「われても末に会わんとぞ」の週は、その題名から何やら誰かとの別離とか
    死に別れなのではと思って重苦しい回なのかと思っていたのですが、そうではなさそうで一安心しています。
    違うことを祈ります。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      波岡一喜さんの存在感、本当にすごかったですね。藤吉くんは完全に食われてました。史実では、団吾の実在モデルはすさまじい人生を送った方なので、波岡一喜さん演じる団吾の暴走が今からとても楽しみです。

      「われても末に会わんとぞ」・・・再会を歌う恋の歌なので心に沁みる回収場面が用意されているのではないでしょうか。

  3. よるは去った より:

    月の井団吾師匠のモデルの初代・桂春團治師は今更ここで語るまでもなく芸たけでなしにライフスタイルまで「八方破れ」の代名詞で、その生きざまは舞台でも藤山寛美氏や藤田まこと氏等で演じられ、歌謡曲も二曲も出てますが、関東の五代目・古今亭志ん生師の「八方破れ」の芸・ライフスタイルも生前に自伝記が二冊(『なめくじ艦隊』『びんぼう自慢』)、他界後も結城昌治先生によって「志ん生一代」が著されるぐらいエピソードの多い落語家さんだったこともここで語るまでもないかもしれませんね。その五代目・志ん生師が2019年のNHK 大河ドラマ「いだてん」の語り部として(しかも演ずるのがビートたけし師)としてキャスティングされたのには驚きでした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      初登場ながら月の井団吾、圧倒的な存在感でした。「八方破れ」は見事に再現されてましたね。