落語家・団真はお夕の夫 / わろてんか 第58話

2017年12月7日(木)第10週「笑いの神様」

あらすじ

万々亭に天才落語家・団吾が食事をしに来ている。そんな話を聞きつけた藤吉が店に駆けつけると、そこにいたのは団吾ではありませんでした。団吾の名を語って食い逃げを目論むニセ者の団吾でした。しかも、そのニセ団吾はお夕の夫でした。

お夕の夫は団真という名の落語家でした。てんは団真の才能を見抜き、団真を立ち直らせるために風鳥亭に出演させたいと藤吉に懇願します。しかし、団吾との専属契約のことしか頭にない藤吉は、団真に対して感心など持ちません。

一方、キースや万丈目たちが藤吉に求めていた処遇改善の団体交渉は決裂。ついに風鳥亭の芸人たちはストライキに突入し、風鳥亭への出演を拒みました。てんからも家族の時間を増やせと要求され、藤吉は孤立してしまいます。

そんな中、てんの懇願によって、ようやく藤吉は団真の落語の実力を確かめることに応じました。藤吉が団真の落語の出来栄えに感心しているその時、思いがけない人物が風鳥亭に飛び込んできました。それは団吾でした。

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予習レビュー

前回か今回がドラマの中で初登場になるものと思われるお夕の夫のことについて、前回の予習レビュー欄でも少し触れましたが、今回はもう少しだけ踏み込んでみます。

お夕の父親は落語家です。ただしドラマの中に出てくるかどうかはわかりません。

この、お夕の父親には二人の弟子がいました。

弟子の一人はお夕の夫の落語家・団真。別の言い方をするとニセ団吾です。

そして、もう一人の弟子が天才落語家・団吾。藤吉くんが追っかけている落語家です。

さて、新登場のニセ団吾=団真とお夕との結婚は、認められない結婚でした。そのため、二人は駆け落ちをしました。

しかも、駆け落ちをしたことで団真は師匠すなわちお夕の父親から破門されています。

破門されているから仕事がない。仕事がないから食うや食わずの暮らしです。

てんちゃんがお夕と出会ったときお夕は行き倒れ状態でしたが、破門された上に駆け落ちの不安定な生活がお夕をそこまで追い詰めていたものと思われます。

ニセ団吾=団真の初登場場面が食い逃げ姿であるところにも、破門&駆け落ち生活の苦しさがにじみ出ています。前作の食い逃げ娘とはわけが違います(笑)

新登場キャラにはさらに大きな問題が存在します。

どうやら団吾と団真、兄弟弟子の間には深い確執があるようです。かたや天才と言われ名声を欲しいままにして、かたや師匠の娘と駆け落ち。

団吾と団真、それぞれが欲しいものを一つだけ手に入れ、もう一つの欲しいものはどうしても手に入らない。確執の原因はこのあたりにあるのでしょうか。

確執の物語は大好物です。いよいよ楽しくなってきました。

感想

団真の心の再生の物語

「笑いの神様などいない!」

心の中は挫折感いっぱいの団真。こうした自信喪失キャラが大好きです。

お夕さんが夫の落語の才能は確かなものだと言うのは、お夕さんの性格から考えても決して手前味噌の評価ではないはずです。

本当に才能があるんでしょう。

でも自信を失っている団真にはお夕さんの言葉がまったく響かない。

心が完全に折れている今の団真には、お夕さんの言葉を素直に受け入れられないどころか、口からでまかせを言うなくらいに思っているかもしれません。

落語人生を半ば棒に振って駆け落ちまでした恋女房の言葉を素直に聞き入れることができないなんて、団真の挫折感、かなり根強そうです。

にも関わらず膝枕してお夕さんに甘えたりもしてますが(笑)

劣等感やら挫折感でつぶされそうな団真の心の再生の物語は来週描かれることになるのでしょうか。

自信喪失キャラが挫折から立ち直る心の再生ドラマは大好物です。

それに加えて次週は『ちりとてちん』のオマージュとも言えるような落語『崇徳院』を軸にした展開です。(今回も『崇徳院』が出てましたね)

次週が待ち遠しくてなりません。

伊能さまとリリコちゃんの気になるフラグ

非常に気になるフラグが立ちました。

居酒屋での伊能さまとリリコちゃんの会話のことです。

これまで映画(活動写真)の輸入を行なっていた伊能さまが、これからは自社製作。しかも当時として珍しい女優を起用する。

伊能家の中で苦しい立場に立たされはじめた伊能さまの今後の展開は今のところ不明です。リリコちゃんも詳細はわかりません。

ただし先日の新キャスト発表に折に「リリコちゃんの漫才の相方」というキャラの登場がアナウンスされていました。

よってリリコちゃんは伊能さまの誘いに乗って女優にはならないのか。それとも・・・?

伊能家から追い出されかねいない前回の伊能さまの暗雲のフラグに引き続き、今回もまた非常に気になるフラグが立ちました。

日本映画の女優第1号

話変わって、映画(活動写真)に女優を起用するという当時として画期的な試みに挑む伊能さまが企画した映画(活動写真)のタイトルは『乙女のささやき』。

一方、史実の中での、女優が初めて出演した日本映画(活動写真)のタイトルは『生の輝き』です。語感が『乙女のささやき』に似てないこともありません。

史実の『生の輝き』が伊能さまの企画の実在モデルかもしれませんね。

ちなみに『生の輝き』が製作されたのは大正7年(1918年)。翌年の大正8年(1919年)に天然活動写真という会社によって配給・公開されています。

日本初の映画女優となった女性の名は花柳はるみさん。

明治29年(1896年)茨城県生まれ。上京して東京市立麹町高等女学校(現・麹町学園女子高等学校)を卒業しています。

当時、女学校を卒業できるくらいだったので、極貧の家に生まれたリリコちゃんとは異なる境遇にあったようです。

なお、『生の輝き』は二本立て公開でした。もう一本の作品名は『深山の乙女』。もう一本の作品にも花柳はるみさんが出演されています。

追伸:日本映画の女優第1号の花柳はるみさんが卒業した麹町高等女学校。なんと『ひよっこ』の富さんを演じた白石加代子さんが同校を卒業されています。

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コメント

  1. ひるたま より:

    団真=北村有起哉さんの落語の場面に、ナレーションが被ってしまっていた事が些か残念でした。
    本日(12/8=第59話)の放送分で、「崇徳院」について亀井さん(内場勝則さん)のダルマを使っての説明場面が挿入されていたので、尚更この回(第58話)のナレーションは蛇足だったように感じられてなりません。

    あまりケチを付けたくないのですけれどね…。

  2. きんちゃん より:

    私も団真の崇徳院はなかなかのものだと思います。
    しかし。主役の熊さんの活躍(笑)の部分がもう少し聞きたいですね。

    それと落語をあまり聞いた事の無い方には、先代の三遊亭円楽師匠(笑点でおなじみ)と天才と言われる古今亭志ん朝師匠の人物描写を聞き比べていただきたいと思います。どっちもユーキューブにありますよ。
    大ネタだから30分以上かかりますけどね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      団真の崇徳院、それほどの出来栄えですか!?
      落語の良し悪しはまったくわかりませんので、こうして教えていただけるととても助かります。ありがとうございました。

  3. よるは去った より:

    「ちりとてちん」でも取り上げられた「崇徳院」は恋煩いした「若旦那」と「大旦那」に頼まれた出入りの「熊さん」が半ば、大旦那や自分のおかみさんからも脅されながら、大勢の人が出入りする「床屋」「銭湯」を数十軒まわりながら、大きな声で「瀬をはやみ~」と紙に書かれた歌を音読して、相手の「お嬢様」のつてを探して回るのが後半の展開なのですが、たくさんの「床屋」「銭湯」を廻ってすっかりヘロヘロになった熊さんが、再び入った床屋さんにせせこましく入ってきた男がいて、話を耳だてて聞くと「自分の出入り先の『お嬢様』がたまたま、高津宮(関東の型は『上野の清水観音様』)で出会った若旦那風の男に恋煩いをしてしまったとのこと。手掛かりは崇徳院の『瀬をはやみ~』・・・・・。」 お互いに相手を探している同士だとわかった熊さんとその男で「お前を俺の出入り先に連れていく。」「いやお前が来い。」と取っ組みあっている内に店内の鏡がガラガッチャン!! 苦情を垂れる床屋の親方に、熊さん「割れても末に買わんとぞ思う。」 三代目・桂三木助師や三代目・桂米朝師等色んな落語家さんのCD も市販されているし、多分You Tube にもアップされているのではないでしょうか。

  4. サエモン より:

    藤吉さんしっかりしてきたね
    団体交渉がなんかコントみたいですね

    団吾と団真みたいな落語家はいつの時代にも
    居るみたいですね
    団真の呼び方気になる
    残り八人の弟子はどうしてるのかな?

    団真の崇徳院中々ですね
    オチまで聞きたかったが

    団吾は最近だとドラマ版の火花の
    売れない先輩役だったけど
    売れる後輩役はべっぴんさんの
    ドラマーの次郎ちゃん役の人だったけど

    わろてんかでは波岡さん立場逆転で
    人気芸人演じれて良かったなと

    しかし二人ともと言うか
    わろてんかでの男性陣は
    金や女に酒と三禁を破る
    破天荒なタイプの人多いですね(*´・ω・`)b

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      前作が温厚なキャラばかりだったので、本作のキャラの毒の強さが際立ちますね。

  5. こひた より:

    なんなんや、この目まぐるしい展開は!
    でもちょっと詰め込みすぎ(^^;

    来週が楽しみですね(^O^

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      前作がゆったりまったりだっただけに、本作の情報量の多さは目が回りそうですね。

  6. あみ より:

    先日朝蔵さんが書いておられたように、労働条件の改善を求める芸人さんたち、
    自分たちで新たなお客さんを呼べないのだから、そこをもっと自覚してほしいですよね(><)
    ダメダメな描かれ方をしてきた藤吉さんでしたが、団吾師匠獲得に躍起になるのはとても理解できます。
    でも契約はとても難しそう…そこで登場してきた、実力はあるが色々とくすぶっている団真さん。
    盛り上がりが期待できる、とてもいい展開になってきました。
    私は『ちりとてちん』を見てないので、今日の団真さんの「われても末に」をお題にした落語、どんなオチなのか最後まで見たかったです。(百人一首が好きなので興味あります!)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      藤吉くんが今週あたりから妙に席主らしくなってきましたね。寺ギンのオッチャンや風太くん、伊能さまと一緒にいる場面も少し前まではちょっとばかり頼りなさを感じないこともなかったですが、今は頼りなさは皆無。

      今週から登場した三人が、今回になって顔を合わせましたが、次週の三人の物語が楽しみでなりません。