団真とお夕が仲直りする / わろてんか 第66話

2017年12月16日(土)第11週「われても末に」

あらすじ

団真を風鳥亭の高座に上げて落語をさせたい。てんは藤吉に懇願しました。心の溝がなかなか埋まらない団真とお夕を仲直りさせるには、団真が高座に上がる姿をお夕に見せるしかない。てんはそう考えたのです。

藤吉はてんの頼みを受け入れました。てんと藤吉に背中を押され、団真がようやく高座に上がり落語をはじめようとしたその時、思いがけない人物が風鳥亭に姿をあらわしました。団吾でした。

団吾は、空席が目立つ寄席に大勢に観客を呼び込むと、前座で客たちを大いにわかせました。そして、団吾の姿を見て高座から逃げ出そうとする団真に対して、団吾は挑発しました。「やれるもんならやってみろ」と。

団吾に挑発され覚悟を決めた団真は、ついに落語を最後までやり遂げました。その団真の姿に感激したお夕は、ようやく団真と仲直りすることができました。そして、その日の夜。風鳥亭に再びやって来た団吾は、風鳥亭の高座に上がると宣言するのでした。

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予習レビュー

テレビの画面に初登場したそのときから団吾の存在感に圧倒されっぱなしのブログ主でしたが、今回はその男前な心意気に同性ながら惚れてしまいそうです。

前回、団真が失踪。団吾のもとに身を寄せていたお夕さんがそのことを知り、団吾の制止を振り切って団真を探しに駆け出すという場面がありました。

このとき、団吾は心を決めたのだと思います。

初恋の人・お夕さんを今度こそ諦めよう。しかし、大好きなお夕さんには必ず幸せになってもらおうと。

今のお夕さんにとっての幸せとは団真との仲直り。そして団真が落語家として自信を取り戻し、再び団真の名前で高座に上がることです。

団吾が風鳥亭にやってきて団真を挑発したのは、単なるいやがらせではなく、心から慕った団真を落語の道に戻すために違いありません。

実際、予習レビュー用のあらすじからは伏せておきましたが、高座に上がり落語をする決心を固めはしたものの緊張して固くなる団真を、団吾がフォローするという粋な振る舞いも描かれます。

そして団吾は団真の才能が傑出したものであることを改めて確かめる。

今週のサブタイトルの「われても末に」。すなわち団真とお夕さんの仲直り、そして絶縁していた団吾と団真の和解のフラグが立つのが今回です。

そして、今回の最後。

団真とお夕さんが仲直りをし、団真との和解も果たせた風鳥亭に何かを見出した団吾は、風鳥亭との専属契約を結ぶ決意をかためます。

感想

団吾と団真の和解の瞬間

団吾師匠に泣かされました。

ここまで心を激しく動かされ、思いっきり涙腺を攻撃されたのは『わろてんか』始まって以来のことです。

団真が客を集められないことをお見通しの団吾が、立錐の余地もないほどに寄席の中を客で埋め尽くす。

この一事だけでも男前すぎるというのに、前座でその客をわかせて寄席を熱くする粋な計らい、団真に対してこれ以上望めないほどの計らいにもうウルウルです。

しかし、団吾の男前な姿はこれで終わりではありませんでした。

団吾が団真の背中を扇でポンと叩き、

「上手いこといくまじないや。昔、よおやってくれたな」

兄弟が和解した瞬間でした。

そのたった一言で団吾の気持ちを察した団真が、落語の第一声で見事な切り返し。

「団吾は入った時から天才」

前回まで嫉妬に苦しんだ過去を笑いに昇華させることができたことで、団吾と団真の関係はこれで完全修復と考えても差し支えないでしょう。

言葉少なに心を通じあわせ、涙して抱擁するようなベタな描写が一切ない和解の瞬間。朝からいいものを見せてもらいました。

『わろてんか』の中で、忘れられない名場面になること間違いなしです。

第11週「われても末に」感想

前週、テンポの良いストーリーテリングの中で新たに登場した三人の新キャラクター・団吾、お夕さん、そして団真。

笑いの神様に愛された天才。行き倒れの薄幸の女性。そして笑いの神様に見放されたと思い込んだ失意の落語家。

明暗のコントラストが見事な三人の人生は、前週のうちはまだ謎に包まれたままでした。

しかし、今週に入って前週以上のテンポの良さで、三人の人生の過去、そして過去の様々な出来事の結果としての現在が描き出されました。

『わろてんか』のストーリーテリングのテンポは、早すぎず遅すぎず絶妙なスピードが素晴らしいと常々思っていましたが、今週のテンポは特に素晴らしい出来栄え。

そんな中で描かれた三人のキャラたちの複雑な心の中の描写の数々は、この先ずっと忘れられないものとなりそうです。

団吾の、兄弟子・団真への憧れと軽蔑が混ざり合った心の泥沼の中に、まるで掃き溜めの鶴みたいに清らかさを保っているお夕さんへの初恋。

十年近く連れ添った夫への愛情。夫の自信を喪失した姿への失望。その一方で、夫の落語人生を狂わせてしまったという自責の念。三つの感情が絡み合うお夕さんの胸の内。

そして団真の挫折の中から這い出ようと必死にもがく姿が胸に迫ります。

心から愛した落語人生を捨て、心から尊敬する師匠から破門されたということだけでも十分に苦しいはず。

それに加えて、かつて心を一つにして稽古に励んだ弟分に先を越された上に、その弟分は天才の名を欲しいままにする時代の寵児ともいうべき存在にまで上り詰めている。

まさに、深い切り傷にたっぷりと塩を塗り込まれているような状態です。

団吾、お夕さん、そして団真。それぞれがあまりにも複雑な気持ちを抱いているがために、もつれにもつれた三人の人間関係。

今週に入ってからのもつれっぷり。そして、もつれを極めた末のほどけるときの心地よさ。

大人のドラマを堪能させてもらいました。

さて、次週はいよいよ『わろてんか』前半のクライマックスに当たる週です。

これまでずっと微妙な関係を保っていた藤吉くん・てんちゃんと、寺ギンのオッチャンの全面対決とその回収。

そして風太くんのこの先の人生。北村笑店の未来の跳躍を暗示するかのようなストーリーが描かれます。

一難去ってまた一難。困難なことばかり続いたてんちゃんと藤吉くんが、今回から一週間後にはステージをアップさせます。

以上、今週もお付き合いいただきありがとうございました。次週もよろしくお願いいたします。どうぞ良い週末をお過ごしください。

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コメント

  1. ひるたま より:

    個人的に落語に詳しい訳では決してありませんが、この回(第66話)の放送分では「月の井団真」=北村有起哉さんが演じる落語の場面に圧倒されました…画面に釘付けになり、笑う事を忘れた位に。
    番組公式サイト経由で「団真」=北村さんの落語シーンが動画で公開されています。時間にすると3分余りなのですが…出来ればぜひ、北村さんが全編演じられた所も見たい!と個人的には思いました。

    番組公式サイトで北村さん、そして「団吾師匠」=波岡一喜さんのインタビューが公開されていて、それぞれ興味深く拝読しました。団吾師匠にはこの先落語を演じるシーンが用意されているようですが、団真&お夕さん夫妻はどうなるのか?…ここで退場というのではあまりにも寂し過ぎます。2人の再登場を切に願います。
    (これまた番組公式インスタグラムサイトには、オフショットとして団真&お夕のラブラブツーショット、そして団吾との微笑ましいツーショットもアップされています^^)

    ところで、今作で落語指導をされているのは林家染左さん…林家染丸さん(『ちりとてちん』で落語指導を担当され、出演もされていた)のお弟子さんでいらっしゃる方なのですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      団真、団吾、そしてお夕さんの登場は本当にインパクトの強いものでした。三人のドラマ、引き続き見せてもらいたいものですね。

  2. ひろみn より:

    背中を扇で2回叩く「まじないや」そして回想シーン
    本当に泣けました。
    団吾かっこ良過ぎや

  3. たいとうみほ より:

    駆け落ちを持ち掛けたのは自分の方だった、というお夕さん。
    ひょっとしたら、団吾の名跡を団真さんではなく
    弟弟子の方に譲ったお父さん(先代団吾師匠)への
    反発もあったのかな?と思って見てました。
    お父さんが認めなくとも自分はこの人が1番いい
    たとえ一門から外れてもこの人なら実力があるのだから、と。
    けど興行の世界の現実は甘くなかった。
    今週てんがリリコさんに教えられたように。
    一方ではお夕さんのその深い信頼と期待が
    団真さんにはとうとう重荷になってしまっていたのかも。
    現・団吾師匠も実はかねてから
    団真さんにどうやって手を差し伸べたらいいのか
    苦しんでいたかもしれません。
    素直になれずにひねくれてはいたけれど。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      団真の反対を押し切ってまでお夕さんが駆け落ちをした理由。ここが本当に気になります。いつかしっかりと描いてほしいものですね。

  4. よるは去った より:

    団吾「ほな行こか・・・・・・。」月の井団吾師匠が音頭を取っていた囃子は初代、二代目、三代目・桂春團治師の舞台での出囃子に使われている「野崎」。思えばこの曲が元々終盤に用いられていた人形浄瑠璃や歌舞伎の作品である「新版歌祭文~野崎村の場」は自分の婚約者である久松が奉公先の娘のお染と心中を考える程の恋仲であることを知り、自らは尼となって身を退く少女お光の悲劇を描いた作品です。今回の団吾師匠に似た境遇であるのも何かの偶然でしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      本当にお詳しいですね!豊かな知識によって、ドラマの世界観をより深く味わえることをうらやましく思います。