寺ギンを激怒させるてん / わろてんか 第68話

2017年12月19日(火)第12週「お笑い大阪春の陣」

あらすじ

キースや万丈目たちの間に動揺が走りました。アサリが芸人をやめると言い出したのです。しかしアサリが芸人をやめると言い出した理由はすぐにわかりました。自分に会いにくる祖父・治五郎に、アサリは芸人をしていることを知られては困る事情があったからです。

アサリの話を聞いた面々は一計を案じました。伊能にも協力を求め、伊能の事務所でアサリを会社勤めをしているように見せかけ、治五郎に対して一芝居打つことにしたのです。伊能の芝居に治五郎は納得し、孫の「出世」を心から喜びます。

そんな中、怪我をして仕事ができない芸人を気の毒に思ったてんが、その妻にお金を渡したがことが寺ギンの耳に入ってしまいました。その事実を知り激怒した寺ギンは、自分の芸人を横取りされると思い込み風鳥亭に怒鳴り込んで来ます。

芸人に対してもっと優しくすべきだ。怒鳴り込んで来る寺ギンを藤吉は諭しました。藤吉の言葉に納得するかのように見えた寺ギンでしたが、藤吉の言葉を逆手にとり北村笑店に報復に出ました。芸人が食当たりになったと偽り、寺ギンは芸人の出演を拒むのでした。

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予習レビュー

素性の怪しい藤吉くんの芸人仲間たちの中でたった一人、啄子さんから一目置かれ、啄子さんのお気に入りだったアサリ。

あの啄子さんが認めるほど、そして啄子さんと妙にウマが合っていたアサリという人物、アサリの素性がずっと気になっていました。

そのアサリのバックグラウンドが明らかにされるのでしょうか。

アサリのおじいちゃんが登場します。しかしその一方で、アサリはおじいちゃんに芸人をやっていることを知られたくない。

会社員をして暮らしているフリをしておじいちゃんの目を誤魔化す。

そのアサリの行動から、アサリの親族がどのような人たちなのか見え隠れしています。そしてそこに、アサリが啄子さんに気に入られた理由があるのかもしれません。

藤吉くんの昔からの芸人仲間の中で、啄子さん同様、僕もアサリが好きなので、アサリの素性が知れるのが嬉しくてなりません。

ちなみにアサリのおじいちゃん・治五郎さんを演じるのは佐川満男さん。

佐川満男さんの大阪の朝ドラ出演は前回の『べっぴんさん』に続いてこれが8作品目。

『べっぴんさん』では、キアリスの子供用の食器の製造を引き受けてくれることになった工場の、完全主義者の頑固一徹な職人さんを演じていました。

一方、前回に登場した宮嶋麻衣さん演じる富さんの困窮を気の毒に思ったてんちゃんが、どうやら救いの手を差し伸べるようです。

そして、このことが思わぬ騒動に発展し、その騒動の回収によって風鳥亭は新たなステージに進み、『わろてんか』前半が終了。物語に一区切りがつくようです。

感想

藤吉くんがなかなかいい感じになってきました

かつては風太くんに、いつも責め立てられる一方だった藤吉くん。

男前の風太くんを前にしてただただ頼りないばかりだった藤吉くんが、寺ギンのオッチャンに追従する風太くんに対して「これでええんか」とすごむ。

一方、藤吉くんににらみをきかされた風太くんは、藤吉くんと目を合わせることすらできない。

藤吉くんと風太くんの立場がいつの間にか完全に逆転してしまったことに時間の経過を感じずにはいられません。

藤吉くん、いつの間にか立派な男になりました。

寺ギンのオッチャンと対峙する藤吉くんの姿もこれまでとずいぶん異なっていたような気がします。

売り上げの分配をめぐって、これまでも何度か藤吉くんは寺ギンのオッチャンとぶつかっていました。

その時、寺ギンのオッチャンに対してついついムキになってしまうところに藤吉くんの若さがにじみ出ていると感じたものです。

しかし今回、寺ギンのオッチャンと対峙した藤吉くんはこれまでの藤吉くんとは全然異なります。

分からんちんの寺ギンのオッチャンを教え諭すような、静かで落ち着いた語り口。しかも寺ギンのオッチャンを見る藤吉くんの目はまるで相手を憐れんでいるかのよう。

かつて藤吉くんが寺ギンのオッチャンに対してムキになっていた頃。

海千山千の寺ギンのオッチャンにしてみれば、藤吉くんがムキになればなるほど、吠え立てる犬くらいにしか見えていなかったのでしょう。

でも、藤吉くんはもうムキになりません。吠えません。

だから寺ギンのオッチャンも、藤吉くんを脅威と感じはじめた。脅威を感じはじめたからこその今回の報復の行動につながったのではないでしょうか。

というわけで、ついに同じ土俵に立った藤吉くんと寺ギンのオッチャンの熾烈な戦いがはじまりました。

追伸:じいちゃんの来阪におびえるアサリのために一計を案じる藤吉くん。

伊能さまをあたかも操り人形のように使ってしまおうと算段するところにも、ビッグになった藤吉くんを感じずにはいられませんでした(笑)

藤吉くんを前にして伊能さますらも可愛らしく見えてしまったのは気のせいでしょうか。

風太くんの苦悩

前回から描かれ始めた風太くんの苦悩。

今回の藤吉くんの風太くんに対する「これでええんか」という言葉。この言葉は他でもない風太くん自身の心の言葉を、藤吉くんが代弁しているかのようでした。

藤吉くんに「これでええんか」と言われなくても、男前の風太くんならば十分過ぎるほどよくわかっているはずです。

「これでええ」わけがないと。

しかし、風太くんの言葉を借りれば「藤岡屋をやめて迷ってた俺を拾ってくれた。あんなんでも俺の笑いの師匠」です。風太くんの恩人です。

義理堅い風太くんのこと。いくら納得できない相手だからと言って簡単に見限ることなどできません。風太くん、男前ゆえにつらいところですね。

ところで今週のサブタイトルは「お笑い大阪春の陣」です。

「陣」すなわち戦いとは、藤吉くんと寺ギンのオッチャンとの戦いです。

でも、その戦いに加えて風太くんの戦いという意味も含まれているような気がします。

風太くんと寺ギンのオッチャンとの戦い。そしてダークサイドの中にいる風太くんと、もう一人の本当の風太くんとの戦い。それが風太くんの戦いです。

ずっと大好きだったキャラ・風太くんの今週の苦悩から目が離せません。

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コメント

  1. ポール より:

    アサリの背広姿だけかと思いきやキースくんもでしたね。これがきっと、エンタツ・アチャコのご両人が背広姿で世間話をするしゃべくり漫才を生み出すところにつながっていくんでしょう。学生の頃に見た「心はいつもラムネ色」とはまた違った切り口を楽しんでます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      エンタツ・アチャコを有名にした要素の一つが背広姿で、勤め人ごっこはそのフラグ。するどい指摘です。そこにまったく気がつきませんでした。

  2. たいとうみほ より:

    お客様第一という掛け声の下で
    実際には従業員にしわ寄せが来てしまう…
    あるいは大企業による「下請けいじめ」
    なにやら現代の国会や司法で
    喧々諤々とやっているようなテーマに思えました。