大会社になった北村笑店 / わろてんか 第73話

2017年12月25日(月)第13週「エッサッサ乙女組」

あらすじ

大正10年(1921年)秋。大阪演芸会のトップに立つ大会社となった北村商店を率いるのは代表取締役総席主の藤吉。てんは金庫番を預かる取締役経理を、風太はすべての寄席を取り仕切る総支配人となっていました。

同じ頃、伊能は、大阪郊外の宅地開発と活動写真の事業は成功を収め、日本の娯楽産業を牽引するほどの存在となっていました。その伊能が風太を挑発しました。活動写真が寄席を負かす日が来るのは遠くないと。

伊能の言葉に発奮した風太は、その頃、流行し始めていた島根県の民謡・安芸節(やすぎぶし)に注目しました。風太は藤吉に安芸節を演目のひとつにすることを提案。安芸節に大流行の兆しを感じ取った藤吉は早速、島根に向かいました。

島根で本場の安来節の楽しさを自分の目で確かめた藤吉は、すぐにもで踊り子を見つけて大阪に連れて帰り新しい演目の準備に取り掛かろうと決意。てんを島根まで呼び寄せると、踊り子たちの選考会を開くのでした。

<<前回72話 | 次回74話>>

【速報】第14週>>

Sponsored Link

予習レビュー

前週までが大正5年(1916年)頃なので、5年ほど時間がスキップして、2017年最後の週がスタート。

団吾との専属契約。芸人の月給制導入などによって北村笑店を急成長。

5年前には寺ギンのオッチャンの嫌がらせにより3軒の寄席のうち2軒が閉鎖に追い込まれる寸前にまで追い詰められていましたが、今では15軒もの寄席を持つ大所帯です。

また、寺ギンのオッチャンから追い詰められた前回、寺ギン率いるオチャラケ派の芸人は総勢150人でした。

今回のドラマの中で描かれる北村笑店の所属芸人は200人なので、すでに5年前の寺ギンのオッチャンをも超えています。

そして藤吉くんが社長。てんちゃんが経理責任者。ここまでは想定内、というか5年前とほぼ同様の役割分担といったところでしょうか。

北村笑店の人事で注目すべきは風太くん。

前回、寺ギンのオッチャンにクビを切られた風太くんは、今では15軒の寄席を束ねる総支配人。

風太くん=吉本せいさんの実弟が実在モデル説が以前からささやかれていましたが、この説の通りの展開となりました。

さて、今回登場する「安来節(やすぎぶし)」とは「ドジョウすくい」で知られるコミカルな踊りのことです。

この「安来節」を踊るアイドル四人組の乙女ちゃんたちが新登場。

この乙女ちゃんたち「安来節乙女組」のエピソードが、年末・年始の2週のメインテーマです。

感想

今週は大正10年(1921年)。ここ3週ほど時代がスキップしましたので、混乱せぬよう整理してみました。

時代の整理

藤吉くんが団吾師匠との専属契約を結ぼうと決意したのが大正5年(1916年)秋。その少し前に、北村笑店は二軒目の寄席を手中に収めています。

ほどなくして北村笑店と団吾師匠との専属契約が成立。ここまで第10週、第11週。

そして前週の第12週はサブタイトルにもある通り季節は春。北村笑店が団吾師匠との専属契約を結ぶことに成功した翌年の大正6年(1917年)の春と思われます。

土曜日の放送回の後半、北村笑店が南地風鳥亭を開業したのが大正7年(1918年)。

それからさらに三年ほどが経過したのが今週です。

風太くんとトキちゃんの関係

三年の歳月が経っても変わらない風太くんとトキちゃんの関係(笑)

変わらないというよりは元に戻ってしまったと言うべきなのかもしれません。元に戻ったとは京都の藤岡屋時代のこと。

風太くんが寺ギンのオッチャンの元にいた頃は、風太くんとトキちゃんがじゃれ合うことはありませんでしたからね。

じゃれ合う関係に戻ってしまったことで、二人のお互いへの本心が再び見えにくくなってしまいましたが、そんな中で風太くんが見せた伊能さまへの態度。

あれは嫉妬?

伊能さまの噂話に熱を上げるトキちゃんの姿をさも面白くなさそうな表情でにらみつける風太くん。

その直後、伊能さまに対して風太くんが言いました。もう北村笑店にはかかわらないで欲しいと。

伊能さまが北村笑店に関わることで、北村笑店に不都合なことなど何もないはずです。不都合なのは風太くんだけのはずです。

やっぱり嫉妬ですね。

今回の伊能さまの言動

北村笑店にやって来た伊能さまが風太くんに言った「足りないものを見つけてしまった」発言について考えてみました。

伊能さまが見つけた足りないものとは、自社にとっての足りないものではなく、北村笑店にとっての足りないものだったような気がします。

伊能さまがこの発言をする少し前、風太くんが一軒の寄席の売上不振のことを責め立てていました。

もしかすると、この時のやり取りは娯楽産業の環境が変化しつつあることにフラグだったのかもしれません。

売上不振の挽回策を自分の頭で考えろと言っていた風太くん。

しかし、その風太くんもまた、目の前の売上に追われるうちに大局的な見地から環境の変化を洞察することができなくなっていた。

そんな風太くん、または北村笑店の小さな危機を察した伊能さまが、北村笑店の足りないものを、まるで自分にとって足りないもののように遠回しに表現。

遠回しに表現しながらも、その一方で活動写真の産業が寄席を飲み込む日が遠くない!と風太くんなら間違いなく腹を立てそうな言い回しも使って挑発。

環境の変化に気づいていなかった風太くん、そして北村笑店を、巧みにピンチから回避させたのが、今回の伊能さまの言動だった。というのが僕の解釈です。

伊能さま、相変わらずいちいちカッコいいですね。

<<前回72話 | 次回74話>>

Sponsored Link
Sponsored Link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. ひるたま より:

    万丈目夫妻のうち吉蔵さんはともかく、歌子さんまでもがいきなり舞台に立つ芸人に…予想はついていたものの、率直に申し上げて些か唐突な展開で!?!?でした。『万々亭』はどうなっちゃったのでしょうか…お店はまだあるのかしら??
    せめて、この事を何か匂わせるようなエピソードが一つでも挿入されていたならば、もっと話の展開が滑らかになっていたような気がするのですが…??(もっとも今作はこのような展開の仕方が珍しくないような気がします。…前作の『ひよっこ』がいかに丁寧な脚本で、且つ丁寧に演出されていたかが分かりますね)
    …と思えば一方で、前回(第72話)にてんちゃんがへそくりを出す場面…これも唐突に書かれるんだろうな~とばかり予想していたら、実は6年間も着物を新調していなかった(≒着物代相当の金額を貯金に回していた。現代で言えば「引当金」とでもいう所でしょうか)という、れっきとしたエピソードが種明かしされていましたね。なお個人的には、着物代の事はうっかり見落としていました…(;^_^A

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      歌子さんの種明かしは第75話になってちょっとだけ出てきましたね。芸人ではいつ食べられなくなるから二足のわらじ。なかなか現実的な発想です。

  2. さん より:

    団真さんとお夕さんはどこに行ってしまったんでしょうか。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕もそこが気になっています。北村笑店は繁盛しているので忙しいのかもしれませんね。

  3. よるは去った より:

    万丈目ウタコ・キチゾーご両人のモデルはワカナ・一郎両師としてあった本がありましたけど、何かスタイルが違うかなという感がしなくもないですね。「モデルとえらい違うやないか。」という考えで視ないほうがよいんでしょうけどね。あの時代夫婦漫才で人気高かったのはワカナ・一郎師であるのは間違いないことだし。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      夫婦漫才に目覚める瞬間を見て見たかったです。でも、たった一人だけ行き詰っていた万丈目の晴れ姿に安心もしました。

  4. さや より:

    島根県民として、年末にこの流れは嬉しいです。しかし、出雲弁が心配です。「ゲゲゲの女房」に出てきた出雲弁はよかったのですが、「だんだん」に出てきた出雲弁は違和感しかなかったので……。