関東大震災発生の知らせ / わろてんか 第81話

2018年1月9日(火)第15週「泣いたらあかん」

あらすじ

大正12年(1923年)9月1日、関東で巨大地震が発生しました。てんが、東京に出張している藤吉の安否を心配する中、藤吉は無事に帰宅。しかし、藤吉がてんたちに告げました。キースがすでに帰国し東京にいることを。

キースの安否を確かめるため藤吉は誰かを東京の被災地に派遣することを決定。東京行きには風太が名乗りを上げました。一方、東京に向かう風太に、救援物資を持たせ被災した東京の芸人たちを助けてはどうかとてんが提案します。

東京に到着した風太はガレキの山の中でキースと再会することができました。キースはその時「東京のお母ちゃん」志乃と一緒でした。大阪に戻ることを拒むキースを風太は一喝。その数日後、キースは志乃を連れて大阪に戻って来ました。

てんや藤吉、そして万丈目やアサリたちは無事に風鳥亭に戻って来たキースを喜んで迎え入れました。しかし、風鳥亭を訪ねて来た伊能だけは他の者とは様子が異なりました。伊能はキースと一緒にいる志乃の顔を見るなり、言葉を失ったのです。

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予習レビュー

前回、東京進出を目論む藤吉くんが東京の寄席や落語家のもとを訪ね歩くというエピソードが描かれました。

ただし藤吉くんの奔走の結果、前回のドラマの中で東京に寄席を開業できるのかどうかは今のところ定かではありません。

そして今回。関東大震災の発生です。

ちなみに前回と今回のドラマの中で描かれるエピソードと史実との間に若干のズレが生じていますので、リアルでの出来事を時系列にまとめてみます。

なお、リアルの出来事をイメージしやすくするため、ドラマの中の人物名・団体名を用いてまとめています。

大正10年(1921年)。「てん」と「藤吉」は「風鳥亭」を開業してからの悲願だった端席ではない一流の寄席・金沢席を買収。

金沢席の名を「南地風鳥亭」と改め、そこで「団吾」の高座を披露。

一流の落語家と一流の寄席の両方を手に入れた「北村笑店」は、大阪の演芸界を率いるポジションに上り詰めました。

そしてその翌年。すなわち関東大震災が発生する前年の大正11年(1922年)。

飛ぶ鳥を落とす勢いの「北村笑店」は大阪だけでなく東京と名古屋への進出も果たし、28軒の寄席の営業をしていました。

そんな中で関東大震災が発生。

「風鳥亭」が東京で営業していた寄席は全壊してしまいました。

以上がリアルでの出来事です。「北村笑店」は関東大震災により直接の被害を被っていたのだそうです。

感想

志乃さんと伊能さまの過去を匂わす描写

志乃さんと伊能さんの過去を匂わす描写の積み重ねが見事でした。

今回の最後の場面。志乃さんの姿を見た伊能さまの表情は瞬く間に凍りつき、やっと絞り出した一言は「あなたは・・・」

いつもクールな伊能さまが言葉を失うこの場面までの志乃さんの描写の積み重ね。志乃さんのセリフやその時の表情を思い出すと涙目になりそうです。

キーちゃんに「あーん」する志乃さんの姿。自分の息子を十分に可愛がってあげられなかった物足りない気持ちがその姿にあふれていました。

そして怪我をしてまで家の中にへその緒を収めた箱を取りに行くところには、幼い頃に別れたという息子への深い愛情と未練がにじみ出ています。

息子は外国に行って成功したというのも、息子が元気でいることを信じずにはいられない母親の親心。

キーちゃんに「お母ちゃん」と呼ばれて嬉しそうにしているのも、母性の渇きを満たしているのかも知れません。

そんな志乃さんの息子への愛情をこれでもかというくらい描いた末の、伊能さまの異変。顔面蒼白となった伊能さまがやっとの思いで発した一言「あなたは・・・」

話が前後しますが、北村笑店での応接室での場面。

てんちゃんと藤吉くんが、伊能さまは東京にも知り合いがいるのではないかと尋ねたその時、言葉を濁しはっきりと返事をしない伊能さま。

あのクール過ぎる伊能さまが動揺を必死に隠そうとする様子が新鮮でした。

アサリの反応と未練

東京の被災地にいるキースのことが一番心配なのは他でもないアサリのはずです。

そして、そのキースが大阪に無事に戻って来た。

キースが無事だったこと。キースと再会できたこと。それらのことを一番うれしく思っているのも間違いなくアサリのはずです。

でも、心配な気持ち、うれしい気持ちを今のアサリは顔には出せない。言葉にも出せない。

顔にも言葉にも出せないからこそ、心配な気持ちもうれしい気持ちも、人よりもずっと大きくなってしまう。

そんな複雑な気持ちで混乱するアサリの、泣いていいのか笑っていいのか怒っていいのかよくわからなくなっているアサリの表情。名演です。泣かせてくれます。

一日も早く、アサリがキースとの再会を心から喜べる日が訪れますように。・・・でも、その日が来るのはまだ少しばかり先になる見通しです。(残念)

風太くんとトキちゃんのすれ違い

キースが震災被災地の東京にいることがわかり「俺が行く」と名乗りを上げる風太くんが今回もまた男前です。

自分も東京に行きたげなアサリの気持ちを察し「すまんけど芸人を連れて行くわけにはゆかない」と即座に言い切るところがさらに男前。

寺ギンのオッチャンと訣別して以降、日に日に音前になる風太くんがまぶし過ぎます。

でも、トキちゃんの前で「自分には家族がいないから何があってもかまわない」と言ってしまったのは、トキちゃんには気の毒。

風太くんがトキちゃんの気持ちをしっかりと受け止めている事実。トキちゃんがくれたお守りのおかげで自分が無事であると風太くんが認識していること。

これら風太くんの本心が、今はまだ伝わっていないトキちゃん。その胸の内を思うとあまりにも切ない。

でも、しばらく前の気持ちの完全なすれ違いの頃と比べたら、すれ違いの幅もずいぶんと小さくなって来たかなとも思います。

ちょっとネタバレになりますが、次週には風太くんとトキちゃんの恋バナがスタートする模様。

そんなわけで、今週中はその恋バナのフラグが随所に立つことが予想されます。

次週につながる大事なフラグを見落とさぬよう、しっかりと観察しながら今週のお話を鑑賞しようと思います。

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コメント

  1. こひた より:

    伊能さまの発した「ムコウジマ」のセリフ、聞き逃しはしませんよ!
    それってきっと「向島」のことですよね!

    ていうことは、志乃さんはもしかしてみね子ちゃん達の大先輩だったりして(#^.^#)
    まあその頃はまだ向島電機はなかったでしょうけどね。

    たまーにこういうの放り込まれるとひよっこ信者にとってむっちゃ嬉しいですよね。

    そんな私、実は紅白も見ることできなかったんですよ。
    三津屋ゼネラルエグゼクティブプレミアムディレクターも大好きなのに(;_;)

    「NHKなんで」   後悔しております。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      愛子さんは大正の終わり頃に生まれたものと思われます。愛子さんは向島で、もう生まれているかもしれませんね。早くに亡くなったという愛子さんのご両親は、まだ向島で健在の頃ですね。

  2. こえり より:

    銀粉蝶さんお久しぶりですね!私があの女優さんのお名前を知ったのは梅ちゃん先生でした。凛として仕事にも厳しい、でも気になる患者さんの打ち明け話に興味津々という人間味のある看護婦さんでした。いつもは調子の良い軽薄そうなキースが、志乃さんと過ごしていると柔らかくて穏やかでとても清々しい気持ちになりました!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      本当の息子みたいに甘えて志乃さんの母性本能を意図せず満たす「キーちゃん」。本当にいい仕事してましたね。二人だけの場面をもっともっと見ていたいほどでした。

  3. あっきぃ より:

    朝蔵様 いつも楽しく拝見しております。
    初めての投稿が訂正のお願いで申し訳ありませんが、
    「アサリの反応と未練」の部分で、キースのことと思われる箇所がアサリになっています。
    確認をお願いします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ご指摘ありがとうございます。とんでもない間違いを、しかも連発してましたね。早速、訂正させていただきました。今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。

  4. ひるたま より:

    コメントの続きです。
    本日放送分で「志乃さん」=銀粉蝶さんが初登場。
    恥ずかしながら、個人的には本作で銀粉蝶さんを初めて知りました…かなりベテランの女優さんでいらっしゃるにも関わらず。以前の朝ドラ『梅ちゃん先生』にも出演されていたとの事…松坂桃李さんとも共演された(同一場面に登場した)のでしょうか?

    その銀粉蝶さん=「志乃さん」と高橋一生さん=「伊能栞さん」、メイク等のせいもあるのかも分かりませんが…お顔の全体の感じ(雰囲気)が本当にそっくり!と思ったのは私だけでしょうか。実に絶妙なキャスティングだな~と思いながら見ていました。(^^)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      銀粉蝶さんと松坂桃李さんの共演場面はなかったと記憶しています。頑固一徹のヒロインのお父上が、ただ一人だけ頭の上がらない最強キャラとして登場していました。

  5. ひるたま より:

    「アメリカから帰って来たんやったら、こっちに顔出すんが筋やろ」
    芸人さん達の中でもアサリさんは我々一般人と比較的感覚が近い‘常識人’かと、以前から個人的に感じています。「この人、金勘定も出来て…」と啄子さんからも認められていましたしね。
    アサリさんの、キースに対する安否の気遣い方&再会した時のリアクションが他の人物と異なっていた様子も印象的でした。実は本当に、誰よりもキースの事を案じていたのでしょうね。

    「何んにも変わらへんねんな。東京では、あれだけ人が亡くなって何もかんもこわれてしもたのに…あれは夢やったんかな…」
    私自身はいずれも未体験なのですが(東日本大震災当時は茨城を離れて北陸地方に住んでいたので)、阪神淡路そして東日本の大震災を経験された方にとってはかなり実感のこもるであろう、今日のキースのセリフは印象深かったです。ちょうど来週水曜日が「1月17日」…劇中でも何らかの演出が準備されているのでしょうか。

    本日の放送回には「亀井さん」=内場勝則さん、そして「岩さん」=岡大介さんが久しぶりに登場されていたように思います。(お二方とも、他のお仕事との兼ね合いもあるのかな?と思いながら見ていました。岡大介さんは演歌歌手の方の公演なども含めた舞台のお仕事も多くていらっしゃるようですね)
    ベテランの俳優さんが登場すると、画面(場面)が引き締まりますね。(^^)

    末筆ながら些か新年の御挨拶が遅くなってしまいました。朝蔵さん、どうぞ本年も宜しくお願い申し上げます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      胸中複雑なアサリ。名演です。毎回、胸がヒリヒリします。

      地震の描写。『ごちそうさん』の時はまだまだつら過ぎましたが、あの時と比べて少しだけ癒されている自分を発見しました。

      ひるたまさん、こちらこそ本年もよろしくお願いいたします。

  6. ミナナ より:

    伊能さまの⁈そんな偶然、いくらドラマでも…とも思いますが志乃さんがいることでキースが大阪に戻りやすい展開になり…やはり絶妙な脚本と唸ります◎先週の箸休めバナシの中にもフラグ立ちまくりでしたし、ほんと用事しながら見てたら見逃しますね(笑)朝蔵さん、今年もよろしくお願いいたします◎

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      短期フラグ、長期フラグ、ともに満載。本当に油断できませんね。

      こちらこそ本年もよろしくお願いいたします。

  7. うつ より:

    大震災後における、てんの憧れの人だった伊能さんの対応は現代人のわたしから見て
    非常に頭が下がる思いです。

    こういうとき、富裕層が徳のある者かそうでないかを試されるんね。

    内部留保を溜めてばかりな今時の富裕層など伊能さんからすれば
    幼稚で下品で精神的に大人になれない人に見えるでしょう。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      そして、リリコちゃんの「チャリティーさん」という言い方。自然体の人助けの姿勢がすがすがしかったです。

  8. よるは去った より:

    キース「どないしたん?」栞「あなた・・・・。」志乃さんと栞君はひょっとして・・・・・・・という幕切れでしたね。