団吾のラジオ出演阻止? / わろてんか 第90話

2018年1月19日(金)第16週「笑いの新時代」

あらすじ

東京から帰って来た万丈目と歌子が藤吉の見舞いにやって来ました。東京で新しい演芸の数々を見て大いに刺激を受けた万丈目は新しいことに挑むことを決意。万丈目がノートいっぱいに書き溜めた新作万歳の台本は、藤吉を笑わせることに成功します。

そして、新しい万歳をつくろうと意気込む万丈目と歌子の姿を見て、藤吉は考えはじめていました。自分も新しいことに挑んで笑いをもっと多くの人に届けなければならない。これからが北村笑店の正念場だと。

一方、隼也は北村笑店を継ぐこと。そのために勉強して大学に進学することを宣言。藤吉が倒れて以降、てんの働きぶりを見ていた隼也は考えをあらためたのです。隼也の宣言を、藤吉は喜んで受け入れました。

そして迎えた団吾がラジオ出演すると宣言していた夜8時。大阪のラジオ局に見張りを立てた風太の裏をかいて、団吾は京都の放送局から落語の放送を開始。一本取られた風太が悔しがるその一方で、ラジオによる新時代の幕開けを藤吉は見守るのでした。

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予習レビュー

藤吉くんの実在モデル・吉本吉兵衛氏が亡くなったのは関東大震災のあった年の翌年、大正13年(1924年)のことでした。

しかし今週のドラマの中の時代は大正はとうに終わりすでに昭和4年(1929年)です。吉本吉兵衛氏逝去の5年後です。

藤吉くんのXデーは無事に過ぎました。

無事に過ぎはしましたが、病に倒れ体に麻痺が残ってしまいました。

そしてそんなタイミングで息子の隼也くんが、北村笑店の跡を継ぐと宣言。

隼也くん、まだ子供ですから病床のお父ちゃんを励ますつもりで言ったのかもしれません。他意はないような気もします。

しかしその一方で、こんなタイミングで北村笑店の承継問題を出してきたその作劇上の理由がひどく気になります。

『わろてんか』最終回までに、北村笑店の承継が描かれてしまうのでしょうか。

話変わって、風太くんによる団吾のラジオ番組への出演を阻止する行動が、前回に引き続いて今回も描かれます。

風太くんが北村笑店の社員たちをラジオ局前に張り込ませ、団吾がラジオ局に入れないようにするものの「風太にとってはあまりにも意外な展開」。

この「意外な展開」はこのページを投稿した時点ではまだ不明です。次回の事前情報の中で明かされることになるかと思います。

この「意外な展開」がどうなるかというブログ主の予想ですが、もしかすると録音放送が始まるのかも知れませんね。

団吾が風太くんの目の前にあらわれる。ラジオ局に入ることを団吾は断念。にも関わらず、ラジオからは団吾の落語が流れ始める。風太くんにはこの状況が理解できない。

前作『ひよっこ』でも、テレビの中で豊子ちゃんがクイズ番組に出演していながら、自分の目の前にも豊子ちゃんがいることに澄子ちゃんが目を白黒させる場面がありました。

戦後生まれの女の子でさえこのレベルです。風太くんが録音放送を理解できなくても無理はありません。

感想

風鳥亭の古参の芸人さんたち

かつて、キーちゃんとアサリがコンビを結成して新しい万歳ネタに挑んでいた頃。キーちゃんとアサリが絶好調のその一方で、万丈目は完全に行き詰っていました。

たった一つしかない芸はどれほど頑張っても一向にお客さんの笑いをとることができず、しかし新しい芸をつくることもできない。

自信喪失と焦りのどん底にいた万丈目、本当に痛々しいものがありました。

そしてそんな万丈目の姿を思い出しながら目にした、今回の万丈目の意気揚々とした姿。苦しかった時が長かっただけに、胸にくるものがありました。

歌子さんと組んだ夫婦万歳は大いに人気を集め、東京ではそれまで見たこともないような新しい演芸に触れ、そして新しいことに挑む決意を固める順風満帆の万丈目。

病床の藤吉くんまで叱咤激励してしまう、万丈目の輝く表情。素敵でした。

そしてうっかり口が滑って「死んだ気になって新しいことを・・・」。この口の滑り方の激しいこと、さすが大阪人です(笑)

そんな万丈目の過去の「暗」と今の「明」を見ながら気になったことが一つ。

万丈目が行き詰っていたとき、コンビを結成したキーちゃんとアサリとともに岩さんは筋トレに励んでいたと記憶しています。

あの頃、岩さんはキーちゃんやアサリよりイケイケでした。というか、岩さんが筋トレに励む姿に触発されてキーちゃんとアサリも稽古に励むようになったはず。

そんな誰よりもイケイケだった岩さんですが、筋トレ以降、出番がありません。

そして今回、岩さんが自ら口にしていたように風鳥亭の番組でも出番が減り続けているらしいことがちょっと心配です。

キーちゃんとアサリがブレイクし、万丈目と歌子さんも順風満帆。

さらにちょっとネタバレになりますが、今回のドラマの中で描かれた万丈目の新作万歳の台本は万丈目の新しい才能開花のフラグです。

その万丈目の才能の助けによってキーちゃんとアサリも新しいステップに。

万丈目、キーちゃん、アサリ、そして歌子さんがひたすら前に進み続ける中、たった一人取り残されてしまった感のある岩さんも、そろそろブレイクさせて欲しい。

そう願わずにいられません。

藤吉くんと隼也くん、父と息子の葛藤

リトル隼也くん時代からフラグが立ち始めていた、藤吉くんと隼也くんの父と息子の葛藤の物語。

意外に簡単に、しかもとても綺麗に片付いたのではないでしょうか。

北村笑店を継ぐことを拒み父親に反抗していた隼也くんが、気持ちを改め父親の事業を承継する決意を固める。

その決意の動機がまた素敵です。

「僕、勉強して大学行きます。歯を食いしばっているお母ちゃんを見て気がついた。自信がないから逃げているだけ。お父ちゃんの跡を継いでお父ちゃんを超える。まずは勉強して大学にゆく」

お父ちゃんが倒れたことが北村笑店を継ぐと決意した理由ではなく、お母ちゃんが懸命に働く姿が気持ちを変えた一番の動機。

自分の病気に同情されて気持ちを変えたのではなく、母親への敬意が隼也くんの決意に動機になったこと。

藤吉くんも父親として嬉しく思っているのではないでしょうか。

一視聴者としても、本当に素敵な改心のしかただと思いました。父と息子の葛藤の解決。実にきれいに回収してくれました。

追伸:北村笑店を継ぐと宣言した隼也くんに対して、照れ隠しなのか素っ気ない態度をとりながらも喜びを隠しきれない藤吉の表情。松坂桃李さんの名演でした。

『死神』

今回は、未来志向の言葉の数々と一緒に笑いがふんだんに散りばめられた回でもありました。

万丈目の「死んだ気になって」不適切発言(笑)。

ラジオ放送に前向きな姿勢を示す藤吉くんに呆れた風太くんが立腹のあまり隼也くんに対して「長いこと病院にいて腑抜けてる」爆弾発言(笑)。

そしてまさかの京都放送所からのラジオ放送で、風太くんを挑発しまくる団吾師匠。

未来志向の言葉とたくさんの笑い。

そんな中で団吾師匠が演じ始めた落語のタイトルが不吉です。

『死神』

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コメント

  1. ひるたま より:

    昨日の『あさイチ』プレミアムトークのゲストが「藤吉くん」=松坂桃李さんでした。
    他の出演者の皆さんのコメント(暴露話?^^;)もあって、大変楽しく&興味深く見ました。
    久しぶりに「寺ギン」=兵動大樹さんもビデオで出演されていました!(^^)
    「生放送でアテレコ」という‘無茶ブリ’(?)にも松坂さんは見事に応えていらっしゃいました。

    トーク中での松坂さんの発言「(基本的に)藤吉は結構ポンコツじゃないですか」という発言が個人的にはツボでした…演じた松坂さん御自身も認めていらっしゃるようです。(^o^;)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      藤吉くんがポンコツですか!?自覚した上で、というかそこを狙って演じていたわけですね。

  2. ひるたま より:

    「あんたらに関係あらへん!」…トキちゃんを揶揄ったキース&アサリにはともかく、岩さんにまでパンチ(?)が飛び火して…岩さんにとっては完全にとばっちりでしたね。(^^;)

    史実の桂春団治同様に、団吾師匠も北村笑店(この場合は特に風太くん)を見事に出し抜いて京都からラジオに生出演…カリカリしていた風太くんには申し訳ないけれど、彼以外の北村笑店関係者は概ね満更でもない様子だったように見受けられました。殊に海外(アメリカ)渡航経験を、加えて関東大震災を経験したキースはむしろ、団吾師匠寄りの考え方の持ち主とお見受けしました。

    今日、公式サイトで「団吾師匠」=波岡一喜さんのインタビューがアップされていました。曰く「病床の社長(総席主)=「藤吉くん」を励ますために頑張りました!」とのコメントが。(^^)
    実際の桂春団治も、そして月の井団吾師匠も聴く人を楽しませたい!というサービス精神旺盛である事は想像に難くありません。
    かくいう私も、見ながら団吾師匠の‘まくら’で楽しませてもらった1人です(風太くんには申し訳ないけれど…風太くんの姿が滑稽にさえ見えました)。まくらが長くなりそうな団吾師匠の噺…時間制限に関して容赦ないラジオに於いては、一体どのようにして帳尻を合わせて来るのでしょうか。(^^;)

    そして昨日の放送分でも匂わせていましたが…演じられようとしている噺は、まさかの『死神』!?
    『死神』の下げ(オチ)は、演者の数だけバージョンがあるといっても大袈裟ではないようです。団吾バージョン=『わろてんか』バージョンでは一体どのような‘下げ’が用意されているのか…明日を待つしかないですね。(^^;)
    ところで『死神』と聞いた途端に、笑顔だった藤吉くんの表情が真顔(凍り付いた?)に変わっていた…ように見えたのは私だけでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      団吾師匠がラジオを通して風太くんをいじりまくる場面。あそこは笑いが止まりませんでした。本当に面白かった。そして風太くんの目を覚まそうとする団吾師匠のドSの愛情を感じました(笑)

  3. よるは去った より:

    団吾「ホンマに魂抜いてきよるのが『死神』ちゅう奴でして・・・・・・・。」最初、NHK テレビの「演芸独演会」で六代目・三遊亭圓生師匠の「死神」を聴いた時は「落語」にこんな「オチ」ありか?と言いたくなるくらい、怖い結末でしたが、現在は現・柳家小三治師や現・立川志の輔師などこの怖いはずの結末を笑えるオチに工夫し直してますね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      怖くないオチがあるんですか!?さて、団吾師匠のオチはどうなるんでしょうね。明日が楽しみです。

  4. さや より:

    団子師匠のラジオ出演騒動。
    史実では、桂春団治の出演を阻止しようとする吉本興業の社員の裏をかいて、放送局とは別の場所で生放送を敢行したそうです(時代的に録音放送技術がなかったようです)。

    Wikipediaに書いてあっただけなので、ドラマでは録音放送かも知れませんけど。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      別の場所で生放送。ドラマの中でもそんな展開になるかもしれませんね。ドラマとしてその方が断然面白くなるかと思います。