団吾の落語のラジオ放送 / わろてんか 第91話

2018年1月20日(土)第16週「笑いの新時代」

あらすじ

風太の努力もむなしく、団吾の落語のラジオ放送がはじまりました。団吾は風太の裏をかき京都の放送所にいたのです。団吾のラジオ番組を最後まであきらめずに阻止しようとした風太は、地団駄を踏んで悔しがります。

その一方で、てんと藤吉はラジオから聞こえてくる団吾の声にはじめのうちこそ驚きながらも、いつしか二人は団吾の落語に引き込まれていました。団吾は落語『死神』に藤吉全快の願いをこめつつ、風鳥亭を宣伝することも決して忘れませんでした。

笑いの新しい歴史の幕が開く瞬間を目の当たりにした藤吉は仕事への意欲を回復。一方、団吾のラジオ出演阻止に失敗し深く気落ちした風太はトキに求婚。風太とトキはお互いの気持ちを確かめ合い、二人はようやく結婚することになりました。

団吾がラジオ出演した翌日。はじめて団吾の落語を聞き、その面白さに目覚めた多くの人たちが風鳥亭に殺到しました。ほどなくして藤吉も退院。北村笑店はラジオと上手に付き合いながら笑いの新時代に一歩を踏み出すのでした。

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予習レビュー

今週のお話は藤吉くんと風太くんの対立からはじまりました。

寄席の現場でお客さんの反応を常に観察し芸の流行の変化を察知した風太くんは、落語よりも万歳(漫才)を前面に押し出すべきだと主張。

しかし藤吉くんは伝統ある落語を大事にする姿勢を崩してはならないと反論し、藤吉くんと風太くんの対立がスタート。

そこへ団吾のラジオ番組出演騒動の勃発。

団吾がラジオ番組に出演することを阻止するという共通の目的を持った藤吉くんと風太くんは一時休戦。

ところが、いざラジオ番組がはじまると、芸の流行をめぐっては守旧派のような立場だった藤吉くんが時代の潮流を受け入れる考え方に転じてました。

一方、芸の流行の変化に対応すべしとかたく信じていた風太くんは、時代の大きな流れに最後の最後まで対抗しようともがきにもがく。

藤吉くんと風太くんの二人の考え方が白黒反転する様が今週の見どころの一つとなるかもしれません。

今週はさらに、藤吉くんと風太くんの白黒反転劇のまっただ中での、藤吉くんのまさかの入院。一方の風太くんはトキちゃんへのプロポーズに失敗。

藤吉くんは病気から回復に向かうところまで描かれて今週が終了しますが、風太くんの恋のゆくえはこのページを投稿した時点では詳細は不明です。

風太くんの恋バナ、今週中に回収されるのでしょうか。それとも次週に持ち越し?風太くんとトキちゃんの未来がいよいよ気になりはじめてきました。

感想

『死神』

団吾師匠が演じた落語『死神』には、主人公が最後に死ぬパターン。生き返るパターンなど様々なサゲ(オチ)があるようです。

しかし団吾師匠が選んだのは最も一般的な主人公が最後に死ぬパターンでした。

主人公が生き返る変則パターンを予想していた僕にはまさかのサゲ(オチ)でした。

ただでさえ藤吉くんが、かろうじて命びろいしたばかり際どい状況下です。こんなタイミングで主人公が死ぬ標準パターンはないだろうと思ったわけです。

しかし、その予想が裏切られたばかりか、最後には死んでしまう主人公の名前を「藤吉」にしてしまう大胆さ。

これには真剣に驚きました。

団吾師匠、否、脚本家の吉田さん。すごい賭けに出たものです。

しかし、主人公の「藤吉」を最後に死なしてしまいながらも、死ぬ間際までも輝き続けたことを讃える締め方が見事でした。

そして、この締め方。もしかすると次週へのフラグなのかもしれませんね。

そしてついに風太くんとトキちゃんが・・・

風太くんとトキちゃん。この二人のことがずっと大好きだったの、二人の結婚が身内のそれのように嬉しいです。

風太くんらしいプロポーズ。そしてトキちゃんらしい受け入れ方でした。

「俺の三歩後ろを歩け。食事には甘いものを一品用意しろ。俺よりも長生きしろ」

精一杯背伸びをして亭主関白をてらいながらも、トキちゃんに甘えているようにしか見えない風太くんがこれまた可愛い。

そんな風太くんの気持ちをしっかり受け止めているトキちゃんも素敵です。

ようやく待ちに待った夫婦が誕生しました。

第16週「笑いの新時代」の感想

今週のサブタイトルは「笑いの新時代」。

このサブタイトルをはじめて見たときに、新しい時代の到来にワクワクしっぱなしの躍動感あふれるストーリー展開を予想していたものの、実際は藤吉くんのまさかの入院。

しかも藤吉くんの言葉を借りるなら「三途の川の手前」までたどり着いてしまうような、命に関わる病気です。ちょっと具合が悪くなったでは済まない状態です。

藤吉くんの一件によって「笑いの新時代」というワクワクするようなサブタイトルへの期待感はもののみごとに粉砕されてしまいました。

ところで「笑いの新時代」などという未来志向のサブタイトルを持った週に、藤吉くんの病気という重すぎるエピソードをわざわざぶつけてきたのかを考えてみました。

今週のサブタイトル「笑いの新時代」の対極にある「旧時代の笑い」は落語です。

実際、今週の冒頭で亀井さんのセリフを通してさりげなく説明されていました。落語専門の寄席の客足が遠のく中、賑わっているのは万歳(漫才)をかけている寄席ばかりだと。

落語が斜陽になり、それに代わって勢いに乗りはじめたのが万歳(漫才)です。「笑いの新時代」です。

ところで「笑い」の世界に落語から入った藤吉くんは、『わろてんか』の物語の中では「笑いの旧時代」のシンボルみたいなキャラクターです。

寄席の演目の中心には万歳(漫才)を据えるべきだと主張する風太くんに対して、藤吉くんは落語を大事にしたいと反論していたくらいでしたからね。

「笑いの旧時代」のシンボルの落日が、落語の落日をあらわしている・・・というのはうがち過ぎでしょうか。(というか藤吉の日はまだ落ちていませんね)

それはともかく「笑いの新時代」の最重要アイテムであるラジオの可能性に誰よりも早く気がつき、その可能性に賭けたのは落語家の巨匠・団吾師匠でした。

その団吾師匠の先見の明を誰よりも鋭く見抜いていたのは、落語が笑いの中心だった頃の古き良き時代に深い愛着を持っている藤吉くんです。

そして落語にこだわる藤吉くんに対して、新時代志向に見えた風太くんが、実はラジオという時代の最先端のツールに対して一番警戒が強かったりする。

進歩派と守旧派という単純な分け方でなく、進歩派でありながら新しさを恐れたり、守旧派の立ち位置にいながら誰よりも時代の先を見据えていたり。

新しい時代の到来にワクワクしっぱなしどころか、皆が皆、大混乱に陥っていりどの方向に歩むべきかわからなくなっているカオスの状態。

この状態こそが「笑いの新時代」というサブタイトルの意味するところだったのかもしれません。

さて、次週はいよいよ・・・これ以上は言わないでおきます。次週予告映像の藤吉くんの涙が悲しすぎましたので。

次週は大変な展開になりそうですが、どうぞ良い週末をお過ごしください。

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コメント

  1. ひるたま より:

    続きです。
    『死神』が東京(江戸)落語であるという説明が、東京帰りの万丈目さんのセリフによってなされていたのも印象的でした。この場面のために万丈目夫妻を東京に行かせたのかな?とも思ったりしました。(「ところがこの男、死神との約束を破ってしまいます」落語の途中でナレーションによる説明が入ったのは…ドラマの進行の関係上仕方が無かったのでしょう…欲を言えば全部聴いてみたかったですね)

    ‘うどん’と‘蕎麦’…関西と関東(の違い)の象徴として利用されていたのですね。「わしは蕎麦の方が好きや」木曜日の団吾師匠のセリフは東京の噺まで勉強していた事を表していたのですね…私は遅まきながら土曜日の放送を見てからようやく気が付いた次第ですが。(^^;)
    なお風太くんは即答で「うどん!」と…実際に劇中でもうどんをすすっていた場面がありましたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      うどんと蕎麦の選択。頂戴したコメントでやっと意味がわかりました。大阪と東京の対比だったというわけですね。ちなみに僕は蕎麦派です(笑)

  2. ひるたま より:

    風太「やられた!」団吾「アハハハハッ!」
    風太くんには申し訳ないけれど…見ていたこちらも大笑いしちゃいました。(ちょうど団吾師匠の笑いと被るタイミングでした…私の場合は自宅で見ながらでしたが(^^;)
    劇中の『死神』…映像(TV)でも音声(ラジオ)でも両方それぞれ楽しめる作りになっていましたね。落語中の「藤吉」「死神」の演じ分けも含めて…「団吾師匠」=波岡一喜さん本当にお見事!でした。(こちらも公式サイト等で動画アップされたら嬉しいのですけれども)

    「人の一生は限られています。…」
    まさかの『死神』!?と最初は驚いたのですが(しかも主人公を「藤吉」という名前で呼んでいたのでこれまたビックリ仰天!そもそも病床に臥している相手に対して「死神」「寿命」等々…ダイレクトな表現を使う事自体が普通ならば先ず考えられませんね)、「限られた一生を、輝かしく且つ大切に生き続けて欲しい」という、団吾師匠らしい社長(総席主)=藤吉くんへの‘エール’だったのだと、私は感じています。
    病床に臥している相手を励ますのに『死神』が使用されるとは思いもよりませんでしたが。

    そして、風太くん&トキちゃん良かったですね~(^^♪(見ながら私も、さだまさしさんの往年のヒット曲にして名曲『関白宣言』がすぐに頭に浮かびました)
    風太くんも、何だかんだ言って団吾師匠には頭が上がらない事でしょう。(^^)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      団吾師匠の『死神』は藤吉くんへのエールにしてフラグにもなりそうですね。

  3. ポール より:

    風太のプロポーズ、さだまさしの往年の名曲を思い出しました。

  4. こひた より:

    つくづく団吾師匠は長嶋茂雄タイプだと感じました。

    人には努力してる姿を見せず、まさに天才と謳われその偶像を貫き通した。
    長嶋さん共々大好きです。

    風太、トキちゃんオメデトウ(^▽^)ゴザイマース!

    来週もジェットコースターのような展開が予想されますね。またハラハラドキドキさせておくんなまし。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      長嶋茂雄タイプ。確かにその通りですね。いつだったか、誰にも見つからないように稽古に没頭する団吾師匠の姿がありましたが、忘れることができません。

  5. 団悟師匠、粋な計らいでした!良かったです!そして、風太とトキちゃん!おめでとう!何よりも二人の祝言の写真のトキちゃんの嬉しそうな顔!もう最高でした!主人公の二人を食ってしまうほどの名演技でした!来週は波乱の週になるその嵐の前の一時の幸せな時間ですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      風太くんとトキちゃんはゴールインするだろうと第2週の頃から予想していましたが、予想をはるかに超える素敵なゴールインでした。

  6. よるは去った より:

    「死神」のオチですが六代目・三遊亭圓生師、五代目・三遊亭圓楽師はドラマの団吾師匠が演った通りでしたが、八代目・橘家圓蔵師、現・柳家小三治師は上手く蝋燭の火を繋ぐことが出来てほっとした途端に「ハックション!!」(バタン)。現・小三治師はここで爆笑に包まれて高座を降りてますね。現・立川志の輔師は上手く火を繋いだ蝋燭を持って上に上がろうと階段を登って行き、「ハァーッ!」と息をついてバタン。明治時代に東京で人気を博した初代・三遊亭圓遊師は蝋燭の部屋に連れていかれ死神が「お前をどうするか仲間と相談してくる。」とその場を外している間に主人公は自分のだけでなく、その場の消えかかった火を全て新しい蝋燭に移して地上にトンズラ。大金もらって助けた金持ちの旦那の家に行くと家族や奉公人から感謝され「貴方が旦那を助けてくれたおかげで当家は闇にならずにすみました。」「闇にはいたしません。蝋燭の芯を切ったばかりですから。」と明るい結末にしており、三代目・三遊亭金馬師がその型で演じたCD も市販されてます。以前「日本の話芸(東京落語会)」でも現・三遊亭金馬師がこの型で演ってましたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ドラマの中では最後は闇にしましたが、闇の直前の輝きを強調したのが実に粋でしたね。