藤吉の葬儀から数日経過 / わろてんか 第98話

2018年1月29日(月)第18週「女興行師てん」

あらすじ

キースとアサリの新しい漫才を見届けた藤吉は、ほどなくして短い生涯を終えました。そして、藤吉の葬儀が終わり数日を経てもなお、北村家には弔問客たちの訪問が絶えることがありませんでした。

亀井、岩、キース、アサリ、万丈目、歌子。藤吉の昔からの友人たちがてんのもとにやって来ては藤吉の思い出話に花を咲かせ、それぞれが藤吉への恩に報いようと決意を言葉にして新たな一歩を進み始めました。

一方、伊能は亡くなる間際の藤吉との約束を守りました。北村笑店の役員に就任してんを支えてゆくとてんに告げたのです。藤吉が死の間際まで家族のことや北村笑店の将来のことを真剣に考え続けていたことを知ったてんは、藤吉への感謝の気持ちを新たにします。

その半年後。風太とトキの間に女の子が生まれました。名付け親になってほしいと頼まれていたてんは、生前の藤吉と一緒に考えておいた名前を披露。大空を自由に飛ぶ鳥であってほしいという願いを込めて、てんは風太とトキの子供に「飛鳥」と名付けるのでした。

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予習レビュー

藤吉くんの死が確定しました。

事前に公開されていた前週末のストーリーでは、再び脳卒中の発作を起こし一度は回復したものの容態が急変した藤吉くんのその後がどうなったかは不明でした。

しかし残念ながら今回「葬儀」の二字が出ることで藤吉くんのその後が確定です。

史実は藤吉くんの実在モデルは昭和の時代に入る直前、関東大震災の翌年・大正末期に急逝しています。

だから、藤吉くんは史実の通り早逝し、いつぞやてんちゃんに対して「いつまでも待っている」と宣言した伊能さまが、その言葉通りの行動に出ることを予想していまし。

しかし『わろてんか』の物語は、大正末期の関東大震災から数年を経て昭和に突入。

藤吉くんのエックスデーが無事に過ぎた上に、同じ頃には伊能さまはリリコちゃんと急接近し始めていたので、藤吉くんの早逝はない。

そして伊能さまはリリコちゃんと・・・

そんな展開を予想というか期待するようになっていましたが、予想も期待も見事に裏切られました。

藤吉くんのエックスデーの大正末期が何事もなく終わったことで油断していました。

というわけで今週からは藤吉くん亡き後の物語の始まりです。

藤吉くんがいなくなったことで、伊能さまとリリコちゃんの未来がまったく見えなくなってきました。

しかし、だからと言って伊能さまとてんちゃんの再婚などという安易な展開はないかな?

『わろてんか』は残り二ヶ月。これからどこに向かってゆくのでしょうか。

追伸:風太くんとトキちゃん、おめでとう!

感想

亀井さん、岩さん、キーちゃん、アサリ、万丈目はん、歌子さん。藤吉くんがそれぞれの心に蒔いた種が双葉をひろげる瞬間。そんな印象を受けた弔問場面。

そして、それから半年。

藤吉くんはもうこの世にはいないけれど、藤吉くんの想いは「飛鳥」という名前を通して大空に羽ばたき続けている。主要キャラの死が、悲しみから希望に転じる美しい回でした。

亀井さん

藤吉くんと亀井さんの出会いの場面が忘れられません。

亀井さんが藤吉くんと出会った頃。あの頃の亀井さんは、奥さんを亡くし寄席を倒産させ、人生にあきらめきった世捨て人でした。

そんな亀井さんのもとを来る日も来る日もしつこく通い続けた藤吉くん。

その藤吉くんの努力を知ったてんちゃんも、藤吉くんの知らないところで亀井さんを気づかい続けていました。

人は誰からも関心を払われないと廃人になってしまうと言いますが、あの時の亀井さんは廃人になりかかっていたのだと思います。

その廃人瀬戸際のところから亀井さんを救い出したのは他ならぬ藤吉くんでした。

今ではすっかり頼れる素敵なおじさんになってしまった亀井さん。藤吉くんと出会った頃の亀井さんは別人のようです。

というか亀井さんを廃人から生き返らせたのが藤吉くんです。

亀井さんに素敵な第二の人生を与えた。この一事だけでも藤吉くんの生き様は実に立派だったと思います。

追伸:亀井さんが静かな口調でてんちゃんに言った「なんかあったら気軽に呼びつけてやってください」という言葉が心に沁みます。

岩さん

芸人としてなかなかブレイクしない岩さんですが、わざと今日までブレイクさせなかったのかなとふと思いました。

岩さんがてんちゃんに言いました。

「こんな年まで面倒見てくれはりました」

まるで売れない芸人の岩さんを、家族だからという理由で決して見捨てることはしなかった藤吉くん。

この藤吉くんの懐の大きさを際立たせるために、岩さんを今日の今日まで売れない芸人のままにさせていたのかなと、今回の岩さんの涙する場面を見て思いました。

そんな岩さんに、てんちゃんが優しくかけた言葉も優しい。

「これからもずっと北村笑店の家族やで」

岩さん、藤吉くんに恩返ししようと奮起して、そろそろブレイクするのでしょうか。

キーちゃん、アサリ、万丈目はん、歌子さん

残念な芸人くずれだった頃の藤吉くんを良く知る、古くからの芸人仲間たち。キーちゃん、アサリ、万丈目はん、歌子さん。

彼ら仲間たちもはじめのうちこそポンコツ芸人でしたが、それ以上に藤吉くんはポンコツでした。そのポンコツがまさかの大社長に成長する人生。

キーちゃんが言った「アカンタレがおてんちゃん出会ってから、どんどん強い男になって社長にまでなってしまった」という言葉に、逝った仲間を誇りに思う気持ちがたっぷりと込められていて泣かされました。

また、万丈目はんの「ご恩返しさせてもらいます。よお見ててや」もグッときました。

岩さん同様、万丈目はんも売れない時期が長く続きました。しかし、そんな万丈目はんを藤吉くんは決して見捨てたりはしませんでした。

これが寺ギンのオッチャンならクビをきられているところでしょう。

あの苦しい時期があったからこそ、藤吉くんへの「恩返し」という言葉が観る者の心に響いてきます。

リリコちゃん

『わろてんか』第1週で、てんちゃんとリリコちゃんはいつの日か親友になるみたいなナレーションがあったはずです。

てんちゃんとリリコちゃんが親友になった瞬間。

それが、今回のリリコちゃんの号泣場面かなと思います。藤吉くんを失ったことの喪失感を誰よりも深く感じているのは、この二人のはずですからね。

伊能さま

伊能さまにとって藤吉くんの存在がどれほど大きいものだったのか。恥ずかしながら今回の伊能さまの言葉を聞いて初めて理解しました。

「藤吉くんと出会って、初めて人というものを信じてみようと思った」

実母に捨てられたという少年時代のトラウマ。伊能家の嫡男のバックアップに過ぎないという存在の耐えられない軽さ。

よくよく考えてみると一見さわやかに見える伊能さまの心の中は、もしかすると深い闇に包まれていたのかもしれません。

そんな伊能さまにとって藤吉くんは希望の星だったのかもしれませんね。

飛鳥ちゃん

藤吉くんが生前に考えていた名前が、新たに生まれてきた赤ちゃんに付けられ大空に羽ばたいてゆく。美しすぎる締め方でした。

追伸:風太くんが絶叫し、住人たちがズッコケる場面。

今回は見事に決まりましたね。第1週でギョロ目の鬼さんがまさかのくしゃみをして、通行人たちがズッコケる場面はみごとなまでに外していましたが、今度は成功です(笑)

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コメント

  1. サエモン より:

    藤吉君との思い出はみんな色々あるんですね

    岩さんは新喜劇の座長やいじられ役が
    似合いそう

    ピン芸よりみんなとの団体芸が一番はえるなと
    芸人長屋とかのやり取りが
    1人で奮闘より楽しそうで
    戦後まで岩さんがブレークせずに
    生き残ればですが
    新喜劇座員とか
    新喜劇スターになれそうな気もします
    まぁ、新喜劇やるか知りませんが

    栞さんと藤吉君はあの殴りあいから
    家に泊まりにきた日から

    前世の若殿と二番家老の頃の
    切れない絆が芽生えたのかな?

    二人の友情は良かった

    栞さんと風太もぶつかりながら意外と

    軍師官兵衛のトリオを数年ぶりにみれた
    先週までも良かったです
    これからは元家老コンビたちが
    奥方さまいえ女興行師
    女太閤
    大阪のお母ちゃんを支えますよ⁉️

    風太のズッコケは良かった

    男性の飛鳥は一部問題だけど

    女の子なら今は乃木坂の
    さいとう飛鳥さんとか

    飛鳥ちゃんは居ますしね

    てんちゃんの社長としての姿や
    栞さんとの業務提携に役員就任

    業務提携までしてたとは
    確かに昨今映画にドラマにアニメと
    芸人が俳優や声優にタレントと幅広いし
    その走りが

    トキの復帰と風太と栞さんのぶつかりあい

  2. ミナナ より:

    オープニングのキャストの役名がキース、アサリと芸人名で並ぶなか、なぜ万丈目さんだけがフルネームなんだろうと思っていたのですが、作家さんになるからだったのでしょうか?こんなとこにまで伏線がはられていたのかと勝手に驚いています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      万丈目はんと歌子さんを区別するためのフルネームなのかなと考えていましたが、作家だからフルネーム。鋭い推察だと思います。

  3. にゃんと戯れるのが好き^^ より:

    こんにちは^^ ちょっと仕事を休んでてこの時間に^^;

    亀井さんの言うてた「反魂香」いう落語のお話。
    奥さんに先立たれた亀井さん、
    ひょっとしたらやってはったんかなぁと切なくなりました。
    そんな亀井さんを奥さんがお空から見てはって、
    藤吉君とおてんちゃんに出会わせてくれはったんかも、と
    朝蔵さんの感想を見て、思ったりしました。

    以前、少し年上のお友達に「愛されて育った子ぉは強い」言われました。
    さみしさをいっぱい抱えて育った、リリコちゃん、伊能様…
    そんな人らに、知らんうちに「居場所」を作ってた藤吉君とおてんちゃん。
    やっぱり「強い」なぁと思った今回です。
    藤吉君の大きな愛情を
    伊能様から伝えてもらったおてんちゃんの笑顔、綺麗やったなぁ。

    しんみり今日は終わるんかなぁと思てたら、
    「飛鳥ちゃん」誕生!
    風太の喜ぶ姿を見て、ほんわかさせてもらいました^^

    赤ちゃんはお空からのお使い。
    きっときっと、悲しみに暮れる北村笑店を笑顔にしてくれるはず。
    しんみりするお話の中に、次へとつながる何かがある
    「わろてんか」…やっぱり好きやぁ^^

    風太君、おトキちゃん!
    ほんまにおめでとう~~~(*^▽^*)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 愛されて育った子ぉは強い

      藤吉くんと、藤吉くんを慕っていた伊能さまとリリコちゃん。それぞれの決定的な違いは親に愛されていたかどうか。この一点ですね!そこに気がつきませんでした。

  4. 今週から成田凌さんが隼也役で登場しますね!
    成田さん24才、葵わかなさん19才、年齢逆転の母子役をどうカバーし、演出したのか楽しみですm(__)m後、戦時中と戦後のやけ野原からどうなってゆくのか?前作の様に見事な伏線の回収を期待してます!また予習、予告レビュー宜しくお願いしますm(__)m

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      てんちゃんの老けメイクがここに来て目立つようになってきたので、年上の息子が登場する場面への準備なのかもしれませんね。

  5. サエモン より:

    隼也の成長後のあらすじと
    事前のストーリーから
    藤吉は1月には亡くなる予想はしてましたが、本当に亡くなるんですね

    てんが社長になるのは史実通りですね
    すぐに会長になり
    弟の林さんに譲ってますが
    わろてんかではどうなるかな?

    栞さんはリリコとか
    昨年の政次みたいに史実と違い
    独身貫くか

    てんも未亡人で終わると思うけど
    次に一番不安なのは隼也も史実通りになるか
    どうかですね
    願わくは最終回までいて欲しいが

    最終回は何十年間か飛ばして
    藤吉やお父ちゃんたちの
    まつ
    笑いのつまった
    あの世の風鳥亭の寄席を笑いながら
    みてるみたいな
    まぁ、どうなるか楽しみです

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      てんちゃんの跡を継ぐのは隼也くんになるような気がしています。隼也くんは渡米するらしいのですが、藤吉くんの夢を隼也くんが叶えるということなのでしょう。