女興行師としての第一歩 / わろてんか 第99話

2018年1月30日(火)第18週「女興行師てん」

あらすじ

藤吉が亡くなってから四年の歳月が経過した昭和9年(1934年)。北村笑店は全国に30軒の寄席を持ち300人の芸人を抱える大所帯に。一方、隼也はアメリカで暮らす啄子のもとに身を寄せ、ショービジネスを学んでいました。

その頃、キースとアサリは人気の絶好調。しかし二人に続く人気芸人がいないことが悩みの種でした。同じ頃、自分はお飾りの社長に過ぎないと自分の仕事に自信を持てずにいたてんに、伊能がアドバイスします。女興行師にしか出来ない仕事に挑んでみてはどうかと。

女興行師としてスター芸人を新たに発掘するよう伊能から提案されたてんが思いついたのは、女性が憧れを持つような女流芸人を生み出すことでした。てんの新たな挑戦を耳にしたトキも、てんに協力するために職場に復帰。

華のある女流芸人を発掘し女性が憧れるスター芸人を売り出したい。てんとトキが空想をめぐらしているその時、藤吉の仏前に線香を備えるためにリリコがやってきました。リリコを見たてんは、リリコこそが華のある女流芸人に慣れると直感するのでした。

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予習レビュー

今週のサブタイトルである、てんちゃんの「女興行師てん」としての活動がスタート。

女流芸人を発掘し、女流漫才をはじめる試みには、てんちゃんとトキちゃんに加えて新聞記者になった楓ちゃんもジョイントすることが発表されています。

また女流芸人は意外な人物です。島根から来た乙女ちゃんたちのように新キャラクターとして登場する人物ではありません。

女流芸人として新たなに発掘されるその人物とはリリコちゃん。

今回のうちに、リリコちゃんが女流芸人としててんちゃんたちに見出されることになるのかどうかは定かではありませんが、今週中には間違いなく確定する見通しです。

かくして、藤吉が遺した言葉=てんちゃんの興行師としての仕事。そしてリリコちゃんの芸人への復帰、などなどが今週中に具体化してゆきます。

藤吉くんはもういませんが、藤吉くんの影響力が残り続けそれが実を結んでゆくことで、藤吉くんがいなくなった喪失感が癒される週になるのでしょうか。

一方、てんちゃんを支える二人の男・伊能さまと風太くんが今週から対立を繰り返すことになると、事前にアナウンスされています。

風太くんは病気で倒れる間際の藤吉くんとも一時的に対立していましたが、風太くんと伊能さまの対立はあの時のように一時的に終わるのか。

それとも深刻な事態に発展してしまうのか。

藤吉くんと風太くんのように長い付き合いではないので、新たな対立がどこまで行ってしまうのかが気がかりです。

感想

昭和9年(1934年)

今回から昭和9年になりました。

史実ではその三年後の昭和12年に二・二六事件が発生。ちなみに3月5日から始まる第23週の冒頭が昭和14年の秋です。

よって昭和9年から昭和10年が描かれる2月中の放送が、明るく楽しい時代が描かれる最後になるのかもしれません。

3月になり、家の外は春の兆しが濃厚になってくるはずですが『わろてんか』の物語は真冬の時代です。

実際、第23週のサブタイトルは「わろてんか隊」。このサブタイトルは、芸人さんたちによる軍隊への慰問団の呼び名です。

そんな時代にいよいよ突入するということです。

物語の中で最後の明るい時代が描かれるこれからの数週間。

その明るさを目に焼き付けておきたいと思います。

昭和9年(1934年)頃のリアルわろてんか

昭和5年(1930年)に藤吉くんが亡くなってから四年。その間の史実・リアル北村笑店こと吉本興業ではどのような出来事があったのかまとめてみました。

昭和5年(1930年)
・5月:エンタツ・アチャコの新コンビ誕生。ドラマの中でのキーちゃんとアサリのしゃべくり万歳の完成が史実をヒントにしたものと思われます。
・12月:桂春団治がラジオ出演。団吾師匠のラジオ騒動はしゃべくり万歳の完成後の出来事だったようです。

昭和7年(1932年)
・3月:この頃すでに吉本興業は全国に47軒もの寄席や劇場を所有していたそうです。ドラマの中よりもさらに大所帯だったようです。

昭和9年(1934年)
・ アメリカからボードビルショー『マーカス・ショウ』を輸入し東京の日本劇場(日劇)で上演。この史実も再来週あたりにドラマの中に出てくるようです。

ちなみに日本劇場(日劇)は今年の2月に閉館します(悲)

昭和10年(1935年)
・8月:『ヨシモト』を敢行。次週『月刊キタムラ』という雑誌が刊行されます。その実在モデルが『ヨシモト』かもしれません。

てんちゃんとリリコちゃんの物語はじまる

リリコちゃんの新展開への大きなフラグが立ちました。

リリコちゃんの姿を見て、目の前にいるリリコちゃんこそが「しゃべくりがうまくて華のある女芸人」だと気づいてしまうてんちゃん。

もっとも、てんちゃんとトキちゃんが「華のある女芸人」はいないかと話し合っているその時には、視聴者はみんなリリコちゃんを思い出していたと思いますが(笑)

さて、リリコちゃんの大きなフラグはまた、今週のサブタイトルである「女興行師てん」にもつながってくる、てんちゃんのフラグでもあります。

てんちゃんのフラグとはてんちゃんの転機のフラグです。

そして、てんちゃんの転機とは、社長の自分はお飾りに過ぎないなどと考えて自分の仕事に自信が持てないてんちゃんの転機です。

藤吉くんが亡くなった後しばらくはドラマが停滞するかもと実はちょっと心配でしたが、てんちゃんがブレイクスルーに向かう様が描かれ停滞どころではなさそう。

安心しました。

さて、これからリリコちゃんが女優から芸人へと転身し、芸人の世界でも人気ナンバーワンの存在となるまでの紆余曲折が描かれるようです。

そしてリリコちゃんが頂点にのぼりつめる過程を時に応援し、時に叱りつけるてんちゃんもまた自信なさげな殻を破って「女興行師てん」になってゆく。

二つの成長のドラマがお互いにからみ合って進んでゆくタイプのストーリーテリングは大好物なので、これから数週間の展開が楽しみでなりません。

追記:てんちゃんは隼也くんが社長に就任するまでのツナギだと言う風太くん。その風太くんの言葉にカチンときたトキちゃんが言い返しました。

「ツナギって・・・おてん様は山芋じゃない!」

笑う場面ではないんでしょうが、いかにも大阪人らしいツッコミ方に思わず吹きました。

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コメント

  1. ひるたま より:

    >日本劇場(日劇)は今年の2月に閉館します。

    先程検索して確認したところ…残念ながら明日(2/4)を以て閉館してしまうのですね。「TOHOシネマズ」の名称が冠せられる前の時代=「日本劇場」「日劇プラザ」時代には仕事帰りにしばしば立ち寄って映画に浸っていた一時期がありました。今よりは遥かに若かった当時、独身一人暮らしで時間もお金もそれなりに使えた、しかし一方で将来に不安も抱いていた…そんな時期でした。今思い返すと、一人でいるのが寂しかった故に映画を見まくっていたのかもしれません。それも含めて懐かしい思い出です。
    その「日劇」が無くなってしまうのは寂しいですね…。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕も、本日付けで閉館となった旧・日本劇場はオープン初日に『ワンスアポンアタイムインアメリカ』を観て以来、大好きな映画館でした。寂しくなります。

  2. ひるたま より:

    この放送回(第99話)の冒頭オープニングの映像に文鳥が…先程確認したらちょうど第1回の時と同じ映像だったようですね。わざわざ(?)同じ映像を、同じ冒頭に持って来たのは…藤吉くんが亡くなってから4年経過、ここからがヒロイン「北村てん」単独の話になるという意味が込められていたのかな…と個人的には感じるのですが。

    隼也くんが大学を中退して渡米(遊学)…前々作『べっぴんさん』の龍一くんと健太郎くんを足して2で割ったような設定だな~と思いながら見ていました。(龍ちゃんは大学を中退して世界冒険旅行へ行き、健ちゃんが大学卒業後に留学した先がアメリカ…という事で^^;)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > オープニングの映像に文鳥

      すごい観察力ですね。さすがです!

      > 龍一くんと健太郎くん

      海外かぶれなところも龍ちゃんに似てますね。

  3. こひた より:

    藤吉はん、お疲れ様でした。ゆっくり休んでおくれやす。

    さあいよいよこの物語の主人公が表舞台に登場ですね。
    どんな女興行師になるのか楽しみです。

    余談ですが、ここまで出てきたどの芸人さんより風太とおトキちゃんコンビが一番おもろいと感じてるのは私だけではないと思うんですが、舞台デビューはないやろなぁ。

    残念(#^.^#)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      風太くんとトキちゃんの「夫婦漫才」。僕も一番おもしろいと思ってます。万丈目はんと歌子さんを超えてます(笑)

  4. 朝蔵さん、吉本興行の史実を丁寧に書き込み頂きありがとうございます!勉強になります。
    後、2ヶ月のわろてんかは史実通りに話進めてたらとてもや無いですが時間足りそうに有りませんね。なので、オリジナルの話(一部 史実に沿った部分も有るようですが)を楽しみたいと思い出ます。そして、限られた時間の中でどれだけ史実に近い ストーリー展開になるのかも!
    それにしても、文枝師匠の登場にはビックリしました!今日だけの登場なんでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      文枝師匠の名はその後はクレジットされていないので今回限りかもしれませんね。ドラマの中で落語を披露して欲しかったです。

  5. こえり より:

    朝蔵さん。お久しぶりにコメントさせて頂きます。やっとです…やっと「おテンちゃん」が主役らしくなって来ました!これぞ朝ドラ!これぞ華!
    ずっと、「もうダメだ、挫折だ」と思いつつ見てきた甲斐がありました。ひたすらBクラスを走り続けた某プロ野球チームが悲願のリーグ優勝をした時のような喜びです(┯_┯)応援していて本当に良かった。
    欲を言えば年末くらいにこんな風にワクワクしたかった。主役なのに一番台詞がすくないんじゃ?と言う日々を越えて、やっとです。良かった!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      お久しぶりです!
      藤吉くんの葬儀の場面以降、てんちゃんがさらに朝ドラヒロインらしくなってきたと感じています。せっかくここまで来たのにあと二ヶ月ですね。

  6. Hikaru Fujiwawa より:

    朝蔵さん、誠におこがましいですが、「風太と伊能の働きに支えられながら、てんの社長としての仕事をまっとうしていたにもかかわらず、世間の人々はてんをお飾りの社長としかみなしていなかったのです。」ではないでしょうか。