北村笑店が創業25周年 / わろてんか 第110話

2018年2月12日(月)第20週「ボンのご乱心」

あらすじ

ミスリリコ・アンド・シローは、キース・アサリと並ぶ北村笑店の看板芸人に成長。そんな中、北村笑店が、翌年には創業25周年の年を迎えることになりました。この記念すべき年を飾る催しを行いたいと、てんは考えていました。

てんの考えを聞かされた隼也にはあるアイディアがありました。世界中で大ヒットしている『マーチン・ショウ』の日本公演。それが隼也の提案したアイディアでした。しかし、てんも風太も隼也の提案に関心を示そうともしません。

ついに不満を爆発させた隼也は、伊能のもとで修行させて欲しいと申し出ました。しかし、てんは隼也の願いを認めませんでした。隼也は深く落胆。ところが、意外にも風太が隼也の願いを聞き入れます。

風太は、隼也を仕込んで欲しいと伊能に懇願。その一方で風太は、キースとアサリを呼び出しました。北村笑店の未来をかけた一生に一度の頼みがある。そう話を切り出した風太は、キースとアサリに深々と頭を下げるのでした。

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予習レビュー

今週のサブタイトル「ボンのご乱心」にある「ボン」とは、言うまでもなく隼也くんのことです。(亀井さんがリトル隼也くんを「招きボン」と呼んでましたっけ)

ボン=隼也くん。

今週は隼也くん週。隼也くんのご乱心が描かれます。

北村笑店は創業25年。節目の念を祝うための記念事業を行うとてんちゃんが宣言。

その記念事業の企画として、風太くんはリリコ・アンド・シローの東京デビューを提案。

一方の伊能さまは、これまで北村笑店が手がけたことがないような斬新な企画の方がいいと風太くんに反論。

そんな華やかなプロジェクトが動き出したのを目の前にして、北村笑店の経営に対して前のめりになっている若い隼也くんが関心を持たないわけがありません。

そして隼也くんは『マーチン・ショウ』の日本公演を提案するものの、てんちゃんと風太くんはあっさりとその提案を却下。

この「あっさりと却下」が、ボンのご乱心のトリガー(引き金)となるようです。

前々作朝ドラ『べっぴんさん』で、アメリカで経営学を修めてきた自分の力だめしをしたい一心で暴走する健ちゃんを思い出さずにはいられない展開となりそうです。

ところで隼也くんが提案する『マーチン・ショウ』の実在モデルは、アメリカのレビュー団『マーカス・ショー』です。

総勢100名のダンサーが舞台の上で踊る『マーカス・ショー』が日本で公演されたのは昭和9年(1934年)3月。会場は、2018年2月4日に閉館した日本劇場。

「レヴューの新様式スペキュタキュラー・キャラクター・レヴューの真価を見られよ!」というキャッチコピーで宣伝された『マーカス・ショー』は記録的ヒットだったそうです。

感想

「オッチャンは頭が古い!」

週のはじめからいきなり「ボンのご乱心」の大きなフラグが立ちました。

「オッチャンは頭が古い!」

隼也くんが風太くんにここまで言ってしまうなんて(驚)

しかし、隼也くんはなかなかの大人です。風太くんの立場や気持ちもよくわきまえているみたいです。

隼也くんは北村笑店の御曹司。

だから、他の社員たちはみんな隼也くんに言うべきことを言えないに違いない。風太くんにしても他の社員たちと同じような気持ちもあるかもしれません。

しかし、藤吉くんの亡き後、てんちゃんと北村笑店を支えることを自分のミッションと心得る風太くんは「他の社員たちと同じような気持ち」を封印。

心を鬼にして「藤吉くんの代わり」のポジションに立っている。

そんな風太くんのことを隼也くんはよく理解している。一方の風太くんも、隼也くんが自分の立場を理解してくれていることを、よくわかっている。

その信頼関係があるからこそ、隼也くんの頼みを聞き入れたのかもしれないですね。

「オッチャンは頭が古い!」と言われても、その隼也くんの言葉に感情的になって反応することはせず、隼也くんの将来にとって最善の道を考える風太くん。

仮に藤吉くんがまだ生きていたとして、隼也くんが「お父ちゃんは頭が古い!」と言い放ったら、藤吉くんはそれ以上の強い言葉を隼也くんに返していたかもしれません。

そう考えると、風太くんは父親の代わりどころか、父親以上に隼也くんの将来に対して真剣だと言えないこともありません。

そして、隼也くんの将来のことを真剣に考えた末に、これまで苦手としいた伊能さまと盃を交わす風太くん。

酒の席で、伊能さまの人物を見極め、隼也くんの未来を託す風太くん。今回も男前でした。

風太くんと伊能さま

伊能さまと風太くん。二人の男は北村笑店の役員会の席などでこれまでたびたび意見の衝突を繰り返してきました。

漫才を100年先まで続けるものにすることが切なる願いの風太くん。そう願う理由は、漫才こそが北村笑店の宝だから。

漫才が100年先まで続けば、北村笑店も100年先まで安泰だ。

風太くんはそう考えているのでしょう。

一方の伊能さまは、漫才だけに頼ることで北村笑店の未来を危うくすることになりかねないと考えている。

あくまでも漫才を守り通すべしと主張する風太くん。漫才以外にも幅広く手を広げるのが最善の道だと信じる伊能さま。

漫才の扱い方、見方については正反対の方向に向いている風太くんと伊能さまでしたが、目指すゴールは同じところ。北村笑店が繁栄を続けるという一点でした。

ゴールにたどり着く道はまったく違うけれど、目指すゴールはただ一つ。

そのことを深く分かり合えた風太くんと伊能さまの二人の男の場面。なかなか見応えがありました。

そして、分かり合えたことで伊能さまを信頼できる男だと初めて確信を持てた風太くんが、隼也くんを伊能さまに託す。

「隼也を伊能さんに預けようと思う。伊能さんやったら大丈夫や。ちゃんと仕込んでくれる」

そして、隼也くんに対しては恩着せがましい顔を一切見せず、「お前のやりたいことやってこい」とだけ言ってその場を去ってゆく風太くん。

繰り返しになりますが、本当に男前です。

追伸:その風太くんの姿を頼もしげに見つめるトキちゃんの表情がまた素敵でした。

大事な話

その男前の風太くんが「一生に一度の男の頼み」だと言って、キーちゃんとアサリに深々と頭を下げました。

この場面が、今回の最後に来るとは意外でした。

風太くんの「男の頼み」は今回のもっと早いタイミングで登場するものとばかり思っていました。

風太くんの「男の頼み」は「北村笑店の未来のため」です。風太くんに見えているものは北村笑店の未来、ただその一点。

ボンのご乱心の巨大フラグではじまった今回のお話ですが、ほとんど風太くんに持ってゆかれた感がなきにしもあらずですね。

それほど風太くんの存在感が際立つ回でした。

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コメント

  1. ひるたま より:

    「お前はな、アメリカでいろんなもん見たかもしれん。せやけどまだまだひよっこや」
    風太専務のこのセリフ…明らかに前作へのオマージュ演出ですね。(^^)

  2. clara* より:

    今週は「ボンのご乱心」

    思い出したのが、ボンのお母ちゃんの若かりし頃。
    啄子さんから『そんなに北村家の嫁になりたいんやったら、ほな女中から始めなはれ。』
    こんな内容のことを言われ、色んな難題をクリアして、今は立派な北村の女社長に!

    あの頃の啄子さんは、ただてんちゃんを追い出したかっただけかも知れない。
    でも、今の風太くんからは、ボンへの愛情が伝わってきて切ない(>_<)

    うーん、難しいね。
    『本当の自由とは、まず秩序をしっかり守ることだよ。』
    こう、若い隼也くんに教えたいのだろうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      言われてみればてんちゃんも「下働き」を強要されてましたね。すっかり忘れてました。

  3. あみ より:

    ちょっと日劇について...
    日劇が閉館したのは私がずいぶん若い頃のことで、35年以上も前のことかと思います。その後、跡地にできたマリオンは当時大変な話題となりましたが、時代の移り変わりとともに中身は色々と入れ替わり、最近閉館になったのはそのうちのひとつだと思います。ちなみにマリオン創業当時にはまだ「日本劇場」という名前の映画館が残されていましたが、それさえもだいぶ前に改称されていました。
    マリオン内映画館にはこけら落としにも行っているので思い入れが深く、失礼しました\(_ _)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      日比谷から銀座にかけて、有楽座、日本劇場、テアトル東京と、名館が集中していました。かろうじて「日劇」の名前だけが残っていたものの、その劇場が姿を消し寂しくなりました。