マーチンショウの興行権 / わろてんか 第113話

2018年2月15日(木)第20週「ボンのご乱心」

あらすじ

隼也が大きなピンチにおちいりました。すぐにでも手付金の5000円を支払わなければ『マーチン・ショウ』の興行権が他の者の手に渡ってしまうと代理人が言ってきたのです。しかし隼也にそれだけ莫大なお金を用意できるはずはありません。

隼也はてんに頼み込みました。5000円を用立てほしいと。しかし、伊能には無断で行動している隼也の頼みをてんは一蹴。それでも隼也は『マーチン・ショウ』をあきらめきれずにいました。そして、そんな隼也のことがてんは心配でした。

ところがてんの心配をよそに隼也はあることを決行しました。藤吉が隼也のために遺した遺産を手付金に使ってしまったのです。手付金を払い、隼也は代理人と仮契約を締結。その報告を受けた伊能は、隼也を北村笑店に連れて行きました。

誰のことわりもなしに遺産に使ってしまった隼也を、てんは厳しく叱りつけました。それでも自分の行為を正当化する隼也に伊能が問い詰めます。隼也が仮契約を結んだ代理人を名乗る人物は、本物なのかと。

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予習レビュー

隼也くんが亡き父・藤吉くんと似たような道をたどることになるのでしょうか。

まだ北村屋が米問屋を営んでいた頃。

北村屋がばく大な借金を背負っていることを知ってしまった藤吉くんは、その借金をすべて自分で返し切ればお母ちゃんに認めてもらえると焦っていました。

焦りすぎて、まともな判断力を失っていました。

そして判断力を失った結果、詐欺にあいました。しかも、その詐欺によってさらに借金が増え、ついに北村屋は屋敷と土地まで手放すところまで追い詰められました。

北村屋が落ちるところまで落ちてしまったのは、藤吉くんの焦りでした。

さて、あの頃の藤吉くんと同じように隼也くんも焦っています。

自分の実力を試したくて焦っています。

さらに、自分の腕試しとしてはこれ以上のぞめないほどのチャンスである『マーチン・ショウ』が、自分の手から離れかねない事態に焦っています。

二重の焦りを募らせる隼也くんはとうとう、リスクを承知の上である賭けに・・・

てんちゃんの心配は当たってしまうのでしょうか。

以下、ネタバレです。ご注意ください。

てんちゃんの心配は残念ながら大当たりします。

藤吉くんのにがすぎる経験と同じように、『マーチン・ショウ』の興行権も詐欺でした。

しかし救いなのは、隼也くんの詐欺被害でも北村笑店が危機におちいらないこと。

そして、隼也くんが運命の人・つばきちゃんと出会えたことです。

感想

無駄とすら思ったパーマ機詐欺騒動の回収

前回からはっきりと見てとれるようになってきたボンこと隼也くんのご乱心。前回はそれでも、今回にくらべたら冷静に行動していたように思います。

しかし今回の隼也くんは目がイッてしまってました。

完全なご乱心状態です。誰の目にもご乱心以外のなにものにも見えません。

そして思いっきりご乱心ぶりを発揮しはじめた隼也くんの姿を見て思います。ポンコツだった頃の藤吉くんにそっくりだなって。

藤吉くんがポンコツだった頃。

どうしてヒロインの相手役をここまでポンコツに描くのか疑問に思ってました。

仮にも朝ドラヒロインの夫になる人です。しかも、将来は大きな仕事を残す人です。いくらなんでもポンコツに描きすぎだろうって。

でも、その後の藤吉くんが凛々しく立派になるにつれて、ポンコツキャラとして描いていた理由がわかってきました。

あのポンコツ時代があったからこそ、大人になった藤吉くんの立派さが際立つのだと。

そして、今回。

藤吉くんがポンコツキャラ、残念キャラとして描かれていた理由がもう一つハッキリしましたね。

あのポンコツな父にしてこのご乱心ボン(笑)

そしてもうひとつ納得したことがあります。

藤吉くんのパーマ機の詐欺騒動の一連の場面。

当時の北村屋が存続できないほどの窮地におちいった騒動にもかかわらず、あまりにもコミカルに描き過ぎだろうって、あの頃の僕は思ってました。

とりわけ、今回のドラマの中で回想として登場した若き日の万丈目はんが、パーマ機が髪の毛を焦がす場面。

無駄にコミカル、そんな感想をちょっとばかり抱いたことを思い出します。

しかし、あれだけコミカルに描いたからこそ、あの残念すぎる過去は懐かしい思い出として笑って語ることができます。

そして、そんなコミカルな過去の回収だからこそ、隼也くんのご乱心と、ご乱心が招いてしまった結果が重苦しくなりすぎずに済んでいるのかもしれません。

かつての藤吉くんのパーマ機の詐欺騒動を悲壮感たっぷりに描いていたら、今週の隼也くんのご乱心は重たすぎて直視できていなかったかもしれません。

前半には無駄にすら思えたエピソードが実は後半へのフラグでした。

そして無駄にすら思えたからこそ、そのフラグの回収場面を重くなりすぎずに観ることができる。

見事なストーリーテリングだと思います。

(その無駄に耐えかねて挫折してしまった人は残念なことをしました)

アサリのくさった姿のフラグ

アサリが相変わらずくさってます。

自分の芸に行き詰っていたキーちゃんを救ったのは自分だと大ボラ吹いたり。リリコちゃんにコンビ組もうよとカマをかけたり・・・

思えば、ミスリリコ・アンド・シローのデビュー前後。新コンビへのキーちゃんとアサリの反応の違いは、今のアサリの姿のフラグだったのかもしれません。

ミスリリコ・アンド・シローの初高座。

セリフ忘れまくりの四郎さんをリリコちゃんが巧みにフォローすることで、お客のウケも北村笑店の面々のウケも上々でした。

あの時、アサリも素直に笑ってました。ミスリリコ・アンド・シローの芸を。

しかし、キーちゃんだけは深刻な表情を浮かべていたのを僕は忘れることができません。

キーちゃんだけはミスリリコ・アンド・シローの脅威を感じ取っていました。しかし、アサリはまだその脅威に気づかない。

その後のミスリリコ・アンド・シローの失敗を経てのリベンジ高座。

キーちゃんは新コンビの成功を心から祝福。一方のアサリは、この時はじめて新コンビが自分たちの脅威になると気づいたみたいでした。

ミスリリコ・アンド・シローのデビュー前後に限らず、未来への洞察力のあるキーちゃんと、未来が見えていないアサリの対比は至るところで描かれていたような気もします。

それらキーちゃんとアサリのギャップの数々。

今回のくさったアサリの姿のフラグだったみたいですね。パーマ機の詐欺騒動と同じくらい見事なストーリーテリングだと思います。

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コメント

  1. ひるたま より:

    あっちゃ~!
    織り込み済みとはいえ(^^;)、隼也くんやっちゃいましたね…!(今日最後のナレーションは蛇足だったような?)
    以前の場面を流す回想シーンのみならず、小道具を見せる回想シーン…個人的には新鮮でした。
    後ろ面・冷しあめの幟の中に混ざって…件のパーマ機のチラシが…あまりにも分かり易過ぎです。(^^;)

    以前のパーマ機騒動の場面、当時は何故か笑えませんでしたが…回想シーンとして流れた今日は素直に笑っちゃいました。時の流れは不思議なものですね。
    そうそう、パーマ機で髪の毛を焦がしたのはアサリさんではなくて万丈目さんでしたが。(^^;)

    今日見ながら、隼也役の成田凌さんの顔立ちが、心なしか父親である藤吉くん(松坂桃李さん)に似ているように見えたのは…私の気のせいでしょうか。
    顔立ちのみならず、人を簡単に信じ過ぎてコロッと騙されてしまう点も共通しているようです。(;^_^A

    「リリコ、わいと組まへんか?」「組む訳ないやろ、うちの相方は四郎だけや」
    このやり取りの後に、四郎さんが笑顔になっていましたね。(^^)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      物語前半のエピソードが後半になって次々とフラグとして回収されるストーリーテリング。これは脚本家の吉田智子さんの得意技なので、きっとやってくれるに違いないと期待していました。しかし期待を超えた回収の見事さに感激しています。

  2. 太郎次郎 より:

    パーマ機の犠牲になったのは、アサリではなく万丈目さんではないですか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ご指摘ありがとうございます!勘違いしてました。早速、訂正させていただきました。

  3. たいとうみほ より:

    自分の監督不行き届き、と
    頭を下げられる伊能氏が経営者として立派すぎます!!
    詐欺師はおそらく伊能商会の人間と
    取引したとの認識のはずですし
    普通なら「お前の所から派遣された若造に
    当社名義でとんでもない事をされた」と
    クレームを付けられても北村笑店は文句が言えないところです。
    あるいは当社は無関係と言って逃げられるか。
    最悪の場合栞社長の進退問題、伊能氏と北村笑店との
    提携解消になりかねない大失敗です。
    そこをボンも気が付いて欲しい。
    しかし、これがパーマ事件のように
    数10年後に笑って思い出せるエピソードになるかどうか。
    失敗そのものよりも失敗をどう克服するかが
    経営者としての真価となるのでしょう。
    気張りなはれボン、です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      伊能さまは隼也くんを出向者として受け入れているのでしょう。だからご高察のとおり、今回の失態を北村笑店の責任にしてしまっても誰も文句は言わないはず。しかし、出向者を受け入れた責任をしっかり引き受ける伊能さま。経営者の鏡ですね。

  4. ぷーさん☆ より:

    こんにちは!
    いつも楽しく拝見しています。

    ところで、パーマネント機で頭を焦がすのは、アサリではなく万丈目さんではないでしょうか?

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ご指摘ありがとうございます!勘違いしてました。早速、訂正させていただきました。