許嫁と結婚予定のつばき / わろてんか 第120話

2018年2月23日(金)第21週「ちっちゃな恋のものがたり」

あらすじ

雨の降る夜、隼也がつばきを連れて家に帰ってきました。てんに家の中に向かい入れられ、てんと向かい合ったつばきは口を開きました。自分には親に決められた許嫁がいること。そして、父親は中之島銀行の頭取であることを。

そのことを知った風太は隼也のことを叱り飛ばしました。中之島銀行は北村笑店のメインバンクでした。だから、中之島銀行から資金が融通されなくなり北村笑店が立ち行かなくなることが、風太は心配だったのです。

一方、落ち込むつばきを励ますために一計を案じたてんは、つばきとともに夕食の支度を手伝わせました。てんと台所に並び、笑顔を取り戻したつばきは、てんと隼也とともに夕食の食卓を囲みました。

夕食を終えた隼也とつばきは、涙をこらえながらお互いの前途を祝福しつつ、別れを受け入れる覚悟をかためました。家の事情で結ばれることができない隼也とつばきの姿を、てんは複雑な気持ちで見守るのでした。

<<前回119話 | 次回121話>>

Sponsored Link

予習レビュー

若い頃のてんちゃんが好きになった人には許嫁がいましたが、隼也くんが好きになった人にもまた許嫁がいました。

もっとも、てんちゃんが藤吉くんを好きになった時、藤吉本人すらも自分の許嫁がいるなどということは夢にも思ってはいませんでしたが。

ただし、当時の藤吉くんが許嫁との結婚を拒み、てんちゃんとの結婚を強く望んでも、啄子さんが怒るだけで北村屋に大きな影響はありませんでした。

北村屋の嫁が啄さんのお気に入りの女性になるか、藤吉くんの意中の人になるか。その違いしかありませんでした。

しかし、今回は状況がちょっとばかり複雑です。単純な二者択一の問題ではありません。

実は許嫁がいるというつばきちゃんの父親は銀行の頭取。銀行のトップです。

しかもよりによってその銀行は、北村笑店のメインバンクです。メインバンクというからには融資などで頼っているはずです。

北村笑店の経営は今のところ順風満帆の様子です。しかし、融資を断ち切られてしまったら寄席を増やすなど会社を成長させることが難しくなる。

また、もしもの場合の頼みの綱を失うことにもなりかねません。

そしてこれは僕の予想なのですが『マーチン・ショウ』日本公演に必要な出資を集めることができなかった北村笑店は、銀行に融資を求める必要があるかもしれない。

どちらを取っても失うものがあまりにも大きい隼也くんの二者択一。厳しい選択を迫られた隼也くんは、どのような道を選ぶことになるのでしょうか。

感想

家と家の間の事情

家の事情でかなわぬ恋。隼也くんは、てんちゃんと藤吉くんのたどったのと同じ道を歩むものと思っていましたが、風太くんの言葉によって考えを改めました。

隼也くんとつばきちゃんの恋が置かれている状況。かつての、てんちゃんと藤吉くんの恋とは比べものにならないほど難しいものがあります。

てんちゃんと藤吉くんの恋。

実家の家業の窮地を救うため、てんちゃんは父親によって政略結婚が決まりかかっていました。一方の藤吉くんも、母親がいつの間にか許嫁を決めていました。

しかし、てんちゃんの実家の藤岡家と藤吉くんの実家の北村家の間には、商取引やしがらみなどは皆無。

それぞれの家の事情はありましたが、家と家の間には事情はありませんでした。

一方で隼也くんとつばきちゃんのケースは、話がそんなに単純ではありません。隼也くんはともかくとして、つばきちゃんには家の事情がある。

そして何よりも、隼也くんの実家の北村家はつばきちゃんの実家の加納家と対立することができない事情がある。

家と家の間に避けて通れない事情があるのです。

もし対立する事態にでもなったら、北村笑店の経営は立ち行かなくなる。北村笑店の経営が行き詰まれば、そこで働く大勢の社員とその家族が路頭に迷うことになる。

風太くんの言うとおり、かつて、てんちゃんと藤吉くんがそれぞれの親を怒らせたくらいでは済まされない、難しい状況です。

風太くんのこの重たすぎる指摘には、いつもは風太くんに口ごたえばかりするトキちゃんもうなずくしかありませんでした。

風太くんは気持ちもわかりすぎるくらいよくわかっていると思います。

しかし、専務という立場から北村笑店とそこで働く社員たちを守る責任がある。だから、隼也くんの気持ちを安易に優先するわけにはゆかない。

そのギャップに風太くんは苦しんでいる。

風太くんがギャップの狭間で苦しんでいるからこそ、この時ばかりはトキちゃんも口ごたえせずにうなずいたのかもしれませんね。

隼也くんとつばきちゃん

別れを受け入れる覚悟を、涙をこらえてかためる隼也くんとつばきちゃん。

隼也くんはようやくつばきちゃんに贈り物を渡すことができ、つばきちゃんはその贈り物を一生の宝物にすると言う。

今回のドラマの中で描かれた切ない場面を観ていて思い出さずにはいられなかったのは『とと姉ちゃん』のヒロイン・常子ちゃんと星野くんの別れの場面です。

隼也くんとつばきちゃん。そして常子ちゃんと星野くん。

置かれた状況はまったく異なります。

隼也くんとは異なり、星野くんは常子ちゃんにプロポーズできました。そして、常子ちゃんはそのプロポーズを受け入れることができたにもかかわらず自分の意思で断りました。

常子ちゃんと星野くんの恋は、決して許されなかったものではありませんでした。

しかし、あの頃の常子ちゃんの家の経済事情がそれを許さなかった。というか、家族を守るという常子ちゃんの意思が、自分の結婚を許しませんでした。

つまるところ常子ちゃんは自分の意思で星野くんとの別れを選びました。そして、星野くんもまた、常子ちゃんの気持ちを尊重し自分の意思で別れる覚悟を決めました。

隼也くんとつばきちゃん。二人の恋は許されぬものでしたが、まだ誰からも反対される前に二人は別れを選びました。

自分で自分の夢を断つ。

その隼也くんとつばきちゃんの強い意志を秘めた姿が、常子ちゃんと星野くんの別れを思い出させたのかな・・・

と、過去の朝ドラを思い出した美しくも切ない隼也くんとつばきちゃんの場面でした。

追伸:縁側で隼也くんとつばきちゃんは月を眺めていましたが、『とと姉ちゃん』の常子ちゃんと星野くんの二人きりの場面にも月が出ていましたね。

たしかに、あの時の月の場面は、星野くんが奥様を亡くした後、常子ちゃんと再会した時のことだと記憶しています。

<<前回119話 | 次回121話>>

Sponsored Link
Sponsored Link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. mizutamari より:

    途中、なんか、ついていけなくてお休みしていましたが、盛り上がってきましたね。
    また、よろしくお願いいたします。
    てんちゃんも、すっかり大人になっていました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      今年に入ってから素敵な場面が続出しています。残り一ヶ月ですがこちらこそよろしくお願いいたします。

  2. clara* より:

    今日のドラマは、ラストの方で泣けてきた(ノ_<。)
    てんちゃんもまたつらい立場ですね。。。

    愛するモノとの別れはつらいものです。
    二者択一ではなく、誰も犠牲になるモノもなく、みんなが幸福になる、そんな抜け道はないのだろうか?

    私だったら意中の人を諦めるのはイヤだなー。
    だけど、慎ましやかなつばきちゃんの態度に、なぜか美しさも感じた。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      思い通りにならない運命を、必死になって笑顔で受け入れようとする若い二人。本当に美しすぎました。

  3. 玲蘭 より:

    細かいことですが、つばきさんの門限は大丈夫なのかと気になって仕方ありませんでした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕もそこが来なっていました。深夜とまでは言わないまでも、当時としてはかなり遅い時間になっているはずですよね。