家出をこころみるつばき / わろてんか 第127話

2018年3月3日(土)第22週「夢を継ぐ者」

あらすじ

家出をする覚悟をかためたつばきを連れもどために、つばきの父が北村家にやって来ました。しかしつばきは、父と一緒に家に帰るつもりがないばかりか、自分は親の決めた結婚をするつもりなどないと父に言い切ります。

そんなつばきを、てんと隼也も必死に説得に当たりました。つばきはようやく納得し、家に帰ることを受け入れました。しかし、わずかなすきにつばきは置き手紙を残して姿を消してしまいます。

一人で生きてゆきます。そう書かれたつばきの手紙を読んだ隼也は、つばきの後を追う決意を口にしました。風太に殴られても決意を変えない隼也をてんは勘当。隼也は、これまで育ててもらった礼を述べると、北村家を去って行きました。

失意のてんの前に藤吉の幻が姿をあらわしました。隼也を北村笑店の後継ぎに出来なかったことを詫びるてんに、藤吉は優しく語りかけます。大丈夫。隼也と笑って会える日は必ずやって来ると信じようと。

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予習レビュー

かつて、てんちゃんが京都の実家・藤岡家を飛び出した場面。あの時にそっくりな場面が、今回のドラマの中で再現されるようです。

つばきちゃんは家出を覚悟し、そのことを告げに隼也くんのもとへ。

しかし、つばきちゃんの家出をやめさせようとてんちゃんばかりか、隼也くんも一緒になって説得。隼也くん、本当に大人になりました。

さて、隼也くんにまで説得されてしまったつばきちゃん。一旦は、隼也くんの説得を受け入れるようです。

しかし、隼也くんの説得を受け入れるというよりは、この時、隼也くんが口にした言葉がどうやら心に響いたらしいのです。

その言葉がどのような言葉なのか、今のところ詳細は不明です。

さて、家出をあきらめたかに見えたつばきちゃん。迎えにきたお父上に連れられ家に戻る直前に、こつぜんと北村家から姿を消してしまいます。

つばきちゃんが残していった書き置きには、隼也くんの言葉を心の宝にしながら、これから一人で生きてゆく。そんな悲壮な覚悟がそこにはつづられていました。

この書き置きを見た隼也くんもついに覚悟を決めます。

これ以降の隼也くんがとる行動。ここがまさに若き日のてんちゃんを思い出さずにはいられません。かつて、儀兵衛お父はんから勘当されたてんちゃんの再現です。

自らも勘当された経験のあるてんちゃん。隼也くんの気持ちは痛いほどわかるはず。しかしつばきちゃんのお父上を立てなければならない責任がてんちゃんにはある。

てんちゃん、苦渋の決断を下します。かつて儀兵衛お父はんが涙をこらえて下したのとまったく同じ決断を下すのです。

感想

「きっとまた笑ろて会える」

隼也くんが勘当されて出て行ってしまった衝撃があまりにも大きすぎて、今回だけでなく今週の物語のすべてが記憶からかき消されてしまうほどです。

朝からつら過ぎる場面でした。

そんな中でも、救われたのは隼也くんの母親に対する気持ちです。隼也くんは母親への感謝の気持ちだけは忘れずにいました。

「今まで育ててくれて、おおきにありがとうございました」
「親不孝の息子の代わりにお母ちゃんのことよろしゅうお願いします」

史実では、てんちゃんは隼也くんの恋を決して許そうとはせず、そのことで母と息子の間に確執が生じています。

ドラマの中でも隼也くんは勘当こそされたものの、母親への感謝を忘れず母と子の確執が生じない展開にしてくれたのが、本当に救いでした。

また、隼也くんに去られてしまい気落ちする風太くん。その姿を見て、風太くんが父親代わりとして隼也くんにどれほど真剣に向き合っていたのかもよくわかりました。

風太くん、そこまで隼也くんのことを可愛がっていたのか。風太くんの隼也くんへの深い愛情に泣かされました。

そして、藤吉くんの幻が出てきてくれることの安心感と言ったら・・・

「きっとまた笑ろて会える。この紋付が渡せる日がくると信じよう。大丈夫や」

藤吉くんのこの言葉を信じて、残り3週間を楽しませてもらおうと思います。

追伸:『わろてんか』の物語の冒頭で描かれた、てんちゃんが儀兵衛お父はんに勘当される場面。あの頃はまだまだ、僕はキャラクターたちへの感情移入が不十分でした。

だから儀兵衛お父はんの悲しみへの理解が不足していました。

でも、今ならよ〜くわかります。あのとき、大事な娘を送り出すことができなかった儀兵衛お父はんの気持ちが。

今回のてんちゃんの涙が、あの時の儀兵衛お父はんの気持ちを代弁しているかのようでした。(てんちゃんが、あの時の父親の気持ちをはじめて深く理解した瞬間かもです)

第22週「夢を継ぐ者」感想

リリコちゃんと四郎さんの可愛らしすぎるイチャイチャムードの中、リリコちゃんがこれまで見せたこともないような愛らしい笑顔を披露した場面から一転。

四郎さんの「浮気疑惑」で、これまた、これまで誰にも見せたこともないような逆上して怒りにふるえるリリコちゃんの鬼のような形相。

これら激しいアップダウンを経ての、リリコちゃんと四郎さんのお互いを大事に思い、深く気づかうあまりについた嘘。

そして、その嘘が原因となってしまう気持ちがすれ違ってしまう切なさ。

一歩間違えていたら永遠に別れていたかもしれない際どいところで、てんちゃんの機転によって二人は向き合うことができました。

そして、それまで以上にリリコちゃんと四郎さんはお互いのことを深く理解できるようになりました。

まるでジェットコースターみたいに激しくアップダウンする、この初々しい中年カップルの恋の物語。心から堪能できました。素晴らしいストーリーテリングでした。

さすが吉田智子さんの仕事です。

この二人の恋だけ切り取って、新たなエピソードを付け加えたスピンオフをぜひとも観てみたいものです。(余談ですが『ひよっこ』続編・スピンオフ情報が出てきませんね)

さて、今週の月曜日から金曜日までのリリコちゃんと四郎さんの描写の数々。忘れられない名場面がこれでもかというくらい凝縮されていました。

その二人の怒涛の展開の背後で、少しづつ少しづつ静かな盛り上がりが描かれていた、つばきちゃんと隼也くんの恋。若い二人のもう一つの物語。

リリコちゃんと四郎さんの恋がようやく決着がついたと思ったその直後。

溜まりに溜まったマグマが爆発するかのように、つばきちゃんが暴走をしはじめ、それに応えて隼也くんも今度は恋の「ご乱心」状態へと突入。

そして隼也くんは、ついに両親がたどったのと同じ道を歩みはじめました。

ところで、今週の前半の隼也くんは、歯を食いしばって失恋から立ち直る努力をし、半ば吹っ切れたかに見えていました。

仕事にも精を出し、その仕事はまわりの人たちからも認められはじめ、北村笑店の跡取りとして期待せずにはいられないような働きぶりを見せはじめていました。

そんな期待が一瞬にして水泡に帰すような後半の展開。

隼也くんとつばきちゃんの後半の急展開もまた、リリコちゃんと四郎さんの怒涛の展開と同じくらいかそれ以上に素晴らしいストーリーテリングでした。

濃い一週間でした。

さて『わろてんか』も残すところ3週となってしまいました。残り18回。最後までよろしくお願いいたします。

ここ数日、南関東はようやく春の気配が色濃く感じられるようになってきました。どうぞ良い週末をお過ごしください。今週もありがとうございました。

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コメント

  1. ひるたま より:

    つばきちゃんを演じる水上京香さんを本作で初めて知りましたが…ひょっとして将来的には朝ドラヒロインを演じる女優さんになられる可能性があるのでは?と個人的には感じました。あくまでも私見ですが。

    ところで…率直に申し上げて、つばきちゃんお付きのばあやさんは些か罪作りだな~と思いながら一連のエピソードを見ていました。無論お嬢様思い&可愛さの一心であって決して悪気が無かった事は分かるのですけれども。(そのばあやさん、現在はどうしているのでしょうね…?)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 水上京香さん

      同じことを感じていました。ヒロインを演じられるような華やかさがありますね。彼女が出てくるだけで画面が明るくなります。

  2. yakko より:

    金曜日、朝も昼も見られなかったので、今朝は8時からみてすぐ出かけました。
    今日の感想が、一杯あったので、昨日の分も取り戻したみたいです!
    また、感想、よろしくお願いします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      当ブログをご覧いただきありがとうございます。残り三週、ともに駆け抜けましょう。

  3. marmite より:

    てんが藤吉と話しているシーンのバックで、庭にぬれた赤い椿が綺麗でした。涙。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      まったく気がつきませんでした。そんなところまでご覧になっているなんて!作り手の方がこれを知ったら喜ぶでしょうね。

  4. 夕顔 より:

    とうとう、起こるべきことが起こったか。。。
    半年前のつばきちゃんと隼也くんの別離。
    あの場面は美しくもあったけど、反面に違和感も残っていた。
    あれから、相手への気持ちが本物なのか、一時的な感情なのか、お互い見極めができたんじゃないでしょうか?

    てんちゃんが隼也くんに勘当宣言をしたとき、色んな思いが込み上げてきた。
    今回のことで、いつかの儀兵衛さんの気持ちも痛感できたのでしょうね。

    こうして主観的立場からだけではなく、色んな立場から相手の気持ちを慮れるようになっていくのだと思う。

    藤吉くんも、今は天国から下界の様子を、俯瞰してくれているようですね(*^^*)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      藤吉くんの幻(幽霊?)が週の終わりに必ず登場する安心感を、今回ほど感じた回はありません。

  5. ななしです より:

    毎度、楽しく参考にさせて頂きます
    鈴を鳴らすと藤吉が出てくるのは、ダニエルシュミット「Jenatche」のオマージュですかね

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      邦題は『デジャヴ』でしたでしょうか。観たのですが記憶が・・・。気の利いた返信ができずに申し訳ないです。

  6. ※※和子 より:

    幸せな最後を祈りながら観ています