リリコと四郎の漫才復活 / わろてんか 第128話

2018年3月8日(木)第23週「わろてんか隊がゆく」

あらすじ

リリコと四郎は上海で貧しい暮らしを強いられていました。四郎が所属していた楽団が解散したことで四郎は失職したのです。風太に誘われ、わろてんか隊に加わることになったリリコと四郎は、キース・アサリたちとともに高座に上がることになりました。

復活したリリコ・アンド・シローは、故郷を離れた兵隊たちを喜ばせるために、阿久津少佐には無断でつくった漫才を披露。しかし、望郷の念を駆り立てるその漫才は、直ちに阿久津少佐から上演禁止を言い渡され、責任者である風太も厳しく叱責されてしまいます。

同じ頃、日本では伊能がてんに対して弱音を吐いていました。年々、検閲が厳しくなり自由な映画づくりが難しくなりつつある時勢に、伊能はプレッシャーを感じていたのです。こんなとき、藤吉ならどうするか。伊能はそのことを考えていました。

一方、上海では芸人たちが、寄席を見にきた兵隊たちが家族や恋人に宛てた手紙を預かっていることが発覚。風太は芸人たちが預かった手紙を没収するものの、兵隊たちのために、その手紙を自ら日本に持ち帰ることを決意するのでした。

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予習レビュー

上海にわたったとき、北村笑店の籍はそのまま残されていたリリコちゃんと四郎さんが、風太くんの粋な計らいにより北村笑店の芸人として復活。

上海にやってきた「わろてんか隊」に加わることになりました。

・・・ここまでは嬉しい展開ですが、もはや自由な笑いが許される時代ではありません。

リリコちゃんと四郎さんがコンビを復活後にはじめて披露した漫才は、「わろてんか隊」の世話役である阿久津少佐の逆鱗に触れることになり上演禁止。

おまけに、「わろてんか隊」を率いる風太くんは監督責任を追求されてしまう。

これまで『わろてんか』を観ながら、いつか自由な笑いが許されなくなる日がやってくるのだろうと覚悟だけは固めていました。

そんな日がついに来てしまいました。

そして「そんな日」はもちろん上海だけではありません。日本にもやって来ています。

このころの伊能さまは、すでに自由な映画づくりが困難になってきています。

伊能さまについては今回か次回あたりで、さらに困難な状況に苦しく様子が描かれるはずです。同業者による密告などで検閲の目がますます厳しくなる様子などが。

『わろてんか』は残り3週間の数日。

最後の最後に観ていてつらすぎる展開となりそうです。

感想

今回は最後の2〜3分間の風太くんにすべて持ってゆかれた。そう思わずにはいられない風太くんの覚悟に泣かされました。

風太くんの激怒

ミスリリコ・アンド・シローの暴走に風太くんは激怒しました。

無理もありません。

風太くんの責任は、兵隊さんたちを楽しませること。そして戦地にやってきた芸人さんたちを無事に日本に返すこと。これら二つです。

ミスリリコ・アンド・シローの暴走は、これら二つのことを台無しにしかねない。

兵隊さんを楽しませる機会を失い、一歩間違ったら芸人さんたちの帰国が長引いてしまうおそれだって皆無ではない。

そして何より、北村笑店の経営に関わってくる。北村笑店がダメージを受ければ、北村笑店で働く芸人さんと従業員、そしてその家族の暮らしがダメージを受ける。

ミスリリコ・アンド・シローの暴走に風太くんが激怒するのはもっともな話です。

というか、ここで激怒しなければ「わろてんか隊」の引率責任者も、北村笑店の専務もつとまりはしないでしょう。

リリコちゃんの反論

風太くんが激怒したこと。ここで激怒しなければならない立場であることをリリコちゃんなら百も承知でしょう。

そして風太くんの立場を理解した上で、あえて反論を試みたリリコちゃん。彼女の気持ちもとてもよくわかります。

リリコちゃんは、人生の後半になってからようやく誰かを大切に思い、その大切な人から大事にされる幸せを手にいれることができました。

普通の人生を送っているなら、それを幸せと感じることもないようなありきたりの幸せ。

その幸せが何よりも尊いものであることを知っているリリコちゃんだからこそ、その尊い幸せを失う寸前の兵隊さんが不憫でならなかったのでしょう。

兵隊さんが気の毒でならなかったからこそ手紙を預かり、それでも気が済まずに際どい芸に挑んだ今回のリリコちゃんは素晴らしい。泣けました。

そして、その自分の気持ちを風太くんに堂々と告げるリリコちゃんの姿、後光が差して見えました。決して大ゲサではなく・・・

そのリリコちゃんの心からの叫びが風太くんを動かしました。

風太くんの覚悟

リリコちゃんの心からの叫びによって、他の芸人さんたちも兵隊さんから手紙を預かっていることを白状しました。

それぞれが懐に隠していた手紙を風太くんに差し出しました。

窓から差し込む夕陽を浴びながら、芸人さんたちから没収した手紙をテーブルの上に広げて眺める風太くん。

その風太くんが手にした手紙。手紙の宛先は女性の名前、そしてその左どなりには、ひらがなで「ちゃん」づけで書かれた名前。

おそらくは奥さんと子供に宛てた手紙なのでしょう。

平和な時代に、普通に出張したときですら家に残した家族は心配です。

ましてドラマの中の時代は戦時下。しかも、手紙を書いた兵隊さんはただの出張ではない。命を失う危険すらある。というより生きて帰れる望みの方が少ない。

家族に宛てた手紙はまるで遺書です。家族の未来を案じる遺書です。

風太くんは、手紙の宛名をながめてそんなことを考えながらトキちゃんや飛鳥ちゃんのことを思い出していたのでしょうか。

そして、兵隊さんの気持ちを深く深く理解した風太くんは決意。

手紙はすべて自分が日本に持って帰ると。すごい覚悟です。もし見つかったらタダでは済まされない。日本に帰れなくなるリスクすらあります。

それに加えて、ミスリリコ・アンド・シローに、好きなように芸をやれと一言。風太くん、男前にもほどがあります。

亀さんのさりげない一言は希望のフラグ?

今回のドラマの中での北村笑店の場面。

亀さんが寄席を経営していた頃の思い出話の中で亀さんが語りました。軍隊に入らなければいい噺家になっていたはずの男の話を。

いい噺家になっていたはず・・・ということは戦死?と、てんちゃんが尋ねたら、その男はまだ生きている、元気だとの由。

この亀さんのさりげない一言は、北村笑店の芸人さんたちの、戦後の希望のフラグでしょうか?そうありますように。

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コメント

  1. ひるたま より:

    ステージ衣装の代わり(?)に制服姿に身を包んだリリコちゃんが、部屋にあった花を一輪頭髪にさして舞台に上がる場面を見ながら…往年の名歌手淡谷のり子さんが戦争中の慰問活動の時にドレス姿で歌っていたというエピソードを、ふと思い出しました。
    「モンペなんかはいて歌っても誰も喜ばない」「化粧やドレスは贅沢ではなく歌手にとっての戦闘服」というのが淡谷さんの信念だったとか。その度に淡谷さんは始末書を書かされ、後になってその始末書がかなりの量になっていたそうです…。
    それまでの衣装が駄目ならば(前日の放送分で、軍の少佐から髪飾りを咎められた場面が挿入されていましたね…)せめて花を一輪だけでも…あの場面でリリコちゃんの芸人として、そして女性としての心意気(意地)を感じました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      淡谷のり子さん、そんなエピソードが残されているんですか!?でも、あの淡谷のり子さんならあり得る!妙に納得できるエピソードです。

  2. こひた より:

    確かに終始重苦しい空気の中、亀さんの落ちにはほっと一息つかせていただきました。それと万城目夫妻(^O^)

    でも明日以降暫くは緊張しながら観ることになるんでしょうね。

    願わくばもう少しわらわしてんかm(_ _)m 

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      最終週までは緊張しながら観ているときのほうが増えるかもしれませんね。

  3. 夕顔 より:

    わろてんか隊の面々から、愛する人々を思慕する気持ちが伝わってきた。
    暗い時代背景の中でも、今日は温かいモノを感じましたよ(#^.^#)

    「死と隣り合わせ」という環境下に置かれた兵隊さん達と、慰問団全員が、心一つになれたんじゃないでしょうか?

    若い兵隊さん達を観ていて、桜の花の美しさを思い出しました。。。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『とと姉ちゃん』のテーマでもあった、大切な人が目の前にいることの当たり前の幸せを感じさせてくれる回でしたね。