忠臣蔵が原案の恋愛映画 / わろてんか 第137話

2018年3月15日(木)第24週「見果てぬ夢」

あらすじ

軍部が毛嫌いする恋愛映画でも検閲を通せるネタとして、てんが思いついたのは『忠臣蔵』でした。てんは『忠臣蔵』を原案とした恋愛映画のアイディアを楓に伝え、楓はそのアイディアをもとにして脚本の執筆に取り掛かります。

リリコや四郎たちは芝居の稽古を開始。稽古をしながら、てんと楓は台本を検閲に通す策を練り上げてゆきます。そんな中、伊能商会で働いていた映画スタッフたちが北村笑店に駆けつけ、伊能の下で再び映画の仕事をすること希望。

伊能商会の映画スタッフたちが加わったことで、北村笑店の映画の企画の準備は順調に進んでゆきました。そんな中、伊能のことがスキャンダラスに新聞に書かれるという事態が発生。しかし、伊能の前向きな姿勢が崩れることはありませんでした。

伊能のそんな姿を見たてんは、あることを決意しました。その頃、風太から強くすすめられていた通天閣の買収。決断を下しかねていた北村笑店による通天閣の買収に乗り出すことを、てんは心に決めるのでした。

<<前回136話 | 次回138話>>

Sponsored Link

予習レビュー

失意の中から伊能さまが再び立ち上がり、てんちゃん発案の映画プロジェクトが始動。

リリコちゃんをはじめとした北村笑店の芸人さんたちも、映画の中でできるだけ自分が目立てる役をもらおうと自己アピールに余念がない。

今回は久しぶりに活気に満ちた場面がいっぱいある回になりそうです。

ところで、北村笑店が映画製作に乗り出した頃の史実を調べてみました。

ドラマの中で北村笑店が映画製作をはじめたのは昭和14年(1939年)ですが、史実では吉本興業がはじめて映画を製作したのは昭和9年(1934年)。

隼也くんがつばきちゃんと出会うきっかけとなった『マーチン・ショウ』の実在モデル『マーカス・ショウ』の日本劇場での公演が開催されたのと同じ年です。

リアル北村笑店こと吉本興業の初の映画は、同社の社史によれば日活と提携した浪曲入りトーキー映画『佐渡情話』です。

▼『佐渡情話』作品データ
・ジャンル:ミュージカル
・公開年月日:昭和9年(1934年)10月4日
・監督:池田富保
・原作:寿々木米若
・撮影:松村禎三
・出演:尾上菊太郎/山田五十鈴/山本礼三郎

また、:昭和10年(1935年)には、伊能商会の実在モデルと思われる東宝の前身・PCLと提携し、映画製作を開始。

ちなみにこの年は、楓ちゃんが編集長となって創刊された月刊キタムラの実在モデル・月刊ヨシモトが創刊された年です、

そしてその翌年の昭和11年(1936年)に『あきれた連中』が公開されています。

▼『あきれた連中』作品データ
・ジャンル:コメディ
・公開年月日:昭和11年(1936年)1月15日
・監督:岡田敬/伏見修
・原作:秋田実
・脚本:永見隆二
・撮影:鈴木博
・音楽:紙恭輔
・出演:花菱アチャコ/横山ヨコタツ/堤真砂子/神田千鶴子

感想

楓ちゃんがまぶしい

久しぶりに影が一切ない、ただただ明るく楽しくにぎやかな回でした。

そんな明るく楽しく映画の脚本を練り上げてゆくプロセスが描かれた今回の主役は、やっぱり映画脚本の中心人物・楓ちゃんでしょうか。

そして、その楓ちゃんがこれまでになくきれいに、輝いて見えたのは僕だけでしょうか。今回の楓ちゃんの笑顔にドキドキしっぱなしでした。

今回、まぶしい笑顔を連発していた楓ちゃんの姿を見ながら、これまで楓ちゃんが歩んで来た道のりを思い出さずにはいられませんでした。

さて今回、とびっきりの笑顔を見せて楓ちゃんでしたが、思えば米問屋・北村屋での初登場の頃の印象は最悪でしたね。

てんちゃんの前では、決してニコリともしない。

啄子さんの前では笑顔こそ見せてはいたものの、その笑顔は心からの笑顔ではなく、啄子さんにとり入るための「政治的」な笑顔でした。

そんな楓ちゃんが、実家を飛び出してまで藤吉くんと一緒になりたかったと語るてんちゃんの生き様に憧れていたと白状したときはびっくりしました。

正直いうと、あの時の楓ちゃんの言葉が信じられませんでした。楓ちゃんの本心がまったく見えてきませんでした。

しかし、あの時の楓ちゃんの言葉に嘘はなかったようです。

後に女流脚本家として成功するほどの才覚を持った楓ちゃんのことです。あの頃すでに、楓ちゃんは、てんちゃんの人物の器の大きさを見抜いていたのかもしれませんね。

だから、てんちゃんが女流漫才師を育てようとして新しいプロジェクトを立ち上げたとき。

あのとき即座に楓ちゃんが北村笑店に駆けつけてきたのは、てんちゃんの行動を楓ちゃんは密かにマークしていた・・・というのは考えすぎでしょうか。

通天閣を買収する動機

てんちゃんが通天閣を買収する動機がどこにあるのかが、前回まで気がかりでした。

週刊誌の記事でバッシングされたてんちゃんが、そのバッシングの突破口として通天閣の買収というイベントを利用しようとするなら、それはあまりにもてんちゃんらしくない。

それが心配だったのです。

しかし、その心配は取り越し苦労で終わったようです。安心しました。

ちなみに、これからはじまる通天閣の買収に悪い予感がしたのは、吉本興業の創立者をモデルにして執筆された小説『花のれん』の影響です。

『花のれん』の中では、てんちゃんに当たる主人公が通天閣を買収したその後から、主人公の人生に斜陽が射し始めるという展開となっています。

通天閣の買収は、『花のれん』の主人公の人生の絶頂期のシンボルとも言える一大イベントでした。

その人生の絶頂期のシンボルは、買収してすぐに通天閣の足元にある家屋の火事によって営業が困難になるほどの大きなダメージを受けます。

ほどなくして、戦局の悪化による物資不足の中、金属供出のために通天閣は解体。

人生の絶頂期のシンボルを失うのと並行して、息子との確執など様々な苦難が一挙に押し寄せてくる。そんな展開だったと記憶しています。

これらのことが頭の片隅に強烈な印象として残っていたので、通天閣の買収に悪い予感を感じていたわけです。

通天閣の買収が、何かよくないことのフラグではなかろうかと。

しかし『わろてんか』のドラマの中では、通天閣は藤吉くんが大阪のお笑いのナンバーワンになるという夢のシンボルとして描かれていました。

そして、てんちゃんにその夢を思い出させる小道具としても描かれていました。

北村笑店による通天閣の買収。前向きな行動として素直にとらえて大丈夫そうですね。

<<前回136話 | 次回138話>>

Sponsored Link
Sponsored Link

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. こひた より:

    今日はみんなの笑顔がとてもよかった。
    特に伊能さんの笑顔は格別にステキでした。
    もうすぐ藤吉くんの夢も叶いそうですし。

    でも戦争は本格化していくわけで・・・

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      戦争の前の最後の楽しいひとときだったのかも知れません。これから数日はつらいことになりそうです。でも、もうすぐ最終回ですね。

  2. 通りすがりの猫 より:

    伊能さまファンにはこの回はキュンキュンだったんじゃないでしょうか?こんなに伊能さまが少年のように無邪気に笑ったり、居眠りしたり、元の同志たちの心意気に胸を熱くしたり…
    この充実した日々からまもなく、苦渋の決断を経て北村笑店を去ることになるのかと思うととても切ない回でもありましたが…にしても、高橋一生さんはこういう役にほんとにハマりますよね。NHKが制作するこの種の人生ドラマにはほんとに欠かせない役者さんだと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      たしかに伊能さまがいつになく無邪気でしたね。「それは真剣だ!」と言って、芸人さんたちをからかったりして。初めて見る伊能さまの姿でした。

  3. 夕顔 より:

    同じ映画を観ても、女性には見えるけど、男性には見えない。
    なるほど、女性心理と男性心理の違いを利用した、頭脳戦ですね。

    『大切なことは、目に見えないんだ』
    『ものごとは心でしか見えないんだ』
    サン=テグジュぺリさんのこの言葉とも繋がった。

    ところで楓さんと栞さんの接点にワクワクしてるのは、私だけだろうか?
    あの二人が人生のパートナーになれば・・・と、密かに考えていたから(“⌒∇⌒”)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      楓ちゃんと伊能さま。他人行儀でもなく、さりとて近寄り過ぎもせず、いい感じの距離感でしたね。