取り壊される南地風鳥亭 / わろてんか 第142話

2018年3月21日(水)第25週「さらば北村笑店」

あらすじ

昭和19年(1944年)3月。戦局はますます悪化し、物資不足によって配給も滞りがちとなっていました。そんな中、かろうじて営業を続けていた北村笑店の面々に激震が走りました。南地風鳥亭の建物が取り壊されることになったのです。

建物疎開は、空襲による延焼を防ぐための大阪府の施策でした。南地風鳥亭が建つ場所が、建物疎開に指定された区域に入っていたのです。てんと風太は、取り壊し撤回に奔走するものの、願いは叶いませんでした。

南地風鳥亭を守れなかったことを風太は藤吉の仏壇に詫び、てんはついに通達を受け入れる覚悟をかためました。そして、てんと風太は、キース、アサリ、リリコたちとともに、客に笑いを届けつづけてきた寄席の閉鎖の準備をはじめます。

そして迎えた南地風鳥亭の最後の日。てんは、南地風鳥亭を守れなかったことを亡き藤吉や啄子に詫びつつも、北村笑店の再興を誓いました。その数日後、大阪市役所の役人がてんのもとを訪れました。その役人は、隼也の召集令状を届けにきたのです。

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予習レビュー

前回のドラマの前半は伊能がアメリカに渡る決意の描写があったので、アメリカとの戦争がはじまるよりもかなり前のタイミングなのでしょうか。

前回のドラマの後半に入ると、ついに真珠湾攻撃と米英との開戦。昭和16年(1941年)のことです。

そして今回。

時代がスキップして昭和19年(1944年)。

朝ドラ『ごちそうさん』でも描かれた建物疎開が開始されます。

『ごちそうさん』のドラマの中では、ヒロインの夫が大阪市役所の職員として、大阪市内の建物疎開を住民たちに強制する立場でした。

そして強制する側と強制される側の苦悩が描かれました。

しかし『わろてんか』のドラマの中では、ヒロインたちは建物疎開を強制される立場として物語が進みます。

建物疎開を強制される側の苦悩は、きっと北村笑店の面々を通して描かれることになるのでしょう。

その一方で建物疎開を強制する側はどのように描かれるのか。というか、強制する側の苦悩も描かれるのか。

そんなことがブログ主は気になっています。

というわけで、今週のサブタイトルでもある「さらば北村笑店」があらわしている切ない物語がはじまってしまいました。

感想

「笑いの火は決して絶やしません」

てんちゃんが通天閣の買収を決めた時のこと。てんちゃんに下した決断に悪い予感がするみたいなことを感想欄に書きました。

てんちゃんの実在モデル・吉本せいさんをモチーフにした小説『花のれん』。その中で、通天閣買収は成功の絶頂期から転落に向かう転機のシンボルとして描かれていたからです。

通天閣の買収、『わろてんか』の中では転落の転機にこそなりはしませんでした。

しかし、苦しい時代の幕開けを告げる役割を果たすことになってしまいました。

大阪中に笑いを届けたいというてんちゃんのメッセージでもあった通天閣が焼け落ちる衝撃の映像からはじまった今回のドラマ。

その大きなフラグは、今回のうちに回収され、大阪中に笑いを届けるための大事な拠点である南地風鳥亭の閉鎖によって今回のドラマが終わりました。

さて、寝耳に水のような建物疎開による立ち退き命令。

命令を撤回しようとてんちゃんは方々に電話をかけ風太くんも奔走するものの、撤回の見通しは立たず。

風太くんの仏壇に頭を下げて詫びる風太くんの姿に朝から泣かされました。

そして、そんな風太くんを言葉少なに、しかし心をこめてねぎらうてんちゃんに社長の風格を感じずにはいられませんでした。

悲しいけれど良い場面でした。

その数日後のことなのでしょうか。

南地風鳥亭を引き払う準備を進める中、芸人さんたちの名札を下げながら、芸人さんたち一人一人の思い出を語りながら悔しさを噛みしめるてんちゃんと風太くん。

この姿に再び泣かされました。

親が子に愛情を注ぐように、芸人さんたちを大事に思っていたてんちゃんや風太くんの無念の思い。一視聴者である自分までもが悔しくなってくるほどでした。

この場面のてんちゃんと風太くんも、記憶に刻みつけられるような名演でした。

そんな失意のどん底にいるにもかかわらず、再興を誓うてんちゃんの言葉。静かな語り口ながらも、とても強い言葉でした。

「笑いの火は決して絶やしません」

静かに語られたからこそ、よけいに力強さを感じることができたのかもしれません。そして、その力強さが嵐が過ぎ去った後の北村笑店の再興を確信させてくれました。

一度は失われてしまう北村笑店は間違いなく復活できる。

その確信が、これから来週にかけての苦難の物語を乗り越えさせてくれそうです。

ついに隼也くんにも赤紙が・・・

次回あたりからつら過ぎる場面が続きそうです。

もうすぐ『半分、青い。』

本日、半年にわたった『わろてんか』は、あまりにも切なくて苦しいクライマックスについに突入してしまいました。

その重苦しい回の直後ということもあり、いかにも春から夏にかけての季節に放送される朝ドラにふさわしい『半分、青い。』の明るさに癒されました。

特に、今朝の東京は朝から雪。寒さがぶり返してきたので春夏の明るさが心に沁みます。

かぎりなく昭和に近い平成初期。バブル崩壊直前の頃のテイストを忠実に再現したセットや小道具の華やかさが、明るさを増幅させていました。

そしてわずかな予告映像からだけでも十分に伝わってきた、ヒロインと相手役の気持ちのすれ違いに胸が痛みました。

『半分、青い。』、素敵な作品になる予感がします。再来週が楽しみです。

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コメント

  1. 夕顔 より:

    「笑の火は決してたやしません」

    私もてんちゃんのこの言葉が強く響いた。
    そうですよね、、、
    「笑の火」さえ消さなければ、いつかまた縁にふれ、果が結び、大きく燃え上がる時が必ず来る。

    どんなつらい事があっても、その先にある光を信じて、逃げずに向かって行くてんちゃんの姿勢。
    最強です!!

    笑い上戸だったてんちゃんが、今は貫禄さえ感じる女社長に成長した。
    これも、幾多の試練を乗り越えてきたからこそ、備わったモノなんだろうな。。。

    でも、試練はもう少し続きそうですね(;・∀・)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      南地風鳥亭の閉鎖という現実を前にしても動揺する素振りすら見せないてんちゃん。北村笑店の働き手の人たちも頼もしく思ったことと思います。

  2. たいとうみほ より:

    登場時に既に重鎮であった文鳥師匠やお孫さんのいた岩さん
    そうですね、鬼籍に入られたでしょうね。
    乙女組のみんなはお嫁に行っちゃったでしょうか
    個人的には隼也の潜伏先としての再登場を
    期待していたのですが。
    25周年史編纂の時も懐かしいものを振り返るシーンがありましたが
    あの時の「過去」は今後の輝かしさの肥やしとしての過去。
    しかし今日振り返っている「過去」は
    積み上げてきたものを失おうとしているという意味合いの、過去。
    同じ過去の思い出でも置かれた状況によって
    示すものが全く、違いましたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 失おうとしているという意味合い

      姿形のある過去が失われようとしている中にあって、姿形のない心だけは絶やさぬと心に誓うてんちゃんの決意を秘めた表情が、強く印象に残りました。