隼也がてんに謝罪をする / わろてんか 第144話

2018年3月23日(金)第25週「さらば北村笑店」

あらすじ

自分が戦地に行っている間、妻のつばきと息子の藤一郎の面倒を見てほしい。そんな隼也の願いを受け入れたてんのもとに、つばきと藤一郎が川崎からやって来ました。孫の顔を始めて見るてんは、北村笑店の面々が見守る中、冷静な表情を装っていました。

しかし、それも長くは続きませんでした。その日の夕方、てんはつばきとともに台所に立ち、夕食を準備。隼也一家とてんが揃った夕食の時間は、久しぶりににぎやかなものとなりました。そして、藤一郎が寝静まった頃、隼也はてんに心からの謝罪をしました。

期待されていたにも関わらず家業を継がずに駆け落ちしたことを詫びる隼也に、てんは自分も同じことをして藤吉と結婚したのだ。しかも勘当された身でありながら実家に借金までしたと笑って語り、母と子はようやく仲直りすることができました。

明くる日、藤吉の遺影を抱えたてんは隼也一家と家族写真を撮影しました。そして迎えた隼也の出征の日。桜の花が舞う中、戦地に向けて旅立つ隼也の無事の帰還を祈りながら、てんは隼也を見送るのでした。

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予習レビュー

いつだったか、てんちゃんの前に姿をあらわした藤吉くんの幽霊が、てんちゃんに告げた通りになりました。

「いつか(隼也くんと)笑って再会できる日が来ると信じている」

この言葉の通り、駆け落ちしたことを詫び許しを請う隼也くんに対して、自分も同じことをやったのだと、てんちゃんは笑って応える。

これでようやく母と息子の関係は、完全に修復されました。

めでたし、めでたし・・・と、言いたいところですが、隼也くんはこれから出征します。ドラマの中では今回か次回あたりには戦地に旅立つのでしょう。

やっと笑って再会できたのもつかの間、あまりにも切なすぎる展開に涙腺が大変なことになりそうです。

『わろてんか』はついに残り一週間と一日。回数にしてあと7回です。

いよいよ最終回までのカウントダウンが始まりますが、そのカウントダウンの間に隼也くんは戻って来ることができるのか。

今度こそ、真に笑って再会できる日を迎えることができるのか。

戦後の隼也くんの消息。建物疎開によって破壊されてしまった南地風鳥亭の再建。そして、焼け野原と化すことになる大阪の街。

そこからの再生の物語がわずか一週間で描かれる最終週が近づいてきました。

感想

藤一郎くんの破壊力

ついに再会を果たすことができたてんちゃんと隼也くんが仲直りするのに、藤一郎くんが実にいい仕事をしてくれました。

つばきちゃんと隼也くんが北村家に到着する直前。つばきちゃんと初めて会う孫をどんな顔をして迎えたらいいのか迷いに迷うてんちゃんの固まった表情が痛々しい!

リリコちゃんやトキちゃんがどれほど気づかっても、てんちゃんに迷いは解けない。

そして、ついに迎えたつばきちゃんとの再会。藤一郎くんとの初対面の瞬間。

心の準備をする時間が足りなかったらしいてんちゃんの表情は、つばきちゃんと藤一郎くんを前にしても相変わらず固まったままです。

台所仕事を手伝うつばきちゃんが謝罪しても、てんちゃんの態度はギクシャクしたまま。

しかし、てんちゃんの固まった心を、藤一郎くんが一撃で解いてくれました。さすが、可愛い可愛い孫の力は偉大です。

おばあちゃんが大好き。通天閣を買ったおばあちゃんは偉いから大好き。

おばあちゃんが好き過ぎる、こんな孫の言葉だけでも、固まってしまったてんちゃんの心をほぐすには十分すぎるはずです。

でも、藤一郎くんが、これほどまでにおばあちゃんが大好きなのは、他でもない、隼也くんが日頃からお母ちゃんのことを語り聞かせていた何よりの証拠です。

隼也くんの、お母ちゃんに対する尊敬と愛情の気持ちが、藤一郎くんの言葉となってあらわれたわけです。

だから、てんちゃんにとっては二重に嬉しい孫の言葉だったと思います。

隼也くんと二人きりになった風太くんが、てんちゃんとしっかり向き合えみたいなアドバイスをしましたが、藤一郎くんの一撃は風太くんのアドバイスをも骨抜きに(笑)

藤一郎くんが、期せずにして隼也くんとてんちゃんを向き合わせてくれました。藤一郎くん、君は最強です。さすが藤吉くんの孫です。

【感涙】てんちゃんと隼也くんの仲直り

てんちゃんと隼也くんの仲直りの場面、泣けました。いい場面でした。そして、仲直りとは言っても、二人の間には確執と呼べるほどの心の溝はありませんでした。

隼也くんは家を出て行った後も、ずっとお母ちゃんのことが大好きでした。心から感謝していました。そして、経営者としてのお母ちゃんを尊敬していました。

そして、そんな隼也くんの気持ちが、てんちゃんにもしっかりと伝わったのでしょう。破壊力が抜群の藤一郎くんの活躍によって。

てんちゃんはこんなふうに考えたのではないでしょうか。

隼也くんの自分に対する気持ちには一点の曇りもない。自分と隼也くんの間に曇りがあるとすれば、それは自分の気持ちの中だけのことだ。

そんな自分の気持ちの中にわずかに残る曇りを払うかのようでした。てんちゃんが自分の過去を白状する場面は。

自分も好きな人と一緒になりたくて親から勘当された身であること。しかも、勘当された身でありながら、実家に借金まで頼み込むという大胆過ぎる行動までとったこと。

隼也くんに告げられたこれらてんちゃんの過去。

てんちゃんは表向きは隼也くんに告げていました。自分の過去を。そして、自分もこんなだったから、隼也くんを許すと。

でも、本当は自分に言い聞かせていたのかもしれませんね。

自分が過去にやった大胆過ぎる行動の数々は、隼也くんの比ではない。とても隼也くんを責められたものではない。

そうやって自分で自分に言い聞かせることで、自分の気持ちの中にわずかに残っていた曇りを払うかのようでした。

そして、ついにてんちゃんの心の雲も晴れ渡り、仲直りを果たす。次の言葉が、仲直りの瞬間でした。優しい和解の言葉でした。

「也、わろてるか?家族三人、わろて暮らしてますか?」
「つばきさん、よお気張ったな」

そして、仲直り後のはじめての心からの親から子に贈る言葉が心に沁みました。

「もう立派なお父ちゃんやな、戦地ではつらいこともあるかもしれへん、けどそれでもわろて生きるんや。生きて必ず無事に帰ってきておくれやす」

心に沁みる、とっても丁寧な仲直りの描写でした。

家族写真

家族写真の撮影場面。カメラマン役にはるか師匠を期待していたのは僕だけでしょうか。

でも、よく考えてみたら、はるか師匠はすでに『わろてんか』に出演されていましたね。『マッサン』『あさが来た』に次ぐカメラマンの髪芸を期待していたので残念です。

追伸:カメラを向けられたてんちゃん一家に風太くんが「笑え!」と一喝。

この風太くんの怒鳴り声は『とと姉ちゃん』の花山伊佐次へのオマージュでしょうか。

『とと姉ちゃん』のあの場面、思い出すだけで笑いがこみ上げてきます。花山伊佐次のキャラクターをこれ以上望めないほどによくあらわしていた場面でした。

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コメント

  1. ひるたま より:

    この放送回だったか、或いは前の回だったかもしれませんが…。
    隼也くん一家が北村家の中に入る時、最後に入ろうとした風太くんの鼻先で、トキちゃんが玄関の引き戸をピシャリ!…思わず笑ってしまった場面でした。(^^;)
    ひょっとしたらあの場面はアドリブで、濱田岳さんから数多の‘アドリブ攻撃’(?^^;)を仕掛けられてきた(そして全部受け止めていた)であろう徳永えりさんからのささやかな「仕返し」(?)だったのでは?と私は感じているのですが…考え過ぎでしょうか。(^^;)

  2. ひるたま より:

    「隼也、わろてるか?…家族3人、わろて暮らしてますか?」
    (セリフの記憶違いがあるかもしれませんが…)
    実際の吉本せいさん・頴右さん母子は和解出来た訳ではなかったようで(頴右に娘=せいさんにとっては孫が誕生した事でせいさんの態度はかなり軟化したようですが)、史実とドラマがかなり異なっていますね。賛否両論あるかも分かりませんが…ドラマとしてはこれで良かったのでは?と個人的には感じています。
    親子(そして子供家族)が和解出来て本当に良かった。
    既に他の皆様方もコメントで触れていらっしゃいますが、風太くんが隼也くんだけを先に帰らせたのは、出征を前にして1分でも1秒でも早く、そして長く母親=てんちゃんと一緒にいさせてあげたい…という計らいだったのだろうと見ながら感じていました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      実在モデルがいる朝ドラは、よく「歴史の捏造」との批判にさらされますが、史実に忠実に制作しましたとアナウンスしながら史実と異なることを描いたならともかく、史実を参考に大胆に脚色するとアナウンスして制作するケースが大半です。そのつもりで観るべきかなといつも思っています。

  3. 猩々緋 より:

    「隼也、わろてるか?」てんちゃんがおとうちゃんから同じことを問われてましたね。
    それを問う親の愛と、その愛をしっかりと受け止めて答える子の気持ち、そしてその答えを聞いた時の親の心。てんちゃんの満足そうな笑顔におとうちゃんの笑顔が重なりました。
    短いやり取りの中に親子の深い愛が感じられる感動的な場面でした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      顔には決して出さないけれど、心の中ではてんちゃんがこれまでどれほど隼也くんのことを大事に思っていたか。それが伝わってくる「隼也、わろてるか?」でしたね。

  4. 夕顔 より:

    てんちゃんの態度が解れた瞬間、数年間の空白が無かったかのように、温かい母子関係に戻りましたね。

    誰が悪いのでもない。
    数年前のあの日、てん社長の立場上、愛する息子を勘当するより他仕方がなかったのでしょう。
    てんちゃんも断腸の思いだったはず。

    すぐに許したのでは、今まで迷惑をかけた多くの人達への示しがつかない。
    てんちゃん最後の意地だったんだと思います(ノ_<。)

    やれやれ、一件落着。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      本当に心に沁みる仲直りの場面でしたね。それだけに、仲直りの場面の出征があまりにも切なすぎました。

  5. たいとうみほ より:

    風太は、おてん様と儀兵衛お父様が
    表面的には最後まで和解できぬまま
    永遠の別れをしているのを見てるんですね。
    何度も京都と大阪を意味ありげにうろうろしてましたっけ。
    娘への思いを素直に出せない父親の様に
    どれほど忸怩たる思いを抱いたか
    親子2代でそんな悲しい結末は見たくない。
    そんな思いが人一倍強かったのだろうなと感じています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントを頂戴するまで気づきませんでした。確かに風太くんは、自分が仕えた人が親子二代にわたって、親と子の断絶を経験するのを目撃してますね。

  6. ずんこ より:

    はじめまして。
    いつも楽しみに読ませていただいています。

    今日の、てんちゃんと隼也君の和解のシーン、よかったですね。
    てんちゃんの「わろてるか?」の台詞、あれはてんちゃんが寄席買取りの借金を頼みに実家に帰った夜、儀兵衛おとうはんが雪の花を見ながらてんちゃんに問いかけた台詞だったのではなかったでしょうか。
    あの時は雪、今日は満開の桜の下、二組の親子の和解シーンが重なりました。

    確かあの時、儀兵衛おとうはんは、「雪でも花とみれば、それは花」のようなことを言っていたと思います。
    それを受けての、満開の桜だったのかな、と思ったりしました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      初コメントありがとうございます。
      深い洞察ですね。おっしゃる通り、交わされた言葉といい「花」といい、かつての儀兵衛お父はんとてんちゃんの和解の場面と、一対のような描写でした。

  7. Moji より:

    アメリカに渡った方々は戦争によってどうなったんでしょうか?

    その後の伊能さんや東京に戻られた伊能さんのお母さんやアメリカのお義母さんが。

    心配です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      藤吉くんが亡くなる直前に再登場して以来、啄子さんの消息がわかりませんね。ひ孫が生まれているくらいなので、すでにとうの昔に・・・。アメリカで日本人にとって困難な時代は経験しないで済んだのかもしれません。

  8. ちーぼー より:

    あらすじの最後、藤一郎が藤吉さんになってますよー。
    最後の最後で、怒涛の日々になりそうですね。中盤までをのんびりしすぎて、予定が狂ってしまったのではないか?と思う程です。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ご指摘ありがとうございます。早速、訂正させていただきました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 中盤までをのんびり

      暗く重い時代を最短で描きたかったのかもしれませんね。なにしろテーマが笑いなので。