北村笑店を解散する決断 / わろてんか 第145話

2018年3月24日(土)第25週「さらば北村笑店」

あらすじ

昭和20年(1945年)1月。戦局はますます悪化し、ついに大阪の街もたびたび空襲を受けるまでになった頃。風太はてんとトキ、そして椿たちとともに大阪から地方のどこかに疎開するよう強くすすめました。

てんが大阪にいるから他の者たちも疎開しようとしない。風太からそこまで言われたてんは、ついに疎開することを受け入れました。そして北村笑店の芸人たちを集めると、てんは宣言しました。北村笑店を解散すると。

そして始まった北村笑店の面々の疎開の準備。てんの疎開の準備を手伝いながら、リリコはこれまでの日々への感謝の気持ちを、てんに告げました。いよいよ別れの日が目前にせまった頃、キースの提案による「笑いの訣別式」が開かれました。

「笑いの訣別式」では、てんは集まった面々に北村笑店の再興を誓いました。必ず生き抜いて欲しい。再び風鳥亭で会おう。てんは面々に告げると、思い出のつまった大阪の街を旅立ってゆくのでした。

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予習レビュー

今週の水曜日・第142回で、てんちゃんや芸人さんたちの思い出がいっぱい詰まった南地風鳥亭が、建物疎開により取り壊されました。

そのエピソードを知ったとき、ブログ主はこう思いました。

これが今週のサブタイトルである「さらば北村笑店」を象徴するエピソードなのかなと。

しかし、「さらば北村笑店」の象徴だと思っていた南地風鳥亭の取り壊しはフラグに過ぎませんでした。

今回。文字通りの「さらば北村笑店」が描かれます。北村笑店の解散です。

度重なる大阪への空襲から逃れるために、北村笑店の一同は安全な地方へと疎開します。

それにともない、もはや誰もいなくなってしまう北村笑店を解散!ついにてんちゃんが苦渋の決断をくだします。

そして、北村笑店で心を一つに働いていた芸人さん、社員、そしてその家族たちは、北村笑店とてんちゃんに別れを告げる。

そんな悲しすぎる回で今週は終わり。

そして次週はいよいよ『わろてんか』最終週です。

今週は、サブタイトルの「さらば北村笑店」が示す通り、主要キャラクターが北村笑店から去ってゆき、そして北村笑店までもがなくなってしまいました。

失われたものがどこまで取り戻されて最終回を迎えるのか。最終週は「みんなでわろてんか」は、そのサブタイトルが示すとおり再生の物語となりますように。

感想

風太くん

今週の風太くんの姿は、てんちゃんを支えることに一生を捧げたと言っても言い過ぎではない風太くんの人生を凝縮したような回だったと思います。

てんちゃんが藤吉くんと出会った頃、見るからに怪しい出で立ちの藤吉くんからてんちゃんを必死になって守り抜こうとした風太くん。

その風太くんは、ほどなくして今度はてんちゃんと藤吉くんの間の伝書鳩に。

てんちゃんが儀兵衛お父はんから勘当された後。儀兵衛お父はんの病状が悪化した頃。断絶した親子の仲を修復ししたい一心で奔走したのも風太くん。

その後もいろいろなことがありました。

そして今週。

てんちゃんの人生にとって一大事とでもいうべき、隼也くんとの仲を修復するために働いたのがまたしても風太くん。

戦火からてんちゃんを守り、将来の北村笑店の再興のために、今、目の前にある北村笑店の閉鎖への決断の背中を押したのもまた風太くんでした。

風太くん、本当にいい男でした。

この風太くんと会えるのも、残りわずか一週間ですね。寂しくなります。

第25週「さらば北村笑店」感想

社長としての風格が備わってきたてんちゃんの姿に目が離せない一週間でした。女太閤という世の中の評判は決して大仰なものではないと思いました。

特に忘れられないのはてんちゃん、伊能さま、そして風太くんの三者の密室劇です。

夜の北村笑店の事務所。真っ暗な事務所に誰もいないと思っていた風太くんが、人影に驚かされました。その人影は伊能さま。

伊能さまがそんな時間に、しかも暗闇の中にたった一人でいる理由はすぐにわかりました。

夢を追い求めて自ら創業した会社を追い出され、東京でパートナーを見つけようと行動しても誰からも相手にされない。

失意の中を北村笑店に招かれ、久しぶりに経営からも離れてただひたすらに夢を追い求めることに没頭できる心豊かな時間。

そんな伊能さまの幸せな時間も、またたく間に失われてしまいました。

やっとつかんだ最後の夢すらも失ってしまったあの時の伊能さまの姿は本当に痛々しかった。それまで誰にも弱みなど見せたことがないだけに気の毒でした。

そして、誰にも弱みなど見せてこなかっただけに、こんな時に頼れる者がいない伊能さまの深い孤独に、胸がヒリヒリするような思いでした。

ところが・・・

伊能さまには、実は頼れる者がいました。心強い味方がいました。それがてんちゃんです。いつの間にか社長の風格を身につけていたてんちゃんです。

夜の北村笑店での密室劇。伊能さま自身が言いました。自分はてんちゃんを助けていたどころか、自分こそが助けられていたのだと。

でも・・・でも、正直に言うと、僕はこのときの伊能さまの言葉を社交辞令くらいにしか受け止められませんでした。その数分後までは。

その数分後とは、てんちゃんが社長の風格を全開させた瞬間です。

あのとき、てんちゃんは伊能さまを懸命に引き留めました。大事な人をこれ以上失いたくないと引き留めました。

そのときのてんちゃんは、いつものちょっとばかり頼りなげなてんちゃんでした。

しかし、伊能さまを引き留めるのは不可能だと悟ったてんちゃんが、その直後に下したまさかの決断が、それまでのてんちゃんの頼りなげなイメージを完全にくつがえしました。

伊能さまを無理に引き留めるのをやめる決断。ここまでなら誰にもできます。

伊能さまの渡米を評価する決断。これも、たいていの人ならできます。

しかし、伊能さまの渡米を会社の業務命令にしてしまう決断。即座に風太くんに支度金の準備をさせ、反論を完全に封じ込めてしまう決断。

これはすごかった。

伊能さまも「おてんさんにはかなわない」と思わず口にしていましたが、伊能さまがてんちゃんに助けられていたという発言にうそ偽りはないと確信できた瞬間でした。

そして、ちょっとだけ話が飛びますが、藤一郎くんが「おばあちゃんは偉いから好き」と無邪気に言ったあの言葉にも納得です。たしかにてんちゃんは「偉い」。

というわけで、伊能さまとのお別れが描かれ、それに続いて、隼也くんとの再会。そして再会してすぐのお別れ。

さらに芸人さんたちとのお別れの末の北村笑店の閉鎖。

決して一人ぼっちではないけれど、これまでたくさんの人に囲まれていたてんちゃんからすれば、一人ぼっちに限りなく近い環境になってしまいました。

そして、てんちゃんがそんな環境にまで追い詰められたところで、いよいよ『わろてんか』は最終週を迎えます。

最後の最後にちょっとだけネタバレです。

次週・最終週、特に後半からは明るい展開になりそうです。東京ではこの週末にも桜が満開の見通しですが、いかにも春らしい明るいエンディングを迎えることができそうです。

あと一週間。あと6回。最後まで登場人物たちの喜びや悲しみを丁寧に観て行こうと思います。

今週も一週間、ありがとうございました。

季節もいよいよ春らしくなってきました。どうぞ良い週末をお過ごしください。そして、最終週となる来週もよろしくお願いいたします。

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コメント

  1. 夕顔 より:

    今日も泣いた。
    最近、土曜日の『わろてんか』に泣かされるパターンになっている。

    てんちゃんが、
    『必ず生きて、、、生き抜いておくれやす』と言ってからは、まさに涙腺決壊でした。
    その言葉の中に、北村笑店の再興が暗示されているようでしたね。

    それから、北村の米屋を潰して、裸一貫から始めたあの場所。
    藤吉くんとの思い出が詰まった長屋を後にしたときもだ(ToT)

    『わろてんか』を途中で挫折せずに、ここまで見続けてきて、本当に良かったです!!
    気付いたら、すっかり魅了されていたのでした。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      あと一週間ですが、最終回が終わった後には最後まで見続けてよかったと心から思えるエンディングを迎えたいですね。最終回までどうぞよろしくお願いいたします。