終戦、てんが大阪に戻る / わろてんか 第148話

2018年3月28日(水)第26週「みんなでわろてんか」

あらすじ

昭和20年(1945年)8月15日。てんは疎開先の滋賀県で終戦を迎えました。そして、終戦から一ヶ月が経過した同年9月。てんと風太は北村笑店の寄席を再開させようと疎開先の滋賀県から大阪の街に戻りました。

しかし、大阪に戻ってきたてんが目にした光景は、てんを愕然とさせました。大阪は空襲によって焼け野原と化し、北村笑店の寄席も全焼してしまっていたのです。そんな中、楓が寄席の建っていた場所に戻ってきました。

楓は、漫才の台本を空襲から守り抜いていました。てんと風太は、楓の無事を心から喜びました。てんと風太はすぐにでも寄席を再開したいものの、楓は家族の面倒を見るのが精一杯で、北村笑店のために働くゆとりなどありません。

昭和21年(1946年)春。てんと風太は日銭を稼ぐためのすいとん販売をしながら芸人との再会を待つことにしました。そんな中、暴漢におそわれたてんの窮地を思いがけない人物が救いました。伊能が6年ぶりに帰国したのです。

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予習レビュー

前回、大阪の街が空襲され風太くんの安否が不明に。そしてトキちゃんが不安を募らせる場面が描かれました。

しかし、風太くんは無事でした。無事にトキちゃんが疎開する滋賀県にやってきました。

そして今回。

大阪大空襲の昭和20年(1945年)3月から半年ほどスキップして9月。終戦を迎えた昭和20年(1945年)8月から一ヶ月ほど経過しています。

てんちゃんと風太くんは疎開先の滋賀県から大阪に戻ってきます。もちろん、北村笑店を再開させる準備のためです。

しかし、南地風鳥亭は建物疎開ですでになく、他の寄席も空襲により全焼。

そんな希望が見えなくなりそうな中、楓ちゃんが空襲の中を漫才台本を命をかけて守り抜いていました。

寄席というハードは失ってしまいましたが、漫才台本というソフトは失われずに済みました。これは北村笑店が再興する大きなフラグに違いありません。

さて『わろてんか』のドラマは残り3回。

放送の述べ時間もすでに一時間を切っています。

その残されたわずかな時間で、北村笑店の復興はどこまで進むのでしょうか。しかし、復興にもっとも不可欠なのは何よりも「人」です。

今回も、ある「人」が、窮地のてんちゃんを救う形で再登場を果たします。

この二週で描かれた混乱の中でドラマから去っていた愛すべきキャラクターたちも、今回か次回あたりから、そろそろ戻ってきそうです。

残り三回で描かれる再生の物語。最後まで楽しませてもらいましょう。

感想

優しい治平さん

前回が昭和20年(1945年)3月13日から14日にかけての頃。

頑固者でニコリともしなかった笑を忘れた治平さんが、てんちゃんの言葉によって笑い取り戻す瞬間が描かれました。

それから五ヶ月経った昭和20年(1945年)8月15日。

ついに戦争が終結。大阪に戻る決意を固めたてんちゃんを、まだ大阪は危険だと治平さんは家族に率先して、てんちゃんのことを引き留めてくれました。

笑いを取り戻しただけでなく、本来の優しさまで取り戻すことができた治平さん。出番はこれで終了でしょうか。

治平さんはわずか三回の出番でしたが、心に残る名演でした。

笑いと優しさを取り戻しての出番終了。

頑固者、というか偏屈者として登場した治平さんのキャラをきれいに回収してくれたと思います。

今回から、ドラマは明るい調子に転じると思っていたら・・・

戦争が終わり、治平さんも優しい心を取り戻しました。

てんちゃんが大阪に戻るとそこは一面の焼け野原。藤吉くんの想いが込められた寄席も焼け落ちていました。

てんちゃんはしばし呆然とするものの、焼け跡の向こうから姿を表したのは楓ちゃん。

楓ちゃん、漫才台本をしっかりと守り抜いていてくれました。さすが物書きです。台本が何よりの財産だということをよくわかっているのでしょう。

楓ちゃんの再登場。焼失を免れた漫才台本。これからの希望に満ちた展開を暗示するフラグめいたエピソードで、昨日までの重苦しいドラマは一転。

明るい調子に転じるものとばかり考えていました。しかし・・・

楓ちゃんは北村笑店に復帰するために戻ってきたわけではありませんでした。漫才台本をてんちゃんに届ける。ただそのためだけにやって来たようです。

楓ちゃんは家族の面倒を見るのがやっと。

しかも、そんな事情を抱えているのは楓ちゃんだけではありませんでした。安来節の乙女ちゃんの一人・とわちゃんがまさかの再登場。

しかし、とわちゃんも故郷に帰るという。そして、みやこちゃんは空襲で死亡。

北村笑店の芸人さんたちのうち、キャラクター名が設定されていた芸人の中で、戦争による死亡はこれが初めてのことでしょうか。

ショックでした。乙女ちゃんたちがケンカを繰り返していた日々を思い出すと泣けてきます。ケンカに明け暮れた日々も今となっては古き良き時代です。

そして、多くの芸人さんたちが、寄席の焼け跡に残した「芸人やめます」の書き置き。

今回から明るい調子に転じるのかと思いきや、前回・前々回にも増して重く悲しい展開となってしまいました。

風太くんの悲痛な叫び、そして・・・

焼け跡の中、風太くんが悲痛な叫び声をあげました。

「キース!アサリ!リリコ!四郎!お前らどこ行った!?早く戻ってこい!」

風太くん、今回もまた泣かせてくれました。

キーちゃん、アサリ、リリコちゃん、四郎さん。彼らが戻ってくれば、きっと再び芸人として活動するに違いない。

そうすれば深く落ち込んでいるてんちゃんも元気を取り戻すはずだ。

風太くんはきっとそう考えたのでしょう。そんな、てんちゃんへの真剣が思いに裏打ちされた叫び声の悲痛さに泣かされました。

今週の中で、最もつらい場面だったかもしれません。

それに続く、藤吉くんに出てきてもらいたい一心から鈴を鳴らし続けるてんちゃんの、その鈴の音の寂しいこと。

しかも、その鈴の音が風太くんの仮の住まいに響き続けるという描写が寂しさを増幅させていました。巧みな演出です。

それから数ヶ月が経過して、昭和21年の春。

暴漢に囲まれ窮地のてんちゃん。その窮地を救うために颯爽とあらわれた人物。既視感のある場面。

既視感のある場面の主役は伊能さまでした。

最後の最後に復活した伊能さま。これでようやくドラマは明るい調子に転じるのでしょうか。

『わろてんか』は残り3回。明日からは再生の物語の始まりです。

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コメント

  1. ひるたま より:

    伊能さん‘再登場’のあの場面…来るぞ来るぞと思わせながら結構引張る演出だったような気がします…(^^;)「早く顔写してあげてよ!…てんちゃんと会わせてあげてよ!」とTVの前でつい突っ込んじゃいました。
    そしてあのいかにも「伊能さまのテーマ」とも思われるトランペットのファンファーレが鳴り響き…!(^o^)
    初登場の時のベタな演出には個人的に「……」でしたが、今回は大笑い&「やった~!」と爽快な気分になりました。半年見続けて本作の演出にようやく私も慣れたのかもしれません。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      伊能さまの初登場場面へのオマージュとも言える再登場場面の演出。なかなか粋だなと思いました。

  2. こひた より:

    露店に現れた不逞の輩たち。
    その瞬間あの方の登場を予感した人、数知れず。
    過去にもあった同様の場面。

    お待ちしておりました。
    おかえりなさい、伊能さま。

    もうここからは悲しい場面はないでしょう。
    もうすぐ仲間たちとも再会できるでしょう。

    単純でポジティブな私はハッピーエンドが大好きです。

    残りわずか、楽しく笑かしてもらいます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      今回、リリコちゃんと四郎さんが戻ってきたので、残るは、キーちゃんとアサリ、万丈目はんと歌子さん、亀さん、そして隼也くん。残り2回は、これらのキャラたちとの再会に涙し続けることになりそうですね。

  3. GK より:

    露店を出していた場所は、天満風鳥亭の焼け跡でしょうかね。
    天満といえば『ごちそうさん』の西門家もあった場所。時代もほぼ同じ。

    もしあのてんが暴漢に襲われた場面に、あの気の強い西門め以子が居合わせていたとしたら…
    (でも、そうすると伊能さまの見せ場がなくなっちゃうだろうなぁ‥。)

    なんてことを、一瞬思ってしまいました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      戦後の混乱期で、め以子も大変な目に遭いましたが、不思議と安心して見ていられましたね。め以子ならきっと何とかなるだろうって。本当に強いヒロインでした。

  4. お疲れ様ですm(__)m朝蔵さん。毎朝毎朝ありがとうございます。
    ここでは、決して批判やクレーム的な投稿は殆どしない投稿者の方々ですが、さすがに今日は言わせて下さい。
    すいとんの売上を大の大人がおてんを囲んでやーい、やーいって。
    そして、このアマって、セリフ棒読み。おてんさん、50代のお婆ちゃんでしょう。小学生の学芸会見てる様です。
    朝蔵さん、もういいですよ。思った事書き込んで。あんまりですわ。わろてんかのクオリティーは。立場上正直に書き込めないのはお察ししますが、朝蔵さんのコメントやフォローを読んでて辛くなりますm(__)m

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      お気づかいありがとうございます。幸か不幸か記憶力がすこぶる悪いので、感涙場面みたいな強烈に印象に残った場面しか覚えてないんです。(そして記憶力の悪さから、度々取り違いをしてます)