北村笑店物語 / わろてんか 最終回/第151話

2018年3月31日(土)第26週「みんなでわろてんか」

あらすじ

北村笑店が歩んできた道のりをひとつの物語にまとめた人情喜劇『北村笑店物語』を上演しようと、てんは提案。そして迎えた青空寄席『北村笑店物語』の上演の当日。てん役はてん自らが演じ、藤吉役には田口という若い芸人が演じることになりました。

しかし、高座に上がることに不慣れな田口はセリフにところどころつかえ、かろうじて芝居は進んでゆきます。そのとき、てんの目に田口が藤吉に見える瞬間がありました。一度は目の錯覚を疑ったてんでしたが、目の前にいるのは間違いなく藤吉でした。

てんは、てんにだけ見えている藤吉とともに、北村笑店の歴史を描いた青空寄席『北村笑店物語』を心を合わせて演じました。寄席は大盛況のうちに終了。寄席が終わると藤吉の姿はそこにはなく、藤吉は田口に戻っていました。

その日の上演はすべて終わり、夕方になりました。焼け跡の中に建つ舞台に、藤吉の幻が再び姿をあらわしました。てんは、今日から再び新しい一歩を踏み出しはじめることを、藤吉の幻と、そして自分自身に誓うのでした。


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予習レビュー

前回、出征していた隼也くんがてんちゃんのもとに戻り、これで北村笑店、そして『わろてんか』の主要メンバーは全員が再び顔を揃えることができました。

そして新生北村笑店の新たな出発を期して青空喜劇『北村笑店物語』の上演。

それが最終回のお題です。

そして最終週のサブタイトルでもある「みんなでわろてんか」をあらわすエピソードでもあるようです。

今回のドラマの中で描かれる、北村笑店のこれまでの歴史を描いた『北村笑店物語』では、てんちゃんがてんちゃん自身を演じます。

まだ存命の他の役者さんたちも自分自身を、楓ちゃんなど裏方スタッフもそれぞれが自分自身を演じることになるのかも知れません。

そんな中、すでに亡き藤吉くんを演じるのは若い芸人・田口くん。ちなみにその田口くんを演じるのは俳優の辻本祐樹さんです。

さて、青空喜劇『北村笑店物語』の幕が開き、まるで若き日の藤吉くんさながらに田口くんがたどたどしい芝居をすることになるのでしょうか。

てんちゃんの目には、その田口くんの姿が若き日の藤吉くんと重なる・・・

しかし、若き日の藤吉くんに見えた田口くんは、目の錯覚ではなく藤吉くんでした。

『あさが来た』でも、最終回にあさちゃんは新次郎さんと再会を果たすことができました。

その再会の場面は、一所懸命人生を生き抜いたあさちゃんへの脚本家からのプレゼント、神様からのプレゼントのようでした。

『わろてんか』でもそんなエンディングを迎えるようです。

いつも全力で生きてきたてんちゃんへの脚本家からのプレゼント、神様からのプレゼント。てんちゃんが「藤吉くんとの再会」というプレゼントを贈られて、半年にわたった『わろてんか』は完結します。

『わろてんか』最終週の感想

史実を明るく脚色

半年間にわたった『わろてんか』がついに終わりました。

『わろてんか』の放送がはじまる前。僕はヒロイン・てんちゃんや藤吉くん、そして北村笑店の実在モデルの史実について記した何冊かの本を読みました。

そして、とっても心配になりました。

てんちゃんの実在モデルの夫が若くして亡くなっていること。戦争によって、北村笑店の実在モデルは多くの芸人さんを失っていること。

そしててんちゃんと隼也くんに当たる実在親子の確執。隼也くんの実在モデルの、母親を激怒させた恋愛騒動。などなど。

てんちゃんの実在モデルは波乱の人生を歩んでいるのです。しかもかなりえぐい波乱の人生です。朝ドラには不向きなレベルの話もあります。

そんな苦難に満ちた日々を、朝っぱらから放送するドラマの中でどのように再現するのか。それが心配だったのです。

ヒロインの夫が途中でいなくなってしまったら、その後はどうするのか。

戦争にからんだつらい描写はどのくらいの期間つづくことになるのか。

そして、親子の確執はどれくらいディープに描かれるのか。

それら心配していた史実のエピソードは、朝から観ていて苦にならないような脚色によって、とても巧みにドラマ化されたと思います。

藤吉くんの幽霊(幻?)

さて、藤吉くんが亡くなったときはあまりにも悲しすぎましたが、その後、藤吉くんの幽霊(幻?)がてんちゃんを支え続けてくれて、本当に救いになりました。

藤吉くんが幽霊(幻?)として再登場したことで、仮に藤吉くんが早逝せず最後まで存命だった場合よりも、より頼もしい存在になったと思います。

そんな藤吉くんの幽霊(幻?)が繰り返し登場し続けたことにより、最終回の藤吉くんの幽霊(幻?)の再登場も、いつものこととして受け入れることができました。

新喜劇の形を借りて、これまでの歩みを振り返る演出。藤吉くんの再登場は、今日までひたむきに歩んで来たてんちゃんへの、神様からの贈り物のようでした。

最後の桜舞う中での、藤吉くんと一緒にいるてんちゃんの満ち足りた笑顔。いつまでも忘れないでいたいと思います。

戦争の時代

戦争の時代の描写は意外なほど短期間で終わりました。最後の一ヶ月はずっと戦争の時代になるくらいに予想していたので、これは意外でした。

そしててんちゃんと隼也くんの間には確執はありませんでした。

てんちゃんは隼也くんを勘当こそしたものの、勘当したのはそれしか選択肢がなかったから。涙をこらえた勘当には泣かされました。

一方、隼也くんはあくまでもお母ちゃんを尊敬していました。感謝の気持ちを持ち続けていました。お母ちゃんへのネガティブな気持ちはまったくありませんでした。

確執どころか、親と子はお互いに思いながらも、しかし一緒に暮らすことはできない。そのギャップに泣かされました。

だからてんちゃんと隼也くんの再会場面は、確執が解けて和解するという展開よりも泣けました。本当に素敵な再会でした。

史実の悲劇。それらを完全にスルーするわけにはゆかない。さりとて、史実をあまりにも忠実に再現すると重すぎる。

そのあたりを実にバランスよく描き切ったと思います。

最終回:北村笑店物語

明るく脚色された史実を、さらに笑いで脚色した最終回の『北村笑店物語』。

劇中劇でなく、完成された一個の新喜劇として楽しませてもらいました。

劇中では、時間の関係からところどころが省略されていましたが、スピンオフとして『北村笑店物語・完全版』を観てみたいものです。

というわけで、半年間、当ブログにお付き合いいただきありがとうございました。次回作『半分、青い。』>>も、一緒に泣いたり笑ったりしていただけますと幸いです。

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コメント

  1. ひるたま より:

    さらに追記です。
    「風太くん」=濱田岳さんは、本作の‘裏の主役’だったのではなかろうか?と私は感じています。
    そして個人的には濱田岳さんに加えて、「リリコちゃん」=広瀬アリスさんが強く印象に残っています。
    実は本作で広瀬アリスさんを初めてじっくりと拝見しましたが、華があって存在感抜群だったように感じます。(役目上あくまでも裏方的な面(寄席経営者→途中から社長&興行師)が多かった主人公のてんちゃんに対し、旅芸人からスタートして娘義太夫→活動写真(映画)女優→そして女流漫才師と、常に芸の第一線を走り続けたリリコちゃん…作品によってはリリコちゃんが主役になる可能性も十分あるでしょう)

    そして加えて、あの濱田岳さんのアドリブを最後まで一身に受け続けたであろう「トキちゃん」=徳永えりさん。
    主役夫婦以外にも魅力的な登場人物(そして俳優さん)が多かったですね。(^^)

  2. ひるたま より:

    誤送信失礼しました。
    そしてもっと、「新喜劇」テイストの場面&演出を入れたら楽しくなったかも?(全編見終わった時点で、再度総集編(大型連休中に放送が予定されているようです)を見たら、そこここに「!」と気づく場面があるのかもしれませんが)
    個人的に最も分かり易かったのが、リリコちゃんを口説くために亀さんが一肌脱いだあの場面だったかも?(いきなり‘泣き落とし’に入り、小声で「泣け!泣け!」と囁いたあの場面…頭の回転が速い楓ちゃんが最も早く反応していましたね^^)

    何はともあれ「終わり良ければ総て良し」。朝蔵さん、いつも本当にありがとうございます。そして半年間お疲れ様でした。

  3. ひるたま より:

    こんばんは。諸事情により些かコメントが遅くなりました。
    全般的に朝ドラを真面目に見ていた訳ではないので必ずしも当たっていないかもしれませんが…朝ドラは後半になると結構回想シーンが挿入されるケースが少なくないような印象を抱いていました。(特に前々作の『ひよっこ』は結構多かったような?…大人の事情もあったのかもしれませんが)
    その点で考えると、本作は‘ドラマ後半の回想シーン’がむしろ少なめだったような印象を抱いています。おそらく全ては、最終回の劇中劇『北村笑店物語』のためにとっておかれたのかもしれませんね…きっと。この劇中劇は、ドラマ全編を‘完走’出来た視聴者へのサービスですね。(^^)
    ネット上も含め世間的にはいろいろ言われて来た本作ですが、半年間自分なりに楽しんで視聴出来ました。強いて言えば…ややエンジンがかかるのがノンビリ(遅め)な傾向のドラマだったかもしれません。視点を変えれば、後半で‘失速’するドラマ作品も少なくない中で、本作はむしろ後半で楽しませてもらい、同時に考えさせられました(極限状態に置かれた人間と‘笑い’の関係等)。
    個人的には、最終週のエピソードはもう少し時間をかけて見てみたかったようにも感じます(『北村笑店物語』制作の過程等々…)。そしてもっと

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      言われて初めて気が付きました。クライマックス近くの回想が少なかったですね。クライマックス近くは戦中戦後の混乱期で、キャラたちに昔を思い出している暇などなかったというのもあるのかもしれません。

  4. こひた より:

    新喜劇、存分に楽しませていただきました(#^.^#)

    人それぞれいろんな考えがあって当然ですし、批判するつもりもありません。

    私のモットーは “楽しんだもん勝ち” 

    さあ、明日から新たな楽しみを発見するとしましょうか。

    朝蔵さん、半年間有難うございました。

    また、明日から楽しさを共有させてくださいませm(_ _)m

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 楽しんだもん勝ち

      楽しいところを発見するスキルは人生を豊かなものにする上で必須ですね。

      次回作もどうぞよろしくお願いいたします。

  5. まーちゃん より:

    お久しぶりです。最終回を迎えましたね。決して途中で脱落したわけではないのですが何となくコメントしづらいドラマでした^^;多分関西人にはここで描かれているお笑いの世界が微妙に違和感があったのかなと思います。俳優陣の熱演は大いに認めますがやはり本物の芸人さん(お笑いさん)との差が見えてしまって時々つらいものがありました。でもヒロインの葵わかなさんはまだ19歳の若さ(嘆!)立派だったと思います。今後のご活躍が楽しみですね*^^*

    「半分、青い。」のヒロインは永野芽郁さん、こちらも大変お若い女優さんですがすでに映画、ドラマ等でご活躍です。私は映画「俺物語!!」のヒロイン大和凛子役で知りましたが「マジ大和!」と思いましたよ(笑)それに何と言っても相手役が「仮面ライダー電王」以来大ファンの佐藤健さんなので期待せざるを得ませんね☆また半年間、よろしくお願いいたします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『俺物語!!』のあの女の子が永野芽郁さんだったんですね。コメントをちょうだいするまで全く繋がりませんでした。 佐藤健さんは『天皇の料理番』以来、注目していましたのでとても楽しみです。

  6. まきぱんだ より:

    朝蔵さんこんにちは。こちらのブログは、とと姉ちゃんのころから、毎日楽しく拝見しています。
    わろてんか、世間の評判は別にして、私は結構楽しんで見てました。朝から重たい内容は遠慮したい方なので、わろてんかの軽いタッチが合ってたのかもしれません。
    最終回は、新喜劇が面白くってかなり笑ってしまいました。あそこだけ、吉本が作ったのかと思っちゃいました。最初から見てた人には、素敵なラストだったと思います。
    次の作品も、こちらのブログを楽しみにしてます!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『とと姉ちゃん』の頃からですか!?ありがとうございます。次回作も、朝に観るのにぴったりなテイストのドラマみたいです。引き続きよろしくお願いいたします。

  7. なのる程でもない者 より:

    お疲れ様でした
    半年ありがとうございました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      こちらこそ半年間お付き合いいただきありがとうございました。次回作もどうぞよろしくお願いいたします。

  8. たいとうみほ より:

    隼也が扮した伊能さん登場のシーン。
    これは脚本を書いた万丈目さんの優しさと感謝かな?と感じました。
    北村笑店にとって大変な恩義ある人であっても
    お客さんの目にそうとわかる訳ではなく
    ましてや物語が終わる時点までは北村の運営には
    伊能さんは直接関わっていません。
    せいぜいチンドン屋くらい?
    社長夫妻ではなく会社に主眼を置いた劇だから
    伊能さんが出てこなくても不自然ではない、のだけど。
    でも、やはり伊能さんあっての北村笑店
    それをお客さんにわかって欲しいから。
    絶体絶命のピンチを手を差し伸べてくれる、という
    実は目に見えない形では多々あった事を
    目に見えるあのような場面に例えさせて
    虚構を付け加えた、と思っています。
    今回もいい物語をこちらのサイトの皆様と
    楽しむ事ができました。
    毎日のご案内、お疲れ様でした。
    次回作も楽しみにしています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ご高察のとおり伊能さまの出番をわざわざつくったのは万丈目はんの粋なはからいですね。作家として北村笑店に関わった人たちの人間模様を観察する中で、伊能さまの活躍を讃えずにはいられなかったのでしょうね。

  9. 夕顔 より:

    『わろてんか』を観たことは、私にはタイムリーだったと思う。
    笑いの威力を再認識できました。

    それを最後にてんちゃんがまとめてくれた。
    「笑う門には福来る。
    幸せやから笑うんやのうて、、、
    今がどんなにつらくても、笑うからこそ幸せになれる。そう信じてます。」

    私も笑いの神さんに守ってもらえるように、これからたくさん笑って、笑いの神さんへのお供えを忘れないようにしよう(*^▽^)/★*☆♪

    毎日このブログで復習して、皆さんのコメントを拝読したり、また自らコメントすることで頭の中が整理されました。
    こんな場所を設けて下さった朝蔵さん、ありがとうございます!!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 笑うからこそ幸せになれる

      前作『ひよっこ』の宗男おじさんの「笑って生きる」と合わせて、笑うことの価値を学ぶことができた一年間でした。次回作も一緒に笑いましょう。

  10. GK より:

    『北村笑店物語』は内場勝則さん演じる亀井さんが「あ、帰ってきた」「邪魔すんのやったら帰って」などおなじみの言い回しをタイミングよく送り出し、要としてほかのメンバーをうまくアシストする好い存在感をみせてくれたと思います。さすがはスーパー座長!

    なにげに上沼恵美子と横山やすしの定番ギャグも盛り込んでいましたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 定番ギャグ

      本編もこのテイストでやって欲しかった・・・そう思った最終回の新喜劇でした。

  11. よるは去った より:

    ずいぶん昔になりますがNHK ラジオで昭和の演芸の歴史についてやっていたのですが、その中で「(終戦後)漫才界にのろしが上がりました。」と「上方演芸会」の放送スタートを取り上げてました。NHKラジオで長く続いている番組だしそのへんのエピソードも取り上げるのかなとなんとなく期待していたのですがドラマはその時代までは行かなかったようですね。スペシャル版あたりで期待できるかな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『ごちそうさん』も戦後数年後を描いたスピンオフをやりましたが、同様に北村笑店の再建が軌道に乗った頃のスピンオフを観てみたいですね。

  12. 朝蔵さん、半年間お疲れ様でしたm(__)m
    月曜日からは半分青いでまた宜しくお願いします。楽しく爽やかな朝ドラを期待してます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      次回作もよろしくお願いいたします。春から夏にかけての朝ドラらしい明るそうな作品で、とっても楽しみです。

  13. ヤジウマン157号 より:

    久々の、なおかつわろてんかでは初のコメントが最終回になってしもた(笑)

    これまでのドラマのあらすじを辿るような北村笑店物語、なんだか懐かしく思えるような感じで見てしまった。
    そして改めて、出演した俳優さんたちの凄さに感動。
    特に自分が好きなのは、歌子役の枝元さんかな。
    わろてんかの中では喜怒哀楽の激しい役だったように思うけど、小気味よい演技は目を惹くものだったと思う。

    朝蔵さんもおっしゃってますが、北村笑店物語をフルでやってくんないかなあ。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > これまでのドラマのあらすじを辿る

      寺ギンのオッチャンを四郎さんが演じたのは絶妙なキャスティングでした。団吾師匠や文鳥師匠も再現してほしかったです。

  14. ゆかりんご より:

    初めてコメントさせていただきます。
    朝ドラを熱心に見たのは初めてでした。
    仕事の都合で見れる日と見れない日があったのですが、こちらのブログのおかげで最後まで楽しむことができました。
    最後の新喜劇は最高でしたね。
    ありがとうございました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      初コメントありがとうございます!
      当ブログがお役に立てたようで幸いです。次回作もよろしければお付き合いください。今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。

  15. ひるたま より:

    田口くんを演じる辻本祐樹さん、何処かで聞いた事があるようなお名前だな~と思っていたら…『ちりとてちん』で‘鉄砲勇助’=嘘つき勇助こと木曽山勇助くんを演じられた俳優さんなのですね!(^^)

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      あの嘘つき君ですか!楽しみがまた一つ増えました・・・でも、最終回の一回限りの登場になるんでしょうね。