律の前で初めて涙を流す / 半分、青い。 第11話

2018年4月13日(金)第2週「聞きたい!」

あらすじ

聞こえなくなってしまった左耳は、薬を飲んでも治療をしても、一生治ることはない。晴と宇太郎からそう告げられた鈴愛でしたが、そのことを気にも留めないかのように明るく振る舞っていました。

一方の晴は、自分が代わってあげたいと泣き続けていました。仙吉も、自分の両耳を鈴愛にあげたいと嘆いていました。深く落ち込む晴を励ます宇太郎はまた、仙吉とともに鈴愛を精一杯支えてゆこうと心に決めました。

そんな中、左耳の聴力を失い平衡感覚をなくした鈴愛が小学校の体育の授業でピンチにおちいりました。その鈴愛のピンチに誰よりも早く気がつき、機転をきかせて鈴愛をピンチから救ったのは律でした。

その日の学校からの帰り道、自分を助けてくれた律に、鈴愛はその理由を尋ねました。律に本心を聞かされた鈴愛は、聴力を失ったことの悲しさ。そして自分が家族の前で泣かなかった理由を語り、そのときはじめて鈴愛は涙を流すのでした。

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予習レビュー

左耳の聴力を失ったこと。そして失われた左耳の聴力は一生かかっても治る見込みはないことを告げられてしまった鈴愛ちゃん。

しかし、両親、特にお母ちゃんの前では鈴愛ちゃんは気丈に振る舞っていました。

お母ちゃんを悲しませたくない。泣かせたくない。その一心から鈴愛ちゃんはお母ちゃんの前ではつとめて明るくしていました。

しかし、本音はやっぱり悲しかった。泣きたかった。

お母ちゃんの前では決して涙を見せなかった鈴愛ちゃんでした、ついに左耳の聴力を失ったショックを口にし、そこで鈴愛ちゃんははじめて涙を流します。

鈴愛ちゃんがはじめて涙を見せる相手、それは律くんです。

鈴愛ちゃんの左耳の異変が、はじめて症状となってあらわれたと思われる場面。鈴愛ちゃんがめまいを起こした時に、鈴愛ちゃんを助けたのは律くんでした。

そして、左耳の聴覚を失ったことで体育の授業中にピンチにおちいった鈴愛ちゃんを助けたのも律くん。

そして、両親にも見せられなかった涙を、はじめて見せたのもまた律くん。

今週は、リトル鈴愛ちゃんとリトル律くんの切っても切れない深い絆が丁寧に描かれた一週間でした。

そんな太い絆で結ばれた二人ですが、二人揃って高校生に成長した次週からは、すれ違いの物語がはじまるのでしょうか。

感想

昨日も泣けましたが、今日はもっと泣けました。今週は、朝っぱらから連日、大変なことになっています。

草太くんが優しすぎる

弟の草太くんが優しすぎて泣ける!

ヒロインの弟でありながら、草太くんがあまりにも地味な存在として描かれていたことに違和感を感じていました。

草太くんの性格がわかる場面はこれまでひとつだけ。

天に昇った廉子さんが、いちいち親に許可を得ないと何もできない子と、孫に対して辛口なコメントをしたとき。これだけです。

『ごちそうさん』のヒロインの弟・照生くんも、幼少時代はセリフがほとんどなく、視聴者の間では座敷わらしと揶揄されてましたっけ。

だから、はじめて、それもたった一言だけ照生くんがセリフをしゃべったときは、ちょっとした騒ぎになったものです。

草太くんもそれに近い存在でした。今日の冒頭場面までは。

お小遣いがあまったらと言って、お姉ちゃんがずっと欲しがっていたグルグル定規を買ってくれた草太くん。

片耳が聞こえなくなったお姉ちゃんを励まそうとするその優しさが泣かせてくれます。

しかも、実際はお小遣いがあまったわけではなかった。貯金箱にちょっとづつ貯めていたなけなしのお金を、貯金箱を割ってつくったお金です。

お姉ちゃんを励まそうと、そこまでやっていたなんて。

この瞬間、草太くんの優しさが全開するこの場面を強調するために、今日の今日まで草太くんのキャラを隠し通していたのかと納得の、豚貯金箱ガチャン場面でした。

ヤモリ

草太くんの優しさ全開の場面に続いて描かれたのは、律くんの優しさ全開場面につながるフラグでした。

鈴愛ちゃんの異変を誰よりも早く気づいていた律くん

彼が、片耳の聴力を失った鈴愛ちゃんの今の状態の疑似体験をしたのは、鈴愛ちゃんの異変にはじめて気がついた場所でした。

そして、鈴愛ちゃんの置かれた状況を理解できた律くんが次にとった行動は・・・

体育の授業は平均台。鈴愛ちゃんにはこれは難しいだろうと考えた律くんが機転をきかせ、しかも、その機転のきかせ方に恩着せがましいところがみじんもない。

下校の時も、何もなかったかのように涼しい顔をして急ぎ足で学校を去ってゆく律くん。あまりにも男前すぎました。まぶしかった。

「ピカピカに産んだのに」

晴さんの涙には泣かされましたが、涙以上に泣かされたのは晴さんが口にした言葉です。

「ピカピカに産んだのに・・・」

母親の子に対する愛情がこれ以上は望めないほどに深くあらわされた言葉でした。晴さんの「ピカピカ」。忘れられない言葉です。

そして、涙にくれる晴さんを支える宇太郎さんの頼もしいこと。

これまでは、どこか頼りなげなお父ちゃんとして描かれてきた宇太郎さんの、頼もしい一面が描かれたのは前回の名古屋大学の病院の場面でした。

鈴愛ちゃんの聴力は失われたと宣告され、取り乱す晴さんを落ち着かせた時の宇太郎さん。本当に頼もしかったです。

ところで、いつぞや晴さんと和子さんが対面した場面。

分娩室までついてきた宇太郎さんのことを和子さんが絶賛していましたが、和子さんが褒めただけのことはあります。

宇太郎さん、頼りがいのあるお父ちゃんです。

「泣く時が見つけられんかった」

鈴愛ちゃんがついに泣きました。大粒の涙をポロポロ流して。大声を出して。

「泣く時が見つけられんかった。私が泣くとみんな泣く。つくし食堂は泣き虫食堂になってまう。泣き虫のお母ちゃんは鈴愛が泣いたらよけい泣き虫になる」

前回、元気なときの左耳にバイバイって言えんかったと気丈に語る鈴愛ちゃんに泣かされましたが、ここまで家族のことを思っていたとは!

鈴愛ちゃんも家族に心配をかけまいとつとめいました。そんな鈴愛ちゃんを家族や周囲の人たちも心から応援していました。

そんな心と心のつながりが鈴愛ちゃんを立ち直らせたのでしょうか。

「でも本能が生きようとした。世界を楽しもうとしていた」

鈴愛ちゃんが、再び力強く生きてゆくメッセージが心に突き刺さった『半分、青い。』第11回。本作は間違いなく傑作になる。そう確信できた回でした。

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コメント

  1. ぱぽりん より:

    和子さんが晴さんに渡していたビニール袋に入った小砂利のようなものが何なのか、わかりません。
    民間療法や厄払いの何かなのでしょうか。
    お金がかかる、宇太郎さんや弥一さんが反対している、というのだからその類のように思うのですが、どうなのでしょうね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      小砂利のようなもの、あれは一体何だったんでしょうね。喘息に効くと言われている冬虫夏草という漢方があって、それをバラバラに砕いたものにちょっと似てるかなと思いました。

  2. hajime72 より:

    今日はみんなのやさしさに泣かされました。
    それぞれが鈴愛ちゃんを思いやり、鈴愛ちゃんもみんなを思いやって泣かなかった。
    そんなの見せられたら、テレビのこちら側はたまりません。
    子供時代が終わっても、心のひだに触れるようなお話が続いて欲しいと願っています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      みんながお互いを思いあう優しさ。『ひよっこ』にも通じる人の心のあたたかさに朝から癒されますね。

  3. ア※ラッキー より:

    今日も涙腺崩壊でした(T_T)
    律くん確か左耳に耳栓して川を渡ってみるシュミレーションしてましたね。たぶんカレなりに体験してみたかったんでしょうね(泣)
    そういえば体育の平均台のシーンで晴母ちゃん先生に話していないのかなぁって。まぁ話ししても鈴愛ちゃんのことだから出るって言いかねませんがねぇ。ということ菜生ちゃんやブッチャーくんこと龍之介くんも知らないのかなぁ?

    最後の川辺での石のみずきりだったか忘れちゃいましたが、私小さい頃兄貴と近くの川辺でやりました。確か5週続いたと思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      晴さんが体育の先生に言ってなかったのは、片耳を失聴すると運動するときに支障が出るなんて晴さんは想像もできなかったのかもしれませんね。というか、今の晴さんは落ち込みすぎてそれどころではないのかも(涙)

  4. ぱぽりん より:

    鈴愛は怖い夢を見たから、ではなく、本当はおかあちゃんの布団で泣きたかったのかな。でも、悲しんでいるおかあちゃんに気が付いて部屋に入れずにいたのでしょう。
    そんな鈴愛の気持ちを察して「これまで通り」の理由を述べた後じーちゃんの部屋へ行くおとうちゃん、おかあちゃんか鈴愛のどっちかではない、両方の味方。
    今日は今までで一番かっこいいおとうちゃんだったと思います。

    半分、青い。のホームページで解説されていますが、片側失聴というのが、一般に考えられる以上に大変だとのこと。
    そうでなくとも、ほんの些細なことでも、何かを失うことはつらい。
    それが子供の時であれば、まるで世界の全てを失うような気持にもなるでしょう。
    でも、それに耐え、今まで通りの鈴愛であり続けようとする姿に涙してしまいます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      お父ちゃんが鈴愛ちゃんをじいちゃんの寝室に連れて行った納得の理由。愛に満ちた鋭い洞察です!

  5. かふう より:

    今日の話は泣けましたね。鈴音ちゃん、やっぱりつらいんだ。

    永野芽郁のセリフ、良かったですね。

    なんていい作品だろう。この先が楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      永野芽郁ちゃんのセリフ。言葉の選び方、静かな語り口、そして声のトーン。すべてが完璧でした。忘れられません。

  6. よるは去った より:

    録画して後で視る日が続いたので、今日になって気づいたのですが、鈴愛ちゃんの学校の先生役の佐藤夕美子さんは以前の「甘辛しゃん」のヒロインじゃなかったかな?