鈴愛と晴の対立がつづく / 半分、青い。 第28話

2018年5月3日(木)第5週「東京、行きたい!」

あらすじ

東京から足を運んできた秋風羽織の秘書・菱本が説明しても、鈴愛の上京を許さないという晴の気持ちは変わりませんでした。一方の鈴愛も、東京で漫画家を目指すという決意は決して揺らぎません。

そんな中、晴は和子を訪問し、鈴愛への本心を打ち明けました。片耳が聞こえない鈴愛が東京に行ったら苦労するのではないかと、晴は心配でならなかったのです。そんな晴に和子は告げました。自分の意志があるのは素晴らしいことだと。

同じ頃、楡野家の男たち三人は喫茶「ともしび」に集まり、鈴愛の上京について話し合っていました。仙吉と草太は鈴愛が上京することに賛成でした。しかし宇太郎だけは晴と同様に、鈴愛が上京に対して迷いを持っていました。

しかし、晴と宇太郎はついに決めました。鈴愛が東京に出て漫画家を目指すのを認めてあげようと。両親の決断を聞かされ鈴愛は心から喜びました。しかし、娘が巣立って行くことへの寂しさを募らせる晴の本心を知った鈴愛の気持ちは揺らぎはじめるのでした。

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予習レビュー

鈴愛ちゃんの上京に真っ向から反対し続ける晴さんの、娘を心配する本当の気持ちが、和子さんを相手にしてはじめて語られます。

鈴愛ちゃんに対しては、漫画家なんてそう簡単になれるものではない。激しい競争に勝てるわけがないと言う晴さん。

口ではそう言う晴さんですが、本当の気持ちは別のところにありました。

前の週に「名前だけ書けば誰でも入れる短大」への進学を拒んだ鈴愛ちゃんが、片耳が聞こえないことを進学を拒む言い訳にする場面がありました。

このときの、鈴愛ちゃんが草太くんをだまくらかすためについた嘘が、跳ね返ってきてしまったのかもしれません。

さて、鈴愛ちゃんの上京をめぐっては楡野家の家族の意見も真っ二つに。

両親はやっぱり娘のことが心配です。だから、東京で漫画家を目指したいという鈴愛ちゃんの気持ちもわかるけれど、それ以上に片耳のことが心配です。

一方の、仙吉さんと草太くんも、鈴愛ちゃんのことが心配なのは同じなのでしょう。しかし、祖父と弟は、鈴愛ちゃんのハンディよりも夢を優先。

鈴愛ちゃんをめぐる楡野家の議論、どのように回収されるのでしょうか。

追伸:ちょっとネタバレになりますが、鈴愛ちゃんの上京は許されます。そして、東京では鈴愛ちゃんのアパートのすぐ近くに律くんが暮らすことに。

鈴愛ちゃんと律くんがすぐ近くに住むことになるのは、決して偶然ではなく晴さんと和子さんがひそかに自分の子供たちの住む場所を決めていたからです。

晴さんは、片耳が聞こえない鈴愛ちゃんを律くんに助けてもらおうと。和子さんは、律くんに変な虫がつかないように鈴愛ちゃんを見張り役に立てようと。

そんな考えから晴さんと和子さんは、鈴愛ちゃんと律くんが住む場所を近くにするのだとか。今回、晴さんが和子さんを訪問するのは、そのときの布石なのかもしれません。

感想

「人それぞれ気持ちがありますので、それがこの世の面白いところ」

変人キャラの見た目からは想像もつかないほどに秋風先生の言葉が深い。そして、秋風先生の語る「人それぞれの気持ち」・・・

祖父の気持ち、
両親の気持ち、
兄弟の気持ち、

そして鈴愛ちゃん本人の気持ちが丁寧に描かれた回でした。

「先が見えないのは最高の贅沢」

秋風先生の言葉も深いですが、仙吉さんの言葉もまた深い。もっと深いかも。

「先が見えないのは最高の贅沢」
「夢見てるだけでも元取れる」

時はバブルの真っ只中。バブル崩壊の影が忍び寄ってきた頃でもありますが、あの頃の世の中はまだまだ賑やかでした。心の贅沢よりもモノの贅沢ばかりが注目されていました。

そんな時代が背景にあるだけに仙吉さんが語る贅沢の定義が深い。深すぎます。

贅沢とは、先が見えない時間。夢を見る時間。たとえ夢が叶わなくとも、夢を見ている時間そのものが贅沢で、元が取れるとまで言い切る仙吉さんの言葉が本当に深い。

仙吉さんの一見すると平易な言葉を通して、人生にとってもっとも大事な価値とは何かを気づかせてもらいました。

「先が見えないのは最高の贅沢」

親の気持ちがわからない子供の気持ち。そんな子供が心配で心配でならない親の気持ち。それらすべてを経験して、達観している仙吉さんのこの言葉。

『ちりとてちん』正太郎おじいちゃんの塗り箸の哲学の言葉と並んで、僕にとっていつまでも記憶に残る名言となりました。

「あの子はすごい子かもしれん」

就職試験で13連敗した理由を自分でもよくわかっていた鈴愛ちゃん。その鈴愛ちゃんのことを晴さんがこう言いました。

「あの子はすごい子かもしれん」

就職試験に落とされるのを覚悟で、片耳が聞こえないことを、鈴愛ちゃんが履歴書に正直に書いていたことが判明したのが前回。

その鈴愛ちゃんの告白に、晴さんは驚きの表情を見せていました。

その時、僕は娘がいつの間にか大人に成長していることに晴さんが驚いたものとばかり思っていました。

でも、晴さんの驚きは、単に「娘がいつの間にか大人に成長」しただけのことではありませんでした。

娘が大人に成長した上で、同じ大人として自分を超えてしまっている。自分の想像も及ばないような何かを持っている大人になるのかもしれない。

そんな驚きだったようです。

晴さんが言った「鈴愛なんて名前をつけたから遠くに飛んでってまう」という言葉は、物理的な距離だけでなく、心の距離をも感じた寂しさだったのでしょうか。

そんな晴さんに静かに語りかけた宇太郎さんの言葉が心に沁みました。宇太郎さんの優しさと思いやり。思い出すと、涙目になってきます。

「そんなに遠くまで飛べないんやないの。鈴愛やもん、飛行機やないんやから」

「お母ちゃんの中には三つもあんたも・・・」

子離れができずに苦しむ親の気持ちが語られた言葉は、これまで映画やドラマの中で様々なパターンのものを聞いてきました。

例えば「娘(息子)が大人になろうとも親の中ではいつまでも赤ちゃん」とか。

しかし、今回のドラマの中で晴さんが口にした次の言葉は、これまで聞いたこともない胸にせまってくる言葉でした。

「お母ちゃんの中には三つもあんたも、五つのあんたも、13歳のあんたも全部いる」

この言葉は鈴愛ちゃんの心も突き刺しましたが、僕の心も容赦なく突き刺しました。涙腺がたいへんなことになりました。

ところで、晴さんが和子さんを訪ねたときに言いました。

「こんな優しいところ離れて、あの子はどうやって生きてゆく?」

この言葉を口にしたとき、晴さんの中では三つの鈴愛ちゃん、五つの鈴愛ちゃん、13歳の鈴愛ちゃんの姿がフラッシュバックしていたのかもしれませんね。

そんなまだまだ幼い鈴愛ちゃんが、鈴愛ちゃんのことをよく知る優しい人ばかりの故郷から離れて、鈴愛ちゃんのことを知っている人がいない東京で生きてゆけるのかって。

そんな晴さんの気持ちを知ってしまった鈴愛ちゃん。

「人それぞれの気持ち」があることを知った鈴愛ちゃんの反応は次回に持ち越し。鈴愛ちゃんはどのような反応を示すのでしょうか。

そして、その鈴愛ちゃんの反応に対して晴さんはどのように応えるのか。

明日、「人それぞれの気持ち」の小さなクライマックスを迎えます。

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コメント

  1. アーモンド より:

    ボクテの志尊淳っておネエ系?女子的生活でも女装してましたね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ボクテはリアルでもおネエ系なんですか!?おネエ芝居が妙にリアルではありましたが・・・

  2. あみ より:

    若いっていいですね!「先が見えないのは最高の贅沢」なんて素敵な言葉でしょう。『俺たちの旅』のエンディングに出てきそうです。古くてすみません。分かってくれる人がいるとよいのですが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 俺たちの旅

      カースケへのオマージュのようなセリフでしたね。僕も毎週観てましたよ。主題歌、大好きでした。

  3. Alison より:

    律くんが東大に行く、と信じていた和子さんは、
    高校卒業と同時に家を出ることは前々から受け止めていたのに対し、
    鈴愛ちゃんは、地元で就職すると決め、実際農協に内定もしていました。
    晴さんにとっては、突然に降ってわいた子離れしなければならない状況で、
    うろたえるのも無理はなかったかと思います。

    お腹にいる頃から数えれば19年間、いつもそばにいた我が子が
    遠くへ行ってしまうのは、体の一部をもぎ取られるような痛みと寂しさがありますよね。
    いつかは子離れしなければならないし、親離れしてくれなければ困るのですが。

    仙吉さんや秋風先生のセリフが心にしみる、素敵なお話でした。
    自分でつかんだ宝くじ。鈴愛ちゃんには、夢を追いかけて大きく羽ばたいてほしいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 体の一部をもぎ取られるような痛み

      この痛みが、これ以上望めないほどの言葉で表現されていました。本当に素敵なお話でしたね。

  4. いちこ より:

    朝から涙が止まらず、昼の放送もまた涙。 おじいちゃんの言葉が刺さり、和子さんの言葉がストンと落ち、最後の晴さんの言葉でもう 涙腺崩壊!我慢できなくなりました。15分が完結してました。息子も同じ18歳。心配してばかりですが、もう 大人なんですね。
    夢を見て進む18歳を、晴お母ちゃんのように応援したいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      今回のセリフは特に、心に突き刺さるものばかりでしたね。忘れられない回のひとつになりそうです。

  5. 太郎次郎 より:

    今日は改めてなんて素晴らしい脚本なんだと感涙しました。言葉というのは、こんなにも深い心情を表すんですね。子供を育てること、夢を抱くこと、みんな気持ちが違うこと、配役の役者さんたちを通じてこんなに胸の奥から涙が出てきたのは久しぶりです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      言葉の持つ力を知り尽くした人だからこそできる脚本だったと思います。本当に素晴らしい脚本です。

  6. hajime72 より:

    いいドラマには素敵なセリフがあると思っています。人それぞれの気持ちが人それぞれのセリフのなって、それがどれも「いいなーっ」と感じ入るものだらけでした。
    ちなみに、私は宇太郎父さんの「飛行機やないんやから」という、笑うところのセリフで涙腺が゙…。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      いつも素敵なセリフが多い本作ですが、特に今回は宝石みたいな言葉ばかりでしたね。

  7. ちーぼー より:

    鈴愛ちゃんと同じ年代の子供(うちは既に大学生ですが)を持つ私は、和子さんの「SOSを出した時に助けることしか出来ない」という言葉が、心に残りました。ハンディを持つ鈴愛ちゃんを心配するのは分りますが、結局晴さんが子離れしなくてはいけないのでしょうね。
    それにしても、毎回心に響くセリフがあり、笑いがあり、テンポよく進むこのドラマ。これからが楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      子離れできない二人のお母ちゃんの会話。切なくも心に沁みる場面でしたね。

  8. ひるたま より:

    大型連休という事もあって視聴率的に下降傾向になる可能性が十分考えられる時期ですが、今日の回に関しては、全ての世代(祖父母・親・子供)に見て欲しいと感ぜずにはいられません…それぞれの世代で、それぞれ思う所もある筈だから。
    「この年になると、先が見える。 先が見えないのは最高に贅沢。 夢を見るのは贅沢。 叶わなくても十分元が取れる」
    個人的には仙吉おじいちゃん(中村雅俊さん)のセリフが心に残りました。私自身ももうすぐ50代になります。人生の折り返し点を既に過ぎ、もうそろそろ先(ゴール地点)が見え始める頃かな?と思う時がふとあります。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      秋風先生が語る「人それぞれ気持ちがありますので」を、三世代の気持ちを通して表現した秀逸な回でしたね。忘れられない回の一つになりそうです。

  9. かふう より:

    久しぶりに、永野芽郁の笑顔が見られました。喫茶店のくだりから、涙腺が崩壊し、最後の場面は刺さりましたよ。

    夢は叶わなくても、見ているだけでももとがとれる。すごいセリフですね。それから、小さい頃のエピソード。すずめは昔から、障害を前向きに捉えてた。ハルさん、そんなすずめに負けた、と認めましたね。泣。それでも、寂しくてたまらない。あぁ、なんて素直な親心なんだろう。なんで、こんな優しいひとたちにかこまれた街からでていくのか。

    うたろう父ちゃんの、すずめだから遠くには行けない、という機転に笑いました。ほんとにいいドラマ!しばらく辛い描写が続いたけど、今日はほんとに良かったです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      優しい人たちが大勢いる町から出てゆく鈴愛ちゃんが心配です。でも、変人にしか見えない秋風先生の優しが今回のセリフ「人それぞれ気持ちがありますので」から伝わってきて、ちょっとだけ安心しました。