鈴愛が岐阜を発ち東京へ / 半分、青い。 第33話

2018年5月9日(水)第6週「叫びたい!」

あらすじ

鈴愛が岐阜の実家で過ごす最後の夜。鈴愛は子供の頃のように、怖い夢を見たと言って晴の寝室にやってきました。鈴愛は晴の布団の中に潜り込み、母と過ごす最後の夜を愛おしみました。そして実家を出てゆくことを小さな声で晴に詫びました。

翌朝。鈴愛が東京に旅立つ日を迎えました。晴、宇太郎、仙吉、そして草太たち楡野家の家族は、旅立つ鈴愛を見送るためにバスターミナルに足を運びました。バスターミナルには菜生も駆けつけてくれました。

鈴愛は涙ながらに家族、そして菜生と別れを告げました。やがて鈴愛を乗せたバスは、鈴愛の家族や菜生に見送られながら東京に向けて出発。鈴愛は、生まれ育った岐阜・梟町の地を旅立って行きました。

1990年(平成2年)。バブル崩壊直前の東京に鈴愛はやってきました。これまで見たこともないような大勢の人混みに圧倒されながら、鈴愛は赤坂にある秋風羽織のオフィスに到着。鈴愛は到着早々、秋風の原稿にコーヒーをこぼしてしまうのでした。

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予習レビュー

鈴愛ちゃんが岐阜の実家で過ごす最後の夜。心優しい人たちがいっぱいいた岐阜編はこれで終わりです。寂しくなります。

最後の夜、鈴愛ちゃんは久しぶりに晴さんの布団の中に潜り込みます。リトル鈴愛ちゃん時代に何度か描かれた懐かしの場面の再現です。

鈴愛ちゃんが晴さんの布団に潜り込むのは、怖い夢を見たという理由から。また、三本足のムーミンパパに追いかけられる夢を見たんでしょうか。

理由はどうあれ、この場面は涙腺への攻撃の準備が必要ですね。

そして翌朝の場面もまた涙腺の危機がおとずれそうです。涙ながらに家族と別れを告げる場面が描かれるからです。

それでも鈴愛ちゃんが夢を追いながらの前向きな旅立ちであるのが救いですね。

前々作の朝ドラ『ひよっこ』でも、家族に見送られながらバスで故郷で旅立つ場面が描かれましたが、夢を追って故郷を旅立つ、などという明るい理由はありませんでしたからね。

そして、涙腺が大変なことになりそうな実家での最後の夜と、生まれ故郷からの旅立ちと別れの場面を経て、東京へ。

ちなみに、鈴愛ちゃんが秋風先生から弟子入りを誘われた際に受け取った名刺には、秋風先生のオフィスの住所は「赤坂」と印刷されていました。

『ひよっこ』のみね子ちゃんが、初めての一人暮らしをしながら働いていた、すずふり亭やあかね荘のあったのと同じ場所です。

しかし、時はバブル。

懐かしいすずふり亭もあかね荘も、すでに地上げ屋に買収されて跡形もなくなってしまっているかもしれません。

ついでながら『ひよっこ』の当初の予定では、ヒデくんと結婚したみね子ちゃんが、杉並でレストランを開業する頃まで描く予定だったとか。

今回のドラマは平成2年(1990年)。みね子ちゃんは43歳か44歳。すでに赤坂を離れ、杉並でレストランを営んでいるはずですね。

追伸:平成2年(1990年)。僕はその頃、杉並に住んでいました。

感想

「大好き!」

東京に向かうバスの最後部座席の窓に息を吹きかけて曇らせて、そこに鈴愛ちゃんが書いた「大好き!」の文字。

その「大好き!」の文字の向こう側で、旅立つ鈴愛ちゃんに手を振る楡野家の面々と菜生ちゃんの姿。

『半分、青い。』のオープニング映像へのオマージュみたいな別れの場面の演出が、あまりにも美しすぎて泣けました。

それにしても、永野芽郁ちゃんの涙ってキレイですね。

実は、僕はこれまで「キレイな涙」という表現が、理解できませんでした。それがどのような涙を意味しているのか、実感がわかなかったのです。

でも、永野芽郁ちゃんの涙を見てようやく理解することができました。

本当に永野芽郁ちゃんの涙って、いつ見てもキレイですね。どうして、他の人の涙と違って見えるんだろう。不思議でなりません。

菜生ちゃんの気になる一言

鈴愛ちゃんを見送りに来た菜生ちゃんの次の一言がとっても気になりました。

「なんかが引っかかって今まで言えんかったけど・・・」

気になったというのは、鈴愛ちゃんが引っかかっていたという「なんか」のことです。

さて、フクロウ会の四人の中で、これまで菜生ちゃんは一番地味な描かれ方をしていました。決して地味なキャラではないものの、描かれ方は地味。

地味とはそういう意味です。

鈴愛ちゃんと律くん、主役とその相手役は言うまでもないことですが、ブッチャーにしても子供の頃から今にいたるまで喜怒哀楽がしっかりと描かれていました。

小学生の頃から律くんのことが大好きで、いつも律くん一筋だったブッチャーの純情。時に泣かされ、時に笑わせてもらいました。

そんな中、菜生ちゃんだけは喜怒哀楽が見えなかった。和子さんが律くんについて言った言葉を借りるなら「心の真ん中」が見えませんでした。

ブッチャーが律くんと「親友」だと思い込んでいたように、菜生ちゃんの鈴愛ちゃんに対する距離も、よく見えてきませんでした。

それだけに、鈴愛ちゃんに対する「心の真ん中」を打ち明けたのは驚きでした。衝撃的でさえありました・・・衝撃的、これはちょっと言い過ぎかな(笑)

ところで菜生ちゃんの将来の希望は、両親が梟町商店街で営んでいる「おしゃれショップ」を、DCブランド(下記注釈参照)が並ぶお店にすることです。

岐阜の山ザル・鈴愛ちゃんとは大きく異なり、菜生ちゃんは都会志向です。

にも関わらず、自分は故郷から出ることができず、ずっとアホ(笑)だと思っていた山ザルの鈴愛ちゃんが上京することになった。しかも天才漫画家に認められて。

菜生ちゃんの鈴愛ちゃんへの嫉妬心。根深いものがあるかも。

思えば、菜生ちゃんは子供の頃にも聖子ちゃんのポジションを同級生の女の子にとられて悔しい思いをしてました。

菜生ちゃんは決して目立ちたがり屋ではないけれど、やっぱり人並みにヒロインのポジションを取りたい。でも取れない。なぜかいつも誰かにそのポジションを取られてしまう。

そんなギャップがいつの日か爆発してしまうのかな。『まれ』の一子ちゃんみたいに。

フクロウ会の四人の中で、専門学校こそ県外ですが、基本的に故郷から出ることができずにいる菜生ちゃん。

バブルが崩壊すれば、梟町商店街でDCブランドが並ぶ店を営む夢も、見果てぬ夢になってしまうことは、ほぼほぼ間違いないでしょう。

菜生ちゃんの将来が心配になってきました。

ブッチャー、菜生ちゃんを助けてあげて!ドラマの中に限っていえば、菜生ちゃんと一緒にいる時間が一番長かったのはブッチャーですからね。

注釈)DCブランド:デザイナーズ(Designer’s)& キャラクターズ(Character’s)の略。日本のファッションブランドの総称で1980年代に流行しました。

「1990年、バブル崩壊前夜の東京」

『ひよっこ』で、みね子ちゃんが上京した春。その頃の東京は、オリンピック景気崩壊前夜の春でした。

そして『半分、青い。』の鈴愛ちゃんが上京した春。今度の東京は、バブル崩壊前夜の春。

『ひよっこ』のみね子ちゃんは、オリンピック景気崩壊によって、一年を経ずして働き口を失ってしまいました。

今のところ鈴愛ちゃんは、働き口を失う心配はなさそうではありますが、バブル崩壊の影響は避けて通れないかと思います。

バブル崩壊が、鈴愛ちゃんの人生にどのようなインパクトを与えるのか。

『半分、青い。』後編の主要舞台となるらしい「100円ショップ」は、バブル崩壊後のデフレのシンボルです。

物語の舞台が、バブリーなオフィス・ティンカーベルから、デフレのシンボル「100円ショップ」に移ったとき、はたして鈴愛ちゃんはどんな人生を送っているんでしょうね。

追伸:東京に到着したばかりの鈴愛ちゃんが雑踏の中で地図を見ながら、道に迷う場面。あの場所は、もしかして外苑前のイチョウ並木?

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コメント

  1. まゆ より:

    なおちゃんが鈴愛ちゃんに渡したお洋服…、カエルプリント?! どうなの、それ?? って皆さん思いませんでしたか? でも、きっといつかあのお洋服を着るはなしがあるんでしょうね。楽しみ。
    あと、菱本さんが着ているお洋服、ピンクハウス? 流行りましたね。けっこうお高いブランドでした。愛用者は髪型もああいう雰囲気でした。デキる女設定の菱本さんがあのファッションってマッチしていないようで、不思議となじんでるような。一つ間違えると年齢的にもイタい格好になるんだけど、井川遥さんさすが。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > カエルプリント

      菜生ちゃんがこれを手渡すとき、東京はカッコいいから自信がないと言いましたが、あのセンスは自信以前の問題だろうと思い、思わず吹きました。ちなみに、カエルプリントが再来週あたりに重要な小道具として使われますよ。

  2. だんだんご より:

    なおちゃん役のなおさんのインタビュー記事を読みましたが、なおちゃんはすずめが本当に大好きで、東京に行ってしまうのが寂しくてたまらないけど、それが言えない。
    それがなおちゃんの心の真ん中のように書かれていました。
    ですから、なおちゃんが持っているのは、すずめちゃんへの嫉妬ではなく、すずめちゃんを東京に連れてってしまう秋風先生への嫉妬なのかな?と思いました。
    いちこちゃんのようにはきっとならないと思います!いえ、ならないでほしいです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 秋風先生への嫉妬なのかな?

      ちょうだいしたコメントを読んで安心しました。『ひよっこ』のヒロインの親友・時子ちゃんも挫折することなく成長しましたが、同じような道を歩んでほしいですね。

  3. ひるたま より:

    続きです。
    以前とある漫画作家の方のエッセイを読んだ事があるのですが、その中で「消しゴムかけ」について触れられていた部分が印象に残っています。
    アシスタントの中でも初心者に任せられる事が多い仕事の一つですが、されど「消しゴムかけ」でもあるようで、うっかり原稿に皺を作ってしまった時には大抵の作家さんは激怒する…と書かれていました。
    生原稿に皺どころか、飲み物をぶちまけられてしまった秋風先生の心中や如何に…??
    (もっとも、飲み物は菱本女史が先生に渡したものであり、入れ物を傾斜のかかったデスクに置いて仕事をしていた秋風先生も……ですが^^;)

  4. ひるたま より:

    先程こちらで確認させて頂いた所、前々作『ひよっこ』で主人公(+幼馴染2人=計3人)上京のエピソードが放送されたのは4月28日&29日の2日に渡っていました。(28日は地元奥茨城村のバス停からバスに乗って駅まで(多分)行く場面。そして翌日の29日は集団就職者を乗せた列車で上野駅まで向かうエピソード。なお2日目のエピソードでは別れというよりはむしろ、新しい出会い(列車の中で澄子ちゃんに、そして上野駅で愛子さんに出会う)が描かれていましたが)
    一方今作での主人公の上京は本日(5月9日)…『ひよっこ』よりも1週間程度(10日間位?)長く‘故郷編’が描かれていたという事になりますね。

    『ひよっこ』では上京以降、主人公は奥茨城の故郷に帰省する事はあっても再び生活の基盤を戻す事はありませんでした。方や本作では主人公が故郷に戻る展開が用意されているとの事(既に公式サイト等でアナウンス済み)。
    脚本担当の北川悦吏子さん御自身の出身地(岐阜県)が舞台という事もあり、本作は故郷編への力の入り方がかなり大きくなりそうですね。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『ひよっこ』上京場面の2日目は、記念すべき愛子さんの本格登場の場面でしたね。上京場面初日の「どうなるんだろう、わたし?」という不安いっぱいのみね子ちゃんのセリフが、なぜだかいまだに耳について離れません。

  5. ぷん より:

    今日の別れのシーン
    田舎者にとって大学に進学するということは、家を出ることを意味してました。
    その時の私はこれから始まることに夢いっぱいで 不安はほんの少し
    晴さんの表情を見て、私の母もこんな気持ちだったのかなと
    子供を持つ身になって 改めてわかりますね。
    今日は有休だったので、3回見直し涙腺崩壊です 笑
    ひょう

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕も自分が実家を出るとき、親の気持ちなどまったく考えてませんでした。今にして悪いことをしたなと深く反省しています。

  6. enakn より:

    鈴愛ちゃん、東京へ旅立ってしまいましたね。東美濃住民としてはさみしい限りです。後半でまた岐阜に帰ってくるのを楽しみにしています。ところで、ロケ地のゴールデンウィーク中は、原宿なみの混雑で、岐阜新聞に載るほど大変なことになっていました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      朝ドラ効果がすごいことになってるみたいですね。『君の名は。』に続いて、岐阜に新たに聖地が誕生しましたね。

  7. にゃんこ より:

    卒業アルバムってお見合い写真みたいなもんだったんだ~。初めて知りました。
    弥一さんが菜生ちゃんのこと「美人」って褒めていたことや、4人で写っている白黒写真を写真館に飾る等の話から、ひょっとして菜生ちゃん、写真をきっかけに誰かに見初められるのかな、と思いました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      卒業アルバムの使い方は僕も初耳です。うまいこと思いついた人もいるもんだなって、感心しました。

  8. かふう より:

    いよいよ岐阜編がおわりましたね。
    ふくろう町ロスです。
    でも、早速あわただしく東京の生活がスタート。すずめちゃん、東京でやっていけるのかな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      岐阜編が終わり、僕もしばらくは和子さんロスに悩まされることになりそうです。

  9. ちーぼー より:

    ありがとうございます、そうなんですね。気長に楽しみに待つことにします٩(。•ω•。)و

  10. ちーぼー より:

    「ひよっこ」のスピンオフは、桑田さんを訪ねって行ったあの番組だけで終わってしまったのでしょうか。みね子ちゃんたちがレストランを開くまでを、やってくれたら嬉しいのになー。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      『ひよっこ』の岡田惠和が脚本を手がけた傑作朝ドラ『ちゅらさん』。続編が出来上がるまでにかなり時間がかかってます。時系列に並べると以下の通りです。

      『ちゅらさん』2001年4月2日 – 9月29日
      『ちゅらさん2』2003年3月31日 – 4月28日
      『ちゅらさん3』2004年9月13日 – 10月11日
      『ちゅらさん4』2007年1月13日 – 1月20日

      このパターンが繰り返されると『ひよっこ2』は2019年3月。来年の3月ということになってしまいそうですね。