鈴愛と晴、母と娘の時間 / 半分、青い。 第54話

2018年6月2日(土)第9週「会いたい!」

あらすじ

オフィス・ティンカーベルでは、漫画の原稿完成の締め切りを目前にひかえ、鈴愛たちアシスタントは多忙を極めていました。仕事を仕上げた鈴愛が、疲れはてて秋風ハウスの自室に帰ると、部屋では晴が鈴愛の帰りを待ちわびていました。

部屋は、きれいに掃除され、さらに晴の手作りの料理も用意されていました。晴と夕食を囲んだ鈴愛は、その日の夜、久しぶりに親子の時間を過ごしました。最近の出来事を嬉しくてたまらない様子で語る鈴愛の様子に気づいた晴は、鈴愛に彼氏ができたのかと尋ねます。

正人に片思いしていることを話す鈴愛への晴の反応は、鈴愛には意外なものでした。晴は言いました。鈴愛の恋の相手は、律だと思っていた。その晴の言葉に鈴愛は応えました。自分と律では不釣り合いだ。律には好きな人がいると。

その日の夜遅く。娘がすっかり成長し、親のもとから巣立ったことをあらためて実感した晴は、鈴愛の寝顔を見ながら涙を流しました。その時、鈴愛は眠ったフリをしているだけでした。母の寂しさを察した鈴愛もまた、晴に気付かれぬよう涙を流すのでした。

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予習レビュー

正人くんへの片思いの恋を打ち明ける鈴愛ちゃんに対して、晴さんは言いました。

「鈴愛は律くんかと思っていた」

鈴愛ちゃんと律くんのまわりの誰もが、とまでは言わないまでも、これまで何人から晴さんと同じようなことを考えていました。

同じようなことを考えていたその筆頭は幼なじみの菜生ちゃんです。

高校時代の菜生ちゃんは、二回ほど意図的に鈴愛ちゃんと律くんを二人きりにする場面をつくりました。

そして、二人の距離が縮まることを心から期待していました。

幼い頃からずっと、鈴愛ちゃんと律くんの二人の様子を観察し続けている菜生ちゃんは、二人はとってもお似合いだ。一緒に幸せになって欲しいと考えていたようです。

もう一人、同じように考えていたのが正人くん。

正人くんは、鈴愛ちゃんと律くんの二人のことを菜生ちゃんほどに知っているわけではありません。

というか、正人くんは、鈴愛ちゃんと律くんの二人と出会ってまだ数ヶ月のはずです。

でも、それだからこそ見えてくるものがあるのかもしれませんね。実際、長い付き合いのはずのブッチャーは、鈴愛ちゃんと律くんの二人の関係に最後まで無頓着でした。

晴さん、菜生ちゃん、正人くん。周囲からはお似合いと思われている鈴愛ちゃんと律くんの二人は、自分たちだけ自分のことがわからない。

自分のことがわからないまま、いよいよ次週から、事態は大きく動きはじめます。次週から二週間、つらい回が続くことになりそうです。

感想

「女は弱し、されど母は強し」

弥一さんの名台詞「女は弱し、されど母は強し」。

この言葉を受けて宇太郎さんが言いました。腎臓が弱かった晴さんが、鈴愛ちゃんを産んで母親になってしまった途端に、腎臓が治ってしまったと。

この宇太郎さんの言葉を聞いて、ちょっとだけ悪い予感がしたのは僕だけでしょうか。

今回、秋風ハウスでの鈴愛ちゃんと晴さんの会話の場面。晴さんは、鈴愛ちゃんに対する母親の役割の終わりを実感したようでした。

「大きくなって、子守唄はもういらんかね」

この言葉が、晴さんが母親の役割の終わりをあらわしていたかと思います。

ところで晴さんにはまだ母親の役割が残っています。草太くんの母親としての役割が。

その草太くんも一年以内には高校を卒業します。卒業後、もし実家を出ることになれば、草太くんに対する母親としての直接的な役割は終わりです。

女が母親となって強くなり腎臓が治った晴さんです。その晴さんの母親としての役割が終わり、女に戻ったとき。

そのときが心配です。

追伸:『半分、青い。』制作発表時のアナウンスによれば、晴さんは再び病気がちになるようです。

宇太郎さんの今日の言葉。鈴愛ちゃんと草太くんが大人になった後の、悲しいフラグなのかもしれませんね。

第9週「会いたい!」復習レビュー

▼第49話(月)
ついに鈴愛ちゃんの恋バナが動きはじめました。律くんが心配していた通り、正人くんの魔性の破壊力、おそるべし。ただし、この先の展開を知っているのでちょっとつらいです。

一方、律くんは「夢」とのファーストコンタクト。そして新登場の宇佐川教授。こういう浮世離れした変人キャラ、大好物です。

鈴愛ちゃんの師匠。そして律くんの師匠。主役とその相手役の師匠がそろったことで、ドラマがますますおもしろくなってきました。

▼第50話(火)
律くんがついに、自分の歩むべき道と出会いました。これから師匠となるであろう人物とも出会うことができました。律くんの人生が動きはじめました。

同じころ、鈴愛ちゃんは恋に夢中。コバやんのときとは異なり、今度の恋には自信ありげな鈴愛ちゃんでしたが、秋風先生の思わぬツッコミで意気消沈。お気の毒。

でも、鈴愛ちゃんをいたぶり過ぎてしまったことに気がついた秋風先生の気まずそうな、ちょと申し訳なさそうな表情がお茶目でした。

▼第51話(水)
律くんが、自分の夢(のかけら)を見出したのが前回。そして今回。律くんは運命の人・清ちゃんと再会。律くんの人生が動きはじめました。

律くんの人生が動きはじめたということは、鈴愛ちゃんがその影響を受けるということでもあります。鈴愛ちゃんの人生も、本人の自覚しないところで動きはじめました。

鈴愛ちゃんと律くんの人生が動きはjめたということは、二人のすれ違いの人生がいよいよ本格的にはじまることを意味しています。さびしくなります。

▼第52話(木)
鈴愛ちゃんは正人くんに恋をする。律くんは一目惚れした清ちゃんとの再会をはたす。それぞれ浮かれた二人の、電話での軽妙な会話が楽しい。

楽しいけれど、切ない会話でもありました。見た目は楽しそうな鈴愛ちゃんと律くんですが、それぞれの心は正反対の方を向いているわけですからね。

今のところ、鈴愛ちゃんも律くんも、それぞれの恋に夢中で気持ちは正反対の方を向いていますが、心の深いところではしっかりと向き合っていますように。

▼第53話(金)
青春のど真ん中にいる鈴愛ちゃんと、自分の青春を思い出したくない仙吉さん。祖父と孫のそれぞれの青春を対比させた描写が強く印象に残りました。

ところで、そろそろ鈴愛ちゃんの受難の日々がはじまります。青春ど真ん中ならではの、つらく悲しい受難の日々がはじまります。

しかし、青春時代が思い出したくもない暗い思い出になった仙吉さんと異なり、鈴愛ちゃんの切ない青春時代の経験は、大人になっていい思い出になるのかもしれません。

▼第54話(土)
お母ちゃんを迎えた鈴愛ちゃんがいい顔してました。とろけてしまうような笑顔でした。親から巣立ったようでいて、まだまだ心は巣立っていない娘のままなんですね。

とりわけ「彼氏ができたの?」と、お母ちゃんに聞いてほしい気持ちが見え見えの鈴愛ちゃんの表情。巣立っていない娘モード全開でした。かわいい。

でも、次週にはこの笑顔が涙に変わってしまう見通しです。そして、その涙を経て、鈴愛ちゃんは大人の階段をのぼりはじめるのかもしれませんね。

▼第9週「会いたい!」まとめ
鈴愛ちゃんの恋、そして青春。律くんの恋、そして青春。それぞれの青春の日々が丁寧に描かれた一週間でした。

そんな中で、仙吉さんの忘れてしまいたい青春時代の濃い闇が、スパイスのようにきいていました。仙吉さんの歌声、美しいけれど哀しかった。

というわけで、今週も一週間、お世話になりました。ありがとうございました。

今週の途中から6月に入りました。『半分、青い。』三ヶ月目に突入です。物語もそろそろ中盤に差し掛かり、次週からは怒涛の展開がはじまります。

鈴愛ちゃん受難の日々に備えて、どうぞよい週末をお過ごしください。

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コメント

  1. あみ より:

    ラストの鈴愛ちゃんの涙は、律くんへの思いに気づいての困惑や寂しさなのかなと思いました。母は娘を思って泣き、一方娘は恋に泣く...グッと来るシーンでした。来週からつらい展開、ということですが私はすれ違いが好きなので楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      > 律くんへの思いに気づいての困惑

      鋭い洞察です。そして涙の理由はまさにそこかもしれませんね。

  2. うみがめ より:

    今週一番好きなシーンは、仙吉さんこと中村雅俊さんのギターとサザンでした。私は中学時代、中村雅俊さんの大ファンだったんです。相変わらず素敵な歌声で、さらに深みも加わって。戦時中のシーンで考えさせられるシーンでしたが、でもかっこいい!

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕も仙吉さんのサザンの場面は強く印象に残っています。青春を失った若者たちを慰めているかのようでした。

  3. いちこ より:

    今週も ありがとうございました。楽しませてもらっています。
    来週から、大人の階段を上っていくすずめちゃんを見るのも楽しみです。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      こちらこそありがとうございます。これから大人のドラマがはじまりますね。

  4. かふう より:

    今週も安定の面白さでしたね!
    そして、いよいよ来週。涙涙の悲しみの二週間になるんでしょうね。でも、予告編はあくまでも明るく楽しげで、笑いや嬉しい出来事もあると信じてます。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      次週の予告。意外なほど明るい映像がいっぱいありましたね。来週も明るく笑って楽しめますように。