鈴愛と律が分かれて二年 / 半分、青い。 第63話

2018年6月13日(水)第11週「デビューしたい!」

あらすじ

秋風に焚きつけられた鈴愛は、何かにとりつかれたかのように漫画を描き始めました。一方、漫画の創作に没頭する鈴愛の姿は、裕子とボクテの創作意欲に火をつけました。鈴愛、裕子、ボクテの三人は、多忙な日々を過ごし一年の月日が経過。

1991年。鈴愛はアシスタントとして力を付け、人物の描写も任されるほどになっていました。しかし、律との別れを描いた漫画『月が屋根に隠れる』は、秋風から150回も描き直しを求められ、鈴愛は創作に行き詰っていました。

その頃も、鈴愛は律のことが忘れられずにいました。そんな中、鈴愛は裕子とボクテにあることを頼みました。鈴愛の頼んだこと。それは、律を呼び出すのに使っていた笛を捨てて欲しいということでした。

鈴愛の頼みに戸惑う裕子とボクテに代わって、鈴愛の笛を秋風が捨ててしまいました。鈴愛はショックを受けるものの、秋風は笛を捨てたフリをしているだけでした。それからさらに一年近くの月日が経過。ついに裕子が、漫画家としてのデビューをはたすのでした。

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予習レビュー

今回、とっても気になるエピソードが描かれます。

鈴愛ちゃんが、律くんから距離を置こうと告げられてから一年。

鈴愛ちゃんは、律くんとの思い出を清算してしまおうと、律くんを呼び出すときに使っていた、律くんとの思い出がつまったマグマ大使の笛を捨ててしまおうと決意。

しかし、自分ではやっぱり捨てることができず、裕子ちゃんとボクテにマグマ大使の笛を捨てて欲しいと頼むのだとか。

あの笛をそこまで強く意識するということは、鈴愛ちゃんは律くんとの別れから完全に立ち直りきれてはいないんでしょうね。

ところで、マグマ大使の笛のエピソードが、今回のドラマの中でどこまで描かれるのかは定かではありません。

しかし、マグマ大使の笛がこの先どうなるのかは、はっきりとわかっていますので、心配な方のためにちょっとだけネタバレします。

ネタバレが苦手な方、予習レビューのこれ以下はすべて笛に関するネタバレなので、読むのはここまでにしておいてください。

さて、鈴愛ちゃんからマグマ大使の笛を捨ててくれと言われた裕子ちゃんとボクテは、その笛が鈴愛ちゃんにとってどれほど大事なものなのか、よ〜くわかっています。

だから、鈴愛ちゃんの頼みとは言え、捨てることができません。

でも、オフィス・ティンカーベルには、そんな大事なものでも平気で捨ててしまえる最強キャラが約1名存在します。そうです、秋風先生です。

秋風先生は、いとも簡単にその笛をゴミ箱の中にポイ!

秋風先生に笛を捨てられてしまってから、そんなことを頼んだことを鈴愛ちゃんは深く後悔します。

しかし、秋風先生は実は笛を捨てたフリをしただけ、というのがオチ。秋風先生のやることは今回もまた粋を極めています。

感想

今回のわずか一回だけで1990年、1991年、1992年と時間がスキップ。

鈴愛ちゃんにとって、律くんがいない二年間というのは、これほどまでに時間があっという間に過ぎ去ってしまう、空っぽの時間・・・ということを表しているのでしょうか。

1990年 – 1991年の一年間

律くんに距離を置こうと告げられて涙のお別れをしてから、秋風先生に笛を捨てられるまでの鈴愛ちゃんの一年間は、それまで同様に、律くんへの依存から自立できない一年でした。

廉子さんいわく、月のキレイな夜や眠れない夜は、鈴愛ちゃんは決まって律くんを思い出していたとか。

きっと鈴愛ちゃんは、夜な夜な笛を吹いて律くんを呼び出していたんでしょう。そして、そのたびごとに裕子ちゃんとボクテを心配させていたのだと思います。

そんな律くんのことを引きずった一年間。

律くんとの別れを題材にした漫画『月が屋根に隠れる』を、秋風先生を満足させられるレベルにまで、鈴愛ちゃんは完成させることができませんでした。

完成させられないどころか、自分で何を描いているのかよくわからなくなってきた。自分でよくわからない、というのは心の傷が癒された証拠。

心の中にポッカリと空いた穴がふさがりはじめた証拠なのかもしれません。

鈴愛ちゃんが、ついに笛を捨てようとしたのは、そんな気持ちに強制的にリセットをかけるつもりだったのかな?

そして、どうやらこれまで修羅場をくぐり抜けてきたらしい秋風先生も、鈴愛ちゃんの気持ちを強制的にリセットさせるのは今しかないと考えたのでしょうか。

鬼と言われようが漫画の創作を強くすすめ、どれほど罵倒されようが、鈴愛ちゃんの気持ちを強制リセットする秋風先生。

そんな秋風先生のことを、鈴愛ちゃんは漫画を描くロボットとまで言いました。

しかし、今回の秋風先生の行動や言動を見て、秋風先生はロボットどころか、誰よりも人の心を理解している人だと、僕は思いました。

1991年 – 1992年の一年間

秋風先生に笛を捨てられたと思い込んでいた鈴愛ちゃん。律くんへの気持ちを強制的にリセットさせられたことで、ようやく律くんへの依存から自立できたのかもしれません。

鈴愛ちゃんが立ち直る機を見逃さなかった秋風先生、やっぱり素敵です。

しかも、裕子ちゃんを通して、鈴愛ちゃん本人に知られぬように笛を返すという温情。今回は秋風先生の神回の一つに数えられるかもしれません。

ところで、明日には明らかにされると思いますが、鈴愛ちゃんは『月が屋根に隠れる』を完成させることを断念。

別の漫画を手がけはじめ、それがどこぞの出版社の新人賞を受賞するという展開が、この先で用意されているはずです。

『月が屋根に隠れる』を断念したというのも、律くんへの依存から鈴愛ちゃんが自立できた何よりの証なのかもしれませんね。

ある意味、律くん中毒のような人生を19歳になるまで過ごしてきた鈴愛ちゃん。

その中毒が治ることで、律くんの真価が心から理解できるようになるのではないでしょうか。

それはさておき、律くんは今頃、どうしてるのかな?

そして、気になる秋風先生の過去

笛を捨ててしまった秋風先生に対して、鈴愛ちゃんが言いました。

「先生はおかしいです。悲しいことを喜ぶ変態にはなりたくない。先生は漫画を描くために人間を捨てたんだ。だからいい年をして家庭もなく独り者なのだ」

鈴愛ちゃんが秋風先生に対して、怒りに任せて言いたい放題言ったとき。とりわけ「家庭もなく独り者」と言い放ったとき。

秋風先生が、ものすごくつらそうな表情を浮かべたことを僕は見逃しませんでした。

秋風先生には、鈴愛ちゃんと律くんの別れすらも軽く見えてしまうほどの、壮絶な修羅場を体験しているのかもしれませんね。

愛する家族を失ったとか、または愛する家族に裏切られたとか。普通の人では耐えられないほどの悲劇的な過去を経験しているような気がしてきました。

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コメント

  1. かふう より:

    ところで、律の引っ越しは7月初め。大学1年の前期試験中。ありえませんねー。笑
    ツイッターのそんな指摘がありました。これも北川脚本の雑なところ。

  2. かふう より:

    いろいろ考えて鈴愛を弁護してみたものの、いささか無理があるかなー。単純に、北川脚本にアラがめだちはじめた、ていうだけのことかもしれませんね。

    たとえば、先週までは頻繁に描かれていた岐阜のお母さん、心配じゃないんでしょうか。フォローしてくれてきた律のいない中、普通ならお母さん、上京しますよね。律の引っ越し、和子さんは了承したんでしょうか。4月に上京してまだ7月。3ヶ月で引っ越しなんて、お金がかかりすぎて普通はありえません。北川さんが神回と予告した回は、今までの流れからしたら、とても勝手な律の独りよがりで、鈴愛が不憫でした。

    もともと永野芽郁のファンだから見てるけど、永野芽郁の黒歴史にならないことを祈ってます。

  3. まつも より:

    (すみません。いちど投稿失敗しました)
    鈴愛自身も言っていたと思うのですが、鈴愛は、あまり人の心の機微が理解できない人なのかなと、今日も見ていて感じました。まわりの人がそれぞれ鈴愛をかわいく思って気遣ってくれているのに、それに気づかないから、自分も苦しい。「ひよっこ」のみね子ちゃんが感謝しながら生きていてちいさいことにも幸せを感じていたのと対照的です。鈴愛はこのあと漫画家として行き詰ってしまうようですが、たしかに感性が豊かでユニークでも、物語で人を感動させるには向かないような…そういうキャラクター、どう成長させていくのかどうか?すごく気になってきました。

  4. かふう より:

    今日はちょっと嫌な回でしたね。
    鈴愛が嫌いになってしまいそうです。
    でも、考えてみたら、鈴愛は漫画家に向いてない平凡な女の子、ていうだけかも。自分の傷ついた感情、て普通は忘れたいだけなのに、創作するためには向き合って分析しなくちゃいけない。普通はそんな辛いことしないから。そして、鈴愛は平凡な女の子。そんな苦しいことには耐えられない。
    秋風先生とか、漫画家として大成する人は、その苦しいことができる人。
    朝蔵さんが、13週をアップしてくれたので、わかりました。鈴愛は漫画家として大成しない。そのフラグが今日の無礼な物言いだったのかもしれません。
    それはそれでいいと思います。私だって、辛いことを思い出せ、と言われたら怒ります。鈴愛、忘れたいことは忘れたらいい。そんなことを思いました。

  5. ぱぽりん より:

    先の書き込み、「中核の人気誌」とご理解願います、毎度毎度言葉が足りません、ごめんなさい。

    他の方の書き込みでもありましたが、今回の鈴愛の秋風に対する物言いは、どう考えてもダメですよね。
    社会人以前、学生であろうが、これはアウトです。
    でも、そこで鈴愛に返さない秋風、人物ができているというか、鈴愛達弟子が可愛いのか、はたまた弱みをいきなり突かれ狼狽えてしまったのか。
    その後、ユウコの「私たち、好きです」への反応も併せ、実に愛すべき人物、であることが曝されてしまいました。秋風的にはとってもハズカシイ事態のはずなのに、ちょっと嬉しさがこぼれてしまったところがまた可愛い。
    秋風羽織、この劇中、これまでで最高に素敵なキャラ確定、と思った次第です。

    さて、作品の修正をどこまで求めるのか、このあたりは藤子不二雄A氏の<漫画道>にも描かれていましたが、ダメ出しをする秋風自身が訳が分からなくなってしまっている状態では明らかにやり過ぎですね。

    <オープニングのタイトルバックの雲が月ごとに替わる>
    確かめてみたら、確かにそうでした。
    こういう<芸細>は好みです。
    でもあえて。

    季節と雲との関係がイマイチわからない。

    学生の頃よく行った喫茶店の常連さんに、海上自衛隊護衛艦の絵をかく方がいたとのこと。
    護衛艦には命名ルールがあって、その中に気象現象や季節に関する名前があります。
    そうした名前を付けられた護衛艦の完成図を描くに当たっては、その名前に該当する海の状態、空の状態、雲の状態などをかき分けなければならず、それが非常に難しかったとの話しを喫茶店マスターから聞いていました。

    意地が悪いのは承知で製作スタッフさんへ。
    誰もがその季節を感じる空と雲、お願いします。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      僕自身、20代の頃を振り返ってみると、社会人としてアウトなことばかり。鈴愛ちゃんを見ていると自分を思い出し、恥ずかしくなります(笑)

  6. daisy より:

    今日はちょっと、、、。人から羨ましがられる漫画家として必要とされる感性への代償は何か。
    スズメさん、2年以上アシスタントやっていたのに、技術以外は成長していないのかなぁって思いました。

    ちょっとずれるかもしれませんが、JUJUってアーティストが、ラジオ番組で「失恋経験は個人的には辛い、なのにこれで1曲作れるって思うアーティストの自分もいる」と。
    自らの不幸が、人に響く+お金になるって、、、厄介な職業。何故わざわざそんな職業選んだのって引っ掛かっていました。
    今回で、合点がいったというか、秋風先生もそんな事があったのかなって思います。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      ビリー・ジョエルも、失恋の失意の中から名曲を生み出した一人。けっこういるものですね。鬼上等の人って。

  7. ぱぽりん より:

    月刊ガーベラ
    それにしても、なぜ少年誌は月刊誌が廃刊になり週刊誌となったのに、少女誌は週刊誌化せず今だに月刊誌が人気なのでしょうね。

  8. しましま より:

    鈴愛が、何が描きたいのかわからなくなってきた「月が屋根に隠れる」を断念した深層心理について、私は朝蔵さんとは違う解釈をしています。
    心の傷が癒されてきたから、あるいは律への依存からの脱却ではなく、本当にただわからなくなってきたんじゃないかな、自分の気持ちが。
    律へのあの感情は何だったのか?恋だったのか、友情だったのか、兄妹愛に近いものだったのか…。
    わからないから描けなくなったんじゃないでしょうか。
    で、鈴愛は難しいことを考えるのが苦手だから、蓋をしようとしたんじゃないでしょうか。この不確かな感情に。
    律への依存から脱却できているなら、秋風先生に噛み付く必要もないはず。
    秋風先生には気の毒過ぎるし、鈴愛は失礼すぎるけど、蓋をしようとしてもしきれない、本人も未だに自覚していない律への溢れる想いがあの秋風先生への発言に現れていた気がします。
    (でも、ネット上はまた失礼な鈴愛へのバッシングで溢れそうですね。北川さんは鈴愛をどんな子に描きたいのか、ちょっとよくわかりません)
    鈴愛のこの不確かな感情が確かな想いに変わる時が、二人がまた一緒に歩き出す時なのかな、と勝手に解釈しています。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      たしかに鈴愛ちゃんは難しいことを考えるのが苦手なので、律くんとの別れの時の気持ちをなど時間の経過の中でわからくなっただけかもしれませんね。

  9. ありがとう、半分、青い より:

    ユウコ・ボクテ「私たちは秋風先生が大好きです」
    私も「秋風先生が大好きです」

  10. ちーぼー より:

    笛を捨てられ(たと思っ)て、先生に毒づく鈴愛ちゃん。何にでも率直なところが良いのでしょうが、思うがままに心の中を口に出すことは…と、今日はちょっと後味が悪かったです。今までのやり直しの繰り返しや、失恋の苦しさを考慮したとしても、あそこまでズケズケ言うのは許されないんじゃないかなぁ。
    ちゃんと先生に謝るところがあるといいな。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      言いたい放題の鈴愛ちゃんの言葉に対して秋風先生は実につらそうな表情を浮かべていました。秋風先生、過去に何かありそう。秋風先生の過去と合わせて、鈴愛ちゃんの今回の無礼が回収されるといいですね。

  11. 面白半分 より:

    半分、青い。大のお気に入りで毎日楽しんでいます。ところでオープニングのタイトルバックですが、最後の雲が月ごとに変わるのですね。6月に入ってからは3つめの雲になりましたね。