裕子のデビューが決まる / 半分、青い。 第64話

2018年6月14日(木)第11週「デビューしたい!」

あらすじ

1992年の春。秋風の三人のアシスタントの中で、一足早く裕子の漫画家デビューが決まりました。連載が決まった裕子には早速、出版社の担当編集者もつき、『5分待って』の連載の企画も持ち上がりました。

秋風塾の中で第一号となる裕子のデビューを、鈴愛は自分のことのように喜びました。裕子の漫画がはじめて掲載された月刊『ガーベラ』を、岐阜の実家に送るほど鈴愛が喜んでいるその一方で、ボクテからは笑顔が消えていました。

ボクテは、一足先にデビューを飾った裕子に対して嫉妬していたのです。ボクテは自分の気持ちを鈴愛にだけ打ち明けました。そして、友達に成功を嫉妬するよりも喜んでいたほうが人生は楽しくなるという鈴愛の言葉も、ボクテの心には響きませんでした。

そんな中、ボクテは喫茶おもかげで、見知らぬ人物と面会をすることになりました。その人物とは、オフィス・ティンカーベルや秋風とは取り引きがないはずの出版社が出版している月刊『アモーレ』の編集者でした。

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予習レビュー

裕子ちゃんの漫画家デビューが決まりました。

ある時期に、秋風先生から「才能がある」とまで言われることになる鈴愛ちゃんよりも、裕子ちゃんとほぼ同時期にアシスタントになった(らしい)ボクテよりも一足早く。

鈴愛ちゃんは、あんな性格なので、同僚にしてライバルの裕子ちゃんの、自分よりも一足先になったデビューを心から喜びます。まるで自分のことのように。

でも、ボクテは違いました。

同僚にしてライバルの二人が二人とも、素直に裕子ちゃんのことを素直に喜ばないこの反応がとってもリアルだと思います。

二人揃って、裕子ちゃんのデビューを心から祝福したら、これはかなり気持ちが悪かったかもしれませんね。

ところで、三人のリアルな描写はこの先の展開の中で、さらにリアルになってきます。

以下、先々の展開へのネタバレが含まれます。ご注意ください。

裕子ちゃんに先を越されたボクテは、焦りに焦って、漫画のネタを鈴愛ちゃんから拝借。鈴愛ちゃんが、なかなかよくできたネタを持っていたらしいです。

しかし、そのボクテの行為が秋風先生の逆鱗に触れ、ボクテは破門。

そして、その数年後。

裕子ちゃんは漫画家としての才能に限界を感じ、結婚して漫画家を引退。同じ頃、鈴愛ちゃんも、自作のマンネリに悩むようになります。

その一方で、かつて秋風先生から破門されたボクテは、人気漫画家として時代の寵児に。この三人のその後、リアルすぎて怖くなるほどです。

感想

「一度は終わったと思った命だ、生き直したい、若い人たちと一緒に」

裕子ちゃんの漫画家デビューよりも、久しぶりのつくし食堂よりも、鈴愛ちゃんの「けなるい!」よりも、そしてボクテの嫉妬よりも、秋風先生の言葉が突き刺さりました。

「一度は終わったと思った命だ。生き直したい、若い人たちと一緒に」

ドラマの中に登場した頃の秋風先生といえば、一言で言い切ってしまうと変なおじさんでした。かなりの変わり者。見ている分には面白いけれど、友達にはしたくないタイプ。

それが、ここしばらくの秋風先生のカッコいいことと言ったら、言い表す言葉が見つかりません。

この秋風先生の変わりっぷり、それはきっと病気を経てのことだろうとは思っていました。

ガンの再発が疑われたときの死への恐怖。そして、その恐怖からの解放。それが秋風先生を変えたのだろう。それが僕の見立てでした。

しかし、僕の見立てはよくはずれます。自分で自分の見立てを信じることができません。

だから、秋風先生本人の口から、ずっと聞きたいと思ってました。秋風先生の心境の変化の理由。秋風先生の行動の変化の理由を。

その願いがようやく叶いました。

「生き直したい、若い人たちと一緒に」

この秋風先生の言葉と一緒に語られた秋風先生の過去。

百科事典のセールスマンから漫画家に転身したものの、あんな苦労が待っていたとは。秋風先生の担当となるのはハズレの編集者ばかり。

こんな過去があったとは!

オフィス・ティンカーベルに挨拶に来た『ガーベラ』の編集者に対して、ネームのチェックは自分でやると言って、編集者を牽制したのは、大事な弟子を守るためでしょうか。

この編集者がハズレの編集者だった場合、裕子ちゃんが振り回されないための。

裕子ちゃんが初めてもらったファンレターを「大切にしなさい、最初のファンレターだ」と言った言葉にも、弟子に対する愛情があふれていてグッときました。

さて、秋風先生の弟子に対する愛情は、もちろん鈴愛ちゃんとボクテにも注がれているはずです。

今回、ドラマの中で描かれた裕子ちゃんに対する愛情と同じように。

秋風先生が、自分の人生をやり直すくらいの覚悟をもってはじめた弟子の養成。その覚悟に裏打ちされた深い愛情。

その愛情を裏切ってしまう展開が、明日あたりから始まるのでしょうか。

ボクテが不穏な動きをはじめました。(『わろてんか』にも、これと似たようなことがありましたね)

追伸:1970年、秋風先生30歳。『ひよっこ』の残念な漫画家コンビと同世代か、ちょっとだけ年上といったところでしょうか。

追伸:コメントをくださる方々へ

いつも当ブログに愛にあふれるコメントをちょうだいし、ありがとうございます。

さて、本作『半分、青い。』の反響の大きさに比例するかのように、コメントの数がここにきて増えています。

これまで、すべてのコメントに対してコメント返しをさせていただいておりましたが、さすがに物理的にそれが困難な事態となってきました。

そこで、誠に申し訳ないのですが、ちょうだいしたコメントへの個別のお返事は、当面の間、おやすみさせていただきます。

ちょうだいしたコメントにはすべて目を通します。

そして、感想欄を通して、ちょうだいしたコメント返しさせていただきますので、どうぞご容赦ください。

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コメント

  1. ぱぽりん より:

    菱本が秋風に、なぜ鈴愛をアシスタントに雇うことを決めたのか聞いた時
    「見ていてください、面白いことになりますよ」
    そしてその結果、
    「先生、人が変わりましたね」

    犬、犬、ウサギ、犬、そしてサル。

    鈴愛を犬達と同レベルにしたわけではないのでしょうが、秋風の寂しかった心を癒す何かを直観したのでしょうか。なれば鈴愛の数々の無礼を許してしまうのもわかる気がします。

    秋風羽織、贅沢です。
    だって元祖癒し系井川、もとい、菱本がいるじゃないですか。
    ビシッと仕切ってしまう菱本に感謝しつつも「おいおい、ちょっと勘弁してくれよ~」と思う場面が多々あったのでしょうね。抜けまくりの鈴愛と出会い「こいつだ!」
    鈴愛だけにあちこち突く。
    おかげで<素>の自分も曝せるようになってそれが楽しい秋風、そんな気がします。

  2. ぱぽりん より:

    ナレーションで繰り返された「3分過ぎたカップ麺」

    考えてみたところ、丁度ドラマの時期チョイ前にノンフライタイプのカップ麺が発売されたのですね。
    それより大分以前に発売されていたどんぶりタイプのカップ麺も待ち時間5分ですが、ノンフライタイプも加わって、改めて強く意識された5分。
    ユウコの漫画のタイトル「5分待って」は実体験に基づいた、リアリティーあるものだったのかもしれませんね。

  3. hinaring より:

    事務所への派手なお金の使い方、忘れられない五平餅、
    今までの“破天荒キャラ”秋風先生から、やんわりと愛ある先生へシフトしていますね。
    そして若き先生の苦労がテンポよくて楽しかったです。
    明日からのツラい展開の中に少しでも愛ある息抜きタイムがありますように。

    いつも、さらりと見ていた朝ドラ。
    こちらでの解説やコメントでいろんな方の考え方・見方を知り、
    おかげで何回見ても楽しめるようになりました。
    毎日の感想更新だけでなくコメントに丁寧に返信くださり、
    朝蔵さんのご苦労ご尽力には本当に感謝しております。ありがとうございます。
    これからも、コメント有無に関わらず一緒に楽しめたらと思います。

  4. たいとうみほ より:

    秋風センセにとって菱本さんは
    ようやく巡り合った、一緒に仕事のできる編集者だったんですね。
    だからこそ菱本さんのピンチに
    手を差し伸べる男気を見せた。
    菱本さんが辞めてしまえばまた
    馬の合わない編集者が来るかもしれないので
    尚更菱本さんに近くにいて欲しかったのでしょう。

  5. まーちゃん より:

    「先生、人が変わったみたい…」菱本さんがみんなの気持ちを代弁してくれてスッキリ(笑)した後で、ボクテ君の怪しげな密談の不穏な雰囲気にドキドキ><;

    「朝ドラ受け」で華丸さんが言ってました「男の嫉妬は怖かね…」まあボクテ君はゲイですけど、嫉妬の気持ちに男も女もないというかライバルに本気で嫉妬するぐらいの気持ちがなければ漫画家として大成しないだろうなと脳天気に見える鈴愛ちゃんを見て思ってしまいました(爆)

  6. ありがとう、半分、青い より:

    若い頃の秋風先生、サングラスではなく、普通のメガネで、
    目の演技が見られて、ああ、よかった。

    そして、鈴愛とユウコの友情、素晴らしい。

  7. かふう より:

    久しぶりに岐阜がでてきたけど、なぜか繁盛してる。仕出しするほど苦しいんじゃないの?なんで忙しい時間帯に緊急でもない用事で鈴愛は電話するの?
    昨日で、半分青いの見え方が変わってしまったみたい。いままでは朝、衛星と地上波の二回見てたけど、今日は一回で十分。

  8. かふう より:

    月曜日で一つの物語が終わり、火曜日から全く新しい物語が始まった。そういってもいいくらい、月曜日まで丁寧に描いてきた風景は消え去り、どんどん前のめりで話が展開するみたいですね。
    火曜日からの物語が本編なのかもしれないけど、それまでの世界観も好きだったので、寂しいかぎりです。
    視聴率、昨日の鈴愛の暴言もあり、急落するんじゃないか、心配ですね。北川脚本、なんか、雑な感じがします。そういう懸念を吹き飛ばすような面白い物語が展開するのでしょうか。半分期待、半分不安です。