秋風がボクテを破門する / 半分、青い。 第66話

2018年6月16日(土)第11週「デビューしたい!」

あらすじ

ある日、鈴愛と裕子は、秋風から渡された雑誌に掲載されている漫画を見て言葉を失いました。そこには、鈴愛の漫画『神様のメモ』のストーリーを、自分のオリジナル作品として発表したボクテの漫画が掲載されていたのです。

ボクテによるパクりが発覚した直後、ボクテが以前に描いた正真正銘のオリジナル作品が、月刊『ガーベラ』が主催する漫画コンテストで新人賞を受賞したという連絡が入りました。その連絡を聞かされた秋風は、即座に受賞を辞退しました。

そして秋風は、ボクテを破門すると宣言。一方、鈴愛と裕子は、ボクテを許して欲しいと秋風に懇願しました。しかし、鈴愛と裕子の言葉に、秋風は耳を貸さないばかりか、ボクテにストーリーを譲るということをした鈴愛もクビにすると言い出しました。

ボクテは、秋風の破門と通告は受け入れましたが、鈴愛を許してほしいと必死に謝罪。ボクテの頼みを受け入れ、秋風は鈴愛のクビを撤回しました。そしてボクテがオフィス・ティンカーベルを去った数日後、鈴愛の『一瞬に咲け』が新人賞を受賞するのでした。

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予習レビュー

漫画のネタが枯渇したときは、漫画家の生命が終わるとき。プロ漫画家としてストイックな秋風先生は、それくらいのつもりでいたのでしょう。

ところが、愛弟子の一人が枯渇したネタを他人のネタで埋め合わせし、しかも、それを自分のオリジナルアイディアだと言って嘘をついた。

しかも、その嘘をついた作品が雑誌に掲載されてしまった。そこから皮肉な展開が始まりました。

ボクテは、しっかりとオリジナルの漫画も描いていました。しかし、裕子ちゃんに先を越され、焦りを募らせるボクテは自作に自信が持てなかったのでしょうか。

焦った末にとったボクテの行動が、前回のドラマの中で描かれた、ボクテが鈴愛ちゃんに『神様のメモ』のアイディアを譲ってもらうというエピソードです。

ボクテは自作に自信が持てなかったようですが、秋風先生はボクテの才能を信じていたようです。ボクテのオリジナル作品に手応えを感じていたようです。

しかしボクテは、秋風先生が決して許さない一線を越してしまいました。

しかも、その直後に、自信を持つことができずにいたらしい完全オリジナルの漫画が新人賞を受賞しました。

こんなタイミングでの受賞はボクテにとってもつらいものがありますが、それ以上に、秋風先生にとってつらいものがあったはずです。

手塩にかけて育て上げた弟子の才能がついに開花した。しかし、その弟子はやってはならないことを、やってしまったのですから。

感想

秋風先生の苦渋の決断

シェイクスピア悲劇みたいな展開でした。勝ちに急いだボクテが、秋風先生を裏切る行為に出る。そして、それが発覚した直後の、ボクテの新人賞の受賞。

秋風先生は、ボクテの受賞を信じていました。でも、ボクテはそれを信じることができなかった。自分の才能を信じることもできなかった。

受賞を逃し、秋風先生から破門されたボクテにとっても悲劇でしたが、それ以上に、秋風先生にとって悲劇でした。

秋風先生はボクテの才能を信じていました。三人のアシスタントの中で、誰よりも実力があることを見抜いていました。

そしてきっと、ボクテの将来も信じていたのでしょう。

本当は秋風先生としてはボクテを許したい。

しかし、ここで許してしまえば、食欲を抑えることができずにうどんを食べてしまった『あしたのジョー』の西のごとく、ボクテの将来は台無しになる。

ボクテを生かすために、断腸の思いでボクテの首を切ったのでしょう。

ボクテの将来を思って、涙をのんでボクテの首を切る。この秋風先生の親心に泣かされました。秋風先生、素敵すぎます。

10月以降の秋風先生ロスが今から怖くなってきました。

二丁目の友達

東京の人でないと、よくわからないネタかと思いますが、ボクテの「二丁目の友達」って、もしかすると「新宿二丁目」でしょうか?

実際「新宿二丁目」は、丸ノ内線を使えば赤坂からすぐに行けますしね。

第11週「デビューしたい!」復習レビュー

▼第61話(月)
一週間のはじまりの月曜日から、悲しくて切ない物語が描かれました。同じ日に生まれてからずっと一緒だった鈴愛ちゃんと律くんのお別れが月曜日に来るととは!

マーくんにフラれた傷心の中で、鈴愛ちゃんは初めて律くんの存在の大きさに気づいたかと思います。でも、律くんはまだ気づいてないかな。幼馴染と距離を置く程度の認識かと。

別れてしまった鈴愛ちゃんと律くんですが、よくよく考えてみると、二人の関係が恋人でも夫婦でもなかったのは救いです。何故なら再会の可能性が残されているからです。

▼第62話(火)
鈴愛ちゃんが失恋した直後の秋風先生の反応は野次馬みたいなものでした。鈴愛ちゃんの不幸が楽しくて仕方がない。まさにそんな感じでした。

でも、それほど深刻な事態ではない。秋風先生はそう考えたからこそ、野次馬みたいな反応を示したような気がしています。

一方で今回の不幸は正真正銘の不幸。それだからこそ秋風先生は、鈴愛ちゃんから鬼と呼ばれるようが、鈴愛ちゃんを救うためにあそこまで本気になったのではないでしょうか。

▼第63話(水)
鈴愛ちゃんが律くんとお別れして一年。律くんとの別れの場面に着想を得た漫画『月が屋根に隠れる』の執筆は完全に行き詰っていました。

行き詰まったのはもしかすると、律くんを失った悲しみが癒されたのか。それとも、律くんを失った悲しみから目をそらすうちに、わけがわからなくなったのか。

そんな中で笛を捨てようと決意した鈴愛ちゃん。しかし、秋風先生に実際に笛を捨てられて動揺を隠すことができない。やっぱりまだまだ心にトゲが刺さったままみたいです。

▼第64話(木)
いつだった秋風先生が言いました。裕子ちゃんもボクテも、オフィス・ティンカーベルに入る前から才能が認められていたと。鈴愛ちゃんとは別格なのだと。

だから、ボクテは裕子ちゃんに対してライバル心を持っていたはずです。ライバルだからこそ先を越されて悔しい。嫉妬もする。

嫉妬は人の思考を狂わせます。思考に狂いが生じた結果。それが、今回の最後に描かれた、ボクテがとった行動。月刊『アモーレ』の編集者との密会なのでしょうか。

▼第65話(金)
前回に引き続きボクテの嫉妬が描かれました。そして、ボクテの嫉妬と合わせて、ボクテのバックグラウンドや部屋の中が、はじめて披露されました。

これまで、プライベートにまで踏み込まれたことがなかったボクテの素顔。それらが、はじめて視聴者の前に明らかにされたそのとき・・・

ボクテによる鈴愛ちゃんのアイデアのパクリが発覚。裕子ちゃんに先を越されたことに加えて、お母さんから漫画家をやめて実家の呉服屋を継げと言われ、焦ったんでしょうね。

▼第66話(土)
ボクテをクビにするという秋風先生の決断は、苦渋の決断だったはずです。クビを切られたボクテ本人よりも、ボクテの才能を愛した秋風先生にとってつらい決定だったと思います。

鈴愛ちゃんのクビを撤回した秋風先生。本心は、鈴愛ちゃんだけではなくボクテも許してあげたかったに違いない。でも、ここで許してしまえばボクテの将来はない。

ボクテのクビ切りを宣言する直前、秋風先生はボクテの才能をこれでもかというくらいに絶賛していました。それだけに、秋風先生の失望の深さを思うと泣けてきます。

▼第11週「デビューしたい!」
鈴愛ちゃんと律くんの高校時代の最後の夏休み直前の頃から、鈴愛ちゃんと律くんが上京するまでの約一年間。

ドラマの中で一年を超えるような大きな時間のスキップはありませんでした。

それが今週に入って、一年を超える時間のスキップに次ぐスキップ。鈴愛ちゃんが律くんとお別れしてから、スキップしまくりでした。

律くんがいない鈴愛ちゃんの人生はドラマにならない、ということなのでしょうか。

ちなみに来週もまた時間のスキップが続きます。そして、来週の最後の最後に、鈴愛ちゃんは律くんと再会。二人がお別れしてから再会まで五年の月日が経過します。

鈴愛ちゃんと律くんの関係が丁寧に描かれたゆったりまったりした時間がなつかしい!そんな描写が早く戻ってきてほしいなと思わずにはいられません。

その一方で、目を見張るような秋風先生の立派な師匠っぷりが、強く印象に残る週でもありました。

律くんと別れた悲しい気持ちを漫画に描け。鈴愛ちゃんにそう言って迫り、鬼とののしられても鬼上等と返す秋風先生の気迫。鳥肌が立ちました。僕の中で神回の瞬間でした。

次週もまた、秋風先生の素敵な姿を堪能できますように。

というわけで、今週も一週間、当ブログにお付き合いいただきありがとうございました。来週もよろしくお願いいたします。

どうぞ良い週末をお過ごしください。

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コメント

  1. ぱぽりん より:

    ひるたまさんの秋風デビューに関する指摘が興味深く、自分なりに秋風成功の理由を考えてみました。

    少女向け漫画雑誌の黎明期、書き手の多くを男性漫画家が押えていたと思います。手塚氏、藤子氏、赤塚氏、石ノ森氏、ちば氏、等々。秋風は昭和15年生まれと思われますが、同世代は石ノ森氏、ちば氏、女性漫画家だと水野氏、武田氏達。
    さて、秋風のデビューは遅く、すでに男性漫画家が少女向け漫画雑誌から離れて行った時期。
    ここが不思議な点ですが、だから秋風が残れた理由のように思えます。
    秋風のタッチはどう考えても15歳ほど若い女性漫画家の物(くらもちふさこ氏の画だから当然だけど)。つまり、30才近くになってから漫画の修行を始めるにあたって、若い女性漫画家の作品を参考に自分のタッチを作っていったのではないか。女性漫画家は全体にデビュー年齢が低かったようで、編集者は彼女たちを育てるのに苦労したもよう。そこに秋風。男性漫画家主体から女性漫画家主体に切り替えている紙面にあって秋風の作品は違和感が無く、加えて、育てる必要が無い。ダメになったらそれまでで、怪しいおっさんに気を使う必要もない。編集者にとって秋風は使い勝手が良かったのではないか。そんな環境にあって潰れることなく精進、秋風の才能が開花し大化けした、というところでしょうか。

  2. ぱぽりん より:

    半分、青い。のホームページにようやく載った、オフィス・ティンカーベルの360°ビュー。
    資料室はどこにあるのかなと思っていたのですが、どうやら中野方お二人のデスクの奥の様ですね。
    デスクの上の道具類もしっかり見ることができ、自分としてはペーパーセメント、それもS-COAT(白いキャップの緑の円筒形の缶)とW-COAT(同、青い円筒形の缶)2種類そろっているのがなんだか嬉しい。
    FAX、コピー機、そしてコピー機左の棚にあるのは、ワープロ?
    8人のアシスタントが働いていた、という設定に合わせ、使われていない3人分のデスクもセットされているのが憎いです。

    さて、中野方2人+塾生3人=5人にて締め切り前は大変なのに、ボクテが破門されユーコと鈴愛が自作の連載を始めるとのこと。ユーコと鈴愛は其々自分のアシスタントを使うとして、秋風のアシスタントはどうなるのでしょう。
    鈴愛はまだまだとしても、優秀なボクテとユーコ、特にボクテは登場人物のファッションなんかも任せられていそうで、戦力大幅ダウンだろうと余計な心配をしてしまいます。
    あっという間に次の展開になるようですが、秋風作品のレベル維持が気になります。

  3. ひるたま より:

    ネット等で戯れに(?)ざっくり見ていたら…漫画家デビューするには、建前上は年齢制限など無いとされているものの実際問題として、暗黙の了解で年齢の「壁」が存在するのが実情のようです。同じレベルの作品(画力・ストーリー等)が並んだ場合は、年齢が若い方の作家さんを優先してデビューさせるケースが多数派なのだとか。
    劇中に登場している少女漫画(『ガーベラ』含む)の場合は、25歳がターニングポイントとされているようで…という事は、30歳(前後)でプロデビューした秋風先生はきわめて稀な存在であったのではないでしょうか。(担当編集者に恵まれなかったエピソードも明かされていましたし、あの場面は演出的にもなかなかテンポ良く、楽しく見られました…秋風先生からは怒られそうですが(^^;)

    鈴愛ちゃんが秋風先生に‘暴言’を吐いた場面ですが…あの場面も含めて、鈴愛ちゃんが漫画家として将来的に行き詰まる伏線として挿入されたのだと解釈しています(したいです)。八つ当たりもあったのかもしれませんが、あの場面は見ながら「……???」と感ぜずにいられませんでした(こちらで既に複数の方達もコメントされていますが)。裕子ちゃん&ボクテくんのフォローが無かったらもっと後味悪くなっていましたね。
    画力(技術)は努力で何とかなっても、他人の気持ちを慮る事が苦手(≒出来ない)である事=想像力の欠如は、特にストーリー作りに於いて残念ながら致命傷でしょうから。

    ところで。
    菱本さんに関して、初登場時はヒロインにとっての「お局様」的な存在かな?と思ったのですが…秋風ハウスを去るボクテくんにお土産を持たせてあげたり等、実は‘良い人’ですね…秋風先生同様に表に出にくく、分かりにくいですが。
    「東京のお姉さん」といえば、前々作『ひよっこ』の愛子さんがすぐに浮かびます…分かり易い愛子さんの‘優しさ’に対して、菱本さんの‘優しさ’は硬質だと個人的には感じていますが。

  4. アーモンド より:

    イケメンたちが鈴愛の周りから姿を消していく。
    律、正人、ボクテ。
    今後はこの三人は、レギュラーではなく、時々姿をあらわすのかな?特に正人は出番がなさそうですね。

  5. たいとうみほ より:

    秋風先生が「作品の息の根を止めた」と言ったのは
    読者層や作品の寿命を考えての事でしょうか。
    いい作品は老若男女ひいては海外にも支持され映像化もされ
    世代を超えて読み継がれていく。
    しかし安直に性描写に走っては
    目先の売り上げは取れても読者層は限られ
    この時代にあまり意識はないかもしれないけど
    海外への売り込みもしにくくなる。
    だから作品を掲載する出版社も選んだし
    おそらく「ネームはまず自分が目を通す」も
    発行部数を上げて手柄にしたい編集者の
    目先の功名心から作品を守る為でも
    あったのかも、しれません。

  6. ありがとう、半分、青い より:

    ボクテの才能を信じていた秋風先生。
    自分の才能を信じて切れず、あせり、パクってデビューしたボクテ。

    もし、破門しなかったら、やはり、ボクテは同じ間違いをするかもしれない。
    ここは破門、やむなし、でしょうね。

    いつか、お2人が、笑顔で再会できることを祈ります。