漫画家デビューから3年 / 半分、青い。 第69話

2018年6月20日(水)第12週「結婚したい!」

あらすじ

鈴愛と裕子が、プロ漫画家としてデビューをはたしてから3年が経過。鈴愛の漫画『一瞬に咲け』はその後も連載を続け、アシスタントを雇うほどになっていました。同じ頃、律は宇佐川教授について京都大学大学院に進学。律は鈴愛の漫画を愛読していました。

一方の裕子の漫画『5分待って』は、映画化の企画が持ち上がるほどに注目を集めた時期があったものの、その後はアイデアが枯渇して低迷。ついに出版社から連載を打ち切りを告げられてしまいました。

そんな中、現実を受け入れられない裕子の生活は荒れる一方でした。派手な化粧をして夜遊びを重ね、最終回に向かう漫画の原稿はアシスタント任せ。秋風は、そんな裕子を心配するものの、裕子は秋風の言葉を聞こうとはしません。

すさんだ裕子の様子を見るに見かねた鈴愛は、裕子のことを相談しに、ある人物を喫茶おもかげに呼び出しました。その人物とは、秋風から破門された後、売れっ子漫画家となったボクテでした。

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予習レビュー

鈴愛ちゃんと裕子ちゃんが漫画家デビューをしてから3年の月日がスキップ。このところ、時間のスキップが多いので、今回までの大雑把な物語の流れを整理してみました。

鈴愛ちゃんは、律くんとの別れに着想を得た『月が屋根に隠れる』を描きはじめはしたものの、秋風先生からダメ出しの連続で、その作品は断念。

その作品に代わって鈴愛ちゃんは『一瞬に咲け』の執筆を開始。

鈴愛ちゃんが上京してから2年。『一瞬に咲け』は完成。その頃、ボクテが破門され、せっかく受賞した新人賞も辞退。

ボクテの新人賞辞退によって、鈴愛ちゃんが新人賞の繰り上げ受賞。これによって、鈴愛ちゃんは漫画家デビュー。この時、鈴愛ちゃんは二十歳。

ほどなくして鈴愛ちゃんの漫画『一瞬に咲け』の連載が決定。

『一瞬に咲け』は3年連載を続け、鈴愛ちゃんは24歳。今がここです。

というわけで、鈴愛ちゃんが上京し、裕子ちゃんやボクテたちと働きはじめた頃から5年以上の月日が経過。

破門されたボクテは時代の寵児に。鈴愛ちゃんより先に漫画家デビューした裕子ちゃんは連載を打ち切られ、将来の見通しが立たなくなる。

そして、鈴愛ちゃんは連載は続いているものの、マンネリを感じないわけでもない。

ほぼ同じスタートラインに立っていたアシスタントの3人のその後の浮き沈みのリアルが、今回、描かれます。

感想

アバンタイトル(オープニング映像前の場面)の屈託のない笑顔を見せる裕子ちゃん。そして、その後のすさみきった裕子ちゃん。

ギャップがありすぎて、観ていてつらい回でした。

前回、前々回と明るかったので、それらとのギャップもつらいものがありました。

裕子ちゃんの結婚相手?

秋風先生の三人のアシスタントの中で、一番はじめに漫画家デビューを飾った裕子ちゃんが、一番はじめに脱落しました。

ところ天式に繰り上げ入賞により漫画家デビューした鈴愛ちゃんは、可もなく不可もなし。可もなく・・・は、ないですね。連載が三年目に突入しているくらいなので。

しかし、本人が口にした通りマンネリにおちいっているらしいことは確か。

一方、焦りに焦って暴走し秋風先生から破門されてしまい、新人賞の受賞も逃すことになったボクテは、今では時代の寵児。

人生は皮肉に満ちてます。

でも、秋風先生の見立ては確かでした。三人のアシスタントの中で、ボクテの才能が図抜けていると言ってましたが、本当にその通りの結果になりました。

秋風先生、やっぱり天才です。プロ中のプロです。

さて、前回、そして今回のアバンタイトルで描かれた鈴愛ちゃんと裕子ちゃんの「青春」はあっという間に終わり、大人のリアルが始まりました。

すっかりすさんだ裕子ちゃん、本当に痛々しい。

しかし、そんな裕子ちゃん、僕には一つだけ救いがありました。それは、裕子ちゃんと公園で一緒にいたオッサンのことです。

以下、ちょっとだけネタバレになります。

裕子ちゃんは間もなく結婚します。漫画家をリタイアして結婚する道を選びます。

実は、今回、初登場した裕子ちゃんと一緒にいたオッサン。この人が結婚相手か!?とかなり驚きました。ショックでした。

でも、どうやら違うような気がしてきました。

あれだけ生理的な嫌悪感をあらわにしている相手と、いくら心がすさんでいる裕子ちゃんとはいえ、結婚はさすがにないかと。

また、事前に発表されているストーリーによれば、裕子ちゃんは実業家と結婚することになるのだとか。

ちなみに、公園のオッサンは(偽物の)バッグに「ボーナスをつぎ込んだ」と言ってました。ボーナスをもらっているということは実業家ではないかと。

なので、あのオッサンが裕子ちゃんの結婚相手ではなさそうとわかったことが救いでした。

律くん視点

鈴愛ちゃんと律くんが距離を置くことになってから5年。

おそらく、律くんのことなどさっぱり忘れているかのように見える鈴愛ちゃんは、本人も気がつかないところで、律くんのことが心の棘みたいに刺さっているような気がします。

棘も刺さったその時は痛いけれど、奥に入ってしまうと、外からの刺激がなければ、または化膿しなければ痛みはありません。

あれから5年経った鈴愛ちゃんの心の棘、今のところはきっとそんな状態かなと思います。

一方の律くんは、どうでしょうか。

律くんが鈴愛ちゃんに距離を置こうと宣言した5年前。あのとき、律くんは清ちゃんを傷つけたくないという気持ちでいっぱいでした。

極端な言い方をすると、距離を置こうと宣言した瞬間の律くん、鈴愛ちゃんのことなど眼中になかったかと。

実際に別れを告げて、寂しそうな鈴愛ちゃんの後ろ姿を見てはじめて、心にチクリと痛みを感じた。そんなところだったかと思います。

そして、チクリを痛む心が、鈴愛ちゃんの短冊を盗ませたのかなとも思います。

ただし、心は痛んでも、それはやっぱりチクリ程度。チクリ程度なので、鈴愛ちゃんの心に刺さった棘の本気の痛みなど、気がつく由もない。

だから、鈴愛ちゃんの漫画を、普通に読んでいられるのでしょう。

鈴愛ちゃんレベルで、別れが痛みとして心に残っていたら、とてもじゃないけれど、鈴愛ちゃんの漫画など読めないはずです。楡野スズメという作者名を直視はできないかと。

鈴愛ちゃん視点の律くんバッシングを良く聞きます。今回の、律くんが鈴愛ちゃんの漫画を愛読している説明場面も、きっとバッシングが起こるかも。

そう思って、律くん視点の僕の感想をまとめてみました。

追伸:仮に鈴愛ちゃん視点に立ったとしても、僕は聖人君子でも人格者でもないので、上から目線で律くんを責めることはできません。

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コメント

  1. かふう より:

    19歳から28歳に一気に飛び、次は28歳で漫画家やめてから新キャラの登場となる様子。なんか、一番肝心なところを省いているような。去年のひよっことか、あさが来たが懐かしい。難しいところもきちんと描いてました。視聴率的には伸びてるのかもしれませんが、私は脱落ですね。もう、録画をやめたし、今までの録画は消しました。

  2. かふう より:

    それだけの一方的なダメージを受けたら、普通は泣いて忘れるもの。それを作品にしろ、というのはまさに鬼です。しかし、鈴愛はがんばった。そして時がたち、だいぶ苦しみが癒えてきたところで、それを思い出させようとする秋風はまさに鬼です。こう考えれば、鈴愛の暴言も理解できます。 
    ただ、そこまで北川さんに意図があったのかは不明。最近は、片耳が聞こえないという本来のテーマが、まったくでてこなくなりましたね。

  3. かふう より:

    今からして思えば、喧嘩させた女性二人にできることは、心からの謝罪しかなかったと思うし、それで許してもらえるとも思いません。喧嘩した時点で、二人は既に充分傷ついているのですから。
    鈴愛が受けた喧嘩による傷は、律に突き放されたことで一層深まり、大きなダメージになった。律から鈴愛にできることは、つきあえないとしても誤解を与えたことへの謝罪ではなかったのかな、と思います。律から、謝罪のような一言はあったでしょうか?
    おそらく、二人を喧嘩させた時点でアウト。清も律を許さないだろうし、普通なら鈴愛も律を許さない。男に厳しすぎる考え方でしょうか?間違ってるかもしれませんが、それが私の感想なんです。

  4. ぱぽりん より:

    ん~、荒んだユーコの描き方があまりに安直なことに、レッドカードに近いイエローカードを出したい気分です、オレンジカード!!
    なんだか、お店に持っていくと買い物ができそう。

    他の方も書かれているように、描く、食べる、寝る、の繰り返しではいけませんよね。
    かの石ノ森氏は、「稼いだ金は遊びに使う」と言っていたとか。もっとも彼の場合、遊ぶとは、飲む、打つ、買う、などではなくて、漫画に返ってくる様々な経験、ということのようですが。
    早くにデビューした女性漫画家が潰れる原因はこのあたりにあったのでしょう。

    さて、半年を描く予定が3年からの連載、鈴愛、やるじゃないか。
    数年に及ぶ連載でたった2試合しかしなかった野球漫画もあるらしいぞ、まだまだ挫けるな、鈴愛。

  5. きゅうぽん より:

    以前、宮崎駿さんが、千と千尋の神隠しを作った時に、メイキングかの番組で、最近の若い子は絵自体は上手くかけるけれど、例えば、龍になったハクの口に薬の団子を入れるシーンで、実際犬の口とかに手を突っ込んだりするような実体験がないから、ある程度は描けても、それなりにしか描けないという事を嘆いておられました。

    そういう点ではやはり、ずっと籠もるだけで、原宿とかないよねーと外に出て人間ウォッチングすらしない二人には、それではアイデアなんて浮かばないなと思います。

    1つでも心に残る作品を生み出したいなら、やっぱり色々実体験やリサーチなど研究をして、内容を濃いものにしないと、いくらウケても薄っぺらいそれだけになるかなと。

  6. ぷん より:

    今日はちょっと飛ばしすぎ?
    もっと裕子ちゃんを丁寧に描いて、スズメちゃんの伏線にして欲しかったです

  7. hinaring より:

    今回は荒みたいけど荒み切れない、元・優等生ユウコちゃんが
    見ていて切なかったです。
    でも、このあと漫画家としてではなくとも幸せになるのであれば・・・
    幸せな笑顔が見れることだけが救いです。

    鈴愛ちゃん目線の律くんバッシングなんてあったんですね。
    短冊を見て盗んだシーン、私は鈴愛ちゃんの中から自分を消してあげたかったのかな、と思っていました。
    距離を置くから、ずっと一緒にいた自分のことを早く忘れて幸せになってほしい、と持って帰ったんじゃないかと。
    清ちゃんのために距離は置くけど、鈴愛ちゃんのことを嫌いになったわけじゃないし、
    なにより律くん自身も「俺もそうだと(ずっとそばにいると)思ってた」って言ってましたよね。
    だから律くん、実際の距離は離れていても心の中にはずっと鈴愛ちゃんがいるんじゃないかな。
    きっと漫画家デビューもちゃんと知っていて、心の中でおめでとうって言っていたと思うし
    連載もしっかり見守っているような気がします。
    アンケートを書くとバレちゃうから、さすがに書いていないと思いますが(笑)

    久しぶりに律くんの優しい声を聞けて、ほっこりしました(^^)

  8. うみがめ より:

    裕子ちゃんと鈴愛ちゃん、秋風先生に護られて漫画を描いているような・・・。二人が今一つブレイクできないのは、「天国」な環境でいるためにハングリー精神が薄くなった、ずっと同じ環境の中なので経験値が少ない、が原因のような気がします。ボクテ君は一からやり直し、二丁目でいろんな体験をしていることが糧となっているのでは?

    鈴愛ちゃん、高校卒業前半年の話で連載3年はある意味すごい!どうせなら卒業してからのエピソードも描けばいいのに、と思ったのですが、高校卒業後はオフィスティンカーベルしか知らないから難しいのかな?一度農協に就職してから漫画家を目指したら、違ってたかもしれませんね。

  9. たいとうみほ より:

    「月が屋根に隠れる」がお蔵入りになった事が
    ある意味ではツボだったのかもしれませんね。
    どこまで実際の出来事に即すかにもよりますが
    よほどの鈍感でない限り
    明らかに自分がモデルとわかる作品を見たとしたら
    律が鈴愛をどう思うか、清さんがどんな反応をするか。
    この3人の関係性が漫画1作の出来不出来で
    全く違ったものになったのかも、しれません。
    あるいは仮に律が読まなかったとしても
    梟町の誰かが読んで感づく可能性も…
    実際に作者の実体験を公開作品にすると
    周囲との軋轢が生じることもあるでしょう。
    訴えられる人もいます。
    秋風先生が「漫画の為に身内を失った」が
    それである可能性も考えました。

  10. ありがとう、半分、青い より:

    ユウコの栄光の日々を、
    もう少し描いて欲しかった。