鈴愛が漫画家引退を宣言 / 半分、青い。 第81話

2018年7月4日(水)第14週「羽ばたきたい!」

あらすじ

鈴愛が苦しみ抜いた漫画の締め切り日の、その二週間後。鈴愛はようやく、すべて自力で漫画を完成させることができました。鈴愛の漫画を読んだ秋風は、その出来栄えを悪くないと評価するものの、それは鈴愛に対する秋風の気づかいからの評価でした。

鈴愛は、秋風に気をつかわせてしまった自分の才能の限界を理解し、仙吉にだけは打ち明けていた自分の決心を、ついに秋風と菱本に告げました。自分は三流の漫画家にしかなれない。漫画苦しいだけになってしまった。漫画家をやめる。鈴愛は言いました。

鈴愛の決意を聞かされた秋風は、鈴愛の決意が本物であることをさとり、鈴愛の言葉を静かに受け入れました。そして、これまで秋風のもとを去っていた裕子やボクテ。これから巣立ってゆく鈴愛たち弟子への思いを、秋風は飛び立つ鳥の絵で表現しました。

その数日後。鈴愛が秋風ハウスを出てゆく日を迎えました。引越しの手伝いに裕子とボクテもやってきました。鈴愛、そして裕子とボクテは、鈴愛の荷物を載せたトラックに揺られながら、新しい人生に踏み出すのでした。

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予習レビュー

ついにこの日がやって来てしまいました。鈴愛ちゃんが漫画家からの引退を宣言する日です。鈴愛ちゃんが秋風先生のもとを去ってゆく日です。

鈴愛ちゃんが秋風先生のもとを去ってゆくのを機に、秋風先生との出会いから今回までを振り返ってみました。

鈴愛ちゃんと秋風先生の最初の「出会い」は、鈴愛ちゃん高校三年生の夏休み。

律くんが貸してくれたコミックを通して、秋風先生が描く世界にのめり込んでいったのがきっかけでした。

そして同じく高校三年生のとき。

和子さんが見つけた秋風先生のトークショー。そのチケットがめぐりにめぐって鈴愛ちゃんのもとへ。

そして迎えた秋風先生のトークショー当日。忘れもしない、秋風先生の五平餅「んまっ!」です。

五平餅の真実の味が弟子入りのきっかけをつくり、高校を卒業した鈴愛ちゃんは「五平餅要員」または「炭水化物要員」としてオフィス・ティンカーベルへ。

あの頃の鈴愛ちゃん、散々でした。

その散々だった鈴愛ちゃんがクビを切られ、そのクビ切りが誤解にもとづくことだったのが、今にして思えば秋風先生が変わるきっかけだったような気がします。

誤解によるクビ切りを詫びに秋風先生は岐阜の楡野家へ。いやいや足を運んだ楡野家に、秋風先生は桃源郷を見出していました。

その直後のガンの再発騒動。本当にいろんなことがありました。

秋風先生とはこれでお別れです。次回からは新しい出会いが待っています。秋風先生との別れはさびしすぎますが、新しい出会いに期待して、次回以降も楽しもうと思います。

感想

前回と同様。否。前回を超えた神回でした。

「人間嫌いの私が・・・」

鈴愛ちゃんがオフィス・ティンカーベルに入って間もない頃のこと。

秋風先生から炭水化物要員呼ばわりされた鈴愛ちゃんが逆上。秋風先生の原稿を人質(モノ質?)にとって、鈴愛ちゃんが秋風先生を脅迫したことがありました。

この騒動を見ていたひしもっちゃんが言いました。

鈴愛ちゃんは秋風羽織の心を動かした。鈴愛ちゃんは、秋風羽織の心を動かせる稀有な存在なのかもしれない、みたいなことを。

この、ひしもっちゃんの言葉が、ずっと心の片隅に残っていました。

そして、今回。今度はひしもっちゃんではなく、秋風先生自身がみずから、ひしもっちゃんと同様の言葉を口にしました。

「人間嫌いの私が・・・」

ドラマに登場した頃、秋風先生は本当に人間嫌いでした。お友達はペットだけ。亀だけが友達の律くんと同じ。

その一方で、なかなか人の名前を覚えない。いつもいつも、人を人とも思わぬような態度ばかりとる。とくに鈴愛ちゃんに対する態度はひどかった。

しかし、ひしもちゃんの期待したとおりのことになりました。

鈴愛ちゃんの存在は秋風先生の心を動かし、ペットの死しか嘆かなかった人間嫌いの秋風先生が、人間が立ち去ってゆくことに対して心の中で涙を流す日がやってくるとは!

秋風先生が、壁面に描かれた自作漫画に涙を描き加える場面。本人の涙よりも、ずっと説得力のある涙でした。美しい場面でした。忘れられません。

「漫画をもうやめたらいいと思います」

裕子ちゃんが漫画家をやめて結婚する道を選択したとき。秋風先生は、裕子ちゃんの決断を僕が想像していた以上にあっさりと受け入れました。

裕子ちゃんがオフィス・ティンカーベルに求めていたのは、漫画家として生きる道ではなく自分の居場所。

秋風先生はそのことを深く理解していたのでしょう。

だから結婚して自分の居場所を見出せた以上は、もはやオフィス・ティンカーベルに居続ける必要などない。

真に自分の居場所となる場所に行くべきだ。秋風先生はそう考えたのでしょうか。

さて、鈴愛ちゃんが漫画家をやめると言い出したとき、裕子ちゃんのときとは打って変わって、秋風先生はすぐには鈴愛ちゃんの決断を受け入れませんでした。

ちょっとだけ止めにかかった。意外でした。

鈴愛ちゃんには、まだ漫画家として大成できる可能性を見出していたのか。それとも、自分の心を動かしてくれた存在を失うのが怖かったのか。

でも、鈴愛ちゃんを止めることはできない。止めることができないどころか、鈴愛ちゃんはどうやら、漫画家をやめろと自分に言って欲しいらしい。

秋風先生、鈴愛ちゃんの気持ちを察したみたいです。

鈴愛ちゃんを漫画から解放してあげてほしいと訴えたボクテの言葉も、秋風先生の背中を押したのかもしれません。

ついに秋風先生は言いました。

「漫画家をやめたらいいと思います」

本当はやめさせたくない。そんな自分の本心を封印し、自分の大事な弟子を、自分でやめろと告げる秋風先生の気持ち。想像するだけで胸が苦しくなります。

重たい一言でした。

そして、この瞬間。神回でした。

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コメント

  1. ひるたま より:

    「先生は徹夜明けでお休み中ですので…」
    菱本さんの言葉に一瞬「そんな訳ないでしょ!?」と個人的には感じましたが…案の定。
    かつては犬を飼っていたものの、お別れが辛くて現在では飼っていない秋風先生…この先2度と弟子を取る事はないのでしょうね…弟子達とのお別れはあまりにも辛過ぎる故に。
    サングラスを上げていた間だけは「美濃権太」。そして後ろ姿のまま再びサングラスをかけ直した時に再び「漫画家 秋風羽織」に戻って行ったように私には感じられました。
    豊川悦司さん、本当に素晴らしい俳優さんですね。

  2. さぁ~ より:

    ご無沙汰しております。

    今日は本当に神回でしたね。
    秋風先生の最後のシーン・・・朝から号泣してしまいました。

    昨日の仙吉おじいちゃんにも泣かされました。

    ここまでの放送での助演男優賞は、仙吉おじいちゃんと秋風先生・・・。
    甲乙つけがたいレベルですね。

    また明日からの新展開を楽しみにしております。

  3. うみがめ より:

    秋風先生は鈴愛ちゃん達三人が来てから変わっていきましたね。鈴愛ちゃんがオフィスティンカーベルの中だけにいて、成長が止まってしまったように、秋風先生も自分のオフィスの中で漫画だけを描いていて、気づかないうちに煮詰まってしまっていたのでしょうか?弟子をとったのも無意識の危機感があったのかもしれないです。

  4. えびすこ より:

    半分、青いの個別回の記事初投稿です。
    今回の最後の場面のロケ地ですが、あそこは私の住む街から比較的近い所だと思います。たぶん。

    ところで今の所は「主人公の父方のおじさん」が出ませんね。昨年の「ひよっこ」、一昨年の「とと姉ちゃん」では個性的なおじさんでした。
    それに前半終了時点で親戚の事がここまで話題にもなりません。従兄弟が出たこともないですね。
    第1週目の時点で宇太郎の兄弟(鈴愛のおじさん)は既に家にいなかったようなので、就職・進学等で家を離れていたという設定でしょうか?
    これから先の回で親類が出ることがあるのかな?1999年現在だとおじさんは50歳前後。従兄弟もいれば20代になっていてもおかしくないです。

  5. ありがとう、半分、青い より:

    秋風ロスがネット上で報じられていて、
    私も、もちろん、秋風ロスを感じますが、
    もう1つ。

    菱もっちゃんロスもあります。
    菱もっちゃんには「癒されて」いました。
    元祖癒しの女王。
    好きです、菱もっちゃん。

    おしまい

  6. はるるん より:

    秋風先生のすてきな送り出しに胸キュンな回でした。
    あぁ秋風ロスが怖い~~~

  7. カツエ より:

    今日もこれから見ます昼の再放送!

    ところで朝蔵さんお聞きになった?
    「 一瞬に咲け」、花とゆめ にまるまる掲載ですって!!!

  8. もふもふ より:

    今回こそ私の中では神回でした!
    私は、3人に生原稿が(ボクテくんにまで)手渡されたときに涙腺崩壊しました。
    “人嫌いだった”先生が、作家の命ともいえる生原稿を託す。生涯のたった3人の弟子に。
    アイディアはよかったが、構成力がない、ということを、以前の先生ならもっと早くにズバッと言っていただろうに、今の先生は”言うしかないのか…”といったかんじで、とても静かに重い口調でした。
    トヨエツ秋風先生とひしもっちゃんロスになりそうです。

  9. ありがとう、半分、青い より:

    秋風先生、ありがとう。
    あなたは素晴らしい先生です。

    めがね(サングラス)を外したのは初めてかしら?

    軽トラックの荷台に人間が乗るのは、
    何とか法違反じゃないのかしら?
    いいのか、NHK?

    おしまい

  10. ちーぼー より:

    秋風先生、本当に素敵でした。最初のうちは、漫画に関しては天才だけど人間としてはどうよ、という人物でしたが、弟子三人を育てることで彼も成長したんですね。秋風先生に会えなくなるのは寂しいけれど、これからも漫画の世界で活躍していることがどこかでちょっとでも見られるといいなー。

  11. にゃんこ より:

    この日はタオル用意してテレビの前に座ります。絶対泣きそう。