本放送:2018年10月23日(火)
再放送:2023年10月24日(火)
第4週「私がみつけます!」
あらすじ
季節は流れ昭和19年(1944年)夏。戦況が悪化の一途をたどる中、ついに北九州が、本土で初めての空襲を受けました。次は大阪が空襲されるのではないか。そんな噂が流れる中、克子の家族は忠彦の実家がある田舎に疎開。
福子は、鈴を連れて疎開することを提案するものの、鈴は家を守るの一点張り。二人の意見を聞き入れようとはしませんでした。同じ年の秋。ついに東京も空襲を受けました。そんな中、敏子とハナも疎開することが決まります。
空襲への不安を募らせる福子は萬平とともに、改めて疎開を鈴にすすめました。しかし、鈴のかたくなな態度は変わりませんでした。年が変わり昭和20年(1945年)。大阪府の天王寺が空襲されました。
その二ヶ月後の3月4日。大阪市内にも米軍戦闘機B29が飛来。大阪市への空襲を予告するビラを、上空からバラまきます。そのビラを読んだ鈴は、ついに疎開する覚悟をかためました。その三日後、ついに大阪市内も空襲がはじまるのでした。
予習レビュー
米軍による東京の空襲にはじまり、大阪の空襲に終わる今回。
これまで、戦況の悪化による庶民の日々の暮らしの困難な状況は描かれてきました。しかしついに、日々の暮らしが困難になるでは済まされない状態が描かれます。
この時代の描写。苦手な人も多いのではないでしょうか。
僕も苦手です。東京大空襲が一番ひどかった地域に住んでいた祖父母から、この当時の話を子供の頃に繰り返し聞かされたもので、とっても怖いんです。
しかし、大阪が空襲を受ける描写はおそらく今回だけか、長くても次回の前半くらいまでで終わりそうです。
ちょっとネタバレになりますが、次回のドラマの中では、福ちゃんと萬平さん。そして疎開を拒み続けていた鈴さんもついに折れて、疎開します。
疎開先は、萬平さんの親戚が住んでいる設定の、兵庫県上郡。
ちょうど今、再放送中の『べっぴんさん』では、滋賀県の疎開先が描かれていますが、ヒロインとそのお姉ちゃんたちは、疎開先で不自由な暮らしを強いられています。
疎開先には、意地悪な人も多いし・・・
でも、福ちゃんたちが疎開する土地は心優しい人ばかりのようで、少なくとも疎開先での暮らしは安心して観ていられるようです。
感想
まずはご案内から。
当ブログの『半分、青い。』後半。
ブログ主が仕事の関係からブログ更新ができなくなり、バトンタッチしていた夕顔さんが、ご自身のブログで『まんぷく』のレビューをつづけられています。
当ブログで夕顔さんのレビューに馴染んでいたみなさん。
夕顔さんの『まんぷく』のレビューも、当ブログともどもお楽しみください。
夕顔さんの『まんぷく』レビュー
http://candy17.club/12744.html
空襲
克子さんの疎開からはじまった今回。
このまま大阪にいては危険なのではないかと、動物的な勘とでもいうべき直感によって、疎開の必要を感じる福ちゃん。
一方で、夢の中の咲さんの言葉まで自分の都合の良いように書き換えてしまう鈴さんは、目の前の現実を直視できない。
それどころか、妄想に限りなく近い希望的観測によって大阪に空襲なんてあり得ない!と確信し、疎開を徹底拒否。
一歩間違えたら激しく対立しかねない母と娘のギャップを、萬平さんがうまいこと中に入ることで絶妙な笑いの場面にしてくれました。
でも、最後には、もはや笑ってなどいられなくなりました。
天王寺方面が空襲。
遠いところで起こっていること。福ちゃんも鈴さんも、二人揃ってのんきに思い込んでいた戦争が、ついに目と鼻の先までまでやって来てしまいました。
空襲がじわりじわりと近づいてくる不気味な空気が、見事に表現されていた回でした。
追伸:大阪市内にばら撒かれた空襲を予告するビラ。
ドラマの中に出て来た爆弾が印刷されているビラは、きっと実際に使われたものを忠実に再現したものなのでしょう。はじめて見ました。
コメントへの返信 by 朝蔵
戦争で死ぬことがアイデンティティになってしまうような時代(まーちゃんさん)
生きて人様のお役に立てることがアイデンティティになる時代。そんな時代が、いつまでも続いてほしいものですね。
BK(大阪局)制作のドラマは遊び心に満ちている(ひるたまさん)
本作『まんぷく』も遊び心が随所に散りばめられていますね。7月7日の出産予定日しかり。前週のはるか師匠の髪芸カメラマンしかり。
明日からの放送でだんだん大阪の町も壊されていくんですね(むいむいさん)
福ちゃんと萬平さんがラーメンデートをした屋台のある公園。福ちゃんが女学校のお友達と映画を観たオシャレな映画館。
福ちゃんの。そして、いろんな人たちの思い出がいっぱいつまった大阪が、まもなく破壊し尽くされてしまうんですね。悲しいです。
「わろてんか」のだんなさんはちゃんとアドバイスをくれましたが(ちーぼーさん)
たしかに!
藤吉くんはときに優しく、しかし、ときに厳しく。とても大切なことを、いつもてんちゃんに教えてくれました。
鈴さんの夢枕に「座る」咲さんとは正反対でした。
加地谷氏はなぜ横領なんか?(すっぱさん)
戦争によってビジネスの将来の見通しが立たなくなりやぶれかぶれになった、みたいな意味のことを言っていたと記憶しています。
どなたか、より正確な記憶をお持ちの方。教えてください!
仕草が鈴さんそっくり(キヨコさん)
そこまでは気が付きませんでした。そっくりな仕草によって、鈴さんの願望が夢に反映していることをあらわしているんでしょうね。
芸が細かい!
また、夢の場面が登場したら、今度こそしっかりと観察します。
義理のお兄さんから託された、あの絵でしょうか?(daisyさん)
そこを見落としてました!
どなたか、疎開した克子さんが抱えていた絵をしっかりとご覧になった方はいませんか?
四人の子ども達を連れて疎開する、克子さん。
その割には荷物が少ないな、と思いました。
女手一つで持てる物には、限りがある。
必要最低限の荷物なのでしょうね。
その右手には、風呂敷に包まれた大きな四角い荷物。
きっと、「あの絵」ですね。
咲姉ェと真一さんと夫の忠彦さん、三人の思いの詰まった絵。
自分たちの荷物を減らしてでも守り抜かなくてはならない、大切な大切な絵なのだと、改めて感じました。
絵らしき風呂敷包みを、克子さんと次女が持っていました。おそらくひとつが真一さんが託した桜の絵、もうひとつが出征前に描き上げた子ども4人と克子さんの家族の絵だと思います。
必要最小限の荷物の中に絵も含まれているのが、私の中では印象的でした。”これだけは守る”ということなのでしょう。
克子さんがふろしきに包んで横に抱えていた板状の物、私もあの桜の絵だな、と思いました。妻の形見だからと預かった大切な絵だから、疎開にもちゃんと運ぶのでしょうね。
(布団の上で萬平さんが福ちゃんに)「おいで」今日の放送回での‘ラブシーン’が、ネット上も含めて結構話題になっている様子ですね。
ふと思い出したのが…前作『半分、青い。』での鈴愛&律のラブシーン(最終回にかなり近い時でした)。
律くんが毛布をあげて鈴愛ちゃんに「入る?」…2人が同じ毛布にくるまっていただけでも十分に雰囲気が伝わって来ました。
でも、しかし…率直に申し上げて、あの時のキスシーンは‘蛇足’=要らなかったのでは?と今も個人的には感じています(この点に関しては反論を受ける可能性大ですが)。抱き合うだけでも十分に雰囲気が伝わって来たのに、上にさらに屋上を重ねてしまって却って逆効果になってしまったように私は感じてしまいました。
方や、今日の萬平さん&福ちゃんの場合は、二人がキスを交わす場面は無い…にも関わらず却って想像力をかき立て、余韻が残る印象深い場面に仕上がっていたように思います。見ていたこちらが思わずドキリとせずにいられませんでした。
なお、今週の演出は安達もじりさん…安達さんは『べっぴんさん』の演出も担当されていました。同作の最初の頃の、出征前夜の夫婦(すみれちゃん&紀夫くん)のやり取りの場面を思い出しました。(演出担当が安達さん以外の方だった可能性も否定出来ませんが)
福ちゃん&鈴さん母娘の言い合い場面を見ながら、福ちゃんと鈴さんにはやっぱり親子であり、同じDNAが流れているな~と妙に感心してしまいました。鈴さんと萬平さんの板挟みになっている福ちゃん…家族あるあるですね。実際問題として自分の親が鈴さんのようなタイプだったらかなり面倒だな~と思うのが正直な所です。松坂慶子さんが演じているからこそ辛うじてギリギリセーフでおさまっていますが。
*今作では今の所、鈴さん・加地谷さん・世良さんetc.…朝蔵さんにとっては‘大好物’のキャラクターではありませんか?(^m^)
一足先に疎開したお姉さんが抱えていた絵は、義理のお兄さんから託された、あの絵でしょうか?
遅ればせながら、はるか師匠の登場に感激!
これはもう、定番にしていただきたいですね。
鈴さんの「夢枕に座る」咲さんは、しゃべり方、仕草が鈴さんそっくりで、笑ってしまいます。
鈴さんと福ちゃんの夢枕に立つ咲姉ちゃん。「わろてんか」のだんなさんはちゃんとアドバイスをくれましたが、夢の咲姉ちゃんは、見る人に都合の良いことを語っているようですね。二人が夢のことで言い争っているのと、その横で困っている萬平さんがコントの様で笑ってしまいました。