まんぷく

真夜中に泥棒が侵入する / まんぷく 第28話

本放送:2018年11月1日(木)
再放送:2023年11月2日(木)
第5週「信じるんです!」

あらすじ

ある日の深夜。福子たちが身を寄せている克子の家に、泥棒が侵入してきました。その泥棒が引き出しに入ったお金を物色している姿を、最初に発見したのは鈴でした。鈴はひるむことなくその泥棒を大声で一喝しました。

鈴たちに詰め寄られたその泥棒は、自分の名前を神部と名乗りました。神部は、戦場から戻って来れたものの、戦争で母親と家をなくし、天涯孤独の身の上になっていたのです。その翌朝、お礼に香田家の掃除をした神部は、福子たちに別れを告げ去って行きました。

泥棒騒動があった次の日の夜。騒動が再び起こりました。忠彦のアトリエに、またしても何者かが侵入してきたのです。侵入者に気がついた鈴が、撃退しようとしたその人物は忠彦でした。克子は涙ながらに忠彦との再会を喜びます。

そして、その翌朝。忠彦は四人の子供たちとも再会。克子たち家族。そして、福子と萬平、鈴は、忠彦帰還の喜びをあらためて分かち合いました。そこへ意外な人物が姿をあらわします。一度は去っていった神部が、福子たちのもとに戻ってきたのです。

<<前回27話 | 次回29話>>
まんぷく|感想あらすじネタバレトップページ

Sponsored Link

予習レビュー

久しぶりに新キャラの登場です。しかも、準レビュークラスの、重要度がとても高い新キャラです。

その新キャラの名は、神部茂。瀬戸康史さんが演じます。

瀬戸康史さんといえば『あさが来た』で、ヒロイン・あさチャンの晩年のライフワークのパートナー・成澤泉を演じたのを思い出します。

さて、この新キャラ・神部茂。

今回、福ちゃんたちを驚かせる、深夜に侵入してきた泥棒が神部茂です。初登場場面、かなりインパクトの強い演出です。

この神部茂。

今後、萬平さんが本格的に事業をはじめる際に、萬平さんの事業を支える重要な役割を担うようです。

それほどの役どころなので、最終回近くまで登場場面があるかもしれません。

それほど重要な新キャラ。泥棒というまさかの姿で出てくる、初登場場面を、しっかりと記憶に刻みつけておきたいと思います。

感想

武士の娘

真夜中に家の中に侵入してきた泥棒の姿を見ても、まったくひるむことなく、たった一人で応戦しようとする鈴さんの姿に「武士の娘」の覚悟を見ました。

「武士の娘」という口癖が、ある時期から笑いのネタと化していた鈴さんでしたが、「武士の娘」という言葉は、口先だけのことではありませんでした。

いつだったか、ネズミが家に出たときは、そのネズミを退治することができず、動揺しまくっていた鈴さんでしたが、本格的な有事の際には、まったく動揺を見せない。

忠彦さんが、真夜中に帰ってきたときも同様です。

忠彦さんがアトリエに足音を忍ばせて入ってきたとき。あのときも鈴さんは一人きりでした。普通の女性なら、たった一人であの状況を迎えるのは、かなり怖いはずです。

しかし、このときも鈴さんは、まったく動揺した様子を見せない。

それどころか、毅然とした態度で「泥棒」と対峙する。しかも、「泥棒」を一喝する堂々した声には、みじんも恐れが感じられない。

さすが「武士の娘」です。

いつか鈴さんが「武士の娘」らしさを見せてくれる機会があるだろうと期待していましたが、思ったよりも早く、その場面がやってきて感激です。

神部くん

武士の娘」鈴さんが応戦した、泥棒の名は神部くん。

新キャラの登場です。ちょっとネタバレになりますが、彼はこの先々の展開で、萬平さんの事業を支える重要な人物となります。

さらに彼は、「武士の娘」の一族の、その一部分にもなる展開が待っています。

ネタバレはこのへんにしておきましょう。

さて、記念すべき初登場場面が描かれた神部くんは、戦場から帰ってくると、家は焼失し、たった一人の身内だった母親は空襲で死亡。

天涯孤独の身の上になってしまったと、自らの口から語りました。

天涯孤独の身の上が、泥棒に入っていい理由にはなりません。しかし、天涯孤独という言葉に反応した萬平さんもまた、天涯孤独の半生を送ってきました。

萬平さん、神部くんに通じるものを感じたのでしょうか。

萬平さんと神部くんの、今後の心の交流がどのうように描かれるのか。ブログ主は、この点がとっても気になっています。

忠彦さん帰還

BSで再放送している『べっぴんさん』も、ちょうど今、終戦直後の混乱した時代が描かれています。

その『べっぴんさん』では、ヒロインをはじめとして、戦場からの夫の帰りを待つ女性たちの姿が描かれました。

しかし『まんぷく』の中で描かれた、戦場からの夫の帰りを待つ女性は克子さんただ一人。だからなおさらのこと、克子さんの孤独が切なかった。

たった一人で四人の子供たちを育て、あるときは子供にまで働かせてしまった不甲斐なさに涙し、またあるときは忠彦さん不在の寂しさに涙する。

そんな克子さんに、ようやく笑顔が戻りました。

まるで、これから明るい時代に移り変わってゆくことを暗示するような笑顔でした。

泥棒の神部くんも、妙に明るい笑顔で戻ってきました。これから、朝から明るい物語を楽しむことができるのでしょうか。

<<前回27話 | 次回29話>>
まんぷく|感想あらすじネタバレトップページ

POSTED COMMENT

  1. ひるたま より:

    「香田忠彦という人を知っていますか?」「香田 忠彦…」「知ってるの!?」「…知らない」
    新喜劇ならば、ここで舞台上の人物ほぼ全員が‘転んで’いた場面だったのでは?と思いながら見ていました。
    吉本興業(の創業者)を採り上げた前々作『わろてんか』以上にむしろ、今作の方が吉本新喜劇を彷彿とさせるような演出(&劇伴)が随所に見受けられるような気がするのですが…気のせいでしょうか。

    この少し後の、場面(舞台)上から一人消え、また一人消え…という演出も面白く見られました。眠そうに立っていたタカちゃんに始まり、克子姉ちゃん⇒福ちゃん⇒鈴さん …と退場して行き、最後に残されて神部くんを介抱する萬平さん。「…まだ食うのか?」は笑っちゃいました。(^o^;)

  2. ひるたま より:

    今日の放送分で初登場した神部くん(瀬戸康史さん)…朝蔵さんの期待通り(?)、インパクト強い初登場となりましたね。(^^)
    戦争(空襲等?)で肉親を喪って天涯孤独の身の上…といえば、『べっぴんさん』に登場した栄輔くん(演:松下優也さん)を真っ先に思い出しました。もっとも神部くんが栄輔くんのような‘傘のような男’になる事は現時点では考えにくいですけれども。

    その神部くんが香田邸の廊下を一生懸命&嬉々とした様子で雑巾がけする場面を見ながらふと感じた事を書きます。
    雑巾がけは、本来ならばヒロインの専売特許(?)=ヒロインの役割のようなイメージが強いな~と思いながら見ていました。(『ひよっこ』のみね子ちゃんも乙女寮から引っ越す直前のお掃除でちゃんと雑巾がけしていた場面が挿入されていました。『わろてんか』のてんちゃん&トキちゃんもやっていたような?)
    しかしながら最近は男性キャラクターに雑巾がけをさせるケースも珍しくなくなっているようにも感じられます。『わろてんか』の隼也くん(ヒロインの息子)然り、そして今作の神部くん。
    ひょっとして…雑巾がけを任せられる(命じられる?)登場人物は、実は劇中で結構重要な役割を担うキャラクターなのでは??(あくまでも独断と偏見ですが)

    そして最後の方で、忠彦さん復員を祝して今井家&立花家&香田家全員で「万歳」連呼の中、何故か神部くんが何処からともなく現れて一緒に「バンザ~イ!」…神部くんの身の上ならば羨望の感情が生まれても何の不思議もない筈ですが…きっと素晴らしいお母様に育てられたのでしょうね。自分自身が‘お先真っ暗’=未来への希望を見出せない状況下で他人の幸せを素直に喜ぶ事などなかなか出来ないのが人間の哀しき性でもありますから。

  3. まーちゃん より:

    今日も朝から美しいものをたくさん視聴することができました。

    戦地からお父さんが帰ってきて我先に飛びつく弟妹たち。自分だって飛びつきたい…だけどまず居住まいを正して「ご無事にお戻りになりおめでとうございます」と挨拶するタカちゃんのいじらしさ;;末っ子の学君が発した「バンザイ!」がみんなに移って香田家の庭に響き渡る「バンザイ!!」(ついでに元ドロボーさんも唱和してましたね^^;)そうですよね。「バンザイ」ってこういうときに言うんですよね(今でしょ!)  

  4. Amo より:

    朝蔵さん こんにちは
    いえいえ こちらこそ 拙い文面で
    おまけに一つずつ返信くださって申し訳ないです

    今日のまんぷくは 起承転結の転の部分 神部君の
    泥棒だけれど 意外に一宿一飯の恩義に掃除をするという感謝の返し方 律儀ですね
    した事はいかん事だけれど その過程を考えれば
    無理もなかろう 特に 天涯孤独になった あたり
    萬平さんは自分に重ね合わせたと見ています
    あの時の すいとん は 神部君にとって生涯忘れられない 人の情け の 美味い だったのでしょうね

    そして今度は忠彦さんが復員
    泥棒ではなく ちゃんと靴を脱いで我が家に帰って来ます 克子さんの喜びよう いかばかりだったでしょうか
    一家の大黒柱が帰ってきた
    家族総出の万歳三唱は 戦時中の お見送り ではなく
    歓喜に溢れる お迎え でした
    庭の大きな鳥かごが一杯になりましたね
    もう一つ加えると 子供達が書いた 眞心 と 以心傳心
    は 父の帰還を願ったもの 今週のテーマは 信じるんです! でした

    神部君 なんでアンタ 居んのや!
    このツッコミは笑いました(^ω^)

  5. ちーぼー より:

    神部さんの登場と忠彦さんの帰宅と、重要な出来事が二つ起こりました。泥棒が入った時の鈴さんの堂々とした態度、武士の娘らしい様子を初めて見た気がします。
    些末なことですが、克子さんと忠彦さんの子供だったら、男子は180、女子でも170くらいの長身になりそう。下三人はまだ子役さんですが、タカちゃんは小柄ですね。

Amo へ返信するコメントをキャンセル