本放送:2018年11月7日(水)
再放送:2023年11月8日(水)
第6週「お塩を作るんですか!?」
あらすじ
倉庫に眠っていた鉄板を使った、海水からの塩づくりの試作に成功した萬平は、設備を整えて塩を量産する事業に乗り出すことにしました。一方、鈴は萬平の計画に反対し、福子も戸惑いを隠すことができません。
しかし萬平は、鈴や福子の心配もかえりみず、製塩事業の準備に着手。萬平の覚悟を知った福子も腹をくくり、製塩事業をはじめるのに必要な資金や、日々の生活費のやりくりをはじめつつ、鈴の説得に当たりました。
萬平は、製塩事業の設備の設計に没頭。福子は生活費と事業に必要なお金の工面に奔走するかたわら、大蔵省に出向き製塩事業者として認可を得る手続きを開始。鈴も、へそくりを福子に渡し、萬平の事業に理解を示しはじめていました。
一方、塩を量産するために必要な人員を集めることを託された神部は、大阪の街角で、道行く男たちに声をかけていました。どれほど断れても、諦めずに人集めを続けた神部は、ついに、若者を14人も集め、萬平のもとに戻ってくるのでした。
予習レビュー
戦争が終わり、萬平さんは大阪に戻ったものの、会社を焼失。
世良さんの「早よ出てこい!発明家の立花くん!」という言葉に背中を押され、ささやかなハンコづくりを始めたものの、それも真似をする者が続出して撤退。
でも、やっと、萬平さんらしい事業。萬平さんの資質を存分に活かせる事業がスタートしました。発明家の立花くんが出てきました。
そして、萬平さんの大規模な事業を支える福ちゃんの活躍も、本格的に描かれはじめることになりそうです。
ちなみに製塩事業は、萬平さんのライフワークになるわけではありません。
しかし、大掛かりな事業をはじめたという点で、今週のドラマの中で描かれる製塩事業を計画するエピソードは、とても重要な一週間になるかと思います。
きっと、今後の展開への重要なフラグも立つはず。
フラグと言えば、この製塩事業の着想を得たのがラーメンでした。
福ちゃんとのはじめてのデートもラーメン。大きな事業を始めるきっかけもラーメン。そして萬平さんの未来の大発明もラーメン。
すでにフラグが立ってましたね。前回のレビューでは、そこに思い至りませんでした。
感想
萬平さんと鈴さんの対立はもうないかな?
今週のストーリー展開の中で、ひとつだけとっても気になっていたことがありました。それは、萬平さんと鈴さんの対立です。
萬平さんは製塩事業に邁進したい。しかし、鈴さんは、借金を抱えてまで大規模な製塩事業に乗り出すようなリスクは取りたくない。
そんな二人の真逆な考え方が真正面からぶつかるのかも知れない。正面衝突した二人が激しく対立する姿を見るのはいやだな。
そんな心配をしていたんです。
でも、その心配はなさそうですね。
まずなんと言っても、製塩事業に魂を奪われているかのように没頭する萬平さんの耳には、鈴さんの小言などまったく入ってきていない様子です。
前回の最後の場面からそうでした。
ようやく出来上がった塩の試作品。鈴さんは、その塩の試作品が茶色であることが気に入らない。
萬平さんたちが歓声をあげる中、鈴さんはひとり「茶色よ!茶色よ!」を繰り返す。でも、萬平さんは、茶色の理由をちょっと説明しただけで、あとは基本的に無視。
今日もそうでした。
「私は武士の娘です。塩屋はいや!」
鈴さんがどれだけ「塩屋はいや!」を繰り返しても、萬平さんは、鈴さんの言葉にまったく耳を貸さない。
無視しているのではなく、塩づくりに夢中になるあまり、鈴さんの言葉が耳に入ってこないのでしょう。
萬平さんの耳の中に鈴さんの文句が入ってこなければ、対立のしようがない。
そして、自分の言葉が萬平さんにはまったく届いていないことに対して観念したのか、鈴さんはついに、へそくりを萬平さんの事業に「出資」。
ここまで来て、製塩事業をめぐる萬平さんと鈴さんの対立はもうないかなと安心しました。
萬平さんが本気ならそれを支えるのが私の役目です
萬平さんと、萬平さんの事業を支えると腹をくくった福ちゃんの、決意に満ちた言葉の数々が胸に響きました。
塩屋の飯炊きはいや!と、駄々をこねる鈴さんに対して、福ちゃんはキッパリと・・・
「萬平さんが本気ならそれを支えるのが私の役目です」
生活費のやりくりのことを案ずる萬平さんに対して、福ちゃんは穏やかな笑顔で・・・
「萬平さんは何にも心配せんといて」
しかも、これほどの決意を、力を込めて言うのではなく、あたかも呼吸をするがごとく、静かに自然体で言ってのけるところに、福ちゃんの人間の大きさを見たような気がしました。
コメントへの返信 by 朝蔵
わろてんかの嵒さん(リキちゃんママさん)
まったく気がつきませんでした。よくご覧になってましたね!
もっと注意深く鑑賞しようと思います。いろいろとネタが仕込まれているみたいなので、本作『まんぷく』は。
タカちゃんは克子姉ちゃんの娘さんでは?(Mariさん)
すみません。間違えました。次週から、タカちゃんのキャラクターの重要度がアップするので、最近、タカちゃんのことばかり考えてました。
ご無沙汰しております。
毎日楽しく拝見させていただいております。
鈴さんに対して、福ちゃんが萬平さんを支えようとする本気度・・・
(その後、鈴さんはヘソクリ300円を出したことを踏まえて)
これから先の福ちゃんの生き方・・・
とことん萬平さんを支えるとのフラグだったような気がします。
ますます楽しみですね!
鈴さん、きっと最愛のご主人に対しても、全く同じように、来る日も来る日も苦言を吐き続けてきたのでしょうね。それゆえ、大好きだけど大嫌いだったアイツと全く同じことをやらかしそうな萬平さんに、思わず同じことを言っちゃったというところでしょうか。
恥を偲んで友達の家に借金を頼みに行く福子・・・
『とと姉ちゃん』や『べっぴんさん』等、最近の朝ドラでは、
何故か借金を頼み込むシーンを見ることはありませんでした。
前作『半分、青い。』では主人公が自分の母親の旅行資金をアテにするという離れ業(笑)でしたが・・
事業立上げ時は、技術がどうのとかいう以前に『お金』に苦労するもんです。
資金繰りの苦労を描写したのは『朝が来た』以来じゃないでしょうか?
そういった意味で、このドラマは丁寧に描かれていていいですね。
忠彦さんのモデルとなる人は 日本画家の有元一雄さんで グループ朴土社の創設メンバーだそうです
ネットで調べてみましたが 作品はわかりませんでした 1978年お亡くなりになるまで絵を描き続けられてたそうです ドラマにも日画展とありましたが
毎年 日展に出品されてました
ただ画商との繋がりがなかったため画家としては残念ながらあまり成功はされてないようですね
ドラマでそのあたり 忠彦さんに是非とも何らかの形で報われて欲しいです
萬平さんのやる事や考え方を理解できない鈴さんと、自分の情熱を注げるものの発明に没頭する萬平さんの対立(・・といっても火花バチバチの敵対するような対立ではないと思いますが)は、インスタントラーメンの発明まで、ずっと続いて行く・・と、脚本家の福田さんがインタビューで答えられてました。
ただ単に信頼しあう夫婦が二人三脚、夫唱婦随で歩んでいく物語にはしたくないし、それでは書き続けていけない。
そこに鈴さんというスパイス的な存在があることで物語が面白く展開していくと思うので、萬平さんと福ちゃんと鈴さん3人の物語のつもりで書いています・・とも。
古い時代を描く朝ドラの特徴として、物語の中盤で愛すべき存在のお父さんやお母さんが亡くなる・・という展開が多いですよね。
年明け早々くらいに鈴さんが亡くなって退場してしまったら寂しいなーと思ってたので、インスタントラーメン開発の頃にも鈴さんが存命と書き、個人的にはホッとしました。
福ちゃんも克子さんもすごい!発明家と画家、先行きが全く分からない夫を全面的に信じて支えるって、普通はできません。鈴さんがいろいろ言いますが、それが大多数の反応だと思います。鈴さんがだんだん普通の常識人に見えてきました(笑) でも、だからこそ福ちゃんや克子さんのすごさが際立つんですよね。鈴さんの存在がなかったら、『まんぷく』は少々面白みに欠けたかもしれません。
鉄板を利用する塩作りをいま実際にやっている製塩会社はありますか?
ところで昨年度上期放送のひよっこでは主人公の叔父の宗男さんが出ましたが、これを最後に朝ドラでは主人公の親戚(おじさん、おばさん、いとこなど血縁関係に当たる人)が出てきて、物語のキーパーソンになるという脚色がないですね。もしかすると以前にもこれを言及したかもしれません。
前作の半分、青い。ではなぜか父方の親戚の存在がスルーされたように思います。
いまのところ、上記に当たる福子らの親戚と言う人が出てませんね。
次作のなつぞらではどうなるかな?
久しぶりに面白いですね