製塩設備ついに完成する / まんぷく 第36話

2018年11月10日(土)第6週「お塩を作るんですか!?」

あらすじ

海岸に81枚の鉄板を並べた、塩を大量生産するための設備がついに完成しました。萬平と神部。そして14人の若者たちは、その設備を使って塩づくりを開始。全員が一丸となって、塩づくりに懸命に取り組みました。

しかし、その日、一日かけて汗水流して働いたにもかかわらず、出来上がった塩はあまりにも少なく、若者たちは深く落胆します。塩をこれしかつくることができず、これで商売してゆけるのか。

口々に不満を述べる若者たちに対して、福子は告げました。塩づくりをやりたくないのなら、やめてもらってもかまわない。ここを去り、大阪に戻ってもかまわないと。福子の言葉に対して、大阪を去ると言う若者は一人もいませんでした。

わずかしかできなかった塩はラーメン屋の清香軒に贈られることになりました。店主夫婦は、その塩で久しぶりに納得のゆく味のラーメンをつくることができ涙ながらに感激。福子と萬平、そして若者たちは、人の役に立つ仕事への喜びを噛み締めるのでした。

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予習レビュー

製塩設備が完成しました。塩の大量生産が本格的にはじまります。

しかし、塩を量産する設備と言っても、それほど大それたものではありません。鉄板に木製の足を付けたテーブルのような形のもの。

それが海岸に並べられているだけのもののようです。

しかし、チーム萬平が、心を合わせて、はじめてつくりあげた塩の量はあまりにも少なかった。商売してゆくには、不足でした。

これでは商売などやってゆけない。商売ができなければ、自分たちは食べてゆけない。

若者たちが不満は不安を口にするのはもっともです。しかし、そんな若者たちを福ちゃんがまさかの叱咤激励。

いやなら大阪に帰ってもかまわない!

今週は、萬平さんの塩づくりのために資金調達に奔走するなど、様々な活躍を見せた福ちゃんでした。

そんな週の最後の最後に、福ちゃんは再びその存在感を見せつけます。

感想

価値ある仕事に再創造する物語

戦時中のこと。健康を損なっていたために「お国のために働けない」我が身を嘆いた萬平さんに対して福ちゃんが言いました。

お国のため、世のため人のためになる仕事は、他にもまだある。萬平さんのために、私がそれを見つけ出すと。

ついにその日がきました。

もちろん、塩をつくると思いついたのは萬平さんです。塩不足、海、そして鉄板。これら三つのことがらから塩づくりの着想を得ることができるのは萬平さんだけです。

でも、若者たちが不満を募らせるほどだったその塩つくりという仕事を、人に涙を流させるほどの価値ある仕事に変えたのは福ちゃんです。

そういう意味で、人のためになる仕事を福ちゃんが見つけ出したと言っても差し支えないのではないでしょうか。

話が前後しますが、出来上がった塩があまりにもわずかなことに対して不満を口にする若者たちに対しての、福ちゃんの機転の利かせ方が見事!

塩づくりをやめるなら今のうちという鈴さんの言葉を巧みに使い、若者たちの反発心を上手に反らしながら、やめたければやめてもいいと突き放す、その絶妙さ。

うならされました。

さて、これまで僕は、『まんぷく』とは、天才発明家の仕事を、その妻が支える物語だと思っていました。

でも、これは勘違いだったようです。

天才発明家が創造した仕事を、その妻が価値ある仕事に再創造する物語。これが『まんぷく』かなと思いました。

以上、とても素敵な一週間の締めのエピソード。心から満足しました。

今週の『まんぷく』

今週の物語の時代背景は昭和21年(1946年)5月。終戦から、まだ一年も経っていない頃。戦後の混乱がまだまだ残っているはずの時期です。

しかし、闇市などの暗い描写はわずかしかなく、突き抜けるような明るい浜辺が繰り返し描かれたせいか、戦後の混乱期であることを忘れてしまうような一週間でした。

福ちゃん一家が、はじめて泉大津の浜辺に出たときの場面は忘れられません。

波打ち際で、子供みたいにはしゃぐ福ちゃんと萬平さん。この二人の姿で、前週までの困難な日々の記憶が消えてしまいました。

なので、神部くんが、大阪から大勢の若者を連れ帰ってきた場面では、一気に現実に引き戻されました。

神部くんが連れてきたのは、戦災で住むところも身寄りも失った若者たちばかり。

すっかり忘れかけていましたが、ドラマの中では、まだそんな時代なんですね。そして、大阪に足を運べば、その日を生き抜くのに必死の人々ばかりの時代です。

そんな過酷な現実が、泉大津での夢みたいな日々に、なだれこんできました。

また、空襲こそまぬがれたものの、泉大津の人々の暮らしも決して楽ではありません。

塩がない。塩がないから美味しいラーメンをつくることができない。美味しいラーメンをつくれなければ、お客さんの足は遠のきかねない。

ラーメン屋さんにとっては深刻な事態です。

空襲で焼け野原と化し、闇市などで混沌としている大阪市内とは異なり、泉大津には平和な空気が流れています。

街並みも美しい。

ハナちゃんが嫁いだ家は、戦前も戦中もそして今も、おだやかな暮らしをしているらしい。

そして、ラーメン屋さんの清香軒のお店も、戦前や戦中と変わりはなさそう。そんないつもと変わらぬ日常なのに「塩」がない。

人々の暮らしにとっても、飲食店の営業にとっても、なくてはならない「塩」がない。

このギャップが、戦後の混乱期のリアルを、やけに生々しく表しているなと思います。やっぱり、時代は、まだまだ平和を取り戻してはいません。

福ちゃんと萬平さんだけを見ていると、見るからに平和ですが。

いつになったら平和は戻るのでしょうか。でも、平和が取り戻せた頃には、今度は福ちゃんと萬平さんの波乱の日々がはじまっているのかもしれませんね。

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コメント

  1. tonko より:

    今週は、“土下座”が私の中のキーワードでした
    鈴さんが「土下座は嫌!!」
    と、武士の娘としての“プライド”として拒否していたのに対し
    福ちゃんは親友のご主人に借金を頼む為に土下座
    一見すると、鈴さんはプライドが高く
    福ちゃんにはプライドが無いと思いがち(見えがち?)
    でも実際は、“主人は必ず成功しますというプライド”
    なんだと感じました
    どなたかの言葉で
    「プライドは持つものではなく捨てるもの」
    というのがありましたが
    プライドを捨てる、というのは難しいことですよね

  2. Amo より:

    一生懸命に作った塩 だけれども 費やした労力からすればガックリするくらい量的に少ない
    先行きが不安になるのもわかりますね
    だけれども ここで福子さんの経営マネージメントが光ります 使用人の物作りの 覚悟 を問うんですね
    とても感銘を受けた場面でした
    最初の出来上がった塩を ラーメン店に届け 御礼に
    清香軒のホンマモンのラーメンを店主からご馳走になり・・・働いた労力と喜んで頂けた分 労力の対価として人様の喜びの笑顔は何にも代え難いものだなと感じました
    来週も更に楽しみですね
    ちなみに清香軒は成功軒⁉︎ 先ずは良かったですね