本放送:2018年11月27日(火)
再放送:2023年11月28日(火)
第9週「違うわ、萬平さん」
あらすじ
萬平が栄養食品ダネイホンの開発に没頭すればするほど、立花塩業の塩づくりを担う社員たちは不満を募らせていました。ダネイホンに夢中になるあまり萬平は、塩づくりに関心を払わなくなることが、塩づくりの働き手たちには不満だったのです。
不満を募らせていたのは社員たちだけではありません。福子も、ダネイホンに没頭し、息子の源が熱を出しても見向きもしない萬平に対して不満を募らせていたのです。しかし萬平は、福子の言葉に耳を貸そうとはしませんでした。
その頃、萬平は焦っていました。ダネイホンの開発が思うように進んでいなかったのです。試作品を作っても、社員たちはその味が不味いと言い、世良からは栄養食品など売れるわけがないと文句を言われていました。
そんな中、一部の社員が倉庫の中で手榴弾を見つけました。彼らは、その手榴弾を海中で爆発させて魚を獲ることを思いつきました。しかし、そのことが、のちに大きな騒動につながることなど、誰も想像などできないのでした。
予習レビュー
かつて、家族の心配をよそに絵を描くことに没頭する忠彦さんが過労で倒れてしまい、克子さんとタカちゃんが涙を流すという場面が描かれました。
その時の状況を解決したのは福ちゃんでしたが、今度は福ちゃん自身が、その頃の克子さんやタカちゃんのような状況に置かれてしまいます。
しかも、かつての香田家の状況よりも複雑です。
香田家は家族の中だけの問題でした。しかし、今回描かれる状況は、家族だけでなく立花塩業の社員たちをも巻き込んでしまっているからです。
それに加えて、立花塩業の社員たちの間では、タカちゃんをめぐっての争いも勃発。
神部くんとタカちゃんの恋バナはすんなりはじまるものとばかり思っていましたが、その前にひと騒動があるようです。
話を戻します。
香田家の一件は、忠彦さんの暴走に対して克子さんとタカちゃんが不安になるというものでした。
しかし、福ちゃんと萬平さんは、正面から激しく衝突。この一点でも、香田家よりも事態は複雑です。
感想
夫婦喧嘩に大喜びする鈴
福ちゃんと萬平さんがここまで激しく対立するのは、ドラマの中ではこれがはじめてのことではないでしょうか。
否。激しいか、激しくないかにかかわらず、福ちゃんと萬平さんの対立そのものがはじめてのことかもしれません。
だから観ていてつらかった。
しかし、福ちゃんと萬平さんが対立したとき、福ちゃんが源ちゃんの発熱で焦っていた。萬平さんはダネイホンの開発がうまくゆかず焦っていた。
それぞれの焦りが二人の対立をより激しいものにしていました。
萬平さんと心が通じ合わず、福ちゃんが流す涙に胸が痛みました。二人の口論で目を覚ましてしまった源ちゃんの泣き声が、切なさを増幅させていました。
しかし。
鈴さんはやっぱり最強です。福ちゃんと萬平さんの夫婦ゲンカのことを、タカちゃんから聞かされた時の鈴さんの反応は、みじんも想像できないものでした。
福ちゃんと萬平さんの夫婦ゲンカを、心の底から喜ぶとは!
しかも夫婦ゲンカを喜ぶ鈴さんの動機がまたすごい。
やっと夫に言い返すことができた福ちゃんの勇気を喜ぶのではなく、萬平さんのことを否定しつづけてきた自分の考えはやっぱり正しかったと喜ぶ。
福っちゃんの涙や社員たちの不満、そして萬平さんの焦る様子によって、一歩間違えると重く苦しい展開になるところだった今回。
鈴さんの一撃で救われました(笑)
コメントへの返信 by 朝蔵
萬平さんも、ちょっと「Dr. Strangelove 」に近いかな(ちーぼーさん)
はい、大好きなんです。「Dr. Strangelove 」。
萬平さん、何かに夢中になると、「Dr. Strangelove 」になりますね。普段は、穏やかな好青年なんですが。
『お、福子うまいこと言うな!』(ともあきさん)
「栄養食品を開発している者が栄養失調」と、福ちゃんが真剣に言っているにもかかわらず、その言葉が笑いのネタだと認識していた萬平さん。
僕も吹きました。さすが関西人。関東生まれで関東育ちの僕には、あの反応の仕方はできません。
開発する栄養食品の動物性たんぱく質の原料(ぱぽりんさん)
動物性たんぱく質をとるための素材。ここまで深く考えていませんでした。
ドラマの中のカエルが話を面白おかしくするためのネタとしても、リアル萬平さんが、漁業を営みながら魚を使わなかったのは、たしかに謎ですね。
自分が夢中になっている事に関して暴走する萬平さんの片鱗(ひるたまさん)
とりわけ栄養食品の構想を語ったときの萬平さんは、完全な演説になってましたね。
そして、その演説に対して反応を示したのが福ちゃんだけ。社員さんたちの反応がちょっとばかりにぶいのが、萬平さんには気の毒でした。
福ちゃんだけでも反応してくれたことを良しと考えるべきなのかもしれませんが。