本放送:2018年12月17日(月)
再放送:2023年12月18日(月)
第12週「絶対何とかなるから!」
あらすじ
萬平が、脱税の容疑で進駐軍に逮捕されました。しかも萬平は、実刑判決を受け、4年間の重労働と、7万円という巨額の罰金刑を課せられてしまいました。福子は早速、妊娠4ヶ月の身重の身体ながら、東京支社に出向きました。
福子が上京したとき、世良はすでに東京から逃げ出していました。神部たちは世良の逃亡を責め立てるものの、福子は安堵していました。これ以上、世良を自分たちの騒動に巻き込むわけにはゆかない。福子は、そう考えていたのです。
福子は、萬平が収容されている刑務所にも足を運びました。そして、お金の工面の方法を相談するものの、7万円という金額はあまりにも大きいものでした。資金を調達するメドはまったく立たず、萬平は、会社を売却する決意を固めはじめていました。
そんな中、萬平の依頼で、実力のある弁護士を探し求めていた福子は、近所の食堂である人物を紹介されました。福子は真一とともに、その弁護士事務所に足を運ぶものの、福子たちの前に姿をあらわした東という名の弁護士は、見るからに頼りない若者でした。
予習レビュー
萬平さんが、またしても逮捕されました。戦時中の物質横流しの冤罪による逮捕。戦後の、手榴弾騒動に端を発したクーデター計画容疑による逮捕。
そして今度は脱税です。
この脱税による逮捕は史実のエピソードがもとになっています。脱税と言っても、意図的に税金を納めなかったり、脱税スレスレの節税をした、などというわけではありません。
たちばな栄養食品の東京進出の折に、戦争で学校に通えなかった若者たちを東京に派遣し、夜学に通わせるというはからいを福ちゃんがしました。
夜学に通わせるということは、若者たちの学費は会社負担です。
当時の夜学の学費がいくらくらいなのか定かではありませんが、仮に年間で1万円かかったとしましょうか。
会社が夜学に払った1万円。この1万円は、夜学に通う若者のための費用なのだから、若者に直接支給している給与に1万円を加算せよ。
そして、夜学の学費1万円が加算された分まで、若者から所得税を徴収すべし。しかし、たちばな栄養食品は、1万円加算分の税金の徴収を怠った。
だから脱税。
こんな理屈のようです。
さて、ちょっとネタバレとなりますが、このあまりにも無理のある理屈は最終的には成り立たなくなるそうです。
当初、発表されていた今週のサブタイトルは「あの頃には戻れない」というネガティブなmのでしたが、ポジティブな表現の「絶対何とかなるから!」に変更。
何とかなる結末は期待できそうです。
感想
世良さんの逃げ足が早い!
さすが、世良さんです。逃げ足が早い!
しかも逃亡するためのいい理由を見つけたものですね。怒りに任せて金庫を蹴っ飛ばしたことを、ネタにしてしまうとは。
世良さんの怪我に関しては、神部くんが真っ先に疑ってかかってましたが、僕もそれだけのことで足の骨にヒビが入るものなのかなって、疑問でした。
というのも、かつて同僚で、立腹するとどこかを蹴っ飛ばすクセのある人がいましたが、その人が怪我をしたことは、僕が記憶する限り一度もありません。
それはともかく、うまいこと言い訳を見つけて、怪我をした演技をしてまで逃亡をはかる世良さん。空気を読む能力、危機を察知する能力の高さが素晴らしい。
この鋭い嗅覚が、将来どこかで、世良さん自身のためではなく、人のために役立つ時がきますように。
そう願わずにはいられない、世良さんの逃亡劇でした。
追伸:負傷したことを偽装するためにわざわざ準備した杖を、ばあちゃんに上げてしまう時の、ばあちゃんに投げかけた言葉に、世良さんの優しさが込められてました。
事態の深刻度
面会にやってきた福ちゃんに対して告げた、萬平さんの言葉が事態の深刻度を物語っていました。
罰金を支払うための資金を調達するために東京の会社を売らなければならない。もしかすると泉大津の会社すらも売らなければならない。
これは厳しい!
少なくとも手榴弾騒動の際は、萬平さんが逮捕されても、かろうじて会社はまわっていました。
しかし、今回は会社すらもが存続の危機に立たされているわけです。
さらに、会社を失った後の再起も難しい。会社もお金も残らない。最悪の場合、そんな事態になりかねないわけですから。
今回の中では、今の事態がどれほど深刻なのかということについて、それほど深く触れられなかったような気がします。
しかし、萬平さんがさりげなく口にした、うっかりすると聞き逃しかねない言葉の重さが、心にズシリときました。
コメントへの返信 by 朝蔵
「浮島時計店」の看板がありました(実穂さん)
お知らせありがとうございます。『マッサン』に登場した、鴨居商店の「太陽ワイン」のポスターも登場したとのコメントも寄せられています。
朝ドラの過去作で制作した小道具の数々を、しっかりとリサイクルしてるんですね。今後、僕もしっかりと観察しようと思います。
鈴さんが反対することは、なんだかんだ成功する(笑)(tonkoさん)
鈴さんが反対することは成功する。たしかに、これまでのところ、すべて、このパターンが繰り返されてますね。
いつか、この正反対のパターンも描かれるのでしょうか。珍しく鈴さんが賛成し、その後も順風満帆。しかし・・・みたいない展開が。
鈴さんが賛成にまわったとき、その時こそ憂鬱な展開になりそうです。
土曜日逮捕、翌週ほぼ丸々牢獄シーンが三回目(うみがめさん)
2回目の投獄は、進駐軍の面々についても、この人たちもそれぞれが人生を背負ってるんだな、という描写も救いでした。
痛みを感じる人なのだから、投獄されている萬平さんに対して、あまりにもむごいことはしないだろうという、そんな安心感がありました。
3回目の投獄も、そんな救いがありますように。
うみがめ様がコメントで触れられていた『おていちゃん』確か、沢村貞子さんの自伝(エッセイ等)が基になっている作品だったように記憶しています。…といっても、いかんせんあまりにも昔過ぎる(確認した所、放送されたのは1978(昭和53)年)事もあって記憶に殆ど残っていません(でも確かに、主人公が牢獄に収監されていた場面はおぼろげながら記憶に残っています)。大人になった今見返したらどんなに興味深く見られる事だろうと思うのですが…残念ながら肝心の制作元:NHKに殆ど映像が残っていない&現在も一生懸命探している最中との事。
思えば、大昔はビデオテープがあまりにも高価過ぎた事もあって何遍も繰り返して使った⇒故に当時の録画が殆ど残っていない、というのはあまりにも有名な話ですね。(黒柳徹子さんがエッセイその他で明かされていたような?)
貴重な作品がきちんとアーカイブに入って見る事が出来るのは本当に幸せな事なのだな~と思わずにいられません。
福ちゃんが東京に到着した日はあいにくの雨模様…案の定、朝ドラでの‘お約束’ね~と思いながらこの場面を見ていました。奥様に傘を差しかける堺さんを含めて、塩軍団は本当に心優しい男達ですね。(^^)
「萬平さん、よく捕まるな…」ネットのTL上での書き込みでもかなり多数見かけます(^^;)。史実は2度だったようですが、劇中ではさらに1回多い3回…2度目(手榴弾騒動)はどうやら創作のようで…おそらく、雑居房に閉じ込められた複数の男達の場面を‘絵的に’映し出す&彼等のぶつかり合いを描くために挿入されたのかな?と個人的には感じています。賛否は置いておいて(実際に賛否両論分かれるかとは思われますが)、全員一緒という事もあって何故か安心感を覚えながらその時は見ていました…それでも釈放された時には本当に心の底からホッとしましたが。
実際問題、福ちゃんのモデルとなった安藤仁子(まさこ)さんは幼子2人を連れて夜行列車で数十時間もかけて大阪⇒東京へ行き、拘置所(巣鴨プリズン)で夫の百福さんと面会出来た時間は1時間にも満たなかったとか。当時の安藤夫妻の心中や如何に…?
たまたま社長が東京にきていたので逮捕されましたが、前の日だったらどうだったのでしょう。販売会社の現地責任者であろう真一さんが逮捕されたか、あるいは萬平さんが大阪から呼び出された?
そもそも真一さんや奨学金をもらっていた社員も事情聴取ぐらいはされるはずと思いますが、たぶん放送では端折られたと思うことにします。
追伸
菅田将暉は強気でしっかりしているイメージがあったので。
世良は「仮病」を使ってヤバいことから逃げましたね。笑い
仮病といえば、鈴の腹痛がありましたね。
先日せっかく世良を褒めていたのに。
ラーメン屋の娘さんが紹介してくれたのは、なんか頼り無い弁護士。東大一で東太一。演じている俳優菅田将暉とは、なんか違う性格。不安が頭をよぎりますが。でもやるときはやってくれるんでしょうね。
東大主席だから東太一なんですね
またまた世良さんの ヤバくなったら ほな あとはヨロシクさいなら〜回 笑えました
嗅覚が敏感なのか 要領が良いのか 俗に言う アホかかしこ か わからんタイプ
邪魔になった杖を向かいの婆ちゃんに渡すのは
情けは人の為ならず のとおり 人に良い事をしておけば やがて自分に返って来る という本来の意味ではなく 見た目善人にみえて実は自分が得をする といった なかなかソロバン勘定の上手い所があります
世良さん やり手ですね
他の方も書いておられましたが、土曜日逮捕、翌週ほぼ丸々牢獄シーンが三回目で辛いです!
前回の進駐軍の取り調べは世良さんや牧 善之助先生たちがはじけてくれたので笑いもありましたが、今回は救いがなさそうな予感・・・。朝ドラでこんなに牢獄シーンが多いのは、私の記憶では『おていちゃん』以来かも(古いですね)。