まんぷく

ダネイホンの権利を売却 / まんぷく 第72話

本放送:2018年12月22日(土)
再放送:2023年12月23日(土)
第12週「絶対何とかなるから!」

あらすじ

福子と弁護士の東は、たちばな栄養食品に残る二つの大きな資産、ダネイホンの商標と製造方法を売却する行動を開始。三田村の紹介により、北浜食品という会社がたちばな栄養食品を12万円で買い取ることが決まりました。

同じ頃、東京税務局では、たちばな栄養食品が一週間経っても追徴課税の10万円を納めていないことが問題となっていました。たちばな栄養食品が、追徴課税を納めるつもりがないことを察した税務局は、差し押さえの準備に入ります。

たちばな栄養食品が売却され、会社を解散することが決まりました。たちばな栄養食品がなくなることで職を失う従業員たちには、再就職が紹介されました。そして、福子と従業員たちは、涙ながらに別れを告げました。

その二日後、国税局がたちばな栄養食品に乗り込んできました。しかし、その時、差し押さえるものは何一つ残っていませんでした。国税局の応対をした東は、会社を解散した旨を告げ、売却資金の在り処については黙秘を決め込むのでした。

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予習レビュー

今週になって、萬平さんの会社は、脱税によって7万円の罰金刑を課せられた上に、財務局から追徴課税まで課税されてしまいました。

7万円ですら大金です。その罰金を支払うために、東京支社とダネイホンの販売権を手放す羽目になったほどです。

それに加えて追徴課税の金額は10万円。

東京支社とダネイホンの販売権をすでに手放している萬平さんが、追徴課税の納入に当てることが出来る資産は、もはやダネイホンそのものしかありません。

会社の社屋や、自宅の土地と建物は借家のはず。だから、差し押さえ対象にはなりません。

売れるものとして残っているのはダネイホン。

ただし、製品としてのダネイホンではなく、ダネイホンそのものです。より詳しく言うと商標とレシピです。

ダネイホンそのものを売却してしまえば、すべてを失うようにも見えますが、会社を解散してしまえば、財務局も差し押さえの対象を失います。

差し押さえられなければ、ダネイホンそのものを売却して得た資金は、萬平さんの手元に残るというのが、東先生の算段です。

ダネイホンを無事に売り抜けるのが先か。財務局の差し押さえが先が。ギリギリの戦いが、今回のドラマの中で描かれます。

感想

『リンゴの唄』

ついに塩軍団が離れ離れになる日を迎えてしまいました。

どうしても心が一つにならなかった塩軍団が、少しだけ同じ方向を向き始めることができた最初の小さなきっかけは、福ちゃんが歌った英語の『リンゴの唄』でした。

でも、あのときの福ちゃんは、みんなの気持ちをくみ切ってはいませんでした。

英語でなく日本語で歌ってくれれば、一緒に歌えたのに。それが、あのときの塩軍団の感想だったと記憶しています。

なかなか心が一つにならない塩軍団が、微妙にズレを生じさせながらも、一つの方向に向かう小さなきっかけとなった『リンゴの唄』。

その『リンゴの唄』が、今回もドラマの中で使われました。

今回の『リンゴの唄』。みんな心が一つになってました。息もピッタリと合ってました。

でも、心が一つになったのは、別れの悲しみに対して心が一つにまとまったという皮肉。心が一つになった頂点は、お別れの瞬間。

切なく悲しい『リンゴの唄』でした。

『ひよっこ』の、向島電機の倒産、工場の最後の日にならぶ悲しいお別れ場面でした。

また、どこかで塩軍団と再開できますように。

「黙秘します」

弁護士の東先生がたのもしい!

初登場のとき、いかにもたよりなげで自信もなさそうな東先生の姿を見て、福ちゃんや真一さんと同様に、一視聴者のブログ主も不安になったものでした。

いくらドラマの中とはいえ、このたよりなさはあり得ない。東京帝大を首席で卒業したからといっても、それが安心感を担保してくれるわけではない。

心配で心配でしかたなかった東先生。

転機となったのは、東京支社を手放すことに対して異を唱える萬平さんに対して、激しく反論したときでしょうか。

妹さんがダネイホンに救われたこと。そのダネイホンを待っている人は世の中に大勢いること。だから、ダネイホンが失われるわけにはゆかないこと。

萬平さんに切々と訴える、東先生の熱弁姿はまぶしかった。

そして今回。

税務局の先手を打った上で、会社売却資金の行方を尋ねられても、きっぱりと「黙秘します!」と言い切る東先生の凛々しい姿にしびれました。

新しいヒーローが誕生した瞬間でした。

コメントへの返信 by 朝蔵

彼は損得が絡まない限りは善人(ぱちぱちさん)
世の中の大部分の普通の人は、ある程度の損得勘定と、善人の顔の両方を持ち合わせているので、世良さんはリアルな普通人なのかもしれません。

でもあんまり良いばかりの人にはなって欲しくはないなー(ちーぼーさん)
世良さんに関しては、一攫千金のチャンスを目の前にしたとき。自分が大損するかもしれないというピンチにおちいったとき。

この二つの場面に遭遇すると、とたんに「いつもの顔」が出てきます(笑)これら二つの場面がなくならない限り、世良さんのもう一つの魅力のずる賢さも健在かなって思います。

菅田将暉さんの熱演 とっても説得力がありました(Amoさん)
はじめて登場したときの、いかにも頼りなげな姿にはじまり、いつの間にか、頼れるやり手の弁護士にしか見えない・・・

この演じ分けが素晴らしいです。本当に上手な役者さんですね。

国へ→口へ(あさるとさん)
ありがとうございます!早速、訂正させていただきました。

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POSTED COMMENT

  1. tonko より:

    私は世良さんを信じきれていません(笑)
    都合が悪くなると逃げる…内容が軽い事なら
    「また、世良さんは…(^^;;」で済みますが
    この状況で?怒りすら湧いてきます(個人的ですいません)

    それにしても今回の朝ドラほど、辛い展開が続く作品は初めてのような気がします
    少なくとも私が観てきた作品にはありませんでした…
    気が抜ける所がありません…それを無理に作ろうとして、
    タカちゃんいじりがひどくなってるのではないかなぁと…

    正直…このまま観続けるのは精神的に辛いので
    残り3ヶ月溜めることにしました
    暫く訪問することが無いと思いますが
    お身体に気をつけて、良いお年をお迎えください

  2. ひるたま より:

    ‘その時’=塩軍団の解散の時が来る事はこちらで予習していて分かっていた事ではあるのですが…やはり、私も寂しいです。最初にいきなり14人登場した時には「役名と俳優さんの顔と名前が一致するのかなぁ?」と感じたものですが、しっかりと覚える事が出来た私…すごい!?(主題歌の歌詞ではないのですが^^)
    ところで、大阪放送局ブログに全員揃った写真が掲載されています。その写真をよ~く見ると、花束を持っている方と持っていない方がいらっしゃるのが確認出来ました。花束を持っていない方はこの先も登場場面が用意されているのかな?と密やかに期待を抱いちゃっています。というものの、14人全員が揃うのはおそらくこの回が最後でしょう。個人的には同窓会的な場面を設定して全員を再会させてあげたい(視聴者的にも見たい^^)と切に願いますが。

    ところで…ヒロインが出産する子供が2人以上になるのは結構久しぶりなのでは?と思いながら見ています。『べっぴんさん』『わろてんか』『半分、青い。』でも皆一人っ子でしたので(『半分…』は現代ものなのである程度納得出来るのですが)。そして成長した源くん&生まれて来る子供を一体どの俳優さんが演じるのかも楽しみですね。(少なくとも『べっぴんさん』の正太くんのように‘強制退場’させられる事はあり得ないと思われるので)

  3. もりちゃん より:

    いよいよ面白くなってきました。
    あと、チクッタ犯人の吠え面が見たい。

  4. noko より:

    困難な環境のなか、毎日レビューと感想を発信してくださる朝蔵さんと、ご支援してくださっている方々、ありがとうございます。朝蔵さんの深い掘り下げとコメントを書かれているみなさんのおかげで朝ドラを何倍も楽しませていただいています。
    塩作りの辛い作業に負けないように『リンゴの唄』を歌っていたとき、この歌の2番の歌詞はどうだったかと調べてみました。そうしたら、今まで3番だと思っていた歌詞「歌いましょうか リンゴの唄を」は4番で、今まで聞いたことがなかった歌詞が3番にありました。

     朝のあいさつ 夕べの別れ
     いとしいリンゴにささやけば
     言葉は出さずに 小くびをまげて
     あすもまたねと夢見顔
     リンゴ可愛や 可愛やリンゴ

    並木路子さんがレコーディングのときに何度も泣き崩れて歌えなくなったのは、きっとこの歌詞だ、と思いました。並木さんは東京大空襲でおかあさんを亡くしていたのです。

    「あすもまたね」と言えない別れ。今日の別れの場面は辛かったです。
    離れ離れになった社員たちですが、いつかまた会える日が来ることを切に望んでいます。

  5. 夜は去った より:

    ご無沙汰してます。東先生のモデルと思われる法学者・黒田覚先生は出身は京都帝国大学なんですね。専門はドイツ法とか。京都大学助教授、神奈川大学教授、同大学々長まで勤めた方だそうで。やはりドラマ同様正義感に満ちた法律家だったんですかね。

  6. 瑞樹 より:

    解散の回想シーン、一緒に歌いながら涙が流れました。『ひよっこ』の乙女ちゃん達ほどではないけど、会社の若者達にも愛着沸いてたんだな、と驚きです。神戸くん以外は、もうあまり出番ないのかも知れないけど、それぞれ次の場所でしっかりやっていって欲しいな。

  7. うみがめ より:

    史実とはいえ、今週は辛い展開ばかりでした。来週もハードな内容になりそうですね。視聴していてしんどいのですが、「大器晩成」という言葉が2度でてきました。この言葉を支えに見続けようと思います。

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