本放送:2019年1月15日(火)
再放送:2024年1月16日(火)
第16週「あとは登るだけです」
あらすじ
梅田銀行から追加融資を受けられることになり、織田島製作所は万能調理器を量産する工場を借りることになりました。萬平と意気投合した喜多村も、織田島製作所が発展への一歩を踏み出したことを喜んでいました。
その頃、忠彦は女性モデルを雇い、アトリエで女性モデルとこもりきりになっていました。そのことを思い詰める克子のことを案じたタカは福子に相談。福子と鈴は香田家に足を運び、女性モデルをヌードにして背中を描いていた忠彦のことを責め立てます。
一方、萬平と真一は、久しぶりに穏やに談笑する心のゆとりを取り戻していました。数々の困難を乗り越え、織田島製作所もようやく量産体制をつくりあげ、梅田銀行との信頼関係も盤石なものになりつつあったからです。
そんな中、梅田銀行の喜多村が池田信用組合にやって来ました。喜多村は人事異動があったことを知らせにきたのです。喜多村の後任の矢野は、梅田銀行の方針が変わったことを萬平たちに告げ、これまで貸し出した融資を回収すると宣言するのでした。
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予習レビュー
今週は、追加融資が打ち切られそうになる織田島製作所や、織田島製作所に入れ込む萬平さんの危機が描かれる週です。
その一方で、克子さんの試練も描かれるようです。
克子さんの試練とは忠彦さんの行動です。忠彦さん、女性モデルを雇いはじめました。そしてアトリエで女性モデルと長時間にわたって二人きりに。
克子さんはそのことが気になって仕方ありません。
しかも、忠彦さんは、その女性モデルをアトリエの中でヌードにしていたことまで判明。次回あたり、克子さんのストレスが爆発するようです。
そして今週の本題である織田島製作所の風向きが今回あたりから怪しくなってきました。
梅田銀行の融資課長・喜多村さんが、池田信用組合を来訪。
以下、ネタバレが含まれます。
喜多村さんの来訪目的は、人事異動のお知らせ。池田信用組合への融資を担当する行員が変わってしまいます。
萬平さんの気持ちを共有してくれた喜多村さんが異動。後任の方は萬平さんの良き理解者として働いてくれるのでしょうか。
感想
銀行の仕事の醍醐味
萬平さんと喜多村さんが意気投合し祝杯をあげる場面が、前回のドラマの最後の場面、今回のアバンタイトルに引き続き、今回のドラマの冒頭でも再び描かれました。
これでもかというくらいに繰り返し描かれる萬平さんと喜多村さんの意気投合した姿。
中年のおじさんが、酔った勢いとはいえハグまでするなんて。そんな熱い場面はきっと、その後の悪い展開のフラグに違いないと思っていたら・・・
酔った勢いも手伝って、喜多村さんが銀行員という職業の誇りを熱く語った言葉が忘れられません。
「銀行の仕事の醍醐味とは、頑張ってる会社を大きく育ててあげること」
この喜多村さんの情熱が、大人のリアルによって踏みにじられる展開がはじまりました。
人事異動を、涙目になりながら「忸怩たる思い」と語った喜多村さんの気持ちを思うと、胸が張り裂けそうでした。
喜多村さんの人事異動は、事実上の更迭だというコメントを当ブログにちょうだいしましたが、喜多村さんの「忸怩たる思い」という言葉が、更迭に近いものがあることを暗示していたと思います。
喜多村さん、人事異動によって銀行の仕事の醍醐味を奪われたばかりか、しばらく閑職においやられ不遇をかこつことになるかもしれませんね。
喜多村さん、いつか復活する姿を見ることができますように。
後任の矢野さん
さて、銀行がからんだ、大人のリアルによって夢が踏みにじられる展開で思い出すのは、『陸王』や『下町ロケット』などで知られる池井戸潤さん原作小説によるビジネスドラマの数々です。
喜多村さんタイプの銀行員が異動で飛ばされ、後任には、銀行の利益だけを守り抜くクールな行員がやってくるというのは、池井戸ドラマの定番の展開です。
しかし、いつも思ってました。
特にTBSで放送される池井戸ドラマの「後任の行員」は例外なく若い。銀行に翻弄される中小企業の社長たちよりずっと若い。
だから、若い銀行員に言い負かされる社長たちに違和感を感じないでもなかった。
リアルでは、若い銀行員に年配の社長が言い負かされるのは日常茶飯事なのかもしれませんが、それでも若い銀行員と、それに歯が立たない年配の社長の図。違和感がありました。
しかし、今回の『まんぷく』で登場した「後任の行員」は見るからに海千山千の、扱いが難しそうな人です。
萬平さんや真一さんよりも明らかに年長。しかも経験も豊富なオーラが全身から出ている。萬平さんも真一さんも、とても歯が立つ相手ではなさそう。
萬平さんや真一さんには気の毒ですが、強面でカミソリみたいな銀行員の矢野さんが後任となったことで、俄然おもしろくなってきました。
コメントへの返信 by 朝蔵
池田信用組合に融資を決めたことによる事実上の更迭(アーモンドさん)
梅田銀行の方針は変わった。これまでのように安易に融資することはない。喜多村さんの人事異動は、池田信用組合に対する露骨すぎるメッセージですね。
萬平さんと真一さんの心理的距離がまだ少し遠い事を表す象徴がおでん(ひるたまさん)
真一さんだけが「ラーメンを一緒に食べた仲」でないというところ、まったく気がつきませんでした。さすがの観察眼です。
『まんぷく』の中でラーメンといえば、福ちゃんと萬平さんの関係にばかりフォーカスしていましたが、萬平さんと他の男性の関係も表現しているかもですね。
克子さん&タカちゃん母娘が持っていた百貨店の袋に「Daikyu」(ひるたまさん)
BK作品はいつも、BKの過去作品へのオマージュが満載ですね。
ところで『マッサン』で使われていた鴨居の大将の社長室が『あさが来た』でも大阪商工会の五代さまの部屋でリサイクルされてました。『わろてんか』でも使われていたような。
『まんぷく』では、セットそのもののリサイクルはまだないみたいですね。気づいてないだけかな?
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あと東京税務局の差し押さえもありましたね。
萬平、福子は、土足で家に上がられてばかり。
事の発端は神部の泥棒、憲兵のガサ入れ、GHQの脱税の差し押さえ、そして梅田銀行に命じられた真一による差し押さえ。
何回も財産を奪われ、会社や家を無くしても、また立ち直るの繰り返しですね。
しかし、真一の裏切りとも受け取れる梅田銀行の差し押さえには、ショックでした。
今週分は全般的に話の内容が重い&えぐい展開になるであろう事は大方察しがつくのですが…香田家の騒動に関してはコメディ(コント)仕立て(?^^;)になっている分、本当に匙加減が絶妙だな~と思いながら見ています。(賛否両論あるかもしれませんが)
公私混同している萬平さんに対し、仕事とプライベートをきっちり分けて考えている忠彦さん。
その忠彦さんでも、「女性のプロモデルが来る事で家族(特に女性陣)がどのような気持ちになるか」までは想像が及ばなかったようで…やはり、彼にも‘何か’が欠けていた訳ですね。(^^;)
それでも家族に対して疚しい事は何もしていない忠彦さんだからこそ「怒るぞ!」と堂々と言えたのでしょうね。温和な忠彦さんが本気で怒った所も見てみたいような…でもやっぱり怖そうです。(;^_^A
普段は温和&滅多に怒鳴り声を上げない人が本気で怒る姿は…本当に怖いですからね。
なお余談ながら…美術関係のモデル業は意外と体力(&筋力)使うお仕事のようですね。(前作『半分、青い。』でも律くんと‘マーくん’正人くんが秋風塾でモデルを務めた回がありましたね…バイト代+食事付きだったような?)
それにしても…「私も!」「そしたら、私が!」「お母さん、歳考えて!」ダネイホンの宣伝の時と同じくやる気満々の鈴さんには今日も大笑いさせてもらいました…鈴さん最高です(^0^;)! ダネイホンの時には周囲は完全にスルー、今日は娘:福ちゃんにたしなめられていたという違いはありましたが。(鈴さんは実際に家出騒動の時に一度肖像画のモデルになりましたね^^)
画家の忠彦の若いモデル、浮気を心配する家族一族たち。家族一族に女性がいるのになぜ彼女達をモデルにしないのか。
喜多村の人事異動は、会社の方針に反して、池田信用組合に融資を決めたことによる事実上の更迭のような気がしてなりません。