本放送:2019年2月5日(火)
再放送:2024年2月6日(火)
第19週「10歩も20歩も前進です!」
あらすじ
生地にスープを練り込んだ麺、というアイデアを萬平は断念。新しい方法を模索する萬平が、麺を茹でてからスープで味をつけ、そこにお湯を注いだところ、これまで実験した中でもっとも美味しいラーメンが出来上がりました。
福子も驚くほど美味しくできたこの麺を、常温保存をできるようする方法が、萬平の次なる課題です。福子は、塩漬けによって食べ物が腐らなくなると提案。早速、萬平は麺の塩漬けを試みるものの、出来上がったラーメンは塩辛く、失敗に終わります。
同じ頃、香田家では、克子と忠彦が、新しく雇い入れた女性モデル・秀子に振り回されていました。絵画の既成概念を壊せと忠彦に迫る秀子は忠彦の前で踊りはじめ、そんな秀子の振る舞いに克子だけでなく忠彦すらもが動揺していたのです。
一方、家の中の空気に居心地の悪さを感じる神部は、仕事帰りにパーラー白薔薇で、岡と森本とともに時間をつぶしていました。ちょうどそのとき、吉乃が来店。岡と森本は、はじめて会う吉乃に、一目惚れしてしまうのでした。
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予習レビュー
萬平さんが大きなハードルを一つ、ようやく超えることができました。
101話から104話まで、放送回にして4回をかけた、即席ラーメンのための麺づくり。お湯を注ぐだけで美味しいラーメンを簡単につくれる麺のつくり方を萬平さんは発見。
この方法を発見するまで、萬平さんは、麺の生地にスープを練り込むというやり方にこだわり続けていました。
このやり方・考え方で、麺づくりの試行錯誤を繰り返すものの、ついに答えは見出せず。
そして、こだわり続けていた麺の生地にスープを練り込むという方法を手放した途端に、決め手となるような方法を発見する。
ものごとを発見する人の多くは、こうしたプロセスを踏むようですね。
一つの方法で行き詰まるまで実験を繰り返し、これ以上、何をやっても無理、というところまでたどり着いて、はじめて突破口が開ける。
発明発見に限らず、大切な考え方かもしれません。
ここ数回にわたる、一つの大きなハードルを超えるまでの一連の萬平さんの行動から、しっかり学びたいと思います。
感想
画家を成長させるモデル
モデルの秀子さんの言葉や行動に、今回も引き込まれました。この女性、本当に面白い!
戦争で色覚を失った。それを機に画風を変えた。すると、皮肉にもそれから絵画が売れはじめた。
忠彦さんの述懐に即座に反応した秀子さんの言葉が深い。
「素晴らしいわ、悲劇の中から美しい芸術が生まれるなんて」
秀子さん。単なるモデルではないですね。美術を評価できるモデル。画家を成長させる力を秘めたモデルです。
忠彦さんが、秀子さんのことをいたく気に入っているのも、秀子さんに単なるモデルでは終わらない才能に勘づいているからなのでしょうか。
悲劇の中から美しい芸術が生まれたという言葉に続いて、秀子さんが口にした言葉がまた素敵です。画家を成長させる力を持った言葉です。
「だったらもっと冒険しないと」
確立された自分の画風の中に安住するな。リスクをおかしてもで、居心地の良い画風の中から飛び出してみろ。
秀子さんの挑発的とも言える言葉はさらに飛躍。忠彦さんが築きあげた画風の外に出るだけでなく、もっとその先を目指せと秀子さん。
「絵そのものの概念をぶち壊せ」
「既成概念をぶち壊すのよ」
萬平さんも、ラーメンの既成概念をぶち壊すことに挑み、その寸前のところまでたどり着いていますが、忠彦さんもまた絵画の一線を越えることはできるのでしょうか。
萬平さんのことが大好きな可愛い三人組
雰囲気の悪すぎる家に帰りたくない神部くんが、同僚の岡くん&森本くんと、パーラー白薔薇で時間つぶし。
三人が仕事帰りに立ち寄るのが居酒屋ではなくパーラーなのがなんとも可愛い。
神部くんも、岡くんも、そして森本くんも、三人揃ってゲコなのかな?
この三人。一足早く萬平さんに拾ってもらい、戦後の闇市から岡くんと森本くんを連れてきた神部くんが先輩格に当たるはず。
でも、塩づくりの頃から、神部くんは決して先輩とはみなされない。そして今も。
神部くんは自分が先輩だと思っている。でも、岡くんと森本くんは、神部くんが先輩にあたるなどとはこれっぽっちも思ってはしない。
その微妙な関係が反映する三人の会話がおもしろすぎます。
三人そろって、自分が一番、萬平さんの良き理解者であり、自分こそが萬平さんを誰よりも慕っていると信じている。
そんな中で、自分が少しでも優位に立ちたくて、萬平さんの付き合いは誰よりも長いと自慢する神部くんの必死すぎる姿が実に愛らしい。
そして、付き合いの長さ自慢をする神部くんに対して、なんとか反論を試みようとする岡くんと森本くんの純情がもまた愛らしい。
三人そろって、心の底から萬平さんのことが好きなんですね。
こんな好青年たちに心から慕われ、萬平さんは幸せ者だなと思ったことでした。
吉乃ちゃんの恋バナ
そしてついに、吉乃ちゃんの恋バナがはじまりました。
吉乃ちゃんに見とれて、神部くんの言葉がまったく耳に入ってこない岡くんと森本くん。
その二人のいつもとは異なる様子に神部くんはまったく気がつかない。いかにも神部くんらしい反応です。
でも、パーラー白薔薇のしのぶさんはすぐに気がついた。
「あら〜」
この感嘆詞だけですべてが表現されていてみごとです。
アキラさんもまた、岡くんと森本くんの異変にしっかりと気づいている。
マスター・アキラさんの言葉通り「ますますおもろなってきたど」
コメントへの返信 by 朝蔵
福ちゃん「一歩も二歩も前進ですよ」涙を流してから何だか性格がちょっと変わった(ちゃーちゃん:104話)
2月4日に放送された回で、壇蜜演じるモデルの秀子さんが言いました。悲しみは人に深みを与えると。
それと同じで、すべてを失って以降の困難の数々が、福ちゃんを鍛え、強くしたのかもしれませんね。
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以前に録画した『土曜スタジオパーク』ゲストに脚本家の福田靖さん&ナレーションを担当された芦田愛菜さんが出演された回を見直していました。
その中で福田さんが選んだ「心に残る名場面」2つのうちの1つが「秀子のダンス」(ちなみにもう1つは鈴さんの「私にやらせて」でした(^^)。
台本のト書きには「ダンスを踊る」としか書き様が無かった事に加えて福田さん御自身の中にも具体的なイメージが浮かばず、演出に関しては全て演出家含む制作チームに一任なさったとか。なお「秀子役は壇蜜さんで」というのは福田さんからの‘指名’だったとの事で…つまり、あの場面は壇蜜さんを指名した事以外はほぼ全て制作チームにお任せした、という訳ですね。
そして蓋を開けてみたら、あの通り(^^)…福田さん曰く「脚本家の想像を超えたものが出来て来た」とのコメント。
この「秀子のダンス」も含めて、本作は脚本と演出の歯車が本当にがっちりと噛み合っていたな~と、改めて録画を見ながらつくづく感じ入っています。(^^)
「ラーメン」「小ラーメン」子供の世界は往々にして残酷なものですね…それが劇中の昭和時代ならば尚更の事。
相手の‘達夫くん’に対して3回も(しかも鼻血が出るレベルまで)やっちゃった源くんは確かに悪い。ですが
…「(ウチの子は)ちょっとからかっただけなのに」としゃあしゃあと言ってしまう‘達夫くん’のお母さん…「どういう教育をされているんですか?」そのままそっくり返してやりたくなりましたね。(;^_^A
喧嘩両成敗という言葉がありますが、昔はこのような諍いを通して子供達は人間関係を学び、また鍛えられて行ったのですよね。
秀子さんが踊っていた時に流れていた曲が気になり、調べてみたら雪村いづみさんの『夢のマンボ』との事。マンボといえばこれまた『てるてる家族』の秋子ちゃんという事で…これまたきっと『てるてる家族』へのオマージュ演出かな?(^^)
そして元:塩軍団=岡くん&森本くんの2人が啖呵を切った場面も久しぶり!(しかもその時の劇伴が‘塩軍団のテーマ’!^^)
「オレの方がお前達より萬平さんとの付き合いが長い」と言い放つ神部くんを見ながら、個人的には「ほんのちょっと登場が早かっただけじゃないのかな?君は?」と思わずTVに向かって突っ込んじゃいました。(^^;)
神部くんは自分がリーダーであると今も思い込んでいる。
一方で、岡くん&森本くんは神部くんを同等と見做している(少なくともリーダーとは見做していない)。
…吉乃ちゃんの登場で、この3人の関係がどう変化するのか??(^^)
秀子さんのマンボ、『てるてる家族』の秋子ちゃんを思い出します。秋子ちゃんもマンボをよく踊っていましたね。かなり弾けたマンボだったのを覚えていますが、秀子さんのマンボは違うベクトルに向かっていました(笑)
私は『てるてる家族』が大好きなので、池田編からちょくちょく『てるてる家族』ネタが仕込まれているのが楽しです。私が好きなシーン、浅野ゆう子さん演じる照子さんが「オンリー~湯~♪」と歌い踊りながらインスタントラーメンを販促している場面、何かのネタに使ってくれないかな。
こんにちは!
塩軍団最初の頃に、岡くんが飲んだくれて喧嘩騒動があったりしたので、お酒は好きだと思いますよー!
(源ちゃんが産まれた時もみんなで飲んだくれてましたね!笑)