百合子の中学卒業後の夢 / スカーレット 第51話

2019年11月27日(水)第9週「火まつりの誓い」

あらすじ

百合子の担任が川原家にやってきました。百合子の中学卒業後の進路相談のためです。百合子の志望は高校、短大と進学し、将来は家庭科の教師になることでした。そのことを知った貴美子は、百合子の夢をかなえるために常治を説得しました。

しかし、常治は百合子の願いに猛反対しました。丸熊陶業が火鉢の生産量を減らしたことで、喜美子と常治の仕事がなくなり収入が失われてしまうことを理由に、常治は百合子の願いを聞き入れませんでした。

その日の夜、百合子は喜美子に自分の決意を告げました。高校と短大に進学し教師になる夢を諦めること。そして、中学校を卒業したら喜美子や直子のように働きに出ることを。百合子の願いを叶えられず、喜美子は返す言葉がありません。

その翌日。百合子の願いをかなえることができず失意の喜美子は、さらにショックを受けるある事実を知りました。貴美子は八郎から、深野が丸熊陶業を辞めて信楽を去ることを初めて聞かされたのです。

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予習レビュー

百合子ちゃんの中学卒業の時期が近づいてきました。

百合子ちゃんの将来の夢は学校の先生になることでした。地元の進学校を経て短大に入学し教員免許を取る。それが百合子ちゃんが思い描いた進路でした。

百合子ちゃんは喜美子ちゃんと同様に学校の成績が優秀でした。

中学校の先生も、百合子ちゃんが思い描く進路に進むことに賛成でした。

しかし、川原家にはその経済的なゆとりがありませんでした。否、丸熊陶業の社長が先代の秀男さんのままであれば、百合子ちゃんは高校に進学できたかもしれません。

ところが秀男さんの急逝により、丸熊陶業の経営方針は大きく変更。

それまで主力製品だった火鉢の生産の縮小によって、火鉢に絵付けする喜美子ちゃんの仕事も、火鉢の運搬を請け負うお父ちゃんの仕事も、いつまでもあるとは限りません。

お父ちゃんは、百合子ちゃんの進路に反対。

そして、家計のリアルと丸熊陶業のリアル、二つのリアルに直面する喜美子ちゃんも、百合子ちゃんの夢を応援することができません。

秀男さんの急逝の影響がこんなところにも出てきてしまいました。

感想

百合子ちゃんの「大人の対応」

家庭科の先生になる夢をお父ちゃんから反対され、やむを得ずあきらめてしまった百合子ちゃんの力のない笑顔があまりにも切な過ぎました。

喜美子ちゃんと直子ちゃん。二人のお姉ちゃんが中学校を卒業後は働きに出ていたので、自分もそうするのが当然だと素直に受け入れたのでしょう。

やっと自分のやりたいことを見つけたというのに。

また、自分の願いがかなえられず本当は失意の中にいるはずなのに、気丈に振る舞った上で、さらに喜美子ちゃんに詫びる百合子ちゃんの姿が泣かせてくれます。

信楽初の女性絵付け師として、丸熊陶業のマスコットガールとして、新聞でも紹介され、あれだけ注目を浴びたら、給料をいっぱいもらっているに違いない。

中学生の百合子ちゃんがそんな勘違いをしてしまうのも無理はありません。

そんな勘違いを、普通の子なら人のせいにするところ。喜美子ちゃんのせいにするところです。こんな状況では、

でも、自分の勘違いは自分のせいだと非を受け入れ、喜美子ちゃんに詫びる百合子ちゃん。どれだけいい子なんだと泣けました。

百合子ちゃん、将来はきっと素敵な大人になりますね。その時の姿を見ることを楽しみにしながら、百合子ちゃんの成長を見守ろうと思います。

コメントへの返信 by 朝蔵

これから「火鉢」は売れんようになる(よるは去ったさん:50話)
照子ちゃんが喜美子ちゃんに言った、「火鉢」は売れなくなるだろうという未来予測。

きっと敏春さんが日々に暮らしの中で繰り返し言っているんでしょうね。これまでは義父の理解が得られず、フラストレーションをため込みながら。

でも、そんな近未来に対する準備をようやく敏春さんはできるようになりました。

敏春さんは、火鉢が売れなくなる時代への対応。昔ながらの窯ではなく、ガス窯や電気窯へと環境が激変する時代への準備を思う存分できるようになるかと。

その一方で、時代に取り残される人々や文化も出てくるんでしょう。

世の中が急激に変化する中で、喜美子ちゃんはそんな大きな波をどのように乗り越えてゆくことになるのか。

変化の時代の描写が今から楽しみです。

女に学問はいらんを言い訳に姉妹みんな高校に行けない(ゆきこさん:50話)
ある時期までは、女性が学問を修めたところで社会進出する場所がほとんどなかったので、お父ちゃんの言葉には一片の真理があるかなと思います。

学問を修めた後の社会進出を必要としないようなお嬢様であれば問題ないですが、川原家の三姉妹は学問を修めたら稼げなかければいけないので。

しかし、その頃とは時代が変わっています。

学問を修めることで、稼ぎは変わってきます。ときに、大きく変わってきます。

お父ちゃんはそんな時代の変化にまったく気がついていないのが寂しい。というか、時代の変化に気づくことができないから、時代の波に乗り遅れ、今の残念な姿があるのかなとも思います。

百合子ちゃんの進路(オペラ座の怪人さん:50話)
喜美子ちゃんは中学生時代、学業成績が優秀でした。信楽の小学校に転入したばかりのころは漢字もろくすっぽ読めませんでしたが、実は地頭力のスペックは高かった。

でも、残念ながらハイスペックな地頭力を活かして進学することはできませんでした。

百合子ちゃんも、喜美子ちゃんと同様に地頭力がかなり高いみたいです。喜美子ちゃんと同レベル、またはそれ以上ということも考えられます。

さらに勉強も好きそうだし。

百合子ちゃんが高校に進学してその高いスペックをしっかり活かすことができたら、どんなことになるんでしょうね。

百合子ちゃんの未来の姿を通して、もし喜美子ちゃんが高校に進学していたらどのような道を歩んでいたのかが見えてくるかもしれません。

売れているうちに新開発に舵を取るのも経営の美学(丹善人さん:50話)
よくありがちな経済ドラマやビジネス系の映画だと、そこに登場する会社なり経営者なりが業務の縮小や撤退を発表すると、それに対して従業員が激しく反発する。

そんな展開になりがちです。

しかし引き際の美学を深く理解しているフカ先生と二人のお弟子さんは、経済ドラマやビジネス系映画の中の従業員たちの、よくありがちな反応は示しませんでしたね。

丸熊陶業という会社に雇われながらも、自分たちは自立した職人として美学をつらぬき通しました。

だからこそ敏春さんの決断のその奥にある美学。まだ売れているうちから、売れなくなる将来を見通して、いさぎよく身を引く美学が理解できたのでしょう。

経営者の撤退の決断。その決断を理解して引き際を飾るフカ先生。美しい決断であったと思います。

百合子ちゃんを演じる福田麻由子(はままさん:51話)
実年齢よりも上に見えるときもあれば下に見えるときもある。その変幻自在なところは前作『なつぞら』で千遥ちゃんを演じた清原果耶ちゃんに通じるものがありますね。

清原果耶ちゃんも、未成年にも見えるその一方で、夫との別居に悩む陰のある人妻にも見えました。『あさが来た』も同様でしたね。

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コメント

  1. にゃんこ より:

    寺岡先生、どっかで観たことがあると思ったら、大阪放送局の朝ドラの常連さんだったのですね。
    「カーネーション」ではぱっちやの従業員の一人、「まんぷく」では鈴さんのいい加減な主治医の役をされていたらしいです。

  2. よるは去った より:

    喜美子「言うてえや!!!」
    迫ってくる喜美ちゃん恐い・・・・・・・。

  3. ゆきこ より:

    きみこちゃんを貶すような事をお父ちゃんが言ってますが元はと言えばあんたが酒を辞めなかったから起こった話だよそれにきみこちゃんが大阪に居た時に送ってくれてたお金をもうちょっと大事に使ってたら直子ちゃんだって高校に通えてたかもしれないのに…本当に考えてないですね

  4. 丹善人 より:

    お父ちゃんは、喜美子が絵付けを始めるとき、3年間は無給だということを受け入れて、進ませてくれました。だから百合子にも、短期大学へ行くのはいいけれど、高校はダメだというのも、2年間なら我慢してもその後給料が入る。でも高校の3年間は我慢できないという論理があるのでしょう。3年間の我慢がお金になるのではないから。3年はなんとかなっても、5年後のことなどわからない。実はしっかり現実を見ているという。

  5. オペラ座の怪人 より:

    今日の後半、
    ふか先生の行く末を知っている青年と
    それを知らないきみことの、
    すれ違い会話、
    って、なんだか、イライラさせますなあ。

    ( ̄▽ ̄;)  ( ̄~ ̄;)  ( ̄□ ̄;)!!

    今日の前半、私の子供時代を思い出しました。
    高校進学率が100%に近かった時代なのに、
    父親は、ことあるごとに、
    「中学までは義務教育だから行かせてやる。」
    「でも、高校なんか行かせない。金がかかる。」
    「中学出たら、働け!」
    「高校行きたかったら、自分の金で定時制行け!」

    嫌な思い出だ。

    (/_\;) (/_\;) (/_\;)

    おしまい

  6. はまま より:

    百合子ちゃんを演じる福田麻由子さん。
    わたしには本当の中学生に見えてしまうのが不思議です。
    元々かわいい子役さんでしたが、13年ほど前に「白夜行」で見たときには、
    とても11~12歳くらいの子には見えない大人の演技だと感心したものです。
    そして今は、子どものようにも見せてしまう。
    10年後、20年後・・・を見てみたい女優さんのひとりです。

  7. 梅子 より:

    借金になりますが奨学金はなかったのでしょうか。
    常治さんは子供想いの面もありますが、子供の夢を自分は借金して喜美子に返済させときながら、経済的理由で反対するのは怒りが湧いてきます。

  8. はる より:

    貴美子→喜美子