喜美子が丸熊陶業に残る / スカーレット 第54話

2019年11月30日(土)第9週「火まつりの誓い」

あらすじ

火祭りが終わり、絵付け師の深野が信楽を発つ日が近づいてきました。そのころすでに、喜美子は丸熊陶業に残ることを心に決めていました。喜美子は社長の敏春に直談判しました。自分は丸熊陶業でたったひとりの絵付け師となった。だから、給料を上げて欲しいと。

家族を養わなければならない。妹を高校に進学させたい。家に電話も引きたい。喜美子の訴えを敏春は受け入れました。喜美子はそのことをすぐに深野と二人の兄弟子に報告し、深野は喜美子を心から祝福しました。

その数日後、深野たちは信楽を去り、喜美子は一人で絵付け作業を行う日々がはじまりました。一方、喜美子の賃上げの要求が通ったことで、百合子は悲願の高校進学ができるようになりました。

その数日後、喜美子が絵付けをデイザインした火鉢の試作品がついに完成しました。喜美子がその試作品を嬉しそうに抱えて歩いているそのとき、喜美子は八郎が陶芸づくり没頭する姿をはじめて目撃するのでした。

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予習レビュー

ずっと師匠としてあおいできたフカ先生が去り、一緒に腕を磨いてきた二人のお弟子さんもそれぞれの道を歩むことが決まる中、ようやく喜美子ちゃんの自分の道が決まりました。

丸熊陶業で絵付け師として働き続けること。それが喜美子ちゃんが出した結論です。

喜美子ちゃんにはもう一つ、心に決めていたことがあります。なんと、敏春さんに給料のアップを要求すること。

絵付け師という仕事がいつまで必要とされるかはわかりませんが、新しい絵付け師を雇わなければ自分がたった一人の絵付け師です。

喜美子ちゃんはそのことを主張し、敏春さんは喜美子ちゃんの給料をあげてくれました。めでたし。

そして百合子ちゃんが、晴れて念願の高校進学ができるように。

フカ先生とのお別れは寂しくなりますが、次週からはまた新展開がはじまります。

絵付け師という仕事の将来が見えなくなる中、絵付け師であり続けることを選んだ喜美子ちゃん。

これからどこに向かって歩いて行くのでしょうか。

感想

フカ先生さようなら

フカ先生が信楽を去ってしまいました。

これまでの喜美子ちゃんと喜美子ちゃんの人生の師匠とのお別れは、二回描かれました。

一度目はリトル喜美子ちゃん時代の草間さんとのお別れ。二度目は大阪の荒木荘で女中として働いていたときの大久保さんとのお別れです。

その二回とくらべて、ブログ主にはもっとも切ないお別れでした。

でも救いが一つだけ残されました。

草間さんのときも、大久保さんのときも、別れの悲しい場面が描かれませんでした。そして今回もまたお別れの場面はありませんでした。

ということは、フカ先生とはまた再会できるかもしれないということです。

お父ちゃんについて思うこと

いつだったか、お父ちゃんのことはしばらくレビューしないと宣言しました。どれほど残念なキャラでも好きになってしまうブログ主としては異例のことでした。

でも今週。ついにレビューしました。

お父ちゃんの残念な部分が明確になったこと。そして共感できる部分もあること。両方が少しだけ見えてきたからです。

残念な部分。

それは、責任感がまるでないことがはっきりとわかったところ。仕事観を語った際に「仕事だから好きになれるわけがないと言い切ったときに、いかりや長介さんではないですが「ダメだこりゃ」とつぶやいてしまいました。

一方で、フカ先生みたいな人だけが偉いと思っているならこの家を出て行けと言い放ったところ。ここが共感できたポイントです。

誰もが歴史に名前を残すような仕事。人から憧れるような仕事ができるわけではありません。

陽の当たらない仕事に心を込めて取り組んでいる人もいます。そして、そのような人たちももっと敬意を払われるべきだとブログ主は考えてます。

『わろてんか』の伊能さまの実在モデルが「下足番を命じられたら日本一の下足番を目指せ」といった意味の言葉を残されたそうですが、そんな人は、偉業を成し遂げた人と同レベルくらいにブログ主は考えています。

この伊能さまの実在モデルの言葉を、お父ちゃんが実行していたら、お父ちゃんへの評価は思いっきり変わったのでしょうが・・・

「下足番など好きになれるわけがない」みたいな言葉を口にしてしまったのが残念です。

というわけで今週も一週間お世話になりました。

次週はいよいよ喜美子ちゃんの恋バナが始まりそうです。来週も一週間、当ブログにお付き合いいただければ幸いです。

どうぞ良い週末をお過ごしください。

コメントへの返信 by 朝蔵

八郎君のボケっぷり(よるは去ったさん:52話)
八郎くん、おとなしそうな顔をして、喜美子ちゃんをいじりますね。いかにも関西人らしいノリの良さ。真面目一辺倒でないところが気に入りました。

ただし、史実ではリアル八郎くんは大変なことをしでかすらしいので、数年後の彼の行動が今からひどく気になっています。

史実とは異なる展開でありますように。

仕事って、つらいよね(オペラ座の怪人さん:53話)
おそらくお父ちゃんのやっている運送業は、丸熊陶業の下請けの仕事がほとんど。下請けだからもっとお金をよこせとか文句を言いにくい。

しかも、仕事中に怪我でもしたら仕事ができなくなり、仕事ができなくなればお金も稼げない。有給休暇をとった上での病欠も下請けの仕事ではあり得ない。

この点が従業員とは大きく異なります。

だから、かなりつらい立場であることが想像できます。

仕事だから好きとか嫌いとか言ってられないという考え方はブログ主は納得できませんが、下請けの苦しい立場には同情を禁じ得ません。

お父ちゃんが真面目に話したとこ初めて見ましたよ(ゆきこさん:53話)
ものすごい剣幕でフカ先生はすごい人なんだとまくし立てる喜美子ちゃんに対して、お父ちゃんの口調の静かなことと言ったら、ちょっと怖いほどでした。

もしあの場面でお父ちゃんも感情にまかせて怒鳴り返していたら、売り言葉に買い言葉で、喜美子ちゃんはもっと激しくお父ちゃんを責め立てたかもしれません。

喜美子ちゃんがヒートアップするのをお父ちゃんが防ぐ算段をした・・・ということは、あのお父ちゃんの性格からしてあり得ないけれど、あの場面でお父ちゃんが大声を出さないのはよかったです。

そして、お父ちゃんの本心、本当は百合子ちゃんが家庭科の先生になる道に進ませてあげたかったという本心を、百合子ちゃんが知ることができたのは直子ちゃんにとって救いになったはず。

お父ちゃんの言葉を、寝室で耳をすまして聞いている百合子ちゃんの姿を見て、ブログ主は泣きそうでした。

百合子ちゃん、よかったね。

3人の娘には自分の希望通りに進ませたいけれども、そうもいかない現実(丹善人さん:53話)
どれほど額に汗して働こうが暮らしはそんなに簡単には楽にならない現実。

今みたいに下請けの仕事をしている人が守られていない時代。ドラマの中では描かれていない苦労がお父ちゃんにはあったんですね。

喜美子ちゃんの強い言葉に対していつになく静かな口調で反論するお父ちゃんの姿を見て、今の常識では考えられないような理不尽な思いをしていることを察しました。

直子ちゃんが気になって仕方ないんですね(笑)(あさのあさみさん:53話)
そうなんです。来週のどこかのタイミングで直子ちゃんが信楽の実家に帰ってくるのですが、帰ってくる理由がかなりのワケありなのです。

そのこともあって直子ちゃんのことで頭の中がいっぱい。直子ちゃんのことが心配で心配でならないんです。

リトル直子ちゃんが、空襲の悪夢にうなされて真夜中にたびたびひきつけを起こしていたころ、リトル喜美子ちゃんがこんなことを言いました。

直子には心に弱いところがある、と。

その弱さは今でも癒されていないみたいなのでいつも気になってます。喜美子ちゃんと百合子ちゃんは安定感があるので、なおさら、直子ちゃんのあやうさが際立ちます。

フカ先生のお弟子さんの2番さん(リキちゃんママさん:53話)
フカ先生のお弟子さん。なにげに大物揃いですね。1番さんもあの方ですし。というかそもそも9番さんが朝ドラヒロインですからね。

1番さんと2番さん。それぞれの道を進むことになりますが、新たな選んだ道で成功を収めてフカ先生と一緒に再登場してほしいですね。

お父ちゃん、自分に甘い人間ですね(智子さん:53話)
自分に甘い人間。大いに同意します。仕事だから好きになれないという考え方。ブログ主には理解不能です。

仕事があるだけ感謝しなければいけないところを、仕事に対してそんな考えでいるのか、ただただあぜんとするばかりでした。

敏春くんの器量(もんばびさん:54話)
敏春さんが喜美子ちゃんの昇給のお願いをのんだ理由。このコメントを投稿する頃にはすでに明らかになっているかと思います。

丸熊陶芸のたった一人の絵付け師としてなくてはならない存在だから。そんな理由であってほしいとブログ主は切に願っています。

女性だからとか、妻の親友だからとかではなく、喜美子ちゃんの職人の腕そのものを評価してほしいものです。

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コメント

  1. さくら より:

    以前一度だけコメントを残したことがある者です。お久しぶりです。

    基本的にスカーレットの登場人物は皆好きなので、お父ちゃんがネット上で大バッシングを受け、何だか居たたまれない気持ちになっていました。だから朝蔵さんとはままさんの意見を見てホッとするような気持ちでした。特にはままさんとは殆ど意見が一緒で驚きました。

    復員した兵隊さん達の中には酷いトラウマを抱えて苦しんだ方も多かったと聞きます。お父ちゃんももしかしたら戦争で地獄を見たのではないか。苦しみから逃れるためにお酒を飲み、いつのまにか酒に飲まれるようになってしまったのではないか…勿論想像です。実際にドラマで描かれてはいないし、戦争体験がなくても根っからの酒好きだったのかもしれません。
    それでも、全く働かず、遊び呆けることはしないで、自分でも辛いと思う仕事を続けていることや娘達に愛情を持っていることはお父ちゃんの良さとして認めてあげたいと思うのです。
    私にも苦手な人がいますが、苦手だからといってその人の言う言葉が全て正しくないとは思いません。その人個人をどう思うかとその人の言った言葉をどう感じるかはまた別なのではないかな、と思います。
    お父ちゃんが家族に(特に喜美ちゃんに)大変な苦労をかけてきたことは事実ですが、お父ちゃんが喜美ちゃんに語った言葉や思いは凄く大事なことだったんじゃないかなと思っています。

    長文、大変失礼しました。

  2. まめしば より:

    初めてコメントさせていただきます。
    朝蔵さんの鋭い洞察力と、優しい語り口が大好きで、ここ数年、楽しく拝読しています。
    八郎さんについて、数日前に、みいちゃん命さんが書かれていたコメント、私も同じように気になっていました。八郎さんが昔、フカ先生の絵を、白いお米と卵にかえた件です。もちろん、戦後の極貧生活中に起こった出来事という事は、考慮した上です。
    涙ながらに謝罪した八郎さんを深い心で受け止めたフカ先生には、感動しました。しかし、八郎さんには、違和感が残りました。
    八郎さんは、フカ先生の絵(つまり、芸術)も、おじいさまの形見(つまり、家族の絆)も、食欲を満たすという欲求を叶えるために、自ら手放した。そんな要素を持つ人なのだと、感じました。
    また、フカ先生への謝罪も、火まつりに「思い出作り」のために誘うのも、フカ先生の心身の負担を思えば、違う行動をとる気がします。八郎さん、自分で気付かないうちに、相手に対して自分の承認欲求を通そうとしている⁉︎
    うがった見方かもしれません💦私の勘が、はずれていますように。

  3. 丹善人 より:

    ひょっとして、オープニング後半の4人の土人形って、旦那と息子と女弟子なんじゃないだろうか?

  4. みいちゃん命 より:

    深先生がなかなか自分の進退を喜美子に話さなかったのは、初めから彼女を会社に残すつもりだったんでしょうね。喜美子が黙々と修業を重ねてきたのを見てきて、そして彼女が描いたデザインを認めた時に、もう1人立ちできると確信したに違いありません。たとえ火鉢の生産は減っても、すぐに生産を打ち切るわけでもない、また絵付けは火鉢に限るわけでもない。だから先生と1号、2号が信楽を去れば、会社は彼女を1人前として扱わざる得なくなる…そんな見通しがきっとあったことでしょう。深先生は師匠として、信楽という土地に彼女の居場所をキチンと作ってから、去ったのだと思います。慕っている父親はどんなに頼りなく残念であっても、深先生や草間さん、大久保さんという良き師匠がしっかりと彼女を導いてくれて、本当に幸せ者だと言えますね。

  5. ちーぼー より:

    フカ先生と兄弟子お二人が去ってしまいました。フカ先生は勿論ですが、このお二人のことも大好きでした。女だからと軽んじたりせず、喜美ちゃんが絵で賞を取った自慢をちょっぴりしてしまった時もやんわりと諫め、妹弟子を可愛がってくれて。だからプライベートで喜美ちゃんが辛い時でも、作業部屋での姿は安心して見られれました。
    どうか夫々の道で幸せになった姿を、見せてくださいますように。

  6. よるは去った より:

    喜美子「給料上げてもらいました!」 
    心仙「良かったな、これで女性初の絵付け師誕生や・・・・・。」
    絵付け組の人たちの別れは少し重くなるかなと思いきや、結構清々しかったですね。
    フカ先生、一番さん、二番さんの新たな場所での大いなる成功がありますように。
    そしてまた再会がありますように。

  7. はまま より:

    お父ちゃんへのバッシングも多いですが、ちょっと違った面でクズのような人生を
    送ってきたわたしは、お父ちゃんの気持ちや立場を無理やり理解しようとしながら
    観ています。
    酒が止められなくなったのは、今でいうアルコール依存症(=病気)なのであって、
    とっくに気持ちだけの問題としては片づけられなくなっているのでは?と思ったり、
    そこまでに至った経緯を想像すると同情に近いものも感じたり。
    人の心や行動は、いつも正しい方を向いているとは限りませんし、間違っていると
    気付いたときには修正できなくなっていることもあると思います。
    お父ちゃんは、その気付きや修正能力に欠ける部分が大きいようにも思いますが、
    いやいやながらでも仕事はやめずに続けており、悪事をはたらくでもなく家族を
    捨てて逃げ出すでもなく、なかなか頑張ってきたじゃありませんか(苦笑)。
    傍から見て言ってるだけで、家族はたまったものじゃないと思いますが、それでも
    喜美ちゃんは、そんなお父ちゃんのことも受け入れて、放っておけない存在として
    認めているのだと思います。
    昔、借金取りが言っていた「どんな人間でも ええ面悪い面がある」が教訓になって
    いるのかも知れません。
    そのうちお父ちゃん大変身で、すばらしい面を出してくれることを期待しています。
    酒のせいでこのまま悲しく亡くなっていくようなシーンは観たくないので。

  8. 丹善人 より:

    きみちゃんの絵付けした火鉢。デザインで見たとき、いまいちだなと思ったけれども、いざ実際に火鉢になって出て来ると、めちゃくちゃ可愛いじゃないですか。スリスリしたくなる気持ちもわかる。

    せっかく一人前として待遇も認められたのに、先が見えないという現実に怯えながらも、次週からはようやく本来の終生の仕事が見つかるのですね。

  9. もんばび より:

    喜美子が唯一の絵付け師だから昇給してくれたのでしょうか。
    喜美子が信楽初の女性絵付け師だからか。
    喜美子が、愛する妻の親友だからか。
    あるいは、喜美ちゃんの熱意にほだされたか。

    その理由によって、敏春くんの器量が決まる。