武志が内緒で八郎と会う / スカーレット 第108話

2020年2月8日(土)第18週「炎を信じて」

あらすじ

ある日、武志は行き先をはっきりと喜美子に告げないまま出かけました。そんな武志の行動が喜美子は心配でした。そして、この5年ほどの間、信作が武志に届け物を続けていることも気になっていました。

夜遅く帰宅した武志を喜美子は問い詰めるものの、武志は答えをはぐらかしました。そして武志はある決意を喜美子に告げました。武志は京都にある美術大学への進学を決意していました。そして、それは自分で決めたことだと武志は喜美子に告げました。

その日から武志は猛勉強をはじめました。その一年後の昭和54年(1979年)3月。武志は志望する大学に合格することができました。報告を聞かされた喜美子は、武志が八郎に相談しつづけていたことを察していました。そのことを喜美子は武志に告げました。

武志も喜美子に告げました。八郎に相談していたこと。5年間、信作が手紙を届けてくれていたこと。武志が八郎と再会したときの様子を聞かされた喜美子は、大切なものを失ったことにはじめて気がつくのでした。

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予習レビュー

高校卒業後の進路に悩む武志くんが相談相手に選んだのは喜美子ちゃんではなく八郎くんでした。

武志くんは、喜美子ちゃんには内緒で八郎くんに相談することになりました。

今回のキャスティングに八郎くん演じる松下洸平さんはクレジットされていないので、八郎くんがその姿をドラマの中にあらわすかどうかは定かではありません。

ただし、八郎くんとどこかで会った武志くんは、悩み続けていた高校卒業後の進路をようやく決めることができました。

武志くんが選んだ進路。それは大学進学です。

喜美子ちゃんは、武志くんが大学に進学することが望みでしたが、そのことを口に出せずにいました。

一方の武志くんは陶芸家の道に進みたいものの自信がない。喜美子ちゃんの気持ちは察しているものの大学進学に踏み切る決断も下せない。

そんな中で、八郎くんが武志くんに大学進学を進めたのでしょう。

武志くんが進学すると決めた大学は、八郎くんの母校、京都にある美術大学でした。

そして一年間の時間がスキップ。武志くんは大学受験に合格します。

感想

「大切なものを失った」という自覚

お父ちゃんとの再会の様子を嬉しそうに語る武志くんの姿に泣かされました。

「おう!」「おう!」「たぬき蕎麦」

武志くんが子供の頃にいつもお父ちゃんと交わしていた、なつかしい「おう!」「おう!」の挨拶。

それがこんなところで回収されるとは。

一方、武志くんに出したお父ちゃんの手紙にの最後に毎回必ず書いてあったという「会いたい」「いつか会おう」の一言。

この言葉には、当然のことながら「喜美子ちゃんに会いたい」という八郎くんの気持ちも込められているはず。

前回だったか前々回だった、武志くんはお母ちゃんに言いました。

お母ちゃんは陶芸家としての成功を手に入れる代わりに大切なものを失ったと。

このことを言われたとき、喜美子ちゃんには「大切なものを失った」という自覚はなかったかと思います。

そして、ブログ主は今後も自覚することはないのかなと思ってました。

しかし。喜美子ちゃんは、はっきりとさとったみたいです。武志くんの言うとおり、自分は大切なものを失ってしまったのだと。

できることなら、喜美子ちゃんにはこの気持ちを失ってほしくない。この気持ちに引きずられてほしくないとも思いますが、忘れてもほしくない。

そう願わずにはいられない『スカーレット』第108回でした。

今週は、喜美子ちゃんが大躍進を遂げるその一方で、あまりにも切ない描写がいっぱいの一週間でした。

予告映像を見るかぎり、次週はにぎやかで明るい一週間になりそうです。次週は毎朝が明るくなりますように。

今週も一週間、当ブログにお付き合いくださりありがとうございます。どうぞ良い週末をお過ごしください。

コメントへの返信 by 朝蔵

マツさんが心配です(ゆきこさん:106話)
喜美子ちゃんが忙しくなってしまったので、なおさらのことマツさんのことが心配ですね。百合子ちゃんが近くに住んでいるのが救いです。

武志「や・・・・・やる・・・・・・・。」(さん:話)
武志くんは本当は陶芸をやりたかった。でも、できなかった。その理由が明かされましたね。両親の離婚のトラウマから、やりたいことができなくなっていたなんて。あまりにも気の毒すぎます。

やりたいことがあってもそれが果たせない環境にあったかつての喜美子ちゃんよりも、ある意味で気の毒かもしれません。

穴窯完成時、昭和46年頃には50歳ちょっと過ぎかと(丹善人さん:106話)
やはりそのくらいの年齢ですか。草間さんは。今ならアラフィフなどという若々しい表現がありますが、当時なら初老の紳士と呼ばれてしまったかもしれません。

芸能人の絵画作品展や写真展はたまに聞くけれど、陶芸展もあってもよさそうな(丹善人さん:106話)
片岡鶴太郎さんが、絵画だけでなく陶芸もされていたと記憶しています。以前、新宿三越で毎年のように、片岡鶴太郎展が開催されていたのですが、ブログ主は2回か3回、観賞しに行ったと記憶しています。

草間さんは大正8年(1919年)生まれ(千佳さん:106話)
情報提供ありがとうございます!かつて草間さんが書いた離婚届に生年月日が書いてあり、それが画面に映し出されていたとは・・・素晴らしい観察力ですね!

ろくろに向かって丸めている背中を見るときに、喜美ちゃんが痛みを感じることがないことを祈りたい(つい しょうこさん:106話)
武志くんの姿を見た喜美子ちゃんが八郎くんの面影を思い出す。そこを見落としていました。どうしても心がチクリと痛むことは避けては通れないでしょうね。気の毒ですが。

カーネーションでも歳を取ってからの独り暮らしのシーンは切なかった(Anneさん:106話)
『カーネーション』の糸子さんも、ずっとにぎやか過ぎる家族に囲まれていたので、最晩年の寂しさが際立っていましたね。すっかり忘れていました。

研究者になったのかな?陶芸家より、八郎さんに合っているかも。(ゆうせいくのおかあさんさん:107話)
中部センター セラミックス研究部門なんてものが実在するんですか!?

八郎くんはデータだけを信じて、コツコツと研究を積み重ねることが見るからに得意そうなので、そこで天職とめぐり会うことができるといいですね。

そして、願わくば、研究者として磨きをかけた技術で喜美子ちゃんの創作活動に貢献してくれるとさらに嬉しいですが、それはあまりにも出来過ぎた話ですね。

武志は素直な、正直な、素晴らしい青年(オペラ座の怪人さん:107話)
両親から愛されて育ったので真っ直ぐな育ち方をしましたね。だからこそ、実は心に負っていた深い傷のことが心配です。

心の傷を乗り越えて立派な大人になりますように。

ゲーセンで見かけた、あの美少女たち(よるは去ったさん:107話)

生きているのに会えない父親ロス(丹善人さん:107話)
両親が争った末に別れたのなら、少しは納得ができたのかもしれません。前作『なつぞら』の千遥ちゃんのお嬢さんみたいに。

八郎くんが去ってゆく直前まで別居していたとはいえ両親は決して不仲には見えなかった。お父ちゃんは自分のことを可愛がってくれた。なのに何故?

武志くんの心の傷は深いですね。

ゲーセンで見かけた、あの美少女(丹善人さん:107話)
武志くんの青春の日々を演出するための登場でしょうか。あの美少女たちは。

演出によって際だたった武志くんの青春の日々。輝いていたころの姿。これがいつかどこかで、悲しい出来事で回収されるのかなと、そんなことを考えてしまいました。

自分を高める旅(文月さん:20週以降)
武志くんが電話をした先。実在の研究機関があるみたいですね。文月さんのおっしゃるとおり、古窯の地で伝統技術を学んで自分を高めた上で、最新の設備がある研究機関で、その技術を現代に応用する道を探っているのかもしれません。

研究機関で手に入れた研究成果で、喜美子ちゃんの仕事に貢献する日が来たら素敵なハッピーエンドですね。そんなわけで食い扶持を探す遍歴という憶測は撤回します。

否定せず黙って受けとめて(あきらさん:107話)
はじめまして!初コメントありがとうございます!

みんなの気持ちを否定せずに受け止めるというあきらさんのコメントを拝見し、大阪・荒木荘の雄太郎さんのことを思い出しました。

高校生の年齢の女の子が、夢を追いかけて家賃まで払えなくなっている中年男の残念な行動を否定せず、夢を追うその気持ちを受け止めて家賃を立て替えることで雄太郎さんを応援してましたね。喜美子ちゃんは。

これまで受け止める一方だった喜美子ちゃんの作品もまた、「受け止めてくれる」作品として愛されるのかもしれませんね。

夫婦ノートに書かれた「すごいな貴美子」の文字に胸が痛みました(海ブドウさん:113話)
「すごいな」が3回も書かれてましたね。八郎くんが流した涙が、最終回までにキレイに回収されてほしいと願わずにいられません。

出来が並み以下なら「お母ちゃんは、僕から父ちゃんを奪った」とやらかすかもしれないです(つい しょうこさん:107話)
病気のお母ちゃんのことをお父ちゃんは見捨てた。そう言って父親との確執に苦しむ息子はこれまで何回か朝ドラの中で見かけましたね。

そして、実はお父ちゃん自身が一番苦しんでいたことを後から知るという展開です。

私は貴美子が大切なものを失ったとは決して思いません(Happy pathさん:107話)
喜美子ちゃん自身は、大切なものを失ったという自覚はまったくなかってでしょうね。武志くんに言われるまでは。

武志くんの立場に立つと、お母ちゃんは大切なものを失ったように見えてしまうのはもっともだと思います。

さて、喜美子ちゃんは武志くんの言葉にはっとさせられましたが、本人は大切なものを失ったとはやっぱり思わない。後悔の気持ちなしに、陶芸家としてますます活躍するような気がしています。

以前喜美ちゃんの「一人もええなぁ」に共感して朝蔵さんに驚かれてしまいました(つい しょうこさん:107話)
自分の周囲にこれまで起こったことを思い出してみると、ご主人が定年退職後、「一人がええなぁ」と言って家に居つくようになったご主人を煙たがるケースがいくつもありました。

その逆は・・・聞かないですね。

映画やドラマでも前者のパターンは繰り返し描かれますが、後者のパターン。これもまたブログ主の記憶の中では前者のパターンの方が圧倒的に多い。

後者は、ジャン・ルノワールの古い映画で、恐妻から逃れた男性が空を見上げて「人生は素晴らしい!」とつぶやく場面を記憶しています。タイトルは忘れてしまいましたが。それとても実質的には男性が邪魔者のポジションです。

信作くんがいて本当に良かったです(あさのあさみさん:107話)
ある時期まで同性のお友達がいなかった信作くんが唯一のお友達、しかも親友になったのが八郎くんであること。そして信作くんが喜美子ちゃんの妹と結婚したこと。

これら二つのことが回収されました。これから信作くん、大活躍を見せてくれるのではないでしょうか。

リアル武志君は名古屋の徳川美術館に行って・・・(ときわごぜんさん:107話)
リアル武志くんの最期の旅先が名古屋だったんですか!?

八郎くんが名古屋に引っ越していたというのは、武志くんの悲劇を暗示しているかのようですね。こんなにまっすぐに育った青年が・・・胸が締め付けられます。

喜美子を支えられなかった無力感そして自己嫌悪(ひるたまさん:107話)
喜美子ちゃんの成功を信じてあげることができなかった自分の至らなさを痛いほど感じていたんでしょうね。涙を流す八郎くんは。

朝ドラで、ヒロインに近い登場人物の、これほどまでにリアルな挫折の描写を見ることになるとは思いもしませんでした。

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コメント

  1. ひるたま より:

    八郎さんと武志くんのやり取りの間に入っていた信作くん…いいヤツですね。(誉め言葉ですよ…念のため)
    信作くんを見ながら…個人的には『わろてんか』の風太くんを思い出しました。確か風太くんもヒロイン:てんちゃんが勘当した息子:隼也くんと手紙をやり取りしていたように記憶しています。隼也くんが出征する事になった時に先ず彼のもとに行き、母親との間を取り持って再会出来るように尽力していましたね。

  2. しろくま より:

    朝ドラを見始めたのはここ2年ほどだけど、このヒロインは少し重いなぁ。結局、反面教師としてきたおやじの常治と喜美子は同じ性格なんだよなぁ。のめり込むと周囲の全てが見えなくなる。おやじには癖は悪いが酒というはけ口があったが、喜美子には無いので陰に籠る。しかし、おやじはうざくて失敗ばかりだが不思議に人気者で共にも好かれている。喜美子もまた、うざいけど成功する。成功するが、そのたびに孤独になる。喜美子よ肩の力を抜け。

  3. Anne より:

    戸田恵梨香さんのインスタで武志が『陶芸で成功した変わりに大事なものを失った』というシーンの台詞覚えを子役の武志くんと練習してる動画があがってて、台本読んでるとはいえ、とっても泣かされました(涙)
    そして、ハッシュタグに#喜美子のアホ #八郎のアホと書かれてました。
    いつか、喜美ちゃんとはちさんが戻ってくれないかなと心の何処かで少しだけ期待してます。

  4. ぱぽりん より:

    女性の解放や自立が求められながら、朝ドラで、ただただ夫を信じ夫を支える女性たちが賛美されるのか、それが不思議でなりません。
    勿論、そうすることは簡単なことではなく、彼女たちは充分に讃えられて然るべきなのですが、女性たちが自らそういう姿を由(よし)とするのは違うのではないか。
    そんなことを考えていて、ようやく気づきました。

    スカーレットに隠されたもの、それは
    「八郎のような男たちよ、もっと現われよ!」
    という叫びではないかと。

    喜美子の大事な局面をポンポンとスキップしてしまう一方で、不思議なほどに丁寧に描かれてきた八郎と喜美子の関係。
    ああ、そういうことであったのか。
    考えてみればこのドラマ、女性たちの手で作られているのだから。

    表だって言われてきたテーマ、女性陶芸家川原喜美子の誕生は、実は、支配され搾取されてきた一人の女性の、解放と自立の話しであると説明するのが自然ではないかと思われる。
    実際に常治が喜美子にしてきたことは、文字通りの支配と搾取に他ならない。
    いつのまにか良い人になってしまった常治だが、そうしないと常治に対する嫌悪感ばかりが残り、ただただ不快なドラマになってしまう。
    籠の中にいた一人の女に、生きる道を示しその術を教え、そして扉の鍵を開けた男。
    八郎はそういう存在なのではないか。

    野望を成し遂げるばかりが太人なのではなく、野望をさらりと捨てきる潔さを持った者もまた太人なのではないか。
    八郎に、後者の姿を見たような気がする。

  5. ぱぽりん より:

    すみません、先の書き込みで、
    「その行動に目を受け入れる」は「その行動を受け入れる」です。
    文章を変更した時に、一部消し忘れがありました。

    木箱は大事です、美代子にとってのスリッパみたいなものでしょうか、いえいえ、そんなわけではありませんが。
    でも喜美子が、結婚式の引き出物、5枚一組で40組の絵付け小皿を請け負った時に、
    「木箱は、木箱を手配しろよー」
    と思ってしまいました。
    今回棚の上に用意された沢山の木箱を見てようやく気持ちが落ち着いたところです。

    ところで、成功してからの穴窯焚き、いったいどれくらいの費用が掛かるのか。
    2週間にも及ぶ穴窯焚き、薪の多少の余分考えて1500束、45万円。
    2週間の窯焚き、毎度メンテナンスが必要だろうから、それが少なくとも10万円くらいはかかるとと想像。
    バイト3人×15(準備1日見た)×1万円(交代するとはいえ24時間2週間拘束) で45万円
    以上だけで100万円!!
    そこに喜美子の作陶の対価、月20万円(安い!)×4か月 で80万円
    土代、工房の維持費として20万円
    総計200万円!!!

    え、ええ~~~!!!!!!
    少なく見ても1回の窯入れで200万円からの売り上げが無いとかわはら工房が回らない。
    借金の返済分が注文の作品か、でないと250万円は見込みたいところだ。

    では、穴窯にどれほどの数の作品を入れるのか、それが幾らくらいで売れるのか。
    4か月に1回の窯入れ。
    1回あたり2週間の窯焼き。
    すると、作陶にさけるのは、多く見ても3ヶ月、90日ほどで作れる作品の量となる。
    窯入れまでに乾かないものは次の窯に入れればよいとしてその繰り返しなのだから、1日2作仕上げて180作。
    土を掘りに行かなければならないし、土をこねる時間も取られる。
    注文を受けての商品もあるだろうからそのくらいがMAX、盛っても200が限度か。
    窯のサイズと充分に灰を被れるアキを考えると、詰め込める作品数もそんなところの様な気がする(根拠なし、全くの当てずっぽ)。
    そして肝心なのが、その内のどれほどが作品になるのか、だ。
    作品以前のモノ、作品にしてはいけないモノ、そうすると、せいぜい半分、良くて100作くらいではないか。

    ん~、穴窯使う陶芸家、とんでもなく高価な作品ができないと、厳しいですね~。

  6. ぱぽりん より:

    本日の大問題

    <11時に寝とったら、11PM、見られへん!!>

    さて、朝ドラ+に限らず、八郎の解釈が自分のものとは随分と違うことを改めて感じた今週でした。

    まず、八郎は喜美子に嫉妬をしていない。
    そういう気持ちが0とは言いませんが、負の気持ちを抱えて悶々としたりはしていない。
    なにより八郎は、喜美子に陶芸の才を感じ取り、それを育て、花開かせようと腐心した。
    八郎が喜美子に言った 「作品制作はお前に任せた」、
    八郎は、<川原八郎のかわはら工房>を、<喜美子のかわはら工房>になるよう考えていた。
    だからこそ喜美子に作品を作れといい、金賞を取れといい、喜美子の夢であり武器となりうる自然釉、そのための穴窯造りを提案した。

    しかし、穴窯での制作に2度失敗、そして3度目に反対することとなる。
    とはいえ八郎は、金輪際穴窯をやるな、ではなく、今はダメだ、と言っている。
    ここで多くの方の考えとして、無条件に萬平を支えた福子、茂を支えた布美枝たちと比較して、八郎を<小さい>と捉えているように思う。
    しかし、八郎と彼らには決定的に違う状況がある。
    誤解を恐れず解り易く言うと、萬平は福子を、茂は布美枝を<支配している>が、八郎は喜美子を支配していない、支配できないのではなく支配することを避けてきた。
    福子は喫茶店で働いたりして満平を支えたわけですが、萬平から独立した人格として立ち振る舞ってはいない。
    もし福子がもっと<福子>として生きていたのなら、萬平のラーメン開発の時間においてその関係は全く別のものになっていたのではないか、布美枝も同様。
    対して八郎は、喜美子と共に生きながら、喜美子を自分とは独立した人格となるよう仕向けている。
    八郎は喜美子の夫であり、仕事のパートナーであり、そして<指導者>であった。
    師匠ではなく、<指導者>。
    上下の関係、支配の関係ではなく、ただただ喜美子に知識を伝え、技術を成長させること。
    人間としては同等である関係、ドラマではそれをずっと表現していた。
    サルバドール・ダリとガラの関係のように、喜美子に好きにやらせながら実は喜美子を支配する、というイヤラシイ世界もあるわけですが、それは八郎の見たい世界とは違うもの。
    ここが三津との出会いの意味となるのか、作品制作に行き詰まったものと思われた八郎は、そうではなく、三津の話しによって、八郎が目指す方向、見たい世界が違うものであることに気付かされている。
    その上で、<陶芸作家:川原喜美子 をプロデュース>することに力を入れようとした。

    また、もし八郎が喜美子を支配しようと考えるなら、あくまで穴窯での作品制作に反対するなら、ことは簡単、穴窯を壊してしまえばいいだけの話し(ただし、これまでの二人の関係性もすべて破壊される)。
    あの時点での、穴窯制作に拘る喜美子に強く反対しながらもそうした行動をとらずにかわはら工房を離れたのは、喜美子の心を潰さず、その行動に目を受け入れる、そして最悪の事態に備えての避難場所の確保であったと考える。
    実際、「次は絶対に成功する!」と言い切った喜美子だが、次どころか4回目、5回目、6回目も失敗している(勿論、喜美子は喜美子で、ただただ意固地になって続けているわけではなく研究を重ねているのではあったが)。

    だから、喜美子が自然釉を出すことに成功した作品を眺めていた八郎は、自分の無力を感じたのではなく、自分の予想以上のスピードで想像以上の成長を遂げた喜美子にひたすら感激しそれを表す言葉が無かっただけなのではないか。
    そしてその後は、喜美子の指導者としての自分の役割の終わりを知り、あらためて自分の目指す世界に進む決心をしたということなのではないか。

    というわけで、超、八郎アゲアゲ! となっています。

    オマケで、これまでの疑問の解消も一つ。
    八郎が作家として活動しているのに、工房には作品を入れる木箱が全く無かった。
    ところが、喜美子が自然釉成功して7年後、工房の棚には木箱が沢山。
    喜美子の陶芸作家としての成功を見せるためだったのですね。
    いやー、露骨な演出だこと。 
    (^^)

  7. 地方都市住民Y.M. より:

    物語にとって大切なものの一つに、丁寧なディテールがあると思います。それが、登場人物や時代の癖や雰囲気を伝えて、ディフォルメされたシーンに積み重ねた時間や空気感を与えるからです。
    その点で、当作品の脚本・演出・演技陣は、とても丁寧にディテールを積み重ねるのが上手だなあと、いつも感激させられています。

    当作品の登場人物は、その時代の平凡な庶民がそうであったように、大事な言葉、本当に伝えたい言葉は、過剰な装飾を加える事なく、その言葉だけを3回重ねます。日常的なたわいもない会話と切り替わって、これから大切な事を話すと相手にしっかり伝える為です。そういうシーンが幾度となく繰り返されてきました。
    そういったシーンの積み重ねと、松下氏の優しい台詞の積み重ねがあって、書いた文字をナレーターに読ませる演出が、ぐっと心を掴みました。
    今日の武志の口から語られる手紙の文句などとも合わさって、私達視聴者の心に八郎の想いが迫ってきます。
    それを表情のみで受け止める戸田氏の演技が、また素晴らしいと思いました。

  8. つい しょうこ より:

    昭和54年当時の国立・公立大学受験は、既に共通一次がありましたっけ?
    武志君、まずは合格おめでとうございます。
    沈んだ顔を作って朗報を持ってくる君にやられました。それ、お父ちゃんのアドバイスではないですよね?
    言っとくけど君、入学したら先生・学生を問わず、いきなりみんなの注目を浴びるからね、用心しよう。

    喜美ちゃんは、「大事なものを失った」ことは早い段階で自覚していたと思います。
    ただ陶芸家として成功して、自分の周囲には後援会長さんみたいな見知らぬ空気感を持つ人が増えた。
    息子の成長過程で、父性ではなく父親そのものが不可欠だったことも知らされた。八さんに「陶芸家やない、ずっと男と女やった」と言われて失望したけれど、それでも彼以上に自分を理解してくれる人はいない。その「代わる者がない喪失感」を自覚しているのだと思います。

    ものづくりの技術開発の歴史については疎いんですけど、「ファインセラミックス」という素材が注目されるのはこの後ですよね?今の八さんにはそっちの分野にまい進して欲しい、そう思いました。決して陶芸ではなく、です。

    最後に、目下の私の願いは・・・「また佐久間さんに会いたい、お願い、会わせて!」(笑)
    来週もよろしくお願いいたします。

  9. 文月 より:

    喜美子の「大切なものを失った。」の答えは、おそらく八郎であり、発見は会っていなくとも、手紙の最期のひと言「会いたい」「いつか会おう」で、別れていた月日を超越できるということだったように思います。
    おそらく、久しぶりの手紙が、離婚届ではなく、「会いたい」のひと言だったならば、違った展開だった。そんな脚本に感じました。
    芸術での道は違っても、八郎と武志のように、手紙一つで心繋がることもあったろうにとおもいます。

    喜美子は土が決め手となる自然釉の陶器、八郎は土にこだわらず釉薬が決め手となる陶磁器をホームグランドとして持つことで、活動範囲が違ってきたのだと思います。喜美子は信楽から離れられない、八郎は、(三津のように)各地を巡りながら、最良の釉薬・釉薬の使い方を探していく。そんなふたりに思います。
    喜美子にとっては、夫婦でいることで八郎を縛り付けているのではと思ったのでしょうか。

  10. 丹善人 より:

    昨日の放送で、高校生になったから当時の気持ちを語ることができるように
    なったとありました。そのことを受けて、今日は父親に会ったことやら
    手紙のやりとりを続けていることを普通に話すことができるように
    なったのでしょう。
    信作の不審な行動からうすうすは気づいてはいても、きちんと向き合っては
    聞くことはできないことで、武志も話しづらいことだったから。

    来週から新しい顔ぶれがいっぱい登場するようで、楽しみでもあります。
    しかしなんで照子と信作が学生服で????

  11. 美喜子 より:

    武志くんサクラサクの発表が八郎さんの夫婦茶碗出して賞取った発表と重なりました。大きくなりましたね〜喜美子とまつさんふたりをハグしてました。なんていい子に育ったんだろう。私も子供の合格発表を思い出しましたよ。夫婦の、親子のあり方はいろいろあるんですね。信作おじさんいい仕事してたし🤗

  12. よるは去った より:

    武志「『おう?』『おう?』で飯屋入って『たぬきそば』や・・・・・・・・。」
    喜美子「『おう?』『おう?』で『たぬきそば』・・・・・?」

    やはり、こういうところにもついて回る生き物らしいですな(“⌒∇⌒”)

  13. Merry Potter より:

    いつも更新を楽しみにさせて頂いてます。
    ところで「喜美子は八郎の様子に違和感を感じながら」の部分「武志の様子に違和感を感じながら」ではありませんか?