2020年9月22日(火)第15週「先生のうた」
あらすじ
『露営の歌』がヒットした翌年。吟と吟の夫の智彦が、裕一にある頼み事をするために古山家にやってきました。智彦が勤務する陸軍馬政課で映画『暁に祈る』を製作することになり、その映画の主題歌の作曲を裕一に依頼することが目的です。
裕一は条件付きで智彦からの依頼を引き受けることにしました。その条件とは、作詞に鉄男、歌手に久志を指定することでした。裕一の出した条件を智彦は受け入れ、早速、鉄男の作詞が始まりました。
一方の音は自宅で音楽教室を始めました。生徒の一人で、母親の言われるままに来ている弘哉は歌が下手なことが悩みでした。そして音楽教室をやめると言い出す弘哉に裕一はハーモニカを教えました。ハーモニカの音色に感激した弘哉は音楽に興味を持ち始めました。
そんな中、鉄男が映画『露営の歌』の主題歌の歌詞を書き上げました。鉄男は書き上げた歌詞を携え裕一とともに陸軍を訪問。しかし智彦の上司は鉄男の歌詞を却下しました。軟弱であることが却下の理由でした。
予習レビュー
今回のドラマの中では昭和13年(1938年)ですが、リアル裕一くんが『暁に祈る』を作曲したのは昭和15年(1940年)。
そして『暁に祈る』を主題歌とした同名映画が劇場公開されたのはその翌年の昭和16年(1941年)5月。
日米開戦の7ヶ月ほど前のことです。
『暁に祈る』のリアルの依頼主もドラマの中と同様に陸軍馬政課。
映画製作の目的は「愛馬思想の普及」。
主題歌の『暁に祈る』は『露営の歌』に次ぐヒットを記録したものの、映画そのものは興行的に失敗に終わったのだとか。
ちなみに軍歌とか愛国歌と呼ばれるこれら楽曲は、当時は「戦時歌謡」と呼ばれリアル裕一くんもまた「戦時歌謡」と呼んでいたとの由。
戦時歌謡の依頼主はほとんどが新聞社か映画会社。
『暁に祈る』のような軍からの依頼はほとんどなかったとのことです。
コメントへの返信 by 朝蔵
周りを巻き込むだけ巻き込んでしまった罪悪感(魁光さん)
大将と木枯くんが、早くから裕一くんの危機を察して忠告する場面があるらしいのですが、その忠告に対して裕一くんがどのような反応を見せるのか。
その反応次第では、戦後の裕一くんの後悔はますます深いものになるかもしれません。
武田「軟弱ですな・・・・・・・。」(よるは去ったさん)
『とと姉ちゃん』の花山伊佐次くらい強い言葉でないと武田氏を納得させることは難しそうですね。
ちょっとでも「軟弱だ」と睨まれれば検閲に引っ掛かり不許可(たいとうみほさん)
故・黒澤明氏が戦時中に検閲官に睨まれた体験を著書の中で語っているのですが「軟弱だ」はまだマシな方で精神異常者の言いがかりみたいな検閲も少なくなかったとか。
そして検閲に文句を言われず自分でも納得できる作品を完成させたら、今度は戦後の米軍の検閲により上映中止に。
そんな困難な時代がこれから始まるんですね。
幽霊安隆さんの「自分を貫き通す頑固さと相手に合わせる頑固さ」(魁光さん)
幽霊安隆さんが鋭く見抜いた一人の人格の中で矛盾が生じているようなこの性格が、吟ちゃんを苦しめることになりそうですね。
今回の吟ちゃん、痛々しくて見ていられません。
一品とか香のものが美味しいとすごく嬉しい(知らんけどさん)
見事な表現です!徳永えりさんが登場した瞬間のブログ主の気持ちを言語化してくださってありがとうございます。
華ちゃんと音ちゃんのすれ違いもフォーカス(魁光さん)
前回も音楽に興味を示さない華ちゃんの姿がさりげなく描かれていましたが、今回ははっきりとよくわかるように描かれましたね。
華ちゃんのドラマが始まった瞬間を見たような気がしました。
「我は海の子」になると、戦後削られた後半の歌詞(たいとうみほさん)
初めて知りました。調べてみたところ歌詞が7番まであったんですね。そして戦後カットされたのは4番以降。
ちなみに7番はこの数ヶ月の海の状態への暗示みたいな歌詞だなと思いました。
恵さんの謎がますます深まっていく(魁光さん)
恵さんはいつもは口だけでしたが、今回は絵画の才能を発揮し、しかも交渉力まで発揮しました。
実力を見せつけたことで、妄想癖と言い切れなくなりましたね。
コロンブスレコード会社経由で話を持ち込むのが筋(丹善人さん)
言われてみれば確かにそうですね。しかも、智彦さんの紹介があったから音ちゃんは廿日市さんに直談判できたわけですから。
弘哉君にかつての自分の姿を重ね合わせていたのですね(還暦のたつおさん)
裕一くんと弘哉くんの関係。かつての藤堂先生とリトル裕一くんの関係の再現を見るようでした。
裕一くんは作曲の師匠としては残念でしたが、子供たちのポテンシャルを見抜く才能は持っているのかもしれません。
朝ドラで徳永えりさんの顔が観れると、ホッとします(きりあすさん)
ブログ主も徳永えりさんが大好きなので感激しました。『梅ちゃん先生』が忘れられません。
ちなみに徳永えりさんの出番はもう一回くらいあるかなと思います。
「カーネーション」の糸子さんは、この人たちと毎回壮絶なバトル(還暦のたつおさん)
『ごちそうさん』でも、ヒロインのめ以子が、婦人会のおばさんと大根で殴り合うバトルを繰り広げたと記憶しています。
これが志村けんさんの見納めシーンになると思われます(知らんけどさん)
次回に登場されるみたいですね。これが最後になるかと思われます。泣いてしまいそうです。
正式依頼の前の事前打診の為だったのでは?(たいとうみほさん)
それはありますね!おそらく対外的な交渉ごとを一任されたであろう智彦さんは、人気作曲家となった裕一くんとの交渉を確実に進めるために吟ちゃんを通して事前打診。
本人の快諾の言質をとった上で、話を進める。智彦さんの性格から考えてもそこまで用意周到にプロジェクトを進めることは十分に考えられます。
露営の歌に関しては、リアルエピソードとは少し違う作りが見られます(文月さん)
史実とはかなり異なる描写ですが、予算とスケジュールの制約がある中での史実に近い描写は難しかったのかもしれませんね。
吟ちゃんの本当の地獄は戦後でしょうね(魁光さん)
婿探しに夢中になって、わざわざ豊橋を離れて上京した頃の吟ちゃんが今となっては懐かしいですね。
アジフライを奪い合っていた頃(偽君子さん)
そして、お目当ての相手が音ちゃんにさらわれかかった失意のエピソードすらも、今となっては古き良き時代の一コマです。
軍事歌謡でも、歌詞を別としてもけっこう名曲(丹善人さん)
戦前、戦中の文化の多くが戦後にタブー視される中、歌い継がれてきたと言うことは人の心を揺さぶるものがあったのでしょう。
鉄男君にダメ出しした課長のモデル(柏倉章宏さん:15週)
情報提供ありがとうございます。栗林中将だったんですか!?あの方は!
何か今回の2人の台所のやり取りは今のマスクしたくない人と付けさせたい人のやり取りそっくりです(ゆきこさん)
お久しぶりです!
マスクしたくない人と付けさせたい人のたとえ。みごとです!マスク付けさせたい人の黒幕は智彦さんですね。(笑)
検閲官をやっている下っ端の軍官僚レベル(還暦のたつおさん)
下っ端ほどポジションを得ると急に威張りだしますからね。
ちなみに山本嘉次郎監督のお弟子さんの黒澤明監督の経験。作品の中で描かれていた誕生会の場面が米英的だと言いがかりをつけてきたので、天長節も米英的なのかと反論したのだそうです。(笑)
気の強い女の人には頭が上がりませんね(ゆきこさん)
気の強い女の人と互角に戦える朝ドラヒロインもまた気の強い女性の一人ですね。
同時に仏教そしてキリスト教も寛容に受け入れて(ひるたまさん:56回)
少なくとも神道と仏教は明治以前は一体化してましたからね。
神道だけとっても、複数の異なる信仰(八幡信仰や出雲信仰など)が統合されたものと考えられています。
取手二高の校歌が流れたのですが、何と「作詞:西條八十 作曲:古関裕而」(ひるたまさん:40回)
それはすごい!五郎ちゃんの出身県の高校の校歌も手掛けていたんですね。
感想
吟ちゃんと音ちゃんの対立のフラグ
放送再開前の特番で音ちゃんと吟ちゃんが対立する場面の映像がワンカットだけ入っていましたが、その場面へのフラグが早くも立ちました。
そして、まさかの対立の理由も見えてきました。
ところで、吟ちゃんが智彦さんと結婚したばかりのころ。
吟ちゃんは音ちゃんに、智彦さんは亭主関白だと愚痴をこぼしたことがありましたが、その時の愚痴がすべての始まりなのでしょうか。
前回描かれた、吟ちゃんと智彦さんの古山家訪問。
いつもは何の連絡もせずにいきなりやって来る吟ちゃんが、事前にアポをとってから古山家にやってきたことを音ちゃんは不審がっていました。
事前にアポをとったのは智彦さんにそうしろと言われたのは明らか。
吟ちゃんが音ちゃんに対して「国防婦人会に顔出しとらん」と詰るように言ったその背後では、吟ちゃんが不本意ながら婦人会に参加していることが見え隠れ。
婦人会への参加も智彦さんに言われてのことでしょう。
また、吟ちゃんは婦人会への参加を「今やるべきこと」と表現しました。
この言葉から見えること。それは、普段から智彦さんは口を酸っぱくして吟ちゃんに対して「今やるべきこと」という言葉を繰り返しているのでしょう。
智彦さんにがんじがらめの吟ちゃん。
古山家に貼ってあった音楽教室のポスターを見て「音楽教室って、呑気でいいわよね」と捨てるように言ったのは、自分の望むようにしていられる音ちゃんへの嫉妬でしょうか。
そんな音ちゃんへの感情が今週のどこかで爆発するのでしょう。
さて、吟ちゃんと音ちゃんの対立の理由は見えてきました。
しかし、先の展開がまったく見えてこないのは吟ちゃんと智彦さんの関係です。
夫に対して安易に口ごたえができない時代。しかも、相手は口ごたえを許さない性格で、且つ口ごたえを許さない職業です。
吟ちゃんと智彦さんの関係が、これからの困難な時代の中でどこに向かって行くのか。
今週の本題であるはずの、裕一くんと大将の映画の主題歌の仕事よりも気になってしまったブログ主でした。
喫茶バンブーで、団子やさんの御主人が、カステラ食べてるのも、細かいながら微笑ましかったです。
これから、重たいシーンが増えると思うので、小ネタで笑えるシーンがあると救われます。
これは、検閲という訳ではないですが、山本嘉次郎監督(黒澤明監督の師匠)と円谷英二特技監督が、海軍の依頼を受けて「ハワイマレー沖海戦」を撮った時、海軍が機密を縦に、赤城、加賀などの空母の資料を提供してくれなかったので、空母のセットが組めなくて、仕方なく海外の雑誌に載った米海軍の写真を参考にしてセットを作ったのですが、軍関係者が出席した試写会で、このセットを見たある海軍高官の宮様が、「わが帝国海軍がいつから敵国の空母を使っておるのか!こんなフィルム焼き捨てしまえ!」と激怒したそうです。さすがの山本監督もあきれ果てて「てめえらが、資料出さねえからだろ。もう勝手にしろ。」と思ったそうですが、この件に関しては、明らかに海軍側に非があったので、関係者が宮様を説得して、なんとか公開できたそうです。偉いひとですらこの有様なのだから検閲官をやっている下っ端の軍官僚レベルだとどんなにひどい状態だったか想像するだに恐ろしいです。
朝蔵さんお久しぶりです(*^_^*)エールの放送が再開して良かったですね(◍˃ ᵕ ˂◍)満州に行かされるのかと思っていたのですがまさかの映画の作曲依頼ですか…吟ちゃんと音ちゃん結婚前からそれなりに喧嘩しまくってますよね?大丈夫?そこそこの所でどっちかが目を瞑って引いとかないと何かあった時に絶対揉めますよね…姉妹だから余計に火がつきやすいんですよね(´・ω・`)何か今回の2人の台所のやり取りは今のマスクしたくない人と付けさせたい人のやり取りそっくりです…ちなみに私も本音だと付けたくないのですが…付けざるを得ないですね(笑)
ここのコメントで「おうまのおやこ」も郡場のことを歌うのが目的で
作られたと言うことを初めて知りました。さすがに小学校1年生向きには
こういう形でないと受け入れられないようですが。
しかし、軍事歌謡でも、歌詞を別としてもけっこう名曲が多いです。
こうなると、アジフライを奪い合っていた頃が懐かしくなってきますねぇ。
智彦さんが古山家にやって来たのは、正式依頼の前の事前打診の為だったのでは?と思いました。というのは、もし陸軍などという権威中の権威がレコード会社に依頼するとすれば、応対するのは廿日市さんじゃなくもっとお偉いさんになります。交渉の場で必ずしも現場の意向が汲まれるとは限らず、コロンブスが社内力学を考えて他のベテラン作曲家に回すかもしれないし、裕一君が「他の仕事もあるから」と断るかもしれない。しかし担当部署としては映画のPRの為に、有名作曲家による主題歌は欠かせない。智彦さんに個人的な打診を指示したのは直属上司かもしれません。そして本人の内諾を受けたという事で改めて、軍の幹部がコロンブスの幹部へ、という流れになると、格別問題はないかとは思います。
『浜辺の歌』を合唱していましたね
リストにあった小山田先生作曲の『ペチカ』ではなかったのは音さんが小山田先生に良い印象を持っていないからか、それとも春に歌うのには適していないということでしょうか?
小山田先生、今週は国家総動員法可決で設立された情報局への協力快諾するシーンがありますね
おそらく、これが志村けんさんの見納めシーンになると思われます
愛国婦人会、「カーネーション」の糸子さんは、この人たちと毎回壮絶なバトルを展開していましたこの手の自粛警察が実体化して公的なお墨付きまでもらった団体と、表現の自由を大事にしたり、独立独歩で生きようとする人たちとは、到底相いれないので、音ちゃんはこの厄介で醜悪な存在とどう付き合って
いくのでしょうか?気になります。
オープニングのキャストの名前に「徳永えり」さんの名前を見つけて、嬉しかったです。
ひろやくんのお母さん役で、一瞬しか出演されてませんでしたが、
朝ドラで徳永えりさんの顔が観れると、ホッとします。
よく考えれば、吟の旦那さん、廿日市さんの親戚なんですよね。
だったらコロンブスレコード会社経由で話を持ち込むのが筋と
言う物だと思うんですがね。
廿日市さんは一言も吟の旦那さんのことを口にしないし、本来なら
裕一とも縁戚になっているはずなのに、触れないのは、いろいろ
嫌なことでもあったのでしょうかね、廿日市さんの性格ならありそう。
ハーモニカを与えられた少年。この先重要人物になるんだろうか。
それと、友だちの仲の良い女の子も気になりますね。
しかし、あのハーモニカ、三郎さんが亡くなる直前ハーモニカを聞きたいと
言って、持ってこなかったので、急遽、音が買ってきた奴ですよね。
こんなところでエピソード回収しましたか。
恵さんの謎がますます深まっていく…(笑)
朝ドラ史上で裏設定が一番多いキャラクターじゃないでしょうか?
文学に造詣あり、イラストの才能あり、フランス渡航歴、網走の男、幽霊の男、旅芸人一座、デンキチさん…。
「愛馬思想普及」の為に作られた歌。実はそれと知らずに令和の今でも、殆どの幼稚園や学校で歌われてるんじゃないかと思います。「お馬の親子は仲良しこよし」!それと確たる裏がまだ取れなかったので「昔聴いた伝聞」である、としておきますが。「海は広いな大きいな」も、特に3番が海外進出を連想させる為のものだったとか。「我は海の子」になると、戦後削られた後半の歌詞が完全に軍国仕様です。
そして華ちゃんと音ちゃんのすれ違いもフォーカスされましたね…。
どうやら華ちゃんは音楽には興味なし。
予告でアナウンスされている戦後編の「やりたいことが見つからない」のフラグになるようですね。
華ちゃんの戦後は高校球児との恋と自分探しがメインとなりそうです。
定食屋などで一品とか香のものが美味しいとすごく嬉しいしまた来たいと思う
東京制作朝ドラでは徳永えりさん、大阪制作朝ドラでは宮嶋麻依さんがそのような存在
後々の音ちゃんと吟ちゃんのすれ違いの火種ができましたね…。
我が道を行く音ちゃんと軍人の妻として世論に合わせようとする吟ちゃんのギクシャク感が伝わります。
幽霊安隆さんの「自分を貫き通す頑固さと相手に合わせる頑固さ」が後々激しくぶつかり合っていくんでしょうね…。
そして子どものいない吟ちゃんが華ちゃんを羨ましそうで複雑な表情を浮かべていたのも過去の千鶴子さんが音ちゃんに抱いた感情を思い起こさせます。
本当は子どもも欲しいし、化粧もしたいし、音楽教室のような気晴らしもしたいはず。
吟ちゃんの気苦労の多い結婚生活で「強欲上等」の立場が揺らいでしまったようです。
軍の意向による映画製作、というと「わろてんか」を思い出します。ちょっとでも「軟弱だ」と睨まれれば検閲に引っ掛かり不許可。映画に限らず落語でも芝居でも、むしろ娯楽ビジネスの世界の中にいる人が、軍に忖度したような姿勢だった向きも少なくなかったようです。そして「わろてんか」では伊能さんが、心血を注いで作り上げた映画会社を、石もて負われていく。今回裕一君が依頼された映画作品、多分伊能さんの所に話が来たら即座に断った案件なんだろうなと、2つのドラマがオーバーラップしました。
武田「軟弱ですな・・・・・・・。」
後々に「湯の町エレジー」とか作詞する人に「軍歌」は厳しかったかな・・・・・・・?
裕一は福島三羽ガラスで仕事をしたいと思う一心で鉄男くんと久志を誘いましたが、結果として2人も道連れにしてしまいたね…。
戦後、間違った道を誘ったことも後悔するんでしょうね…。
予告の「僕は音楽が憎い…」は恩師に音楽の才能を見出されながらその音楽で恩師を戦争に送りこんで殺してしまった後悔。
周りを巻き込むだけ巻き込んでしまった罪悪感に苛まれることになるんでしょうね。