NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『エール』
2020年10月26日 〜 10月30日放送
あらすじ
廃人同様となった久志との再会
昭和23年(1948年)。『長崎の鐘』の大ヒット以来、作曲の仕事が次々に舞い込み多忙を極める裕一が鉄男と話し込んでいると藤丸がやってきました。
藤丸に誘われ足を運んだ小さな家の汚れた部屋には、昼間から酒をあおり汚れた服を着て変わり果てた姿になった久志がいました。
久志の実家の土地は農地改革で奪われ父も亡くし、久志は酒と博打に溺れていました。そんな久志と藤丸は闇市で再会。それ以降、久志は藤丸のもとで厄介になっていたのです。
『栄冠は君に輝く』の作曲依頼
裕一に新しい作曲の依頼が舞い込みました。全国高等学校野球選手権大会の新しい大会歌『栄冠は君に輝く』の作曲依頼でした。
裕一は『栄冠は君に輝く』を久志に歌わせて久志を立ち直らせようとするものの、裕一のはからいを単なる同情と誤解した久志は裕一の申し出を拒否。
その翌朝。藤丸が血相を変えて裕一のもとに駆けつけてきました。前の晩に吐血した久志が、朝になると姿をくらましてしまったというのです。
福島で聞かされた久志の苦悩
久志の父親の一周忌が近い。藤丸からそのことを聞かされた裕一は福島の久志の実家へ向かいました。そして一人で線香をあげている久志の姿をそこに見つけました。
久志は苦悩を裕一に打ち明けました。自分が戦時歌謡を歌っていたことを理由に、久志の父親が戦後になってから周囲から冷たい目で見られていたことを苦にしていたのです。
裕一は久志に返す言葉を見つけることができませんでした。そして裕一は、終始無言のまま久志を連れて東京に戻りました。
久志は歌手に復帰するものの・・・
裕一は自分を絶望から救い出してくれた池田を久志に合わせました。久志が歌手に復帰するよう池田に説得してもらおうと考えたのです。
ほどなくして池田が作詞、裕一が作曲した『夜更けの街』で久志は歌手として復帰。しかし、久志が歌手を引き受けたのは博打の借金返済が目的でした。
借金をすべて清算できた久志は再び酒に溺れる日々に戻ってしまいました。しかし、久志を立ち直らせたい一心の裕一はあきらめませんでした。
久志が『栄冠は君に輝く』を歌う
裕一は再び『栄冠は君に輝く』を歌ってほしいと久志を説得。希望に満ちた歌など歌えないと断る久志を、裕一は甲子園に連れて行きました。そして裕一は言いました。
作詞した多田良介は怪我で甲子園を諦める絶望を経験したからこの詞が書けたのだ。絶望を知っている久志だからこそこの歌を歌えるのだと。
裕一の言葉に心を動かされた久志はマウンドに立ちました。そして久志は、マウンド上で『栄冠は君に輝く』を歌い始めるのでした。
予習レビュー
プリンスが廃人同様になった理由
たくさんの方が予想した通りの展開となりました。あのプリンスが廃人同様です。
プリンスが救われるきっかけをつくったのは藤丸ちゃんでした。一回限りの登場で終わるだろうと思われていた藤丸ちゃんがその後も出番が続いた理由が明らかになりました。
窮地のプリンスが救われるきっかけのための存在だったみたいです。藤丸ちゃんは。
プリンスはすでにお父上を亡くしていました。戦時中までちょくちょく福島に帰っていたという親孝行のプリンスにはお父上の死はこたえるはずです。
それに加えてお父上は戦後になって周囲の人から悪く思われていました。
息子が福島に戻って来て、戦意高揚の歌を歌いながら若者たちを戦地に送り込んだことを、地元の人たちから責められていたようです。
父親の死だけでも苦しい。さらに父親を苦しめてしまった。戦時中の自分の活動が、父親の寿命を縮めてしまったのではないか。
その苦しみから逃れるためにプリンスは酒に溺れ博打に手を出し、廃人同様になっていたということです。
一つだけ残念なこと
前週でようやく立ち直ることができた裕一くんが、今度はプリンスが立ち直るのに力を貸す番です。
裕一くんはプリンスのもとに度々足を運ぶそうです。
でも、裕一くんの言葉をプリンスは聞こうとしません。
そんな中でついにあの名曲の名前が出て来ます。今週のサブタイトルにもなっている『栄冠は君に輝く』です。
この曲がきっかけとなってプリンスが立ち直るまでの一週間。
心を激しく揺さぶられそうな一週間になる予感でいっぱいですが、一つだけ残念なことが。
途中の放送中断がなければ今週は夏の甲子園大会がもっとも盛り上がっているタイミングです。
『栄冠は君に輝く』を高校球児たちが熱唱するそのタイミングでの『栄冠は君に輝く』誕生秘話の放送。
それがなくなってしまったことがかえすがえすも残念です。
確かに、コロナ禍で大変な年になってしまった2020年ですが、「みんなでエール」出演者たちが主題歌「星影のエール」を歌う企画は素敵です!こんな年だからこそ「エール」気落ちしている皆様を励ましてくれました。
日曜日の昼間のNHKといえば、『のど自慢』。
今月から(完全に毎週という訳にはいかない様子ですが)『のど自慢』が再開。今日も昼下がりにまったりと見ていたら…『高原列車は行く』『栄冠は君に輝く』古関作品が2曲歌われていました。
(現在『エール』放送中と相まって、古関作品が予選を通りやすいのか否かは???ですが^^;)
改めて、古関メロディは現代に生きる我々にとってもすっかり馴染んでいるのね~と再認識した次第です。
のど自慢で『栄冠は…』が歌われたのを聴いたのは個人的に初めてでした。歌われた出場者は82歳の男性の方でしたが、いで立ちにも歌声にも張りがあって言われなければ80代と思えない位若々しい方でした。そしてその方は見事に合格!!(^^)
チャンピオンに選ばれたのは別の出場者でしたが、個人的にはこの曲を歌われた方に心を掴まれました。
今週の放送分で久志が歌う筈でしょうが、「久志、負けるなよ!」と感じたのは私だけでは無い…筈(^^;)。(またもや別番組の話になりましたが、朝ドラ繋がりという事でご容赦下さいませ…^^;)
20週で驚きのキャスティングがまた発表されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7274fb90993027009cc82c8324bbccfaeb7678cd
元巨人軍で栃木ゴールデンブレーブス監督の寺内崇幸さんが「栄冠は君に輝く」の作詞家加賀大介氏役で登場することになりました。
プロ野球ファンの私にとっては、まさに青天の霹靂のようなキャスティングに驚くと同時に制作陣の最大級のリスペクトを感じます。
ニュースに掲載されていた写真もかなり様になっていたのでこれはかなり期待大ですね!
怪我で甲子園出場を断念した作詞家って、あの早稲田の応援団長の親友のことかな?と、言う思いが頭を過りました。もしもそうなら、壮大な伏線回収となりますね。あと、出来上がった歌を聞く傍らには、団長さんがいてほしいです。
「栄冠は君に輝く」は、名曲だと思っています。
今年は、古関裕而イヤーになる予定でしたよね。2度目の東京五輪に甲子園。ドラマ化のタイミングは良かったはずなのに、こんな騒動になるなんて……。
それもこれも皆コロナのせいです。よりに選って、何でエールの年に甲子園が春夏中止?選抜大会の代替大会が甲子園で出来た事は良かったですが、大会関係者の古関裕而先生、山田耕筰先生、そして伊藤久男さんも相当あの世で悔しい思いをされていると思いました。古関裕而先生の母校、福島商業高校を始め、全国各地の高校球児が来年は無事に聖地甲子園を目指し試合が出来ますように。