2021年3月24日(水)第16週「お母ちゃんて呼んでみ」
あらすじ
女優の高城百合子と小暮が天海家に姿を表した夜。千代と一平、そして百合子と小暮は再会を喜び合い、心から楽しいひと時を過ごしました。しかし、深夜に二人きりになった百合子と小暮は、ある不安を口にしていました。
その翌朝、一平が熊田に呼び出されました。そして、百合子と小暮が追われる身であることを聞かされました。一平が百合子と小暮の二人を問い詰めると小暮は白状しました。これから二人でソ連に亡命する計画があることを。
千代と一平は説得を試みました。千代は百合子を。一平は小暮を。ソ連への亡命をとどまるよう説得するものの、百合子も小暮も説得を聞き入れようとはしませんでした。千代と一平の説得は失敗に終わりました。
そんな中、天海家に警察が押しかけてきました。百合子と小暮が天海家にいるという目撃情報が警察に通報されたのです。百合子と小暮は押し入れの中に隠れました。しかし警察は、その押し入れの中に人の気配がすることを察するのでした。
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予習レビュー
いきなり天海家にやって来た百合子さんと小暮くんの素性が判明します。
小暮くんは、百合子さんの巡業について全国をまわっていると近況を語るものの、その話は残念ながら嘘でした。
百合子さんと小暮くんはソ連への亡命を計画していました。
しかし、その計画がバレたようです。
特高から目をつけられた二人は、今では特高に追われる身です。
そして千代ちゃんと一平くんの二人ならば、自分たちをかくまってくれるだろうと考えたようです。
思い起こせば百合子さんが千代ちゃんと会うときは、いつも百合子さんが逃げているところでした。
ファーストコンタクトは百合子さんが大山社長から逃げ回っていたとき。
セカンドコンタクトは百合子さんが活動写真の撮影現場が逃げ出したときです。
百合子さんが逃げる先にはいつも千代ちゃんがいる。
千代ちゃんとの接点となった二つの逃亡は、今回のフラグだったのでしょうか。
コメントへの返信 by 朝蔵
リアル小暮君は亡命の際に非業の最期(よるは去ったさん)
リアルではそのようですね。
それを思うと小暮くんはこのタイミングで捕まってしまった方がいいのではないかとさえ思います。
小暮くんの切り捨てられた患者さんのお話(二代目魁光さん)
当時すでに山本周五郎の小説があれば、小暮くんは赤ひげ先生を目指すという選択肢もあったのに!と思わずにはいられません。
彼の心の闇(還暦のたつおさん)
リアル寛治くんの心の闇はかなり深いんですね。
ドラマでどこまでその心の闇を再現するのか気になってきました。
なぜその悔しさを(二代目魁光さん)
課題に直面すると、社会のせいにする人と自分が何か貢献できないかと考える二種類の人がいますが、残念ながら小暮くんは前者に近いタイプだったようです。
分かり合っていますよね(オペラ座の怪人さん)
分かり合っているこの二人が再会できますように。
<襖>(ぱぽりんさん)
安定の観察眼ですね。
並木浩太氏(たいとうみほさん)
『おしん』によく似たエピソードがありましたね。
寛治くんの心の闇(ずんこさん)
一平くんも十代前半頃は寛治くんみたいな心の闇を抱えながら生きていたのかもしれませんね。
生い立ちが似ているので。
以前になぜソ連を選択(菜の花さん)
正しい情報がなくて幻想を抱いていたんでしょうね。
感想
リアルの百合子さんと小暮くん
アバンタイトルで小暮くんは相変わらずお酒に弱いなと笑っていたら、酔っ払った小暮くんのチャーミングなポンコツ場面は一転。
重く苦しいドラマになってしまいました。
百合子さんと小暮さんが隠れた押し入れの中に人の気配を察知した警察官。
そこまでで今回のドラマは終わり、二人の運命がどうなるのかは次回に持ち越されました。
明日、二人がどうなってしまうのかはここでは伏せておきます。
ただし、リアルの二人は亡命を成し遂げるようです。
しかし・・・
今回のドラマの中で百合子さんが千代ちゃんに言いました。
この国では、私のやりたいお芝居はもうできない、と。
リアルの百合子さんも同様の気持ちから亡命したようですが、亡命した国はもっと自由がない国だったという皮肉。
そんなリアルの展開を考えとき、百合子さんと小暮さんはこのタイミングで捕まってしまった方が長期的には幸福なのではないかと思ってしまうブログ主でした。
現代と異なり情報を手に入れる手段が限られていたとはいえ、百合子さんと小暮くん、大局を見誤ったなと思わざるを得ません。
おちょやん|感想あらすじネタバレトップページ
旧ソ連に何故 行こうとしたのか それ以前になぜソ連を選択してしまったのか ロシアになった今でも 生きづらい国なのに。。。 本当にかなしいですね。
今日も短いながら、寛治くんの心の闇が垣間見えました。
あの二人を信じるのか、と。
昨日の大人はみんな嘘つき発言と併せて、寛治くんが誰にも心を開かない、開けない少年であることが描かれたと思います。
物心ついた頃からお母ちゃんはいない、座長であるお父ちゃんも恐らく劇団のことが一番で寛治くんのことはあまり構ってくれなかったのでしょう。
お父ちゃんの都合に振り回される幼い寛治くん。
そんな寛治くんの心の闇を理解できるのは、同じく座長の息子としてお父ちゃんに振り回されてきた一平くんと形は違えど散々お父ちゃんに振り回され続けた千代ちゃんしかいませんね。
「ここにいます」とばかりに押し入れの前に立ちはだかった千代ちゃん。
あまりに芝居がかっていましたね。
ミスディレクションなのだろうな、と思いながら見ていました。
ソビエト亡命寸前のタイミングで追っ手に見つかり捕縛。これだと「おしん」並木浩太氏ですね。終戦までは地獄を見たけれども、結果的にはそれが戦後の幸せをもたらしたのは明白。ただし、女性の方は(一応お加代様も「人形の家」や左翼には憧れていたので、東京でおしんに再会せず浩太さんが一緒に逃げようと言ったら行動を共にしたでしょう)袂を分かつことで別の形の悲しい最期を遂げましたが。
天海家の謎、
<襖>
天海家、ボロ家の割には源氏襖があったり意外とハイソ(表現が古いね~)な部分が見えるのですが、それにしても不思議なのが1階茶の間の襖、いまさらですが。
桟が透けて見えるのだから両面に障子紙が張られているようで、でもその上に破けた襖紙が残っている。
元々が障子紙の上に襖紙を張ったような形の作りになっているわけですが、それはありえない。
破けた襖紙の部分に障子紙を張ったとするなら、破れ具合、紙の反り具合が違う。
最初、太鼓張の襖と思い込んでいたのですが、それだと塗りの縁が廻っていることはないだろうし、普通の襖に手を入れたとするならば引手の部分に引手板がなければ力子も無いのが変。
太鼓張の障子に手を入れた場合には、やはり塗の縁があり得ないし、引手が違う。
ま、そんなわけで、謎なのです。
天海家のボロさを表現するために美術さん達が創作したものとおもわれますが、もしあのような襖が実際に使われていたとしたら、自分にとっては実に驚きです。
もしご存知の方がおられたら、教えてくださいませ。
千代
>私は喜劇役者です。
>お客さんが喜んでくれれば、
>それでいいんです。
って、千代ちゃん、
自分がやりたいことで成功して、
うんうん、良かったね。
グッときて、私、涙ぐみました。
(>___<。)
百合子
>あなたとは分かり合えないわね。
って言いながら、
百合子さんと千代ちゃん、
分かり合っていますよね。
ヾ(・◇・)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ(・∀・)ノ
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
小暮くんよ…。なぜその悔しさを理想の新しい病院作りに生かさなかったのか?
ソ連に逃げるのではなく、何故真っ正面からぶつからなかったのか?
徳洲会の徳田虎雄氏は弟が治療を受けられず、亡くなったことで悔しさから医者を志した経緯があります。
家業を継ぐために実家に戻った時にそうするチャンスは当然あったはず。
猛烈に悔しさを覚えるくらいならそれくらいのポテンシャルがあったはず。とても残念ですね。
後年、喜劇俳優として大成したリアル寛治君ですが、桁外れの遊興がもとで、巨額の借金を抱え、挙句に一時松竹から追放されます。リアル寛治君からブレーンとして招聘された作家の小林信彦氏は、リアル寛治君に近ずくと、なにかトラブルに巻き込まれる事を恐れてこの話を断っています。彼の心の闇はかなり長い間解消される事はなかったようです。ドラマではこの件をどう処理するのでしょうか?
やはり岡田嘉子さんでしたか。寛治君の意見はあの時代の人間としては妥当なのでしょうが、やはり人間的にある種の冷酷さを感じます。百合子さんと千代、二人が異なる道を歩み始めました。結局二人は相互に影響しあいつつ同じ道を歩むことはありませんでした。
戦時下になり、自分のやりたいことが否定され押さえつけられる。
何よりも自由な高城さんには耐えられないでしょう。
媚びない、妥協しない、群れないの高城さん。
千代の芝居観とすれ違うのは当然です。
しかし自由な高城さん。自分の好きに芝居を突き詰めるようにと千代を認めるのはらしいですね(笑)
小暮くんの切り捨てられた患者さんのお話。
こうして共産主義的な思想が出来ていった訳ですね…。
お互いの利害が一致してのソ連行き。
やることは突飛ですが、日本で出来なければ他のところで叶えたらいい。
極めて合理的な決断でしょう。
百合子「北へ向かうわ・・・・・・・・・・・。」
高城百合子さんのモデルはやはり、岡田嘉子さんだったようですね。
史実ではリアル小暮君は亡命の際に非業の最期を遂げているそうですが・・・・・・・・。